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部分矯正にはリスクがある?メリットやデメリット、全体矯正との違いを解説

部分矯正にはリスクがある?メリットやデメリット、全体矯正との違いを解説

部分矯正に興味はあるものの「リスクがあると聞いて不安」「全体矯正との違いや費用についても知りたい」といった悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

部分矯正とは、気になる部分の歯だけを動かして歯並びを整える治療法です。全体矯正と比べて治療期間が短く、費用も抑えられるメリットがありますが、いくつかのリスクやデメリットも存在します。

この記事では、部分矯正のメリットとデメリットや全体矯正との違い、治療に伴うリスクなど検討時に知っておきたいポイントを詳しく解説します。

部分矯正の種類やメリット

マウスピースを持った女性

部分矯正の特徴を教えてください。
部分矯正は、気になる1本から数本の歯を対象とした歯列矯正治療です。治療期間や費用、痛みを抑えられるため、手軽に始められる選択肢とされています。
部分矯正の大きな特徴は、顎の位置(顎位)は変えず、必要な歯だけを的確に動かす点にあります。治療対象外の歯や固定源となる歯はできる限り動かさないため、効率よく歯並びを整えることが可能です。特に、前歯の見た目が気になる方や軽度の歯並びの乱れに悩んでいる方にとって、部分矯正は効果的な選択肢といえるでしょう。
部分矯正の種類を教えてください。
部分矯正には、大きく分けてワイヤー矯正とマウスピース型矯正の2種類があります。ワイヤー矯正は、金属製のブラケットとワイヤーを使って歯を動かす、従来からある歯列矯正方法です。近年では透明なブラケットや白いワイヤーなど、目立ちにくい素材も登場しており、見た目の負担を軽減できるようになっています。装着方法には、装置の装着位置は表側と裏側があり、症例や希望に応じて選択されます。
一方で、近年注目を集めているのがマウスピース型矯正です。透明なオーダーメイドのマウスピースを段階的に交換しながら歯を少しずつ動かしていく方法で、装置が目立ちにくく、取り外しも可能な点が特徴です。どちらの方法も部分矯正に対応しており、ライフスタイルや希望に合わせて選べます。
部分矯正のメリットを教えてください。
部分矯正には、大きく3つのメリットがあります。
  • 治療期間が短い
  • 治療費を抑えられる
  • 痛みや不快感が軽減される

部分矯正は、動かす歯が少ないため治療期間が短いのが特徴です。装置を付けるのも一部の歯だけなので、費用も大幅に抑えられます。
痛みや違和感も限られた範囲にとどまり、日常生活への影響も少なくて済みます。「歯列矯正に興味はあるけれど迷っている」という方にとって、部分矯正は一歩を踏み出しやすい治療法といえるでしょう。

部分矯正の適応症例を教えてください。
部分矯正が適しているのは、軽度の歯列不正で噛み合わせに問題がないケースです。特に、見た目の改善が目的で、奥歯できちんと噛めている方に向いています。対象となる代表的な症例は、以下のようなものです。
  • 前歯の軽度な重なり(叢生)
  • 軽度の出っ歯(上顎前突)
  • 前歯のすき間(すきっ歯)
  • 軽く傾いている歯の修正

また過去に歯列矯正を受けた方で、後戻りが生じた部分のみを整えたい場合にも、部分矯正は効果的です。ただし、自身の歯が適応症例かどうかの判断には、専門的な検査や診断が必要です。まずは歯科医院でお口の状態を詳しくチェックしてもらい、部分矯正の適応か診断してもらいましょう。

部分矯正のデメリットやリスク

マウスピースの説明をする男性

部分矯正のデメリットを教えてください。
部分矯正には、以下のようなデメリットがあります。
  • 噛み合わせの治療はできない
  • Eラインやガミースマイルの改善は難しい
  • 治療できる症例に限りがある

部分矯正はあくまで見た目を整えるための選択肢であり、噛み合わせといった機能面に課題がある場合には、全体矯正や外科的治療が必要となります。歯並びが整っていると見た目は美しくなりますが、本当に大切なのは正しい噛み合わせ(正常咬合)です。
噛み合わせが合っていないと、肩こりや首の痛み、頭痛など全身に悪影響が及ぶこともあります。噛み合わせも歯科医師にしっかり診てもらい、自身に合った方法で美しい歯並びを手に入れましょう。

