マウスピース型矯正は目立ちにくく、取り外しが可能な点が特徴です。
しかし、装着したまま眠れるのか・違和感で寝つきが悪くならないのかといった疑問や不安を感じる方も少なくありません。
マウスピース装着中の睡眠は、慣れるまでの違和感・口腔内の乾燥など睡眠に対して影響が生じるケースがあります。正しいケアや対策を取ることで、快適に歯列矯正を続けることが可能です。
本記事では、マウスピース型矯正が睡眠に与える影響やメリット・デメリットを詳しく解説します。
また、快適に睡眠がとれるように、睡眠時の違和感を軽減する方法についても紹介します。快適にマウスピース型矯正を行うために、お役に立てると幸いです。
マウスピース型矯正による睡眠への影響
- マウスピース型矯正は睡眠にどのような影響を与えますか?
- マウスピース型矯正は、取り外しが可能な透明な素材を用いた歯列矯正法として広く使用されています。
マウスピース型矯正は、従来のブラケット矯正と比較してお口のなかの不快感が少なく、睡眠に与える影響も少ないです。
しかし、不快感には個人差があり、装着初期には異物感や不快感を伴うことがあります。
これらの症状は、装着に慣れてくると徐々に軽減され、睡眠への影響も軽減されていきます。
マウスピース型矯正は歯ぎしりや食いしばりによる歯の摩耗を防ぐことができ、顎関節への負担が軽減され睡眠の質を向上させることが可能です。
- マウスピース装着中に眠りが浅くなることはありますか?
- マウスピース装着中に眠りが浅くなる可能性についても、個人差があります。
特に使用開始の初期に生じる違和感や異物感は、一時的に睡眠の質に影響を与える可能性があります。
この症状については、数日から数週間で装着に慣れてくると軽減する方も少なくありません。
もし、長期にわたって睡眠が妨げられる場合は担当の歯科医師に相談しましょう。
- 睡眠に影響の少ないマウスピース型矯正はありますか?
- マウスピース型矯正装置は、患者さんの歯列や咬合状態に合わせて個別に設計されています。適切にフィットさせることで、睡眠への影響を抑えることが可能です。
装着中の違和感や不快感を軽減するためには、歯科医師としっかりコミュニケーションを取って適切に調整を行うことが重要です。
マウスピース型矯正のメリット・デメリット
- 睡眠中にマウスピースを装着した場合のメリットを教えてください。
- 睡眠中にマウスピース型矯正を装着することには、いくつかのメリットがあります。
- 歯の摩耗を防止
- 顎関節症のリスクの軽減
- 歯列のズレを抑制
またこのほかにも、就寝時に装着することで、矯正に必要な装着時間をしっかりと確保できるというメリットがあります。
マウスピース型矯正を効果的に行うには、1日20時間以上の装着が推奨されています。日本人の平均睡眠時間は約8時間なので、睡眠時にマウスピースを装着することで、1日の装着時間の約半分を確保することが可能です。
さらに睡眠中は唾液の分泌量が減少するため、口腔内が乾燥しやすくなりますが、装置が歯を覆うことで乾燥から歯を保護することもできます。
- 睡眠中にマウスピースを装着した場合のデメリットを教えてください。
- 睡眠中にマウスピースを装着することには、いくつかのデメリットもあります。
- 初期の違和感や顎の痛み
- 口腔内の乾燥
装着初期には異物感や軽度の痛みを感じることがあり、これが一時的に睡眠の質を低下させるケースがあります。
また、装着時の不適切なフィットや清掃不足により、口腔内の乾燥や細菌が繁殖することが大きなデメリットです。細菌の増殖により、口臭やむし歯のリスクが高まるケースがあります。
これらのリスクを軽減するために、装置の適切な清掃と定期的な歯科医師のチェックが重要です。
- マウスピース型矯正はどのような人に向いていますか?
