歯列矯正をすると顎関節症になってしまうと聞いたことはありませんか? 本記事では、歯列矯正と顎関節症について以下の点を中心にご紹介します!
- 顎関節症の原因
- 顎関節症の治療に歯列矯正は必要なのか
- もし歯列矯正中に顎関節症になったらどうしたらいい?
歯列矯正と顎関節症について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。
顎関節症の原因
顎関節症とは、顎の関節に痛みや不快感を感じる症状のことで、さまざまな原因が考えられます。顎関節症の原因は一体何でしょうか?また、顎関節症にならないために気をつけられることはあるのでしょうか?以下で解説していきます。
顎関節円板
顎関節症の原因として、顎関節円板に異常がある場合があります。顎関節円板に異常がある場合、顎関節の運動が正しく制御されず、痛みや不快感を引き起こす可能性があります。ただし、顎関節症の原因は多岐にわたるため、個人差があります。
生活習慣での癖
まずは生活習慣の中での原因について紹介していきます。
姿勢の改善
前かがみなどの姿勢が長時間続くと、首や肩の筋肉が疲れやすくなり、顎関節にも負担がかかります。正しい姿勢を保つよう心がけましょう。
食生活の改善
咀嚼に関わる筋肉のバランスが悪くなると、顎関節に負担がかかります。バランスの良い食生活を心がけましょう。
口腔ケアの徹底
歯のかみ合わせが悪いと、顎関節に負担がかかります。定期的な歯科検診や、適切な歯磨きを心がけましょう。
ストレスの軽減
ストレスは、筋肉の緊張を引き起こし、顎関節に負担をかけることがあります。ストレスを軽減するための方法を見つけ、実践するように心がけましょう。
歯列矯正は顎関節症治療に必要なのか
顎関節症を治すために歯列矯正は必要なのでしょうか?歯列矯正が必要な場合と不要な場合の両方を紹介します。
必要な場合
まずは「必要」な場合について解説します。
歯並びの不良
歯並びが悪い場合、咬合のバランスが崩れ、顎関節に負担がかかることがあります。歯列矯正によって、咬合のバランスを整えることができ、顎関節症の改善につながる場合があります。
上下の歯のかみ合わせの異常
上下の歯のかみ合わせが悪い場合、顎関節に負担がかかることがあります。歯列矯正によって、かみ合わせを改善することができ、顎関節症の改善につながる可能性があります。
違和感や痛みがある
口を閉じるときに違和感や痛みを感じる、口が開けにくい場合、顎関節に異常がある可能性があります。歯列矯正によって、咬合のバランスを整え、顎関節の負担を軽減できる場合があります。
不要な場合
続いて「不必要」な場合について解説します。
歯並びが良好でかみ合わせに異常がない
歯並びが良好で、かみ合わせに異常がない場合、顎関節症が歯並びやかみ合わせの問題によって引き起こされたものでない場合があります。このような場合は、歯列矯正が必要ではありません。
症状が軽度である
口を開けるときに感じる違和感や痛みの程度が軽度である場合、歯列矯正ではなく、他の治療法で改善できる可能性があります。
原因が歯以外の要因にある場合
顎関節症の原因が歯以外の要因にある場合、歯列矯正が必要ない場合があります。たとえば、ストレスや筋肉の疲れ、関節の変形などが原因となる場合があります。
歯列矯正をすると顎関節症が発症するのか
歯列矯正は、見た目や噛み合わせの改善のために行われる治療ですが、その副作用として顎関節症が発症する可能性があるといわれています。では、歯列矯正と顎関節症の関係はどのようなものなのでしょうか?
顎関節症と歯列矯正の関係
歯列矯正治療によって、かえって顎関節症の症状が悪化する場合もあります。歯列矯正治療で強制的に噛み合わせを正常な状態に戻すことで、顎関節に負担がかかる場合があります。そのため、歯列矯正治療をおこなう場合は、顎関節症の有無や症状の程度などをしっかりと評価し、慎重に治療を進める必要があります。
総じて、歯列矯正治療は顎関節症の治療に有効な方法の1つであることがありますが、必ずしも全ての顎関節症に対して歯列矯正治療が必要であるわけではありません。顎関節症の治療方針については、医師と相談することが大切です。
顎関節症の治療法
顎関節症の治療法には以下のようなものがあります。
生活習慣の改善
まずは、ストレスや過剰な口の動きなど、顎関節に負担をかける生活習慣の改善が大切です。睡眠の質を改善したり、ストレッチやリラックス法を取り入れたりすることで、顎関節症の症状を軽減できます。
歯列矯正治療
歯並びやかみ合わせの異常が原因で顎関節症を引き起こしている場合は、歯列矯正治療が有効とされています。噛み合わせを正常な状態に戻すことで、顎関節の負担を軽減できます。
物理療法
顎関節症の痛みや不快感を緩和するために、温熱療法や冷却療法、超音波療法、電気刺激療法などの物理療法が用いられることがあります。
薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることがあります。
手術療法
顎関節症が重度で、上記の治療方法では改善しない場合には、手術療法が考慮されることがあります。手術で顎関節の形態を修正することで、顎関節症の症状改善を目指します。
もし歯列矯正中に顎関節症が発症したら
もし歯列矯正中に顎関節症になってしまったらどうしたらいいのでしょうか?
歯列矯正中に顎関節症の症状が現れた場合は、まずは歯科医師や矯正歯科医師に相談することが大切です。歯列矯正治療が原因で顎関節症が悪化している場合は、治療の内容や方法を見直すことが必要となります。また、症状を軽減するために、熱や冷やす物理療法や、口腔内でのストレッチなどの対処法もあります。ただし、症状が改善しない場合や重症化している場合は、専門的な治療が必要となることがあります。医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
以下で対処法について紹介します。
治療を一時中断する:顎関節症の症状が出た場合、歯列矯正治療を一時中断することがあります。これにより、顎関節症の症状が軽減されることがあります。
物理療法:温熱療法や冷却療法、超音波療法、電気刺激療法などの物理療法が用いられることがあります。これにより、痛みや不快感を和らげることができます。
痛みや炎症を抑える薬の使用:鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることがあります。
顎関節症の治療:歯列矯正治療を継続しながら、顎関節症の治療をおこなうことがあります。この場合、歯科医師や矯正歯科医師と連携して治療をおこなうことが必要です。
ただし、歯列矯正治療中に顎関節症が起こることは比較的まれなこととされ、症状が出ないように治療計画を立てることが大切です。定期的な検診を受けることで、早期に問題を発見し、適切に対処することが重要です。
編集部まとめ
ここまで顎関節症と歯列矯正の関係についてお伝えしてきました。顎関節症と歯列矯正の関係について、要点をまとめると以下の通りです。
- 歯列矯正の原因として、顎関節円板の異常や、姿勢や食生活等生活の中での癖、ストレス等が考えられる。
- 顎関節症の治療に歯列矯正が必ずしも必要な訳ではない。歯並びやかみ合わせが悪い場合は歯列矯正が必要だが、違和感や痛みが軽度ある場合や、問題が歯以外に生じている場合は、歯列矯正は必要ない可能性がある。
- 歯列矯正中に顎関節症が発生したらなるべく早く病院へ行く。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。