未分類

マウスピース型矯正の効果はいつから実感できる?治療の流れや効果が出やすくなる方法も解説

マウスピース型矯正の効果はいつから実感できる?治療の流れや効果が出やすくなる方法も解説

マウスピース型矯正装置による歯列矯正を検討している方のなかには、治療の効果がいつから現れるのかが気になるという方もいるのではないでしょうか。
この記事においては、マウスピース型矯正による治療がどのように行われるのかという具体的な流れや、効果の現れ方、そして効果をより実感しやすくするための方法について紹介します。

マウスピース型矯正の基礎知識

マウスピース型矯正の基礎知識

マウスピース型矯正とは、歯並びを改善させるための歯列矯正を、マウスピースの形をした装置によって行う治療を指します。
歯列矯正にはいくつかの方法がありますが、特によく利用される方法がワイヤーを利用した方法とマウスピースを利用した方法で、なかでもマウスピース型矯正は、透明なマウスピースを使用して行うため、治療中の見た目が気にならないなどのメリットがあり、人気の方法となっています。
まずは、マウスピース型矯正の具体的な効果や仕組み、メリットとデメリットなどを確認しておきましょう。

マウスピース型矯正の効果

マウスピース型矯正は、主に歯を任意の位置に移動させることで、歯並びを整える目的で行われます。
歯は適度な力をかけ続けることによって少しずつ動かせるという特性があり、時間をかけてゆっくりと歯の位置を移動させて、歯並びのお悩みを改善することが可能です。

歯が動く仕組み

マウスピース型矯正で使用されるマウスピースは、一人ひとりの歯型に合わせてオーダーメイドで作られます。
治療の際には現在の歯並びから理想とする歯並びに近づくように複数のマウスピースが作られ、これを1~2週間に一度の頻度で定期的に交換しながら、1日の内20時間ほど装着し続けることで治療を進めます。 一つひとつのマウスピースは現在の歯並びよりも少しだけ理想とする歯並びに近い、ズレが生じる形になっていて、これを装着すると、歯に適度な力が加わる仕組みとなっています。 歯は歯根部分で歯槽骨にくっついていますが、歯根と歯槽骨の間には歯根膜というクッションの役割を果たす組織があり、歯根膜に圧力がかかって薄くなっている方は歯槽骨が分解され、逆に歯根膜が厚くなっている部分は新しく歯槽骨が作られて歯根膜の厚みが一定に保たれるという働きがあります。
この働きを利用して、ズレがあるマウスピースを装着して歯に一定方向への力を加えることで、歯槽骨の分解と作成を促しながら、歯を少しずつ理想とする位置に移動させていきます。

マウスピース型矯正のメリット

マウスピース型矯正のメリットには、下記のようなものがあります。

  • 治療中の見た目が自然
  • 食事中などに取り外せるので清潔に保ちやすい
  • スポーツなどの制限が少ない
  • 治療中の痛みを感じにくい
  • 通院回数が少なくてすむ
  • 金属アレルギーの心配が少ない
  • 事前のシミュレーションで治療結果がイメージしやすい

従来の歯列矯正は歯にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーをとおして行う方法でしたが、この方法は歯に装着された矯正装置が目立つため、治療中の見た目が気になりやすいというデメリットがありました。
マウスピース型矯正は、透明なマウスピースを装着して行う方法であり、お口を開けても装置が目立ちにくいため、人前で会話する機会が多い方や、思春期で周囲の目を気にしやすい時期の方でも受けやすいという点がメリットです。 また、ワイヤーを使用した歯列矯正は治療期間中ずっと装置が歯についたままですが、マウスピース型矯正装置は任意で取り外しが可能で、食事中や歯磨きなどの際に取り外せます。
これにより、歯や装置を清潔に保ちやすく、口内炎などのトラブルも生じにくいといえます。 そのほかにも、マウスピース型矯正は治療開始時に必要なマウスピースが渡され、自分で定期的に交換しながら治療を進めるため、通院回数が少なく済みやすい点や、金属が使用されないためアレルギーの心配がない点などがメリットとして挙げられます。

マウスピース型矯正のデメリット

マウスピース型矯正には、下記のようなデメリットがあります。

  • 歯並びの状態や目的によっては適応とならない
  • 歯を削るなどの対応が必要な場合がある
  • 自己管理が重要になる

マウスピース型矯正は、歯茎から上に出ている歯冠部分の傾きを変化させる、傾斜移動という動かし方を得意としている一方で、歯根部分まで含む全体を動かす歯体移動を苦手としています。
一部のマウスピース型矯正装置はアタッチメントを使用することで歯体移動が可能ですが、重度の歯並びの悪さなど、症例によってはマウスピース型矯正での治療が難しいケースもあります。 また、マウスピース型矯正に限らず歯列矯正全般でのデメリットですが、歯を理想的な位置に移動させるためには、最終的に歯を並べるためのスペースが必要です。
顎が小さいなど、歯を動かすスペースがない場合には、抜歯や歯を削るといった対応が必要になることもあり、これも一つのデメリットといえるでしょう。 そして、マウスピース型矯正は自己管理が重要であることもデメリットとして挙げられます。マウスピース型矯正は1日に20時間以上は装置を装着する必要があり、治療を受ける本人の意思で装着しておく必要があります。装着時間が不十分であるとしっかりと効果を実感しにくく、自己管理ができない方の場合は治療が失敗に終わってしまう可能性もあります。

マウスピース型矯正はいつから治療を受けられる?

