ワイヤー矯正

歯並び矯正の値段はいくら? 節約方法も解説します!

歯並び矯正の値段はいくら? 節約方法も解説します!

悪い歯並びを治す矯正治療は、歯科の中でもかなり高額な費用がかかる分野といえます。矯正の種類や歯並びの症状によっては、100万円以上かかることも珍しくありません。それだけに歯並び矯正にかかる費用をできるだけ抑えたいと考えている方は多いことでしょう。ここではそんな歯並び矯正の費用だけでなく、治療の目的や効果、経済的負担を抑える方法などについて詳しく解説します。歯並び矯正を検討中の方は参考にしてみてください。

歯並び矯正の値段は妥当? 目的と効果を知ろう

歯並び矯正の値段は妥当? 目的と効果を知ろう 歯並び矯正の費用について考える前に、まずは治療の目的や効果、矯正の種類について知ることが大切です。

歯並び矯正の目的と効果

歯並び矯正の目的は、出っ歯や受け口、乱ぐい歯といった歯列不正(しれつふせい)を改善することです。歯列不正には他にもいろいろな種類がありますが、いずれも見た目や噛む機能、しゃべる機能に大きな支障をきたすことから、治療によって改善するのが望ましいのです。

歯並び矯正の目的として誤解されがちなのは、「見た目を良くするための治療」という点です。確かに歯並び矯正では、口元の審美性を大きく改善できるのですが、治療目的はそこだけにとどまりません。どちらかというと、歯が持つ本来の機能である「咀嚼(そしゃく)」をより効率よく行えるよう、歯並びや噛み合わせを良くすることに主眼が置かれます。その点は誤解のないよう注意しましょう。

ですから、歯並び矯正によって得られる効果は、歯がきれいに並ぶことだけではないのです。咀嚼(そしゃく)能率の向上した噛み合わせも同時に手に入れることができます。歯磨きしやすくなることで虫歯や歯周病のリスクも低下することでしょう。ケースによっては発音が良くなることもあります。このように、歯並び矯正では実に多様な効果が期待できるのです。

歯並び矯正の種類と特徴

歯並び矯正には、いくつかの種類があります。それぞれに異なる特徴があるため、ご自身にとって最善といえる方法を選択することが大切です。

・ワイヤー矯正(金属ブラケット)
金属製のブラケットを歯列の表側に設置する歯並び矯正です。日本のみならず世界でもスタンダードな矯正法となっています。金属ブラケットは光を反射してギラギラしていることから、装置が目立ちやすいようです。そのため笑ったり、会話をしたりする時には矯正中であることに気づかれます。むき出しの金属色に不快感を覚える人もいるかもしれません。それでもさまざまな症例に適応できることから、今も昔も金属ブラケットのワイヤー矯正を選択する人が多くを占めています。

・ワイヤー矯正(審美ブラケット)
ワイヤー矯正は、最も目立ちやすい歯並び矯正ではありますが、審美ブラケットを選択することで目立ちにくくすることも可能です。審美ブラケットとは、透明なプラスチックや白いセラミックで作られたブラケットで、金属ブラケットほど目立ちません。それでも装置を装着していることに気づかれることはあります。ですから、より目立ちにくい歯並び矯正を希望するのであれば、このあとにご紹介する裏側矯正やマウスピース型矯正装置のインビザラインがおすすめです。

・裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正(舌側矯正)とは、ブラケットとワイヤーを歯列の裏側に設置する矯正法です。厳密にはワイヤー矯正の一種といえますが、裏側矯正(舌側矯正)と呼んだ方がわかりやすいかと思います。上下ともに装置を裏側に設置する場合を「フルリンガル」と呼び、下だけ表側に設置する場合を「ハーフリンガル」と呼んでいます。前者は表側から装置がまったく見えないため、矯正中であることに気づかれません。その審美性の高さは、歯並び矯正の中で群を抜いています。ハーフリンガルであっても、下の装置というのはもともと目立ちにくいことから、歯並びの治療を受けていることに気づかれることはほとんどないでしょう。

ただし、裏側矯正(舌側矯正)は特別な技術が必要であったり、使用する器具や装置も専用のものであったりするため、表側矯正よりも費用が高くなっています。また、裏側矯正(舌側矯正)を適切に行える歯科医院も一部に限られるため、誰にでもこの選択肢があるというわけではない点に注意が必要です。実際、表側矯正だけではなく、裏側矯正(舌側矯正)まで対応している歯科医院は全国でもほんの一握りです。

