ワイヤー矯正

精密検査後に歯列矯正をやめることは可能?途中でやめるデメリットも解説

精密検査後に歯列矯正をやめることは可能?途中でやめるデメリットも解説

歯列矯正の精密検査は歯並びや顎の状態などを確認するため、治療を開始する前に行われます。

精密検査を受けた後、あらためて考え直し、歯列矯正をやめたいと考える方もいるでしょう。

この記事では歯列矯正の精密検査後に歯列矯正をやめられるのか、途中でやめるデメリットについて解説します。

歯列矯正の治療をこのまま継続してもよいか悩んでいる方は、この記事を判断の参考にしてみてください。

歯列矯正の治療方法や費用相場

施術後の人

歯列矯正の治療方法を教えてください。
治療方法は、主に3つあります。
  • ワイヤー矯正
  • マウスピース型矯正
  • 裏側矯正(舌側矯正)

まずワイヤー矯正とはブラケットと呼ばれる小さな金具を歯に装着し、そこにワイヤーを通して歯を少しずつ動かす広く知られた歯列矯正の一般的な方法です。続いてマウスピース型矯正とは、透明で脱着式のマウスピースで歯列を矯正する方法をいいます。そして裏側矯正(舌側矯正)は矯正具を歯の内側に取り付ける方法です。歯科医師は患者さんの歯の状態を確認し、複数ある治療方法からよりよい方法を提案します。

それぞれの治療方法のメリット・デメリットを教えてください。
治療方法によって、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ワイヤー矯正のメリットは、幅広い症例に対応可能な点です。抜歯が必要な症例から非抜歯矯正まで、幅広い症例に対応しています。またマウスピース型矯正よりも、費用が抑えられる点もメリットといえるでしょう。一方でデメリットは、矯正器具が目立つ点です。
マウスピース型矯正のメリットは目立ちにくく、着脱可能で食事の邪魔をしない点が挙げられます。口内の痛みや不快感が少ない点もメリットといえるでしょう。また月に1回程度の通院で、生活に負担がかかりにくい点もメリットといえます。ただし、1日20時間以上の装着が必要であり、自己管理が求められる点がデメリットです。
裏側矯正(舌側矯正)のメリットは、ほかの人に目立たずに、通常の表側矯正と同じ治療期間で行える点が挙げられます。装置が歯の表側ではなく裏側(舌側)にあるため、むし歯の心配も少ないでしょう。ただし慣れない間は、発音がしにくく、痛みや違和感を覚える恐れがあります。また、外部装置よりも価格が高めに設定されている点がデメリットといえるでしょう。
歯列矯正の費用相場はどのくらいですか?
歯列矯正は、基本的に保険適用外です。歯列全体の一般的な費用相場は、以下のとおりです。
  • ワイヤー矯正:600,000円~1,000,000円(税込)
  • マウスピース型矯正:1,000,000円~1,500,000円(税込)
  • 裏側矯正(舌側矯正):800,000円~1,000,000円(税込)

なお治療費用は治療期間や使用する矯正器具によって、異なります。実際の費用は、かかりつけの歯科医師にご相談ください。

歯列矯正にかかる期間はどのくらいですか?
歯列矯正にかかる期間は、大人の歯列矯正の場合は1年半から3年程必要になるケースが一般的です。ただし歯科医師から指示された装着時間を守らなかったり、定められた周期での診療の受診を怠ったりすると、治療期間が長くなる場合があります。

精密検査後に歯列矯正をやめることは可能?

