ワイヤー矯正

歯科矯正に痛みはある?原因や対処法もご紹介

歯科矯正に痛みはある

歯科矯正は通常の歯科治療と違い治療期間が長期に及びます。そのため歯科矯正に関する情報を事前に調べる方が多いでしょう。

歯科矯正について調べていくと、痛みについて言及していることが多く、痛みに弱い方には気がかりな点かもしれません。

歯科矯正の装置をつけると痛みが生じやすいといわれていますが、一体どの程度痛いのか、どのくらいの期間痛みが続くのか、様々な疑問や不安が出てくるでしょう。

歯科矯正は長期間装置を付けたままで生活するので、治療による痛みを避けたい方にとっては、痛みについて事前に知っておくと精神的な負担が軽くなるかもしれません。

本記事では、歯科矯正で生じる痛みや痛みが出た際の対処法などについて解説していきます。

歯科矯正に痛みはある?

痛みの感じ方は個人差があり、歯科矯正においても痛みがあるという方もいれば、痛みを感じないという方もいます。

歯科矯正は長期間に及ぶ治療のため、痛みを感じやすい方にとっては、特に辛く感じられるのかもしれません。

歯科矯正中の痛みとして一番に挙げられるものが、唇側矯正と呼ばれる、歯の表側に装置を付けワイヤーによって歯を動かす方法で生じる痛みでしょう。

この方法は、ワイヤーを締め付けることで歯を動かすので、治療当日は締め付けられることで痛みを感じることがあるかもしれません。

全体のワイヤー矯正を行う場合の費用は、約20万円~130万円(税込)かかります。

しかし、締め付けで痛みを感じるのは個人差で気にならないという方もいれば、その後しばらくは食事をするのも不自由だという方もいます。

痛みは段々消えていくものの、治療から数日は痛みが残りやすいでしょう。

歯科医院や歯科矯正の治療種類によって多少の違いはありますが、ワイヤーを用いる唇側矯正の場合は1ヶ月に1回歯の動きに合わせてワイヤーの締め直しが行われます。

そのため治療を受ける時期になると、一度消えた痛みが復活すると感じられるかもしれません。

現在、歯科矯正の治療には様々な種類が揃っています。主流なのはワイヤーを用いた唇側矯正ですが、マウスピースを用いた矯正やインプラント矯正などがあります。全体のマウスピース矯正の費用は、60万円~100万円程度(税込)です。

