ワイヤー矯正

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間はどのくらい?治療期間を短縮させる方法を解説

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間はどのくらい?治療期間を短縮させる方法を解説

裏側矯正(舌側矯正)は、見た目を気にせず歯並びを整えられる治療法ですが、治療期間がどのくらいかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。 本記事では裏側矯正(舌側矯正)の治療期間について以下の点を中心にご紹介します。

  • 裏側矯正(舌側矯正)の治療期間
  • 裏側矯正(舌側矯正)の治療期間が短いケース
  • 裏側矯正(舌側矯正)の治療期間を短縮させる方法

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

裏側矯正(舌側矯正)について

裏側矯正(舌側矯正)について

裏側矯正(舌側矯正)とはどのような治療法なのでしょうか。メリット・デメリットも併せて解説します。

裏側矯正(舌側矯正)とは

裏側矯正(舌側矯正)はワイヤーなどの矯正装置を歯の裏側に装着する、見た目に配慮された治療方法です。装置が外から見えないため、矯正治療中であることを周囲に気付かれにくく、人目を気にせず治療に専念できます。

具体的には、前歯の裏側にブラケットと呼ばれる小さな金属を取り付けます。装置を固定させる接着剤は、治療が終わればきれいに剥がせます。

裏側矯正(舌側矯正)のメリット

裏側矯正(舌側矯正)は、目立ちにくいだけでなく、むし歯リスクの軽減や外傷防止といった利点もあります。

  • 矯正装置が見えにくい
    歯の裏側に装置を取り付けるため、笑ったり話したりしても周囲から矯正装置が見えにくいです。特に外見を気にする方や、接客業など人前に出る機会が多い方におすすめです。
  • 歯の表面を守る
    歯の裏側は唾液の流れが多く、むし歯ができにくい環境です。 ただし、日々の歯ブラシや定期的な清掃を徹底することが大切です。
  • スポーツ時のリスク低減
    装置が裏側にあるため、スポーツ時の外傷リスクも低く、装置が頬や唇に当たることで口腔内が傷つくリスクを低減できます。

裏側矯正(舌側矯正)のデメリット

裏側矯正(舌側矯正)はさまざまなメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。

  • 費用面
    裏側矯正(舌側矯正)は高い技術を要するため、表側矯正と比べて費用が1.5~2倍程高くなる点が挙げられます。 特に、技工操作を全てデジタル化した手法の場合は、精密な仕上がりが期待できる反面、費用負担が大きくなる場合があります。
  • 発音への影響
    装置が舌に触れるため、発音に影響が出ることがあります。 特に装着後の最初の2週間程は滑舌が悪くなり、喋りづらさを感じることがありますが、時間とともに慣れていくことが多いようです。
  • 治療期間
    症状にもよりますが、治療期間が約1~3年と長くなる可能性がある点も考慮が必要です。 ただし、歯に合わせたオーダーメイドの装置を用いることで違和感や負担が軽減されるケースもあるため、気になる方は歯科医師に相談してみましょう。

裏側矯正を検討する際には、これらのデメリットを理解したうえで、自身のライフスタイルや予算に合った選択をすることが大切です。

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間

裏側矯正(舌側矯正)は治療にどのくらいの期間がかかるのでしょうか。部分矯正と全体矯正の治療期間の違いも併せて解説します。

裏側矯正(舌側矯正)は表側矯正よりも時間がかかる?

