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抜歯矯正は口元が引っ込みすぎる?原因や対処方法とともに解説!

抜歯矯正は口元が引っ込みすぎる?原因や対処方法とともに解説!

悪い歯並びを治す歯列矯正では、抜歯が必要なケースとそうでないケースがあります。多くの人は非抜歯で行う歯列矯正を第一に希望しますが、歯並びの治療で歯を抜くことはデメリットよりもメリットの方が多くなるケースがほとんどです。そのため抜歯矯正を絶対的に悪いものと考えるのはあまり良くありません。そもそも抜歯をしなければ歯並びをきれいに治せない場合も珍しくないのです。

ただし、そんな抜歯矯正では口元が引っ込みすぎるというデメリットを伴うことがある点には注意が必要です。この記事では、抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる原因や対処法について解説します。

歯列矯正で口元が引っ込みすぎるケースや原因

歯列矯正で口元が引っ込みすぎるのはどのようなとき?
歯列矯正で口元が引っ込みすぎるリスクが大きいのは、出っ歯と上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)の2つです。これらの症状に悩んでいて歯列矯正を検討している人は注意しましょう。

・出っ歯の矯正
出っ歯とは、上顎前突(じょうがくぜんとつ)とも呼ばれる歯並びで、上の前歯や顎の骨が前方に出ているのが特徴です。文字通り前に突出している歯を後方へと引き下げるため、抜歯矯正では口元が引っ込みすぎるリスクも大きくなります。また、出っ歯は日本人に多い歯並び・噛み合わせの異常であることから、口元が引っ込みすぎる症状に悩まされる人も必然的に多くなっています。

・上下顎前突の矯正
上下顎前突とは、上下の前歯や顎の骨が前方に出ている歯並びです。いわゆる口ゴボの原因となる歯並びの異常で、口元の突出感が極めて大きいのが特徴です。上下顎前突を抜歯矯正で治療した場合は、上下の前歯を後方へと下げることから、上顎前突以上に口元が引っ込みすぎるリスクも高くなります。

歯列矯正で口元が引っ込みすぎる原因にはどのようなことが考えられる?
抜歯を伴う歯列矯正で口元が引っ込みすぎる主な原因は、以下の3点です。

・歯の移動距離が大きい
矯正治療における便宜抜歯(べんぎばっし)では、前から4番目か5番目の小臼歯が対象となります。出っ歯や上下顎前突の矯正なら前歯部にスペースを作り出したいので、多くのケースで前から4番目の第一小臼歯を左右で2本、場合によっては上下で合計4本抜き取るのです。それだけたくさんの歯を抜いたら、前歯を後方に下げる距離も大きくなるため、口元が引っ込みすぎる症状が現れても何らおかしくはありません。だからといって無理に非抜歯で矯正をすると、出っ歯や口ゴボの症状が治らなかったり、後戻りしやすくなったりするため注意が必要です。

・Eラインの基準の違い
口元が引っ込みすぎているかどうかは、Eラインを見ることである程度判断できます。ただし、このEラインはアメリカ人を前提にして提唱された指標であり、鼻が低くて顔面の凹凸の少ない日本人には、適していない面もあることを忘れてはいけません。実際、日本人の理想的な横顔は、口唇がEラインと同じかやや内側に位置している状態といわれています。また、その基準でさえも個々人の顔立ちなどによって変化するため、絶対的な指標となるわけではないのです。

・気にしすぎている
抜歯矯正によって顔の輪郭に大きな変化が現れると、始めは戸惑うかもしれません。口元が引っ込みすぎてしまったと気にしすぎてしまうこともあるでしょう。けれども矯正が終わってからしばらくすると、治療によって得られた変化が良いものに感じられるようになるケースも極めて多いです。

歯列矯正で口元が引っ込みすぎることに対する予防や注意点

歯列矯正で口元が引っ込みすぎることを注意したほうが良い歯並びとは?
これから歯列矯正を受ける人で、次に挙げるような症状を抱えている場合は、抜歯矯正による口元の変化に注意しましょう。

  • 出っ歯
  • 上下顎前突
  • 八重歯
  • ガタガタ(叢生)
  • アゴが小さい

出っ歯と上下顎前突は上段でも解説した通りで、八重歯や叢生もスペースの不足が根本的な原因となっているため、抜歯矯正によって歯の大きな移動が起こって口元が引っ込みすぎるリスクが高いです。アゴが小さい場合も歯を並べるためのスペースが絶対的に不足していることから、抜歯を伴う歯列矯正によって顔の輪郭に大きな変化が現れやすいといえるでしょう。