マウスピース型矯正はいつから治療を受けられる?

マウスピース型矯正は、一般的に2期治療と呼ばれる永久歯が生えそろってからのタイミングで受けることができます。
なお、それ以前の1期治療でもマウスピースを使用した歯列矯正が行われることがありますが、この場合は治療も目的などが大きく異なります。

小児矯正の1期治療

1期治療とは、乳歯が生えてから、永久歯に生え変わっていくタイミングで行う治療のことです。
まだ永久歯がすべて生えていない状態であるため、歯を動かして歯並びを整えるのではなく、永久歯がなるべくきれいに生えてくるようにするための対応が中心となります。
具体的には、顎のスペースを拡大する装置や、お口周囲の筋肉を刺激する装置を使用して、顎の適切な発達を促し、永久歯がきれいに生えそろうためのスペースを確保していきます。
マウスピースを使用した治療もありますが、歯を直接移動させるための装置ではなく、お口周囲の筋肉の使い方を改善するものが中心で、装置の装着時間も日中の数時間と寝ている間といった短い時間で行える点が特徴です。
1期治療はあくまでも永久歯がきれいに生えそろいやすい状態を目指すものであり、理想的な歯並びを手に入れるためには2期治療も併用して行うケースが大半です。

小児矯正の2期治療

永久歯が生えそろってから、成人する頃までに行う歯列矯正が2期治療です。
永久歯が生えそろっているため、ワイヤーやマウスピース型矯正装置を使用して歯並びを理想的な位置に整えていくことができます。
ただし、2期治療を行う段階ではまだ顎の成長が終わりきっていないため、顎の成長も加味しながら歯を動かしていく必要があります。
顎が成長途中であるため、歯を移動させるスペースが不足している場合に、顎のスペースを広げる治療を併用して抜歯や歯を削ることなく治療を行えることもあります。

成人の歯列矯正

第二次性徴が終わって顎の成長が終わってから行う治療が、成人の歯列矯正です。現状からの顎の拡大が難しいため、歯を移動させるための十分なスペースがない場合には抜歯や歯を削るといった対応が必要となりやすい点が2期治療との違いです。

マウスピース型矯正の流れ

マウスピース型矯正の流れ

マウスピース型矯正の治療は、下記のような流れで行います。

カウンセリング

まずは治療でどのような歯並びを目指したいのかなどを歯科医師と話し、必要な治療内容などについての説明を受けます。

検査

レントゲン撮影による歯の状態確認など、詳しい検査を行って歯列矯正を問題なく行えるかどうかの検査をします。
また、歯列矯正に必要な装置を作るために歯型を採取しますが、マウスピース型矯正の場合は3Dスキャナーの撮影で手軽に歯型を採取できる場合が多くなっています。

マウスピース型矯正装置の用意

撮影した歯型のデータをもとに、歯を理想的な位置に動かすためのシミュレーションを行い、必要なマウスピースを作成していきます。
マウスピースの作製はメーカーで行われ、数週間でオーダーメイドのマウスピースが作られ、歯科医院に届きます。

矯正装置の装着による治療

歯科医院でマウスピースを受け取り、装着方法やケア方法などの説明を受けたら、実際にマウスピースを装着して治療を進めます。
治療期間中は1日20時間以上の装着が必要で、1~2週間に1度、次のマウスピースに交換しながら治療を進めます。
なお、ワイヤーによる歯列矯正のように歯科医院で調整を行う必要はありませんが、治療が問題なく進められているかの確認や、歯のトラブルを防止するためのケアのため、定期的な通院は必要です。

矯正治療後の保定

歯並びが理想的な状態に整ったら、歯をその位置でしっかりと固定させるための保定を行います。この工程を疎かにしてしまうと、せっかく整った歯並びがもとの状態に戻ってしまう可能性があります。
保定は専用の保定装置を使用し、1~2年程度かけて行います。

マウスピース型矯正の効果を実感できるのはいつから?

マウスピース型矯正の効果を実感できるのはいつから?

