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歯列矯正後に隙間があいてくる原因とは?後戻りとの違いや対処法を解説!

歯列矯正後に隙間があいてくる原因とは?後戻りとの違いや対処法を解説!

歯列矯正後に隙間が空いてきたことで不安になっている方はいませんか?
せっかく歯列矯正を終えた歯並びは、きれいに保ちたいですよね。
本記事では歯列矯正後に隙間が空いてくる原因について以下の点を中心に解説していきます。

  • 歯列矯正後に隙間があいてくる原因
  • 隙間と後戻りの見分け方
  • 隙間があいてきた場合の対処法

歯列矯正後に隙間について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

歯列矯正後に歯の隙間があいてくるって本当?

歯列矯正後に歯の隙間があいてくるって本当?

歯列矯正治療で美しい歯並びを手に入れた後、前歯の隙間が空いてくることがあります。 これは、矯正後の歯は動きやすく、何もしなければ後戻りを起こす可能性があるためです。
特に、歯列矯正直後の歯は新しい位置に安定していないため、リテーナー(保定装置)を適切に使用しないと、歯が元の位置に戻ろうとする力が働いてしまい、すきっ歯になることがあります。
また、見た目を重視して歯並びを整えた場合、噛み合わせの安定が不十分だと、後戻りが起こりやすくなることもあります。歯列矯正後の隙間を防ぐためには、歯科医師の指示に従い、リテーナーを決められた期間しっかり装着することが大切です。
歯列矯正治療の効果を長く維持するためにも、適切な保定と定期的な歯科検診を忘れずに行いましょう。

歯列矯正後に歯の隙間があいてくる原因

歯列矯正後に歯の隙間があいてくる原因

歯列矯正後に歯の隙間があいてくる原因をご紹介します。

保定装置(リテーナー)の装着不足

歯列矯正治療後に前歯の隙間が空いてくる原因の一つに、リテーナー(保定装置)の装着不足が挙げられます。矯正装置を外した後の歯はまだ安定しておらず、何もしなければ徐々に元の位置へ戻ろうとする力が働きます。そのため、リテーナーを適切に装着しないと、歯が動いて隙間が生じることがあります。
リテーナーの装着期間は個人差がありますが、平均1〜3年が目安とされ、歯科医師の指示どおりに装着することが重要です。しかし、着脱が簡単なマウスピース型リテーナーを使用している場合、装着時間を守れずに後戻りを起こす患者さんも少なくありません。
歯列矯正後の美しい歯並びを維持するためには、リテーナーを指示された時間しっかり装着し、定期的に歯科医のチェックを受けることが大切です。

噛み合わせが深くなった

歯列矯正治療によって噛み合わせが深くなると、歯が元の位置に戻ろうとする力が働いて、隙間が生じることがあります。 特に前歯に影響が出やすく、上下の前歯が強く接触することで前歯が押し出され、隙間が開くことがあります。
この現象を防ぐためには、矯正後も定期的に歯科医師の診察を受け、リテーナーの調整を適切に行うことが重要です。特に、噛み合わせが深くなった場合は、マウスピース型のリテーナーの効果が期待できます。マウスピース型リテーナーは、前歯の位置を維持しながら噛み合わせの力を分散させる役割を持ち、食いしばりの影響も軽減できるとされています。

抜歯による影響

矯正治療で抜歯を行った場合、歯を移動させてスペースを埋めますが、その過程で新たな隙間が生じることがあります。 特に、抜歯を伴う矯正では、周囲の歯を動かしながらスペースを閉じるため、不均衡が生じやすくなります。
また、抜歯した箇所のスペースが閉じきらなかったり、治療後にわずかな余白ができたりすると、時間の経過とともに歯がわずかに移動し、前歯などに隙間が出現することもあります。

加齢や日常の癖による影響

歯列矯正治療後の歯並びは、加齢や日常の癖によって少しずつ変化し、隙間ができる可能性があります。
例えば、舌で前歯を押す癖(舌癖)や、強い歯ぎしり・食いしばりなどは、歯に継続的な力を加え、歯がわずかに移動してしまう原因となります。歯列矯正後にこれらの癖が残っていると、歯並びが乱れたり、前歯に隙間が生じる可能性があります。意識的に改善しづらいため、専門の矯正歯科や言語療法士に相談することが有効とされています。
また、加齢による歯茎の退縮や下顎の骨の吸収も、歯と歯の間に隙間ができる要因となります。特に、歯茎が下がると隙間が目立ちやすくなり、歯の移動も進みやすくなるとされています。