例えばマウスピース型矯正も痛みが生じることもありますが、装置やワイヤーを取り外せない唇側矯正と違って、痛みに耐えられない場合は自分で取り外せます。

痛みが強い場合はいったん外した状態で歯科医院へ行き、相談や診察を受けると良いでしょう。

歯科矯正の治療方法の特徴によっては、痛みが生じた時に自分で一時的に対処できるケースもあるので、痛みに弱い方はその点も事前に確認することをおすすめします。

歯科矯正で痛みを感じる原因

歯科矯正において痛みを感じる度合いは個人差によるという意見が多いものの、なぜ痛みが起きるのでしょうか。

歯科矯正で痛みを感じる原因は歯を動かす時だけと思われるかもしれませんが、実はそれ以外にもいくつか痛みを感じる原因があります。

ここからは痛みが発生する原因を具体的に説明していきます。

歯を動かすときの痛み​​

痛みを感じる原因としてまず挙げられるのが、歯を動かすときの痛みです。

歯を動かすために、歯の装置にワイヤーを付けると歯にがかかるようになっています。この痛みの感じ方は個人差がありますが、ずっと続くわけではありません。

歯科矯正では歯に付けた装置から歯根に力が加えられ、その力で顎の骨の中を歯が動いていくことで、歯並びを良くしていく仕組みです。

またこの痛みは、鋭い痛みではなく締め付けられるような鈍い痛みとして感じられることが多いようです。

むし歯の進行による痛み​​

歯科矯正中はむし歯になりやすいといわれています。

唇側矯正のように装置とワイヤーをつける治療は、食後の歯磨きが不十分だとむし歯になりやすいです。

むし歯と歯を動かすときの痛みは違うので、治療からしばらく経ち歯の動きが止まった後で歯の痛みを感じる場合はむし歯の可能性があるでしょう。

装置で口の中が傷ついた痛み ​​

装置とワイヤーを歯につける治療方法の場合は、気をつけていても装置で口の中を傷つけてしまうことがあります。

特に話す時や食事をする時に、頬の内側の粘膜や舌を傷つけることが多いようです。

このような傷ができることで痛みを感じることがあります。

また、口の中の粘膜が傷つきやすいことから、口内炎ができやすい状態にもなっています。口内炎ができてしまうと飲食の際にしみるので、痛みを感じることもあるでしょう。

咀嚼時の痛み ​​

咀嚼時の痛みはワイヤーの調節を行った後に感じやすい痛みです。

特に硬い食べ物を噛むときは痛みが出やすく、ワイヤーの調節を行った後は柔らかい食べ物しか食べないという方もいるくらいです。

咀嚼時の痛みは数日程度でなくなるので、その後は硬い食べ物も問題なく食べられます。

ただし、咀嚼時の痛みがなくなった後も、食べ物には注意が必要です。あまりに固い食べ物やガムのように粘着性が高いものを食べると、装置の破損に繋がる恐れがあります。

歯科矯正中に痛みを感じたときの対処法

あまりに酷い痛みを感じたときは歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

ただし仕事の都合などですぐに歯科医院へ行けない場合や、夜間に突然痛み出したりする際に備えて、一時的にでも痛みを緩和させる対処方法があれば安心でしょう。

痛みを我慢するだけでは精神的な負担にも繋がるので、対処法を準備しておけば、ストレスなく歯科矯正の治療を受けられます。

ここからは歯科矯正中に痛みを感じたときの対処法をお伝えしていきます。

硬い食べ物を控える ​​

治療を受けた直後は特に痛みを感じやすい状態です。また、食べ物を食べると痛みを感じやすくなっています。

食べ物の咀嚼時に感じる痛みの場合は、治療直後の締め付けられるような痛みがなくなるまで、特に硬い食べ物を控えることをおすすめします。

咀嚼時の痛みは治療直後のみで次第になくなっていくので、その間は食べ物の硬さに気をつければ、痛みを避けられるでしょう。

鎮痛剤を服用する ​​

歯科矯正の痛みで鎮痛剤を常用する方は殆どいないでしょう。

ただ、治療直後の締め付けや歯が動くときの痛みは、人によって感じる痛みの度合いが違ってきます。

歯の痛みが気になり、日常生活に支障が出たり睡眠不足に陥ったりするようであれば、我慢をせずに鎮痛剤を服用するのも良いでしょう。

鎮痛剤を服用するのであれば、事前に医師に相談することをおすすめします。

矯正用ワックスを使用する ​​

歯科矯正の痛みは歯が動くことだけでなく、歯につけられた装置によって、口の中の粘膜が傷つくことによって生じる可能性もあります。

歯の裏側に装置をつける治療方法もあり、舌を傷つけてしまうケースもあるでしょう。

装置による傷は、矯正用ワックスを装置に塗っておくことで解消されます。傷の痛みで悩まれている方は、医師へ相談してみてください。

口内炎の薬を塗る ​​

歯科矯正中は装置が口内に当たることで口内炎ができやすくなります。

口内炎ができてしまうと、患部が痛くなるだけでなく食べ物や飲み物がしみるので、ストレスを感じやすくなってしまうでしょう。

口内炎をできにくくする口腔内環境にすることが一番ですが、歯科矯正中は装置が当たることは避けられないので、口内炎ができてしまったらを塗って早めに治すと良いでしょう。

歯科矯正の痛みを感じたときにやってはいけないこと

歯科矯正で痛みを感じたときに、応急処置として自分で対処しようとする方がいるかもしれません。

先に紹介したように歯科矯正の痛みを感じたときの対処法がある一方で、やってはいけない対処法もあります。

痛みが治るどころか、かえって逆効果になる場合もあるので、十分な注意が必要です。ここでは、やってはいけないことを紹介していきます。

患部を温める ​​

痛みを感じたときに、患部を温めて緩和させようとするかもしれません。

しかし、温めることは逆効果になります。

温めることで血流が良くなり逆に刺激となってしまい、痛みをより強く感じるようになるでしょう。

また患部だけでなく、痛みが出ているときに必要以上に体を温めると、全身の血流が促され体が温まります。 痛みが出ているときは、お風呂や運動といった血行が促進されるものは様子を見ながら行うと良いかもしれません。

市販の痛み止めを過剰に服用する ​​

歯科矯正の痛みで痛み止めを服用するケースは稀といわれています。しかし、薬を服用せずに痛みを我慢することは、日常生活や仕事に差し障りが出る恐れがあるでしょう。

歯科矯正において、痛み止めの服用は禁止されていません。ただし、自己判断で市販の痛み止めを過剰に服用するのは避けると良いでしょう。

市販の痛み止めを常用することで、抗炎症作用の影響で歯の動きが遅くなる可能性が高くなります。

また市販の痛み止めは、歯だけでなく消化器など体の他の器官にも強く作用することがあるでしょう。

痛み止めを服用する場合は、医師に相談のうえ薬を処方してもらい、適切な用法や用量で服用することをおすすめします。

歯科矯正の痛みはいつまで続く?

