歯列矯正後にしゃくれることはある？矯正治療後の顔の変化や後悔しないために知っておきたいポイント

出っ歯や上下顎前突の治療において、上の歯を後ろに引っ込める際に、顎のバランスが一時的に変わることがあります。
例えば、上顎前突の治療において、小臼歯を抜歯して歯を後ろに動かす場合や、顎の骨を手術で動かす場合があります。その際、上顎を奥に引きすぎると、相対的に下顎が前に出てしまうことがあります。
このため、治療後に口元が以前よりもしゃくれて見えることがありますが、実際には下顎の位置が変わったわけではなく、上顎の位置が変わった結果として、相対的に下顎が目立つようになっただけです。

【口元が下がりすぎたことによる見た目の変化】
矯正治療では、出っ歯（上顎前突）の治療の一環として、上の歯を後ろに移動させるために、必要なスペースを確保するために抜歯が行われることがあります。
歯を後ろに移動させることで、口元が引っ込む場合がありますが、予想以上に歯が動きすぎると口元が過剰に引っ込んでしまい、見た目にしゃくれた印象を与えることがあります。
これには、歯並びが改善されたものの、口元の位置が不自然に変化してしまうことが関わっています。

【顎のバランスの崩れ】
歯並びが複雑である場合、矯正治療には抜歯や外科的な手術が必要となることがあります。これらの治療が行われると、顎のバランスが崩れることがあり、結果として口元がしゃくれて見えることがあります。
また、噛み合わせが悪くなることも多く、顎の不調や痛みを感じることがあります。その際、再度矯正治療を行って調整することが可能とされ、治療後にバランスが整えば、口元の印象が改善することがあります。

よくあるケースとして、抜歯矯正が必要な症例であるにも関わらず、無理に非抜歯矯正で治療を進めた場合があります。
歯並びがデコボコしている叢生（そうせい）の場合、歯が並ぶスペースが不足している傾向があるため、歯の移動やスペース確保の方法として抜歯されることがあります。

抜歯によって歯を後方に移動させる方法や、歯を薄く削ることでスペースを作りますが、無理に非抜歯で治療を行う場合、歯を前に出す形でスペースを確保することがあります。この方法が過度に行われると、結果的に歯が前方に突き出て出っ歯のように見えることがあります。

【歯科医師の技術的な問題】
治療開始前に患者さんと十分にコミュニケーションを取らず、治療計画が不十分だったり、途中で治療方針が異なった場合、噛み合わせに問題が生じることがあります。
このような問題を防ぐためには、治療前にカウンセリングを重ね、担当医としっかりと擦り合わせをすることが重要です。
また、治療中も定期的に進捗を確認し、細かな異変があれば早期に伝えることが必要です。

【矯正中の一時的な変化】
歯列矯正では、治療中に歯を動かす過程で一時的に噛み合わせが悪化することがあります。特に歯が動く途中では、噛み合わせが不安定になることがありますが、これは治療過程の一部として一時的な変化です。
しかし、治療が終わりに近づいても噛み合わせが不安定な場合は、すぐに担当医に相談し、調整を受けることが大切です。

【後戻りの影響】
矯正治療後、マウスピースや保定装置を使って歯の位置を維持することが重要です。これを怠ると、歯が再び動き始め、噛み合わせが悪くなることがあります。
後戻りが起こりやすいので、治療後も指示どおりにマウスピースを装着し、正しいケアを続けることが重要です。

しかし、矯正治療によって過度に口元を引っ込めすぎると、年齢を重ねている方の場合、老けた印象を与えてしまう可能性があります。

軽度の出っ歯で抜歯が不要だった場合も、顔のバランスには問題がないのに抜歯矯正を行った結果、口元が引っ込んでしまうことがあります。

歯科矯正で人中が長く見える主な理由は、歯列矯正により歯が前に出すぎた場合です。
下顎前突（しゃくれ）や、前歯の大きな移動を伴う矯正治療で、歯が前方にしっかり動いてしまうと、上唇や人中（鼻の下）が引っ張られ、顔が長く見えることがあります。
このような場合、歯の位置調整によって人中が伸びたように見え、顔が縦に長くなる印象を与えることがあります。

また、矯正治療中に食生活の変化や噛み合わせの問題により、咀嚼回数が減少し、表情筋が衰えることもあります。

よって、口元や顎の輪郭が変化し、頬骨が目立つようになったり、ほうれい線が深くなることで、顔全体が面長に見えることもあります。

抜歯矯正を行う場合、口元が引っ込むことが多いとされていますが、元々口元に問題がない方が抜歯を選ぶと、予期せぬ口元の引っ込み過ぎや、老人のような印象を与えてしまうことがあります。

1.治療を行った歯科医院で相談
まずは、矯正治療を受けた歯科医院での相談が大切です。
担当した歯科医師は患者さんの治療歴を熟知しており、どのような経過を経て現在の状態になったのかを把握しています。そのため、再治療が可能かどうかの判断ができる可能性が高まります。
また、治療過程での信頼関係が築かれている場合、安心感にもつながります。
気になる点や不安なことをしっかりと伝え、再治療の選択肢を考えてもらいましょう。

2.セカンドオピニオンを活用
もし、再治療についての疑問が残る場合、ほかの歯科医院でセカンドオピニオンを受けるのもよいでしょう。
セカンドオピニオンは、別の歯科医師の意見を聞くことができ、治療方法や方針に対する異なる視点を得ることができます。
最初の治療に不安がある場合や、現在の治療方針に疑問を感じる場合は、ほかの歯科医師に相談することでよりよい選択ができるでしょう。
セカンドオピニオンを希望する際には、最初に治療を受けた歯科医師にその旨を伝えることがおすすめです。