・インビザライン
インビザラインは、日本のみならず世界でも広く使われているマウスピース型矯正装置です。透明なポリウレタン製のマウスピースを1〜2週間に1回の頻度で交換することで歯が動いていきます。マウスピースは1日20〜22時間装着しなければならないというルールがありますが、食事と歯磨きの際には原則として取り外せます。いつも通りにご飯が食べられて、歯磨きもできるのは、患者さんにとって極めて大きなメリットとなるでしょう。ただし、ワイヤー矯正ほど万能ではなく、重症度の高い歯並びは治せないことが多いと言われています。軽度から中等度の歯並びなら、インビザラインで問題なく治せることでしょう。インビザラインは歯の移動に伴う痛みが少なかったり、装置のトラブルが起こりにくかったりするなどのメリットも伴います。

歯並び矯正の値段を決める要素

歯並び矯正の値段を決める要素 ここからは歯並び矯正の値段に関する説明です。歯並び矯正は高額な費用がかかりますが、一体どういった要素によって値段が決まっているのか。その点について詳しく解説します。

初診・診断費用

初診と検査や診断の費用は、選択した矯正の種類や歯科医院によって大きく変わることはあまりありません。全国的には5万円前後に設定している歯科医院が大半を占めます。初診やカウンセリングを無料で行っている場合は、歯並び矯正にかかる費用を少し抑えることも可能です。

装置の種類と値段

一般的に矯正装置は、マウスピース矯正よりもワイヤー矯正の方が高くなっています。マウスピース矯正の全国的な相場が80万円程度であるのに対し、ワイヤー矯正は80万~100万円程度となっています。裏側矯正に関しては少し料金が高く、140万円前後かかることが多いようです。

治療期間と維持費用

治療期間も歯並び矯正の費用を左右する要素のひとつです。例えば、6〜12ヵ月程度で終わる歯並び矯正なら、自ずと費用も安くなりますが、2〜3年かかる場合は標準的な料金となります。また、治療期間が長くなると、維持費用や調整費用がたくさんかかることになるため、その分、歯並び矯正の費用もかさんでいきます。ちなみに、調整費用は1回あたり3000〜7000円に設定している歯科医院がほとんどです。例えば、治療期間が10ヵ月で終わった場合は、調整料も3万〜7万円で済みますが、30ヵ月を要した場合は9万〜27万円かかることになります。1回あたりわずか数千円でも、長期に及ぶとこれくらいの開きが出てくるのです。

追加費用とその理由

矯正治療では、基本料とは別に追加費用がかかることがあります。これもまた歯並び矯正の費用を高くする要因の一つといえるでしょう。具体的には、抜歯やアンカースクリューの埋入、装置の破損による作り直し、治療計画の立て直しなどです。装置の作り直しや治療計画の立て直しは、患者さんの責任でなければ費用が発生しない場合もあります。

歯並び矯正の平均的な値段

歯並び矯正の平均的な値段 歯並び矯正の平均的な値段は、子どもと大人で異なります。また、地域によっても差が見られる点に注意が必要です。

子どもの矯正治療の平均費用

子どもの矯正治療には豊富なバリエーションがあります。使用する装置や治療期間もケースによって大きく変わるため、治療費を一概に語ることは少し難しいと言えます。その上で全国的な相場に言及すると、20万〜50万円程度かかるのが一般的です。これはいわゆる「一期治療」と呼ばれるもので、6〜12歳くらいの子供が対象となる矯正治療です。永久歯が生えそろった後に行う「二期治療」は大人の矯正治療と同義であるため、次の項目でご説明します。

大人の矯正治療の平均費用

大人の矯正治療は、歯並びの乱れを細かく整える治療です。上段でも触れたように、小児矯正の二期治療も広い意味でこれに当たります。そんな大人の矯正治療の平均的な費用は、80万〜100万円程度となっています。大人の矯正治療でも歯列の一部分だけを治す場合は、費用もかなり安くなります。いわゆる部分矯正の費用相場は、40万〜60万円程度が一般的です。

矯正治療の値段の地域差

矯正治療の値段には、ある程度の地域差が見られます。例えば、物価や地価の高い東京の都心部では、矯正治療の費用も自ずと高くなる傾向にあります。逆に、物価や地価の安い地方都市では、都会と比べると矯正治療の費用が安くなるのです。これは矯正に限らず、その他の医療やサービスにも共通していえることです。歯科医院によって費用に大きな差が見られるのは、矯正治療が自費診療だからです。歯並び矯正は費用が全国一律となる保険診療では、原則的に受けられません。

