ワイヤー矯正

歯列矯正中にできる口内炎とは?対処方法や予防方法も合わせて解説!

歯科矯正 口内炎

歯列矯正中に口内炎で悩まされてはいませんか?本記事では歯列矯正の口内炎について以下の点を中心に紹介します。

  • 口内炎について
  • 歯列矯正中の口内炎の対処法について
  • 歯列矯正中に口内炎にならないための予防法

歯列矯正中の口内炎について知るためにもぜひ最後までお読みください。

そもそも口内炎とは?

そもそも口内炎とは?

「口内炎」とは、口の内部や周囲の粘膜に生じる炎症の総称です。その中でも最も一般的な形態は「アフタ性口内炎」です。原因は完全には解明されていませんが、ストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足(ビタミンB2の欠乏によるものも含まれます)が考えられています。 アフタ性口内炎に罹ると、赤く縁取られた直径2〜10mm程度の白い潰瘍が、ほお・唇の内側・舌・歯ぐきなどに発生します。小さな潰瘍が2〜3個群れてできる場合もあります。通常、10日から2週間ほどで自然に治癒し、後遺症は残りません。 しかし、治りが遅い場合や広範囲にわたる場合、また何度も再発する場合は、ベーチェット病などの他の疾患の症状である可能性も考えられます。くすりが原因で口内炎が発生することもありますので、早めに病院を受診することをお勧めします。

歯列矯正中の口内炎の原因は?

歯列矯正中の口内炎の原因は?

歯列矯正中にできる口内炎の原因は何があるのでしょうか?

矯正器具による傷(カタル性口内炎)

矯正装置によって口の内側や舌の粘膜に接触することで生じる口内炎を「カタル性口内炎」と呼びます。以下の症状が当てはまる場合、カタル性口内炎の可能性が考えられます。

  • 口の粘膜が赤く腫れている
  • 水ぶくれができている
  • 口の中が熱っぽく感じる
  • 唾液の分泌量が増え粘り気が増す
  • 口臭が強くなる
  • 味覚が分かりにくい
  • 炎症を起こしている部分と周囲との境界線がはっきりしない

特にワイヤー矯正を受けている場合、口内炎が頻繁に生じることがあります。ワイヤー矯正ではブラケットという装置が歯の表面に装着されますが、これが口の中の粘膜にあたることで粘膜が傷つき、口内炎が発生するのです。 口内炎は主に唇の内側や頬の内側など、ブラケットが直接接触する箇所にできやすく、話したり食事をした際にブラケットが当たって治りが遅くなることもあります。 一方、マウスピース型矯正では、ワイヤー矯正と比較して口内炎が生じにくい傾向があります。マウスピース型矯正に使用される矯正装置(マウスピース)は柔らかい素材でできているためです。また、マウスピース型矯正は自分で取り外すことができるため、口内炎ができた場合も治りやすい特長があります。 マウスピース型矯正で起こる口内炎の原因としては、マウスピースをはめる際に誤って粘膜を挟んでしまうことや、マウスピースの縁が尖っていることが挙げられます。特に発音する際に舌がマウスピースの尖った縁にあたり、それが原因で口内炎ができることがあります。 ワイヤー矯正とマウスピース型矯正による口内炎の症状は基本的には似ていますが、マウスピース型矯正では口内炎が生じにくい傾向があることを覚えておきましょう。

免疫力の低下(アフタ性口内炎)

アフタ性口内炎は、最も一般的な口内炎の形態であり、特徴的な白い丸い潰瘍がよく見られます。 疲労やストレス、睡眠不足が重なると、知らないうちに口内炎ができることがあります。このような場合は、アフタ性口内炎の可能性が高いでしょう。また、栄養不足、特にビタミンB2の欠乏も原因として考えられます。 アフタ性口内炎は通常、直径2〜10mm程度の大きさで、一般的には10日〜2週間程度で自然に治癒します。 ただし、なかなか治らない場合や広範囲に広がる場合は、他の病気の可能性もあるため、専門家に相談することが重要です。適切な治療やケアを受けることで早期の回復を期待できます。

ウイルスの感染(ウイルス性口内炎)

口内炎は矯正器具などが直接原因となるだけでなく、ウイルスに感染することによっても引き起こされることがあります。ヘルペスやクラミジアなどのウイルスが原因となる口内炎があります。 ウイルス性口内炎の特徴は、水ぶくれができ、破れるとかさぶたになることです。このタイプの口内炎は上顎や歯茎など、固い組織にも発生します。また、免疫力が低下しているときに発症する場合が多いです。 矯正器具以外にもウイルス感染が原因となる口内炎があるため、口内炎が発生した場合は注意が必要です。免疫力を高めることや早めの対処が大切です。症状が重い場合は医療専門家に相談することをお勧めします。

