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小児矯正をやらなきゃよかったと思う理由と、後悔しないためのポイントを解説

小児矯正をやらなきゃよかったと思う理由と、後悔しないためのポイントを解説

顎の成長が活発な時期に行う小児矯正では、成人矯正では得られない治療効果が期待できます。子どもの将来のために治療させてあげたいと考える方も少なくありません。

一方で、小児矯正には「やらなきゃよかった」と後悔する声を聞き不安になっている方もいるのではないでしょうか。この記事では、小児矯正をやらなきゃよかったと思う理由と後悔しないためのポイントを解説します。

小児矯正をやらなきゃよかったと後悔する主な理由

小児矯正をやらなきゃよかったと後悔する主な理由 小児矯正をやらなきゃよかったと後悔する理由を紹介します。

小児矯正で後悔するのはどのようなケースですか?
小児矯正は、子どもの悪い歯並びを根本から改善できる治療ですが、次のようなケースで後悔してしまうことがあります。

【ケース1】高額な費用がかかった
小児矯正では保険が適用されませんので、高額な費用が必要です。安くても10万円以上は必要になるため、想定よりも高かったと感じて後悔してしまうのでしょう。

【ケース2】矯正装置の管理が大変だった
小児矯正で用いる装置は、患者さん自身が着脱するものが一般的です。 床矯正の場合は、毎日ネジを回して矯正力を調整するタイプのものもあり、しっかりと自己管理をしなければなりません。矯正装置の取り扱いに苦労する方は少なくないため、後悔を感じてしまいます。

【ケース3】想像よりも治療期間が長かった
患者さんが想定していた治療期間よりも長くかかることがあります。 これは、小児矯正が顎の成長する力を利用する治療のため、成人になってからの矯正よりも短い治療期間で済むと期待されていることが要因です。 成人では2〜3年かかるのなら、小児では半年から1年で終わるだろうと想定する方も少なくないようです。小児矯正でも、歯をきれいに並べるための土台を作る治療のため、2~3年の期間を要することも珍しくありません。イメージと異なって小児矯正をやらなきゃよかったと思う方もいるようです。

【ケース4】矯正中にむし歯ができた
小児矯正は歯並びを治すための治療なのに、むし歯によって歯がボロボロになり後悔してしまうことがあります。むし歯の原因が、矯正装置による歯磨きのしにくさであることが少なくありません。

【ケース5】不要な抜歯が行われた

歯をきれいに並べるためのスペースが不足している場合は、健康な歯を抜くことがあります。便宜抜歯といわれるもので、精密な検査と分析を行ったうえで慎重に判断しなければなりません。 経験や知識が乏しい歯科医師が治療を担当すると、本来は必要のない抜歯が行われて、健康な永久歯を失うどころか、仕上がりも悪くなるため、後悔することも少なくありません。

小児矯正の意味がないと感じてしまう理由を教えてください
小児矯正を受けたけれど、結果として意味がないと感じる理由は以下のとおりです。

【理由1】症状が改善しない
小児矯正を行っていても、目に見える効果が得られない場合は、意味がないと感じやすいです。顎の骨の発育を正常に促すための治療では、乱れた歯並びがきれいに整っていくわけではないので、症状が改善しないと感じてしまうかもしれません。治療目的の正しい理解が必要です。

【理由2】歯並びが悪くなった
間違った矯正装置の使用を続けると、歯並びが悪化することもあります。せっかく歯列矯正を行ったにも関わらず、期待する効果が得られないと意味がないと感じてしまいます。

【理由3】2期治療で抜歯が必要になった
顎の発育が正常になると十分なスペースを確保しやすくなりますが、必ず抜歯が不要になるというわけではありません。患者さんの顎やお口の状態によっては、2期治療で抜歯が必要となる場合もあります。