カウンセリング中

歯列矯正を行う前に精密検査を行いますか?
歯列矯正を行う前に、精密検査を実施することが一般的です。精密検査を実施すると、患者さんの歯並びや顎の骨構造などを詳しく確認できます。歯科医師は精密検査をもとに、精密な治療計画を立てます。歯科医師から提示された治療計画に患者さんが承諾すると、本格的に治療がスタートする流れです。 歯列矯正治療を成功させるためには、事前の精密検査が極めて重要であり、検査の省略はできません。
検査項目を教えてください。
主な検査項目は、次のとおりです。
  • レントゲン
  • セファロレントゲン
  • 口腔内や顔貌の写真
  • 歯の型
  • 筋機能検査
  • 顎のプロポーション検査
  • 顎関節・咬合機能検査
  • 口腔内の詳細な検査

厳密な検証を行った後、得られた情報から診断を下し、治療を行います。腕の確かな矯正歯科医院を選びたいと考えている方は、希望する歯科医院の精密検査の検査項目はどのようなものがあるのかを確認することをおすすめします。

検査に疑問点があったら歯科医師に質問してもよいですか?
歯列矯正の検査に疑問点があれば、歯科医師に質問しても大丈夫です。歯科矯正は治療期間も費用もかかるため、納得のうえで進めることが大切です。歯科医師は専門性の高い知識と経験があり、患者さんの疑問や不安を解消しようと気を配っています。さらに些細なことでも丁寧に答えてくれる歯科医師であれば、治療中もコミュニケーションが取りやすいと考えられるでしょう。些細なことでも疑問点を質問することで、治療内容や治療計画について理解でき、よりよい治療を受けられます。
精密検査後に歯列矯正をやめることは可能ですか?
一般的に精密検査後に患者さんが同意して歯列矯正が始まるため、精密検査後に納得できないことがあれば歯列矯正をやめられます。歯科医師も、患者さんの意思を尊重し、無理に治療を行うことはないでしょう。ただし精密検査料やそれまでにかかった診断料は、治療を中止しても発生します。また今回歯列矯正をしないことで、歯並びや噛み合わせが悪化する恐れがあるでしょう。まずは、精密検査の結果や歯科医師に相談することをおすすめします。不安や疑問がある場合は、しっかり歯科医師に相談して納得がいくまで話し合ってみてください。また経済的な負担を感じる場合は、分割払いやデンタルローンが利用できないかを尋ねてみることも一つです。歯科医師と話し合いの時間をしっかり持った後で、やめるかどうか判断するとよいでしょう。

歯列矯正を途中でやめるデメリット

施術後の女性

歯列矯正を途中でやめた場合のデメリットを教えてください。
途中で治療をやめると、次のようなデメリットが生じる恐れがあります。
  • 歯並びの悪化
  • 口腔内トラブルの発生
  • 治療費の無駄遣い

歯列矯正がある程度進んだ状態で途中でやめると、歯が以前の位置に戻るリスクが高く、治療前の状況に再び戻る恐れがあります。また歯と歯の間に不自然な隙間ができて、むし歯や歯周病の原因になるリスクが考えられるでしょう。さらに歯列矯正で支払った高額な治療費が、無駄になってしまいます。やめるか悩んでいる人は、やめたい理由とデメリットを比較して検討することをおすすめします。

一度やめても再開は可能ですか?
一度歯列矯正をやめても再開することは、可能です。ただし違う歯科医院で歯列矯正をスタートする場合は、もう一度矯正費用の全額がかかります。また、以前治療を受けていた歯科医院にお願いする場合、歯科医院によって対応はさまざまです。まずは、治療を再開したいと連絡をしてみるとよいでしょう。さらにやめた期間が長い程、歯は元の位置に戻ろうという力が働きます。治療期間も、もう一度振り出しに戻るものです。歯科医師とコミュニケーションを取り、再度治療計画を立てて行きましょう。

編集部まとめ

カウンセリング資料
今回は、精密検査後に歯列矯正をやめることが可能なのかについて紹介しました。

精密検査の後、歯科医師が治療方針について説明してくれます。

その方針に納得できない場合や治療を中止したい場合は、歯列治療を行わないという選択も可能です。

ただし精密検査後に治療を中止すると、検査料が無駄になり、歯並びが悪化するリスクが高まることがあります。

歯列矯正を続けるかやめるかは、歯科医師との相談を経て慎重に決断することがおすすめです。

やめたい理由を伝えると、歯科医師から別の解決案やアドバイスがもらえることもあります。

口腔内の健康と将来をじっくり考えたうえで、慎重に決断することが望ましいです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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