部分矯正にはどのようなリスクが考えられますか?
部分矯正治療には、以下のようなリスクが伴う可能性があります。
  • 噛み合わせが悪化する
  • 後戻りしやすい傾向がある
  • 完成度には限界がある
  • 健康な歯を削る場合がある

部分的な移動によって全体のバランスが崩れ、噛み合わせに影響が出る可能性があります。また、部分矯正は一部の歯並びを整えるのみで根本的な原因を解決していないため、治療後に歯が元の位置に戻りやすいです。
全体矯正と比べるとお口全体の仕上がりには限界があり、スペースが不足している場合、健康な歯を少しだけ削ることもあります。これらのリスクを正しく理解したうえで治療を受けることで、納得のいく結果へとつながるでしょう。

部分矯正で治療できないのはどのようなケースですか?
以下のようなケースでは、部分矯正では十分な治療効果が期待できないため、全体矯正や外科的治療などを推奨される場合があります。
  • 噛み合わせに問題がある場合
  • 広範囲にわたる歯列不正
  • 骨格的な問題が原因の場合
  • 歯周病で歯が不安定な場合

お口の状態に合った治療方法を選ぶことが、美しさだけでなく、機能面でも満足できる結果につながります。不安な点があれば、事前に歯科医師へしっかりと相談しましょう。

部分矯正と全体矯正の違い

医師と歯科衛生士

部分矯正と全体矯正の違いを教えてください
部分矯正と全体矯正の違いは、治療範囲だけでなく目的にも大きな差があります。部分矯正は、見た目が気になる一部の歯のみを対象とする治療で、主な目的は審美的な改善です。例えば、前歯の軽度な重なりや隙間など、限定的な歯並びの乱れを効率よく整えることができます。
一方、全体矯正はすべての歯の位置を調整し、噛み合わせのバランスを整えることが目的です。歯並びの美しさだけでなく、しっかり噛める機能的な咬合の確立を目指す治療法です。そのため、治療のゴールや優先したいポイントを明確にしたうえで、専門医と相談しながら自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
部分矯正と全体矯正ではどのくらい費用が違いますか?
部分矯正と全体矯正では、治療費にも大きな差があります。全体矯正は一般的に700,000〜1,200,000円(税込)程度が相場となり、使用する装置の種類や治療の複雑さ、歯科医院によって幅があります。
一方、部分矯正の費用は全体矯正のおよそ半分で、300,000~600,000円(税込)程度が目安です。治療範囲が限られているため、使用する装置の数や治療期間が短くなり、結果として費用を大幅に抑えることが可能です。
この費用面でのメリットから部分矯正を選ぶ方もいます。ただし、安価だからといって安易に選択するのではなく、自身の治療目標と照らし合わせて適切な選択をするようにしましょう。
部分矯正と全体矯正の治療期間の違いを教えてください。
全体矯正は、通常1年〜3年程度の長期間を要します。一方、部分矯正は数ヶ月〜1年程度で治療が完了するケースが多く、全体矯正と比べて短期間で効果が期待できます。この治療期間の差は仕事や学業、結婚式などのライフイベントに合わせた治療計画を立てる際に重要な判断材料となるでしょう。自分のライフスタイルに合った治療法を選ぶことが、無理なく続けられる歯列矯正治療につながります。

編集部まとめ

男性医師と看護師

今回は、部分矯正のリスクやメリットとデメリット、全体矯正との違いについて解説しました。

部分矯正は費用が抑えられ治療期間も短いといったメリットがある一方で、適応できる症例が限られており、噛み合わせの問題や後戻りのリスクも伴います。

大切なのは、自身の歯並びや噛み合わせが部分矯正に適しているかを歯列矯正専門の歯科医院でしっかり診断してもらうことです。

部分矯正を検討している方は、今回の内容を参考に、まずは信頼できる歯科医院で相談することから始めましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
小田 義仁歯科医師(小田歯科・矯正歯科 院長)

小田 義仁歯科医師(小田歯科・矯正歯科 院長)

岡山大学歯学部 卒業 / 広島大学歯学部歯科矯正学教室 / 歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院 / 所属協会・資格:日本矯正歯科学会 認定医 / 日本顎関節学会 / 日本口蓋裂学会 / 安佐歯科医師会 学校保健部所属 / 広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員 / 岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長 / 岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事 / アカシア歯科医会学術理事

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