ワイヤー矯正

歯科矯正治療を受ける際の歯科医院を選ぶポイントとは?注意点や矯正の種類など徹底解説!

歯科矯正 選ぶポイント

歯科医院は数あれど、どの歯科医院を選べばいいのだろうと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。 本記事では歯科矯正治療を行う際に、歯科医院を選ぶポイントについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯科矯正治療とは
  • 矯正治療の種類や費用
  • 歯科医院を選ぶポイント
  • 歯科矯正治療を始める前には

歯科矯正治療を選ぶポイントについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそも歯科矯正治療とは

そもそも歯科矯正治療とは

歯科矯正治療とは、歯の位置や噛み合わせを調整し、美しい歯並びと正しい咬合を実現する治療方法です。以下で詳しく解説していきます。

歯科矯正治療の目的

歯科矯正治療の目的は、美しい歯並びだけでなく、正しい咬み合わせを実現することです。適切な咬み合わせは、食事の咀嚼機能や全身の健康に重要な役割を果たします。また、80歳までに20本以上の歯を残すことを目指す「8020運動」では、咬み合わせの適正さが豊かな生活を支える要素としても強調されています。
歯科矯正治療は、歯並びの改善だけでなく、咬み合わせの問題を解決することが目的です。適切な咬み合わせを実現することで、食物を効果的に噛み砕き、消化や栄養吸収を促進します。また、顎関節の問題や頭痛、歯ぎしりなどの不快な症状も軽減されます。
歯科矯正治療は、美しい歯並びだけでなく、口腔と全身の健康を向上させるために重要です。適切な咬み合わせは、一生涯の健康と快適な生活に貢献する要素となります。

歯科矯正治療の流れ

まず、問診・カウンセリングで症状や希望を確認します。初診時には口の状態の検査やレントゲン撮影を受けます。その後、検査結果をもとに口の状況をわかりやすく説明し、治療計画を提案します。治療内容は毎回説明され、痛みがある場合には適切な処置をします。治療期間や費用についても事前に連絡を取り合います。
さらに、治療時には毎回の内容を説明し、写真や図、イラストを使ってわかりやすく説明します。疑問や不安があれば気軽に尋ねられます。治療時の痛みには適切な処置を受けます。また、メンテナンスや定期検診では歯科衛生士によるクリーニングやアドバイスを受け、口の状態に合わせたメニューが提供されます。このように、歯科矯正治療ではカウンセリングや説明、メインテナンスが重要な要素となります。

歯科矯正治療の種類や費用

歯科矯正治療の種類や費用

歯科矯正治療には、どのような種類があるでしょうか。費用の面と合わせて以下で解説していきます。

歯科矯正治療の種類

歯科矯正治療には、ワイヤー矯正、裏側(舌側)矯正、マウスピース矯正の3つの主な種類があります。ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを取り付け、ワイヤーを通して歯を移動させる方法です。適応範囲が広く、取り外し不要ですが、目立ちやすく痛みや口内の傷つける可能性があります。裏側矯正は、歯の裏側にブラケットを取り付けて舌側から歯を移動させます。見た目が目立ちにくいが、費用が高く適応範囲が限られ、口内の傷つけや痛みがあります。マウスピース矯正は、透明のマウスピースを使用して歯を移動させる方法です。目立ちにくく、取り外しや歯磨きがしやすいですが、適応範囲に限りがあり、装着時間や自己管理が重要です。

歯科矯正治療にかかる費用

表側矯正は一般的で、金属や透明なブラケットを使い、ワイヤーを通して歯を移動させます。費用は70万円〜100万円程度で比較的安価です。裏側矯正はブラケットを歯の裏側に取り付けるため、見た目に配慮した方法ですが、技術と費用が要求され、100万円〜150万円ほどかかります。マウスピース矯正は透明なマウスピースを装着し、歯を徐々に移動させます。個別の治療に対応し、取り外しが可能な利点がありますが、自己管理が重要で、費用は30万円〜120万円程度です。各矯正治療の費用やメリット・デメリットを考慮し、相談や情報収集をすることが大切です。

歯科矯正治療を受ける際の歯科医院を選ぶポイント

歯科矯正治療を受ける際の歯科医院を選ぶポイント

歯科医院はどのように選べばよいでしょうか。歯科医院を選ぶためのポイントを解説していきます。

矯正歯科学会の認定医以上の歯科医師が在籍している

歯科矯正治療を受ける際、歯医者(歯科医院)の選び方は重要です。矯正治療の失敗やトラブルを避けるためには、矯正の認定医以上の専門家が在籍しており、設備も整っているかを確認することが大切です。認定医は学会の基準を満たした矯正の専門家であり、知識と技術が保証されています。
矯正治療は時間も費用もかかる長期プロセスです。そのため、安心して治療を受けるためにも、歯医者(歯科医院)の選択は慎重にしましょう。