【理由4】後戻りが生じた
小児矯正でも後戻りすることはあります。保定を怠ってしまうと後戻りが生じることを知っておきましょう。

途中で小児矯正をやめることは可能ですか?
途中でやめることは可能です。

ただし、途中でやめた場合、歯並びや噛み合わせなどが悪くなるリスクを伴います。歯科医師に相談したうえで中断するかを検討するようにしましょう。

小児矯正が必要なケース

小児矯正が必要なケース 小児矯正を行った方がよいケースについて解説します。

小児矯正が推奨されるのはどのような場合ですか?
次に挙げる歯列不正が認められる場合は、小児矯正が推奨されます。
  • 叢生(乱ぐい歯)
  • 反対咬合(受け口)
  • 上顎前突(出っ歯)
  • 開咬

その他にも歯並びや噛み合わせの症状や重症度によっては、小児矯正が必要となるかもしれませんので、まずは歯科医師に相談することが大切です。

小児矯正を始めるタイミングはいつが適切ですか?
一般的には、永久歯が生え始める6歳くらいから小児矯正の1期治療を始めます。子どもの歯並びや噛み合わせ、骨格の状態によっては、3〜4歳から小児矯正を始めた方がよい場合もあるため、早い段階で相談するのが望ましいです。

小児矯正を後悔しないためのポイント

小児矯正を後悔しないためのポイント 小児矯正をやらなきゃよかったと後悔しないためのポイントを解説します。

小児矯正を始める前に知っておくべきことはなんですか?
小児矯正は、永久歯をきれいに並べるための土台作りです。成人矯正のように、出っ歯や乱ぐい歯が日に日に改善していく治療ではない点を理解しておきましょう。

治療期間もそれなりに長く、経済面や子どもの心身にかかる負担が大きいことも知っておきましょう。

歯科医院で小児矯正の相談をするときの確認ポイントはありますか?
小児矯正の初診相談では、以下のポイントを確認しましょう。
  • 治療の必要性
  • 矯正にかかる期間
  • 矯正にかかる費用
  • 通院頻度
  • 装置による心身への負担
  • 抜歯の必要性
  • 小児矯正に伴うリスクとデメリット

歯科医院の診療体制についても確認しておいた方がよいでしょう。小児矯正を担当する歯科医師の治療経験、もしトラブルが起こったときの対応、矯正が長引いた場合の対応などを矯正相談の段階で確認しておくことが大切です。

子どもが治療を嫌がる場合はどうすればよいですか?
成長期に矯正装置を装着することは、子どもにとって負担となります。子どもの性格によっては、治療を嫌がって続かなくなるかもしれません。

【方法1】治療の必要性を説明する
小児矯正を受けることによって、歯並びや顔立ちがよくなることを子どもに説明することも大切です。小児矯正へのモチベーション維持につながります。

【方法2】装置を調整する
装置による刺激が嫌で治療を拒む場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。装着時の違和感や異物感、痛みなどが少なくなれば、小児矯正を嫌がる理由もなくなります。

【方法3】ご褒美を与える
小児矯正を継続していることを毎日褒めてあげるのも効果的です。定期的にご褒美を与えることで治療継続のモチベーションにつながります。

【方法4】負担の少ない装置に替える
固定式の矯正装置は目立ちやすいものもあるため、学校で恥ずかしい思いをすることがあります。矯正力が強い装置は、治療に伴う痛みも伴ってしまいます。できるだけ、子どもにとって負担の少ない装置に切り替えることも大切です。

編集部まとめ

今回は、小児矯正をやらなきゃよかったと思う理由と後悔しないためのポイントを解説しました。小児矯正は、成人矯正とは異なる点があり、特徴やメリット・デメリットを正しく理解していないと後悔しやすいため注意が必要です。

小児矯正で後悔しないためには、カウンセリングの段階で必要なことをすべて聞いておく必要があります。矯正をスタートしてからも不安や疑問を感じたら、すぐ歯科医師に相談するようにしてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正

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