歯並びが戻ろうとする理由

歯並びが戻ろうとする理由

歯列矯正後に歯並びが戻ろうとする理由について解説します。

器官が歯の位置を覚えている

歯列矯正治療で歯を動かしても、歯と骨をつなぐ歯根膜や周囲の組織が元の位置を記憶しており、歯を戻そうとする力が働きます。 これは、脳や細胞が以前の歯並びを維持しようと指示を出すためともいわれています。
特に、歯列矯正直後は歯の位置が安定していないため、何もしないと後戻りが起こりやすい状態です。これを防ぐために、リテーナー(保定装置)を適切に装着し、新しい歯の位置に組織を適応させることが重要です。
リテーナーを正しく使用しないと、器官が歯を元の位置に引っ張り、矯正前の歯並びに戻ってしまう可能性があります。 せっかく整えた歯並びを維持するためにも、歯科医の指示に従い、リテーナーをしっかり装着しましょう。

歯周組織が不安定である

歯列矯正治療後の歯は、歯を支える歯周組織がまだ安定していないため、元の位置に戻ろうとする力が働きます。 これは、矯正によって移動した歯が固定されるまでに時間がかかるためです。
特に、歯列矯正直後の歯周組織はやわらかく、歯が動きやすい状態です。この期間にリテーナー(保定装置)を適切に装着しないと、歯並びが崩れやすくなり、後戻りが起こる可能性が高まります。

生活習慣による影響

歯列矯正治療後、歯ぎしりや片側噛みの癖があると、一部の歯に過度な負担がかかり、歯が動きやすくなります。 特に、下顎の前歯は上顎の歯よりも小さく、周囲の歯の圧力によってずれやすいため、歯並びが乱れる原因になります。
また、不規則な食生活や睡眠不足は、歯周組織の健康を損ない、歯列矯正後の歯並びに悪影響を与えることがあります。栄養バランスの乱れは歯周病のリスクを高め、歯を支える組織が弱くなることで、歯列矯正後の歯が安定しにくくなります。
これらを防ぐためには、正しい噛み方を意識し、食事のバランスを整え、十分な休息をとることが大切です。歯列矯正後も健康的な生活習慣を心がけ、美しい歯並びを維持しましょう。

隙間と後戻りの見分け方

隙間と後戻りの見分け方

隙間と後戻りの見分け方について解説します。

前歯や奥歯の変化

歯列矯正治療後、前歯や奥歯に歯と歯自体の隙間が生じる場合、それは後戻りやまだ隙間が閉じきっていないのに終了してしまった場合のサインである可能性が高いとされています。 歯列矯正治療では、前歯の位置を調整することが中心ですが、奥歯にも変化が見られる場合は、全体的な噛み合わせが乱れている可能性があります。
しかし、歯と歯自体は隣接しているが下部鼓形空隙(歯の隙間と歯肉に囲まれた三角形の部分)に隙間がある場合は、単なる後戻りではなく、歯周病や骨吸収の影響も考えられます。
日本人が歯を失う原因の第一位は歯周病であり、歯周組織が弱ると歯が動きやすくなり、噛み合わせの変化が生じることがあります。
これらの変化を放置すると、歯列矯正で整えた歯並びが崩れてしまうため、異変を感じたら速やかに歯科医師の診察を受けることが重要です。歯列矯正後の歯並びを長く維持するために、定期的な歯科検診と適切なケアを継続しましょう。

生活習慣や癖による影響

歯列矯正後に歯と歯の間に隙間ができた場合、後戻りではなく、日常の癖や生活習慣が原因の可能性があります。例えば、片側で噛む癖や歯ぎしりをしていると、歯が摩耗し、歯の間に隙間が生じることがあります。
また、筆記用具を噛む、頬杖をつくなどの無意識の癖も、歯に不自然な力を加え、歯の位置をずらしてしまうことがあります。これらの癖を続けると、歯列矯正治療で整えた歯並びに影響を与え、隙間や歯列の乱れを引き起こす可能性があります。
隙間が特定の歯に限られている場合は、生活習慣の影響を疑い、早めに改善することが大切です。気になる変化があれば、歯科医師に相談し、適切な対策を講じましょう。