口内が不衛生(カンジダ性口内炎)

矯正器具などが直接原因となっているわけではなく、ウイルスに感染することで引き起こされる口内炎もあります。ヘルペスやクラミジアなどのウイルスが原因です。 水ぶくれができ、破れるとかさぶたになるのがウイルス性口内炎の特徴です。上顎や歯茎など、固い組織にもできます。免疫力が低下しているときに発症する場合が多いです。

アレルギーを引き起こす(アレルギー性口内炎)

金属アレルギーの反応によって口内炎が生じることもあります。これを「アレルギー性口内炎」と呼びます。金属の被せ物や矯正器具が口の粘膜に接触することで引き起こされます。 アレルギー性口内炎では、器具が接触している部分が赤くただれるだけでなく、手や首など他の部位にも腫れや痒みが生じることがあります。金属アレルギーを持っている方は、矯正治療を開始する前に必ず専門医に相談してください。適切な対応や代替材料の選択などが行われることで、アレルギー反応を最小限に抑えられるかもしれません。早めの相談が大切です。

歯列矯正中の口内炎の対処法について

歯科矯正中の口内炎の対処法について

歯列矯正中に口内炎になった場合、歯科医院で行う対処法や自分でできる対処方法にはどんなことが出来るのでしょうか?以下に紹介します。

歯列矯正用のワックスを使用する

装置が口の粘膜に直接当たってしまう場合、ワックスを貼ることで保護する方法があります。 ワックスは鋭利な部分や摩擦を軽減し、口内炎や傷の痛みを和らげる効果があります。装置の尖った部分やゴムなどが口の中の粘膜に当たってしまう場合、ワックスを適切に貼ることでその負担を軽減できます。

矯正器具を調整してもらう

装置が粘膜に当たって痛みが続く場合やワックスを貼っても緩和されない場合は、かかりつけの歯科医院に相談が重要です。 歯科医師は装置の調整を行って、粘膜への当たりを軽減する対策を施してくれる可能性があります。痛みを改善するための適切な措置や代替案を提案してくれるでしょう。 自分で痛みを我慢するのではなく、専門家に相談して適切な対応をしてもらうことで、快適な治療や装置の使用が可能になります。早めの相談が問題解決の鍵となるでしょう。

口内炎用の薬を使用する

通常口内炎は10日程度で自然に回復しますが、薬を使用することでより早く回復できます。市販の薬局で入手できる口内炎用薬には、軟膏、クリーム、パッチ、スプレーなど様々な種類があります。これらは直接患部に貼ったり塗ったりすることで、痛みや不快感を軽減し、早期回復を促す効果があります。ただし、口内炎に合った適切な薬を選ぶことが重要です。特に頻繁に口内炎ができる場合や症状が重い場合は、歯科医師や薬剤師に相談して適切な処方を受けることをお勧めします。薬の使用方法や注意事項を守りながら、早めの治療に努めましょう。

口内炎を刺激しないように過ごす

口内炎の炎症が起きている部分に刺激を与えると悪化する可能性があるため、触ることは避けましょう。手で触ると細菌が入り込むリスクが高まるため、特に注意が必要です。 食事の際も注意が必要です。塩気の多い食品や辛いもの、熱いものなどの刺激物が直接口内炎に当たると、強い痛みを感じることがあります。このような刺激を避けることで、炎症が悪化するのを防ぐことができます。 口内炎の炎症が悪化すると、さらに大きくなったり、痛みが強まったりして、治癒にも時間がかかってしまいます。そのため、舌で触ったり刺激を与えず、安静に過ごすことが重要です。 もし10日経過しても口内炎が治らない場合や、繰り返し発生する場合は、他の病気が考えられる可能性があるため、かかりつけの医師や口腔外科を受診することをおすすめします。適切な診断と治療が早期回復の鍵となります。

口内炎を予防する方法

口内炎を予防する方法

口内炎にならないためにはどのような対策方法があるのでしょうか?以下に紹介します。

口内を清潔に保つ

特にワイヤー矯正を受けている場合、装置が歯に常についているため、歯ブラシだけでは汚れを完全に取り除くのが難しいことがあります。そのため、歯間ブラシやタフトブラシ、フロスを併用して、磨き残しが発生しないような工夫が必要です。 歯間ブラシ、タフトブラシ、フロスを使うことで、歯と歯の間や装置と歯の間など、歯ブラシでは届きにくい箇所も磨けます。また、フロスの使用も効果が期待できます。定期的な歯科医院のクリーニングもお勧めです。 一方、マウスピース型矯正をしている場合は、前述したようにマウスピースを清潔に保つことも重要です。マウスピースは口の中に装着するため、清潔を保つことが感染症の予防につながります。適切な洗浄方法を学び、定期的に清潔に保つことが大切です。 マウスピース型矯正やワイヤー矯正において、歯の健康を保つためには丁寧な口腔ケアが欠かせません。歯科医師のアドバイスを仰ぎながら、自分に合った適切なケア方法を実践してください。

