インビザライン

インビザラインをつけているとしゃべりにくい?原因と対処法を解説

インビザラインをつけているとしゃべりにくい?原因と対処法を解説

薄くて透明な樹脂製のマウスピースを使用するインビザラインは、装置が目立ちにくいだけでなく、装着時の違和感や異物感もワイヤー矯正より少ないのが特徴です。

しかし、発音や滑舌という観点では、少なからず影響があります。この記事では、インビザラインのマウスピースをつけているとしゃべりにくくなる原因や対処法について解説します。インビザラインに伴う発音障害が不安な方や今現在、滑舌への影響に悩まされている方は参考にしてみてください。

インビザラインと滑舌の関係

インビザラインによる発音や滑舌への影響について解説します。

インビザラインをつけるとしゃべりにくくなる原因を教えてください
インビザラインでは、以下のような原因からしゃべりにくさを感じてしまいます。

◎舌がマウスピースと接触する

インビザラインで発音や滑舌に支障をきたす主な原因は、舌とマウスピースとの接触です。言葉を発するときには、舌が複雑に運動するのですが、その際、マウスピースに接触すると発音や滑舌が悪くなることがあります。インビザラインのマウスピースの分だけ舌の運動範囲が狭まることから、発音や滑舌が悪くなるのです。

◎マウスピースの厚みで口が閉じにくくなる

インビザラインのマウスピースは、厚みが0.5mm程度しかありませんが、上下で約1.0mmとなるため、何もつけていない状態よりは口を閉じにくくなります。マウスピースという異物が口のなかに入っていることで、無意識的に開口状態が保たれる場合もあります。いずれにしても発音や滑舌には悪い影響がおよびかねません。

◎マウスピースを正しく装着できていない

インビザラインのマウスピースは、定位置までしっかりとはめ込む必要があります。浮き上がりがある状態で装着していると、舌の移動範囲がさらに狭まることから、発音や滑舌も悪くなりがちです。

◎マウスピースが変形している

物理的な刺激や熱刺激によってマウスピースが変形すると、歯列にぴったり適合させることができなくなります。痛みや異物感、違和感が強くなることから、発音や滑舌にも悪影響がおよびます。

特に発音しにくくなる音はありますか?
インビザラインのマウスピースでは、サ行・タ行・ナ行・ラ行が発音しにくくなりやすいです。サ行は破擦音に分類される音で、タ行・ナ行・ラ行は破裂音に分類される音ですが、いずれも舌の先とマウスピースとの接触が強くなることで障害されやすい音といえます。
慣れるまでの期間を教えてください
インビザラインを始めたばかりの人は、マウスピースによる発音障害が2〜3週間程度は続きます。マウスピースを2〜3枚交換する頃には、異物感や違和感にも慣れてくることでしょう。こうした感覚には個人差があるため、発音や滑舌への影響が気にならなくなるまで1ヵ月以上かかるケースも珍しくはありません。

インビザラインでのしゃべりにくさを軽減する方法

インビザラインでのしゃべりにくさを軽減する方法 インビザラインのマウスピースでしゃべりにくさ、滑舌の悪さを感じた場合に、それを軽減する方法を解説します。

しゃべりやすくするためにできることはありますか?
以下にあげる方法を実践することで、インビザラインのマウスピースによる発音障害を改善できる場合があります。

◎慣れるまで焦らずに待つ

インビザラインを始めたばかりの方は、焦らずに待つことが大切です。インビザラインによるマウスピースによる発音への影響は、数週間程度で気にならなくなることもあります。

発音障害を直接的に軽減する方法ではありませんが、前提としてこのような意識を持っておくと、不要なストレスを軽くすることができます。

◎マウスピースを正しい方法で装着する

インビザラインのマウスピースを定位置までしっかり装着することで、発音への影響を抑えられます。面倒に感じるかもしれませんが、インビザラインのマウスピースを装着する際には、チューイーと呼ばれる専用のツールを使うようにしましょう。

◎発音トレーニングを行う

マウスピースを装着した状態で発音トレーニングを行うことで、しゃべりにくいと感じている言葉もスムーズに発音できるようになる場合があります。

◎発音や滑舌を確認する

マウスピース装着時の発音や滑舌が気になる方は、家族や友人にしゃべり方を確認してもらいましょう。自分では悪いと思っていた発音が、実はそうでもないこともあります。

ほかの人に聞いてもらいながら発音トレーニングすることで、しゃべりにくさを効率よく改善できます。

チューイーの使用でしゃべりやすくなることはありますか?
チューイーの使用でしゃべりやすくなります。インビザラインのマウスピースを正しく装着できていた場合は効果的です。チューイーを使ってマウスピースを定位置まで装着できれば、インビザラインで発音が悪くなるリスクを低減できます。
発音を改善させるトレーニング方法を教えてください
インビザラインのマウスピースで発音や滑舌が悪くなっている場合は、以下のトレーニング方法で改善を試みましょう。

◎母音だけで発音する

母音だけの発音は、しゃべりにくさを改善するトレーニング方法として効果的です。

例えば、「こんにちは」であれば「おういいあ」と発音する練習をしてみましょう。母音は、発音のベースとなるものなので、しっかりと行えるようになれば、マウスピース装着時の発音や滑舌も改善しやすくなります。普段から頻繁に使う挨拶などをトレーニングすることで不安感も軽減されます。

◎早口言葉を練習する

早口言葉もまた発音・滑舌を改善するうえで有用です。早口言葉を完全に言えるようになる必要はありませんが、発音や滑舌をよくするトレーニングとして取り組んでみてください。

インビザラインを外してしゃべるときの注意点

インビザラインを外してしゃべるときの注意点 インビザラインのマウスピースを外してからしゃべるときの注意点を解説します。

インビザラインを外したとき気をつけることはありますか?
外したマウスピースは、専用のケースに保管してください。ティッシュに包んで机に置いておくと、誤って捨てたり、置き忘れたりする可能性があります。何かの拍子に破損するリスクも伴うため、大切に保管することが大切です。
インビザラインを外しっぱなしにした場合のリスクを教えてください
インビザラインのマウスピースは、1日20〜22時間装着することが前提となっているため、その時間を下回ると、歯が予定どおりに動かなくなるだけでなく、後戻りさえ起こりかねません。このようなリスクを考え、インビザラインは会話のときでも可能な限り装着し続けることがおすすめです。

編集部まとめ

インビザラインをつけているとしゃべりにくい原因や対処法について解説しました。インビザラインのマウスピースは、薄くて表面が滑らかなので、従来法のワイヤー矯正よりしゃべりやすいのが特徴です。

ただし、インビザラインを始めた当初や患者さんのしゃべり方、歯並びの状態によっては、発音や滑舌に支障をきたす場合があります。このようなケースでは、発音や滑舌をよくするトレーニングを行ったり、マウスピースの装着を正しく行ったりすることで改善するよう努めましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正

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