- マウスピース型矯正は、以下のような方に適しています。
- 歯列矯正が目立つことを避けたい方
- 口腔内の衛生管理を重視する方
- 金属アレルギーがある方
- 金属製のブラケットに抵抗がある方
このほかにも、マウスピース型矯正装置は透明なプラスチック製で目立ちにくいため、外見を気にする方に適しています。
人と接する機会の多いビジネスパーソン・特別なイベントを控える学生・結婚式を控えている方などに特に好まれている治療法です。このように、目立ちにくい矯正方法を求める方にマウスピース型矯正が有効です。
一方で、頻繁に外食や社交活動に参加する方にはマウスピース型矯正は不向きといわれています。飲食のたびにマウスピースを外したり、洗浄したりする必要があるため、治療の妨げになる可能性があります。
マウスピース型矯正装置は透明な樹脂でできており、歯科用プラスチックなため、金属アレルギーのある方でも心置きなく利用することが可能です。
マウスピース型矯正は、ワイヤー型矯正に比べて歯を動かす速度がゆっくりであるため、痛みを感じにくいというのが特徴の一つです。痛みに敏感な方やできるだけ痛みを避けたい方にとって、マウスピース型矯正は適した選択肢になりえます。
しかしながら、重度の不正咬合や複雑な歯列不正の場合、ほかの歯列矯正方法が適していることもあります。そのような場合は、歯科医師との相談が必要です。
睡眠中のマウスピース型矯正による影響への対策法
- マウスピースの影響で睡眠中に口腔内が乾く場合の対策を教えてください。
- マウスピース型矯正装置を装着中に口腔内が乾燥する場合は、次のような対策が有効です。
- 就寝前の十分な水分補給
- 室内の湿度を適切に保つ
- 鼻呼吸への改善を図るためのトレーニング
- 口呼吸防止用のテープ
- 保湿ジェルやスプレー
口腔内の乾燥対策にはまず、就寝前に十分な水分補給を行い、室内の湿度を適切に保つことが重要です。
また、口呼吸が原因で乾燥が生じる場合は、鼻呼吸への改善を図るためのトレーニングや口呼吸防止用のテープを使用することがおすすめです。
さらに、口腔内の保湿を助けるために、保湿ジェルやスプレーの使用も有効とされています。
- 就寝中にマウスピースによる違和感や痛みがある場合はどうしたらよいですか?
- 就寝中のマウスピース型矯正装置の装着によって違和感や痛みを感じる場合の対処方法を紹介します。
- 歯科医院でのマウスピースの調整
- 就寝前の顎関節のマッサージ
- 3日間装着を段階的に延長
まずは歯科医院でマウスピースが適切にフィットしているか確認することが重要です。
マウスピースが適切にフィットしていない場合は、痛みや不快感の原因になります。その際は、担当の歯科医師に相談し、装置の調整を検討することが望ましいです。
また、痛みが続く場合は一時的に装置の装着時間を短縮し、口腔内の状態を観察することも有効です。
- 日中にマウスピースを装着すれば睡眠中は外してもよいですか?
- 日中のみの使用では、歯列矯正効果が十分に得られないケースがあります。
睡眠中にマウスピースを外すことは治療期間の延長の原因になりかねません。睡眠中に痛みが持続する場合には、歯科医師と相談のうえ、一時的に外すことは許可される場合があります。
- マウスピースの影響で睡眠障害が生じた場合の対策を教えてください。
- マウスピース型矯正装置の影響によって睡眠が妨げられる場合には、マウスピースの再調整を行いましょう。
担当の歯科医師に相談し、自分に合ったマウスピースになるように、しっかりコミュニケーションをとって治療するとよいでしょう。
編集部まとめ
マウスピース型矯正装置を装着した初期段階では、睡眠中の違和感や異物感・顎の痛みなどが生じやすいです。しかし、徐々に慣れていくことでそのような症状は緩和されていきます。
もし、違和感や痛みが持続する場合には担当の歯科医師に早めに相談しましょう。マウスピースの再調整を行うことで、これらの症状が緩和されて睡眠の質が向上する可能性があります。
また、違和感や痛みの対策としては、顎関節のマッサージや3日間の装着を徐々に延長するなどの方法が効果的です。
マウスピース型矯正は、見た目が目立ちにくく、金属アレルギーの方でも心置きなく使用できる治療法です。ワイヤー型矯正と比較しても、痛みが少ないというメリットもあります。
マウスピース型矯正は、睡眠中に口腔内の乾燥を生じるケースがあります。細菌の増殖により、口腔内の衛生状態に悪影響を及ぼしかねません。十分な水分補給や口呼吸の改善を図って、快適な睡眠を手にいれましょう。
もし、マウスピース型矯正によって睡眠が妨げられる場合には、歯科医師の診察を早めに受けて自分に合ったマウスピースを手に入れましょう。
参考文献