皮膚や粘膜の健康維持に役立つ栄養素を摂取する

予防の観点から、ビタミンB2を含む栄養素を摂取することが重要です。また、日常生活での健康な習慣も口内炎予防につながります。早寝早起きやストレスを軽減することなどが大切です。矯正装置による粘膜の傷つきも、免疫力が高ければ口内炎が発生しにくくなるかもしれません。リラックスした休息を心掛けて、体の治癒力を高めることも大切です。 ビタミンB2が多く含まれる食材としては、レバー、うなぎ、納豆、牛乳、ぶり、はちみつ、たまご、チーズなどがあります。食事で十分なビタミンB2を摂れない場合は、サプリメントを利用することも考えられます。 これらの健康な生活習慣と栄養素の摂取は、口内炎予防に効果的な対策となります。自分の体質に合った方法で健康管理をし、口内炎の発生を予防しましょう。

ストレスを溜めないように工夫する

ストレスは口内炎を引き起こすだけでなく、肌荒れや免疫力低下にもつながる大敵です。ストレスを軽減することは重要であり、趣味を楽しむことや軽い運動をするなどのリラックスできる時間を取り入れることが大切です。ストレスを発散できる工夫をして、健康な心身を保ちましょう。 矯正中の口内炎、特にワイヤー矯正中の方は口内炎に悩まされることが多いかもしれません。ご自宅でもできる予防方法を取り入れながら、矯正治療を乗り越えていきましょう。 もし口内炎がなかなか治らない場合は、他の病気の可能性も考慮すべきです。そのような場合は、早めに医師にご相談ください。適切な治療を受けることで早期回復が期待できます。健康を維持するためにも、口内炎や体の不調には真剣に向き合いましょう。

十分な睡眠時間を確保する

アフタ性口内炎の主な原因として睡眠不足や疲労の蓄積が考えられます。質の高い睡眠を心掛けることと、規則正しい生活を送ることが口内炎の予防につながります。 良質の睡眠を得るためには、寝る1時間前にスマホやパソコンの画面を見ないようにしたり、昼寝を15〜20分程度にとどめるようにするなど、工夫が必要です。これらの対策を取り入れて、質の良い睡眠をとれるようにしましょう。

まとめ

まとめ

ここまで歯列矯正の口内炎についてまとめてきました。内容をまとめると以下の通りです。

  • 口内炎とは口の内部や周囲の粘膜に生じる炎症の総称の事である
  • 歯列矯正中の口内炎の対処法にはワックスを塗ることや歯科医院で調整をする
  • 歯列矯正中に口内炎にならないための予防法には口の中を清潔に保ち、ストレスをためないように心がけることも大切

これらの情報が参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山田 雅一医師(宇都宮矯正歯科院長)

山田 雅一医師(宇都宮矯正歯科院長)

平成13年3月 茨城県立水戸第一高等学校卒業 / 平成20年3月 東北大学歯学部歯学科卒業 / 平成25年3月 東北大学大学院歯学研究科 顎口腔矯正学分野 卒業 歯学博士 / 平成25年4月 東北大学大学院歯学研究科 顎口腔矯正学分野 非常勤講師 / 平成25年9月 東北大学病院矯正歯科 医員 / 平成27年11月 日本矯正歯科学会 認定医取得 / 平成28年10月 医療法人プライムオルソ 宇都宮プライム矯正歯科 院長 / 令和元年5月 宇都宮矯正歯科 院長 / 令和3年 インビザライン ダイヤモンドプロバイダー

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平成13年3月 茨城県立水戸第一高等学校卒業 / 平成20年3月 東北大学歯学部歯学科卒業 / 平成25年3月 東北大学大学院歯学研究科 顎口腔矯正学分野 卒業 歯学博士 / 平成25年4月 東北大学大学院歯学研究科 顎口腔矯正学分野 非常勤講師 / 平成25年9月 東北大学病院矯正歯科 医員 / 平成27年11月 日本矯正歯科学会 認定医取得 / 平成28年10月 医療法人プライムオルソ 宇都宮プライム矯正歯科 院長 / 令和元年5月 宇都宮矯正歯科 院長 / 令和3年 インビザライン ダイヤモンドプロバイダー

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