診断に必要なセファログラム撮影が可能である

正確な診断と治療計画を立てるためには、セファログラム撮影ができる歯科医院を選ぶことが重要です。このセファログラムは矯正治療において欠かせない機器であり、顎の位置関係や歯の問題を詳細に把握できます。例えば、出っ歯の原因が上顎の突出なのか下顎の小ささなのかを正確に診断するために必要です。一般歯科ではパノラマレントゲンが主流ですが、セファログラム撮影ができる矯正専門の歯科医院を選ぶことで、より高品質な治療を受けられます。また、さらに詳細な検査や診断を行うために、CTスキャンが可能な歯科医院を選ぶこともおすすめです。CTによる3次元的な撮影はより正確な情報を提供し、治療の安心感を与えてくれます。

複数の歯科矯正治療法を扱っている

矯正治療を受ける際には、複数の歯科矯正治療法を扱っている歯科医院を選ぶことが大切です。
なぜなら、歯並びやかみ合わせの問題は個人によって異なるため、ひとつの矯正装置だけでは対応できない場合があるからです。歯のねじれがある場合や抜歯が必要なケースなど、それぞれの状態に適した治療法が存在します。逆に、マウスピース型矯正歯科装置だけを勧める歯科医や専門の歯科医院は、他の矯正装置に関する知識や技術が不足している可能性があります。 個々の患者の要望や矯正装置の利点、欠点、特徴を考慮し、最適な治療法を提案してくれる歯科医院を選ぶことが重要です。また、治療の途中で予期しない問題が生じた場合に、他の矯正装置を使用して対応できることも大切です。
一つの治療法だけでなく、複数の矯正装置を扱っている歯科医院を選ぶことで、より多様な選択肢が得られ、患者さんのニーズに合った最適な治療が可能となります。

歯科矯正治療に関するメリット・デメリット両方の説明がある

歯科矯正を考える際には、治療に使用される各種装置のメリットとデメリットを事前に説明してくれる歯科医院を選ぶことが重要です。
矯正装置には治療期間や費用、違和感の感じ方などが異なり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
例えば、他人に矯正治療を気づかれたくない場合には、舌側矯正やマウスピース型矯正装置が適しています。
しかし、舌側矯正は最も高額な費用がかかる上、裏側に装置がつくため滑舌が悪くなりやすく、歯磨きがしにくいことから虫歯や歯周病のリスクが高まるというデメリットがあります。また、マウスピース型矯正装置※は着用時間を守る必要があり、意思の強さとコミットメントが求められます。
それぞれの矯正装置にはメリットだけでなく、デメリットもあることを理解し、納得した上で治療を進めることが重要です。
メリットとデメリットの両方を説明してくれる歯科医院を選ぶことで、自身の希望や制約を考慮しつつ、適切な治療方法を選択できます。

歯科矯正治療における具体的な費用や期間の説明がある

歯科矯正治療を検討する際には、具体的な治療費用と治療期間を明確に説明してくれる歯医者を選ぶことが重要です。矯正治療では装置の費用以外にも追加費用が発生する場合が多いです。
例えば、治療中は月に1回ほどの通院が必要であり、その都度調整料や再診料が発生します。また、月に一度の調整料は医院によって異なり、5000円や8000円など様々な設定があります。
医院ごとに料金設定が異なるため、具体的な費用を事前に確認することが重要です。さらに、それに合わせて治療期間も確認しましょう。日本矯正歯科学会の認定医であれば、お口の状態を見ることでおおよその治療内容や期間を教えてくれます。また、装置の故障による交換や補助器具の使用などで追加費用がかかる場合もあります。

歯科矯正治療中のトラブルへの対応が柔軟である

矯正治療中は、装置の一部が外れ、慣れるまでトラブルが起こることがあります。そのような場合、迅速に対応してくれる歯科医師または歯科衛生士がいる歯科医院を選ぶことは安心感に繋がります。
常勤の担当医がいる場合は特に良いですが、矯正に関する知識を持った歯科衛生士やスタッフが在籍しているかも確認しましょう。
矯正治療中のトラブルには様々なものがあります。例えば、装置のワイヤーが緩んだり、ブラケットが外れることがあります。このような状況では、迅速かつ適切な処置が必要です。対応が遅れると治療の進行が妨げられるだけでなく、快適な矯正生活を送ることも難しくなります。
歯科医院を選ぶ際には、その医院が矯正トラブルに対して柔軟に対応してくれるかを確認することが重要です。矯正治療に携わるスタッフが経験豊富で、トラブル時に即座に対応できる体制を整えているかをチェックしましょう。