歯列矯正終了後にできた隙間

歯列矯正治療が完了した後に新たに隙間ができた場合、それは後戻りの可能性が高いです。歯列矯正によって歯が移動した後、歯とその周囲の組織が元の位置に戻ろうとする力が働くため、装置を外した後に徐々に隙間が生じることがあります。
また、歯列矯正治療の過程で歯が移動することで、予期せぬ隙間ができることもあります。 特に前歯や奥歯に変化が見られる場合は、噛み合わせの乱れが関係していることが多く、放置するとさらに歯並びが崩れる可能性があります。
歯列矯正後に隙間が気になり始めたら、早めに歯科医師に相談することが大切です。 リテーナーを適切に使用し、定期的なチェックを受けることで、後戻りを防ぎ、美しい歯並びを維持しましょう。

歯列矯正後に歯の隙間があいてきた場合の対処法

歯列矯正後に歯の隙間があいてきた場合の対処法

歯列矯正後に歯の隙間があいてきた場合はどうしたらよいのでしょうか。
対処法について解説します。

再矯正を受ける

歯列矯正後に歯並びが後戻りしてしまった場合、再矯正を検討するのが有効とされています。再矯正の場合は以前の矯正よりも短期間で済むことが多い傾向にあり、費用も抑えられる可能性があります。特に部分的な矯正で対応できるケースも多いため、まずは担当医に相談しましょう。
また、治療計画の不備や保定の不足が原因で後戻りした場合は、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。同じ医院に任せると、同じ問題が繰り返されるリスクもあります。さらに、口呼吸や歯ぎしりなどの悪癖が後戻りの原因なら、それらを改善してから再治療を受けるのが望ましいでしょう。
理想の歯並びを取り戻すためにも、適切な方法で再矯正を進めていきましょう。

保定装置(リテーナー)を適切に着用する

歯列矯正後の歯並びを維持するために、リテーナーの適切な使用は欠かせません。リテーナー自体には歯を動かす力はなく、正しく装着することで現状を維持する役割を果たします。使用時間が不十分だと歯が後戻りしてしまうため、歯科医師の指示どおりに装着しましょう。
もしリテーナーの装着不足によって歯に隙間ができた場合でも、再びしっかりと使用することで後戻りを防げることがあります。特に、前歯のすきっ歯程度なら、床タイプのリテーナーのワイヤー調整によって改善できることもあります。
長期的に歯並びを安定させるには、リテーナーを毎日正しく使用し、定期的に歯科医師のチェックを受けることが大切です。

歯列矯正後に歯の隙間が気になる場合は歯科医院へ相談しよう

歯列矯正後に歯の隙間が気になる場合は歯科医院へ相談しよう

歯列矯正治療が終わった後、時間が経ってから歯に隙間ができることがあります。こうした場合は、まず矯正を担当した歯科医院に相談しましょう。治療の経緯を把握しているため、原因を特定し、適切な対応をしてもらえる可能性があります。
別のクリニックに行けばよいのでは?と考えるかもしれませんが、歯列矯正治療は長期間にわたるものです。転院すると治療履歴がわからず、スムーズな再治療が難しくなることもあります。
また、歯科医院によっては後戻りの再治療を低価格で提供していることもあるため、まずは担当医に相談し、自身に合った対応策を見つけましょう。

まとめ

まとめ

ここまで歯列矯正後に隙間があいてくる原因や対処法についてお伝えしてきました。
要件をまとめると以下のとおりです。

  • 歯列矯正後に隙間があいてくる原因は保定装置の装着不足、噛み合わせが深くなった、抜歯、加齢や日常の癖などが挙げられる
  • 歯列矯正後に歯の隙間があいてきた場合は再矯正を受けたり、保定装置を適切に使用するなどの方法がある
  • 歯列矯正後に歯の隙間が気になる場合は歯列矯正を担当した歯科医師に相談したり、場合によってはセカンドオピニオンを求める方法もある

歯列矯正後にきれいな歯並びを継続するためにも、これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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