マウスピース型矯正の効果を実感できるのがいつからなのかについて解説します。

マウスピース型矯正の効果を実感する時期

マウスピース型矯正による歯の移動量は、一般的にマウスピース一つにつき0.25㎜程度とされています。これを1~2週間に1回交換しながら治療を進めるため、1ヶ月での変化量は0.5~1㎜ほどです。
効果を実感できるのがいつからかという点は、どの程度自分の歯並びを注視しているかなどにもよりますが、歯の傾きが1~2㎜ほど動けば歯並びの変化は実感しやすいと考えられますので、治療開始から数ヶ月以内には効果を実感できる可能性が高いでしょう。

注意点(1) 歯並びによっては効果を実感しにくい

マウスピース型矯正は、歯の傾きを整える効果が発揮されやすい治療です。そのため、前歯が傾いて出っ歯になっているようなケースで効果を実感しやすく、歯と歯の間に隙間が空いているような症例の場合は効果を実感しにくいといえます。
元々の歯並びによっては効果を実感しにくくなるため、いつから効果が実感できるかが気になる方は、担当の歯科医師に直接相談してみるとよいでしょう。

注意点(2) 効果が実感できても治療は最後まで続ける必要がある

治療中に効果が実感できても、その時点で自己判断により治療を終了してはいけません。
歯列矯正は歯を固定させる保定まで行わなければ適切な効果が発揮できないため、必ず最後まで治療を続けるか、治療を終えたい場合は歯科医師に相談しましょう。

なかなかマウスピース型矯正の効果を実感できないケース

なかなかマウスピース型矯正の効果を実感できないケース

下記のようなケースにおいては、治療効果が実感しにくい可能性があります。

装着時間が足りていない

マウスピース型矯正は、食事中や歯磨き中を除いて、マウスピースを装着し続ける必要があります。目安としては1日20時間以上の装着が必要で、装着時間が不十分な場合は歯をしっかり動かせない可能性があります。

マウスピースを取り換える時期が合っていない

歯を適切に移動させるためには、歯にかかる力が弱すぎても強すぎてもいけません。自己判断でマウスピースを早く取り換えてしまったり、逆に一つのマウスピースを長く使い続けすぎていると、効果を実感しにくくなるケースがあります。

装着方法が適切ではない

装着位置がずれていたり、マウスピース内部に汚れが付着していたりと、適切ではない装着の仕方をしていると、やはり効果が不十分になる可能性があります。

マウスピース型矯正の効果が出やすくなる方法

マウスピース型矯正の効果が出やすくなる方法

マウスピース型矯正の効果を実感しやすくするためには、下記のポイントに注意しましょう。

歯科医師の指示に従う

治療を適切に進めるためには、歯科医師の指示にしっかりと従うことが大切です。装置の使い方やケア方法だけではなく、定期的な通院も含めて、指示をきちんと守って取り組むようにしましょう。

口腔ケアをしっかり行う

口腔ケアを怠ってしまい、むし歯や歯周病などのトラブルが生じると、治療を中断する必要が生じます。また、歯石などがついてしまうと歯に余計な力が加わりやすくなり、適切な効果が得にくくなりますので、しっかりと日々の歯磨きなど口腔ケアを行うようにしましょう。

ワイヤー矯正との組み合わせを検討する

重度の歯並びの悪さなど、場合によってはワイヤー矯正でなければ歯の移動が難しいケースもあります。まずはワイヤー矯正である程度歯並びを整え、仕上げをマウスピース型矯正で行うなど、組み合わせによって効率よく治療を行えるような場合もありますので、マウスピース型矯正だけにこだわらないで治療法を検討することも大切です。

矯正治療を早めるための補助装置を利用する

歯科医院によっては、光を使用して歯の動きを補助する補助装置などを導入している場合もあります。早く効果を実感したい方は、こうした治療を利用してみるのもよいでしょう。

診療経験が豊富な歯科医師の治療を受ける

安全性や効果を高めるためには、やはり診療経験が豊富な歯科医師の治療を受けることが大切です。

まとめ

まとめ

マウスピース型矯正の効果がいつから実感できるかについては、元々の歯並びや治療の目的にもよりますが、多くの場合で治療から数ヶ月以内には効果を実感できるといえます。
マウスピース型矯正の場合、治療前に歯がどのように動いていくかのシミュレーションを確認できるケースも多いので、まずはシミュレーションをみて、いつから効果を感じられそうか確認してみるとよいのではないでしょうか。

参考文献

この記事の監修歯科医師
小田 義仁歯科医師(小田歯科・矯正歯科 院長)

小田 義仁歯科医師(小田歯科・矯正歯科 院長)

岡山大学歯学部 卒業 / 広島大学歯学部歯科矯正学教室 / 歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院 / 所属協会・資格:日本矯正歯科学会 認定医 / 日本顎関節学会 / 日本口蓋裂学会 / 安佐歯科医師会 学校保健部所属 / 広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員 / 岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長 / 岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事 / アカシア歯科医会学術理事

記事をもっと見る
PAGE TOP