歯科医院が通いやすい場所にある

矯正治療では、通院が月に1回の頻度で必要となり、治療の完了までには通常2〜3年という長期の期間がかかります。そのため、通いやすい場所にある歯科医院を選ぶことで、通院の負担を軽減できます。自宅や職場から近い場所にある歯科医院なら、通院のための時間や交通費の負担を減らせます。
また、予約の取りやすさや診療時間も重要な要素です。数か月先まで予約が取れないような状況では、治療の進行がスムーズに進まない可能性があります。そのため、予約の取りやすさを確認することは重要です。さらに、平日だけでなく土日や祝日も診療している歯科医院や、夜遅くまで診療している歯科医院を選ぶことで、自分のライフスタイルに合わせた通院が可能となります。
通いやすい歯科医院を選ぶことは、矯正治療の成功にも影響を与えます。通院の負担が少なく、予約や診療時間が自分のスケジュールに合わせられる歯科医院を見つけることで、長期にわたる矯正治療を快適に進められます。自分の生活に合わせた通いやすい歯科医院を選びましょう。

歯科矯正治療を受ける前に知っておきたいこと

歯科矯正治療を受ける前に知っておきたいこと

歯科矯正治療を始める前に身に着けておきたい知識には、どのような事があるでしょうか。
以下で解説していきます。

矯正歯科と一般歯科の違い

矯正歯科と一般歯科はそれぞれ異なる特徴と目的を持っています。
矯正歯科治療は、ワイヤーやマウスピースなどの装置を使用して歯を移動させる治療法です。主な目的は、歯の咬み合わせや機能的な問題などを改善することです。また、口元の審美的な問題にも対応できます。ただし、矯正治療は一般的に長期間にわたる治療が必要です。また、一部の矯正歯科は虫歯や歯周病の治療には対応していないこともあります。
一方、一般歯科は主に虫歯や歯周病などの一般的な歯科治療をしています。矯正治療は一部の一般歯科でもされていますが、矯正を専門的にしていない歯科医院も多く存在します。一般歯科の主な目的は、患者の虫歯や歯周病を治療することです。
矯正歯科と一般歯科の違いは、治療の目的と範囲にあります。矯正歯科は歯の位置を改善して咬み合わせや口元の美しさを向上させることに焦点を当てています。一方、一般歯科は虫歯や歯周病などの歯の健康状態を改善することに重点を置いています。
治療を受ける際には、自身の目的や状況に合わせて矯正歯科か一般歯科かを選ぶ必要があります。矯正治療を希望する場合は、矯正歯科に専門的な知識と経験を持つ歯科医師を探すことが重要です。一般的な歯の健康状態の問題がある場合は、一般歯科での治療を受けることが適切です。

認定医と臨床指導医(旧専門医)の違い

日本矯正歯科学会には「認定医」と「専門医」という認定基準が存在しますが、それぞれには以下のような違いがあります。
認定医は、日本矯正歯科学会が認証した大学病院や矯正医療機関で、5年以上の臨床経験(矯正治療の実施経験)を持ち、学会での発表などの審査に合格した医師です。彼らは学会の厳しい審査を通過した実績を持ち、矯正治療において高い専門知識と技術を持っています。
一方、専門医は多くの治療経験と高い技術を有していると認められた医師です。専門医の認定を受けるには、これまでの矯正治療の実績を提示する必要があります。専門医の方が一般的に経験や技術が豊富であることが多く、より高い信頼性が期待できます。
ただし、認定医でも勉強熱心な医師は多く存在しており、「専門医でなければ信頼できない」というわけではありません。矯正歯科は経験や技術の重要性が大きい分野ですが、認定医でも多くの実績や知識を持っている医師も存在します。
矯正治療を受ける際には、個々の医師の経験や専門知識を確認することが重要です。専門医であるかどうかだけでなく、医師の熱意や信頼性、治療方針に共感できるかどうかも考慮するべきです。患者自身が納得し、信頼できる医師との関係が、成功につながる矯正治療の鍵となるでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで歯科矯正を選ぶポイントについてお伝えしてきました。歯科矯正を選ぶポイントの要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯科矯正治療の目的は美しい歯並びだけでなく、正しい咬み合わせを実現することである。
  • 矯正治療の主な種類にはワイヤー矯正、裏側(舌側)矯正、マウスピース矯正の3種類があり、費用の目安はそれぞれ約70万~100万円、約100万〜150万円、約30万~120万円程度である。
  • 歯科医院を選ぶポイントには認定医がいるか、具体的な説明があるかどうか。
  • 歯科矯正を始める前には矯正歯科と一般歯科の違いや認定医と専門医の違いを確認しておくと良い。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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