歯列矯正で口元が引っ込みすぎることを予防するための方法とは?
歯列矯正で口元が引っ込みすぎる症状を予防するためには、以下の4点に注意しましょう。

・相談しやすい歯科医院を選ぶ
矯正歯科のドクターは、基本的に自分が正しいと思う方法で治療計画を立てます。その際、口元が引っ込みすぎるという症状をともなったとしても、抜歯をしてしっかり治すのが正しいと判断するケースは少なくないのです。そんな時に顔貌の変化を最小限に抑えられる方法を気軽に相談できる歯科医院なら、口元が引っ込みすぎるという症状も予防しやすくなります。

・しっかり検査してくれる歯科医院を選ぶ
歯列矯正を成功させるためには、事前の検査をしっかり行わなければなりません。検査の精度が低いと、計画通りに歯が動かず、口元が引っ込みすぎるという症状が出やすくなるかもしれません。ですから、矯正をする歯科医院を選ぶ際には、まず検査を精密に行ってくれる点を最優先に考えましょう。

・理想の歯並びをドクターとしっかりすり合わせる
軽度の虫歯治療であれば、すべてをドクターに委ねても大きなトラブルが生じることはまずありませんが、歯列矯正となると話は変わります。歯並びに対する考え方や価値観というのは人によって大きく異なるため、ドクターに丸投げするのはリスクが高いです。その結果、口元が引っ込みすぎるという症状で後悔してしまった方は数多くいらっしゃることでしょう。ですから、歯列矯正を検討する際には必ずドクターと理想の歯並びについてしっかりすり合わせておくことが何より重要となります。口元が引っ込みすぎるという症状を回避したいのであれば、その旨を事前に伝えておきましょう。

・セカンドオピニオンを活用する
歯列矯正は、ドクターの知識や経験、技術によって得られる効果が違います。同じように検査をしても、立案される治療計画にも大きな違いが見られるのです。そこでもしも抜歯矯正によって口元が引っ込みすぎる症状が回避できないと診断された場合は、他のドクターにセカンドオピニオンを求めるのもひとつの選択といえます。別の歯科医院であれば、抜歯を回避した上で現在の症状を改善できるかもしれないからです。

歯列矯正で口元が引っ込みすぎることで起こる悪影響

歯列矯正で口元が引っ込みすぎることでどのような悪影響がおこる?
抜歯矯正によって口元が引っ込みすぎると、次に挙げるような症状が現れることがあります。

・ほうれい線が濃くなる
鼻翼と口角を結ぶシワであるほうれい線が濃くなります。その結果、老けた印象を与えてしまうこともあるでしょう。

・面長に見える
下顔面(かがんめん)の形や長さによっては、抜歯矯正によって面長に見えるようになる場合もあります。

・あごがしゃくれたように見える
これは出っ歯を抜歯矯正で治した場合に起こりやすい症状です。上の前歯の部分だけ引っ込みすぎることで、下顎前突のような症状が強調され、あごがしゃくれたように見えるのです。

・噛み合わせがむしろ悪化する
歯列矯正で抜歯を行ったからといって、必ず噛み合わせまで正常化できるとは限りません。もともとの歯並び・噛み合わせの状態によっては、治療前よりも噛み合わせが悪くなることすらあります。そうしたトラブルは、精密な検査・診断を実施して、適切な治療計画を立案することで防げます。

編集部まとめ

このように、抜歯矯正では口元が引っ込みすぎる症状に悩まされる場合があります。とくに出っ歯や口ゴボを抜歯矯正で治す場合は要注意です。矯正によって口元が引っ込みすぎると、ほうれい線が濃くなったり、噛み合わせが悪化したりするなどのリスクも伴うことから、できれば回避したい症状といえます。

そんな抜歯矯正による顔貌の悪い変化をしっかり予防したい人は、歯科医院選びを慎重に行うようにしましょう。しっかりと検査をしてくれて相談もしやすく、治療経験も豊富なドクターなら、治療後の顔貌の変化まで見据えた、質の高い歯並びの矯正治療を提供してくれることでしょう。そうしたドクターは、そう簡単に見つかるものでもないため、セカンドオピニオンを利用しながら複数の歯科医院を見て回るのも良い方法といえます。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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