歯並び矯正の値段を抑える方法

歯並び矯正の値段を抑える方法 歯並び矯正の値段を抑える方法としては、以下の3つが挙げられます。

保険を活用する

上段でも述べた通り、歯並び矯正は原則として自費診療となりますが、一部のケースでは例外的に保険適用されることもあります。例えば、先天的な病気が原因で噛み合わせに深刻な異常が生じている場合は、保険内で歯並び矯正を受けられることがあります。心当たりのある方は、病院や歯科医院に問い合わせてみましょう。保険が適用されれば、3割負担で歯並び矯正を受けることが可能となります。

分割払いやローンを利用する

これは歯並び矯正にかかる費用を抑えるというよりは、毎月の出費を抑えるのに役立つ方法です。数十万円に及ぶ歯並び矯正の費用を一括で支払うのは難しいという方も多いですよね。そんな時に分割払いやデンタルローンを活用できれば、歯並び矯正の敷居も大きく下がることかと思います。とくにデンタルローンは、歯科治療に特化した立替払いサービスなので、金利が安く、申し込みもしやすいというメリットがあります。80回払いまで分割できるデンタルローンも珍しくなく、月々1万〜2万円の支払いで歯並び矯正を受けることも可能となります。

矯正治療専門のクリニックを選ぶ

矯正治療専門のクリニックは、歯並び矯正の費用が安い場合と高い場合の2つに分けられます。虫歯治療や歯周病治療などを行う必要がないため、設備やスタッフにかけるコストを削減できる点が大きなメリットといえますが、その分、高い技術料が加算される場合もあるのです。コスト面を重視するのであれば、矯正治療専門の歯科医院の中でも料金設定が良心的なところを探すようにしましょう。

歯並び矯正に値段分の価値はある?

歯並び矯正に値段分の価値はある? 歯並び矯正の値段相場については十分にご理解いただけたかと思いますが、重要なのはそれだけの値段を払う価値が歯並び矯正にあるかどうかですよね。

歯並び矯正のメリット

歯並び矯正を受けるメリットしては、口元の見た目が良くなる、長年のコンプレックスを解消できる、歯磨きしやすくなる、虫歯や歯周病のリスクが減る、口臭が気にならなくなる、食べ物を効率よく噛めるようになる、特定の歯に負担がかかることがなくなって歯列全体の健康維持につながる、発音しやすくなる、などが挙げられます。歯並び矯正というのは、皆さんが考えている以上に多くのメリットが得られる歯科治療なのです。

歯並び矯正のデメリット

歯並び矯正のデメリットとしては、高い費用がかかる、治療期間が長い、矯正装置で見た目が悪くなる、食事や歯磨きがしにくい、などが挙げられます。見た目の悪さや食事や歯磨きのしにくさは、マウスピース矯正を選択することで解消できますが、高額な費用と長い治療期間は避けて通ることができません。

歯並び矯正の価値

このように、歯並び矯正にはメリットとデメリットの両方があります。それらを比較して、メリットの方が大きいと感じた方は、歯並び矯正を始めてみましょう。歯並び矯正によって得られるメリットは、もしかしたら文章だけで伝えることは困難かもしれません。長い矯正期間を乗り越えて手に入れた美しい歯並び、正常な噛み合わせは、あなたの人生を豊かにしてくれることは間違いありません。

その効果や恩恵は、年を重ねるごとに大きくなっていくでしょう。60歳、70歳になっても好きなものを好きなだけ食べて、いろいろな人と関わっていく人生をお望みであれば、歯並び矯正によって得られるメリットの価値もよく理解できるかと思います。歯並び矯正は、人生において最も価値の高い自己投資の一つといえるかもしれません。

まとめ

まとめ 今回は、歯並び矯正の費用や節約方法について解説しました。歯並び矯正は極めて専門性の高い歯科治療であり、保険も適用されないため費用は高くなりがちです。本文でもご紹介したように、歯並び矯正の費用を節約する方法はいくつかありますが、一般の歯科治療よりは高い費用がかかってしまいます。それでも受けるだけの価値があるのが歯並び矯正です。そんな歯並び矯正についてもっと詳しく知りたい、カウンセリングを受けてみたいという方は歯科医院に相談してみると良いでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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