歯科矯正は痛みが全くないわけではありません。

痛みの感じ方には個人差があり、特に痛みに弱い方にとっては、痛みを一度感じてしまうと永久に続くのではないかと思われるかもしれません。

また痛みに強い方にとっても我慢できる痛みとはいえ、痛みがいつまで続くのかは気になるところでしょう。

ここからは痛みが生じやすいケースごとに、痛みがどの程度続くのかを説明していきます。

歯を動かすときの痛み ​​

歯科矯正の痛みの中で最も痛みを感じやすいのが、歯を動かすときの痛みかもしれません。

一般的に歯科矯正では4週間ごとに通院し、歯に取り付けた装置の確認やワイヤーを交換し、歯を動かしていきます。

この調整後から、しばらく歯の痛みを感じやすくなるのです。

特に歯に装置をつけワイヤーによって歯を動かす治療方法は、歯に常に力がかかっている状態ともいえます。

力がかかることによって締め付けるような痛みとして感じられるのですが、この痛みは2〜3日程度をピークに、1週間程度で自然となくなっていきます。

マウスピース矯正も同様に2〜3日程度で、痛みを感じなくなるケースが多いようです。

装置で傷ついた痛み ​​

歯科矯正では歯につけた装置やワイヤーが当たることで、口の中が頻繁に傷ついてしまいます。

口の中の粘膜に傷がつくと、食事や歯磨きの際に痛みを感じるでしょう。

装置があたってできた傷は大体1週間で治ることが多いようです。

ただし、歯を動かすときの痛みは治療直後の数日間という限定された期間であるうえに、痛みを感じやすい時期というのがはっきりとしています。

あらかじめ痛みの発生しやすい時期がわかっていれば対処のしようがあります。

しかし、装置による痛みの場合は装置がいつ当たって傷ができるのか予測できないので、常に気をつける必要があるでしょう。

食事中の痛み ​​

食事中の痛みは大きなストレスを招くでしょう。 食事中の痛みは主に咀嚼時に感じることが多く、特に硬いものを食べているときに感じやすくなります。

ただし、食事中に感じる痛みもほとんどが限定された期間です。歯を動かすために装置やワイヤーの調整を行った直後から2〜3日程度は痛みを感じやすくなります。

痛みを特に感じやすい方は、治療後の数日間は固形物でなく柔らかい食べ物を食べると良いでしょう。

しばらくすると痛みは感じなくなるので、その後はいつもどおりの食事で問題ないです。

歯科矯正の痛みが気になるときは歯科医に相談を

歯科矯正は歯に力を加えて動かすことで、歯並びを良くする治療方法です。力が加えられる以上、多少の痛みは発生してしまいます。

また歯科矯正で感じる痛みは、痛みの継続する期間が限定的であることに加え痛みの発生するタイミングが予想しやすいという点から、それほど心配するようなものではありません。

しかし、痛みの感じ方には個人差があります。またワイヤーによる歯科矯正の治療は2~3年かかることから、痛みを我慢し続けると、治療を続けるのが辛くなってしまいます。

痛みを感じる期間は短いとはいえ、痛みの度合いが強い場合は日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。

また、歯科矯正の治療以外の原因で痛みを感じている可能性があるかもしれません。

自己判断で痛みに対処した結果、痛みが酷くなったというケースもあります。痛みが気になるときは無理をせず、歯科医に相談することをおすすめします。

まとめ


ここまで歯科矯正の痛みについて解説しました。

歯科矯正といえば痛みが伴うものと思われがちです。実際、全く痛みがないとは言い切れませんが、痛みの感じ方には個人差があります。

しかし、いざ歯科矯正を始めてみたら、痛みはそれほど気にならないこともあるでしょう。

ただ何も知らずに治療を始めるのと、痛みについてあらかじめ理解したうえで治療を始めるのでは、痛みに対する感じ方も違ってきます。

本記事では痛みが発生する原因や対処法まで紹介してきました。歯科矯正の痛みについて正しく理解することで、歯科矯正に対する不安が解消されるでしょう。

痛みがネックで歯科矯正の治療に踏み出せなかった方も、この記事を参考にしながら治療の検討をしてみてはいかがでしょうか。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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