裏側矯正(舌側矯正)は、装置が舌側(歯の裏側)にあるため調整が難しく、歯の動きを確認しづらいため、表側矯正よりも治療期間が長くなる傾向にありますが、技術の進歩や新しい装置の登場により、その差はほとんどなくなっているといわれています。

現在では、1年半~3年程度で治療が完了することが多いようです。
また、裏側矯正(舌側矯正)は舌が装置に触れやすいため、慣れるまでに時間がかかることがあり、治療の初期段階で進行を遅らせる要因になることもあります。

部分矯正と全体矯正の場合の治療期間の違い

矯正治療の期間は、治療範囲によって異なります。
部分矯正は、上下いずれかの一部の歯を動かす治療で、3ヶ月〜1年程度で治療が完了します。

全体矯正は歯列全体を整えるため、1年〜3年程の治療期間が必要です。抜歯が必要な場合は2~3年程度、非抜歯の場合は1~2年程度が目安です。

また、歯並びの状態や、選択する治療法(裏側矯正、表側矯正、マウスピース型矯正など)によっても治療期間は変動します。
治療期間や費用の目安は事前に相談し、精密検査後も詳細を確認することが重要です。

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間が短いケース

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間が短いケース

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間が短いのはどのような場合なのでしょうか。以下に解説します。

矯正範囲が狭い

裏側矯正(舌側矯正)は主に全体矯正に用いられる方法ですが、矯正範囲が一部に限られる場合、治療期間を短く抑えられるとされています。

部分矯正は、前歯だけなど一部の歯列を整える矯正方法のため、全体矯正よりも短期間で治療が完了するのが特徴です。症状にもよりますが、数ヶ月〜1年程度で済む場合があります。

抜歯をしない

矯正治療では、歯を動かすために口内のスペースを確保する必要があり、顎が小さい場合などは抜歯を行うことがあります。しかし、抜歯を行わない場合、治療期間が短くなる傾向があります。
これは、抜歯で生じたスペースを埋めるために、歯を大きく動かすための時間がかかるからです。

一方、抜歯をしない矯正では、動かす歯の距離が短くなるため、治療がスムーズに進みやすくなります。
症状によっては抜歯をした方が効率よく歯並びを整えられ、結果的に治療期間を短縮できるケースもあります。

年齢が若い

歯科矯正は骨の代謝を利用して歯を動かすため、新陳代謝が活発な年齢が若い方程、治療期間が短く済む傾向があります。特に成長期にある子どもや若い世代は、骨がやわらかく歯周組織の代謝も活発なため、歯が動きやすく、矯正の効果が現れやすいとされています。

ただし、矯正期間は個人差があり、必ずしも年齢が若ければ短期間で治療が終わるわけではありません。

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間を短縮する方法

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間を短縮する方法

裏側矯正(舌側矯正)の治療期間の短縮にはどのような方法があるのでしょうか。

アンカースクリュー

アンカースクリューとは、小さなチタン製のネジを歯茎に埋め込み、矯正治療の固定源として利用する方法です。インプラント矯正とも呼ばれ、特に前歯を奥に引っ込めたい場合など、特定の症例で効果が期待できます。
アンカースクリューを固定源にすることで、従来の方法では難しかった効率的な歯の動きが可能になるとされ、治療期間を平均3~6ヶ月程度短縮できるケースもあります。

アンカースクリューは装置自体が小さいため、埋め込む際の痛みや負担がかかりにくく、矯正が終了した際の傷跡も残り難いとされています。
裏側矯正(舌側矯正)を検討している方で、より短期間で治療を進めたい場合には、アンカースクリューを用いた方法を取り入れることで、スムーズかつ効果的な矯正が期待できます。

オルソパルス

オルソパルス(光加速矯正装置)は、矯正治療の期間を短縮するために使用される医療機器で、特にマウスピース型矯正との併用が行われています。お口に装着し、一日10分程度、近赤外線の光を歯や歯茎に当てることで、歯周組織を活性化し、歯の動くスピードを早める効果が期待されています。

裏側矯正(舌側矯正)でも、オルソパルスを取り入れた治療が受けられ、短期間で理想の歯並びを目指したい方におすすめです。

コルチコトミー

コルチコトミー(歯槽骨皮質骨切除術)は、矯正治療の期間を短縮するために行われる外科的手術です。

この方法では、矯正する歯を支える骨の表面にある皮質骨(ひしつこつ)に微細な切り目を入れることで、骨の代謝速度を助け、歯を効率的に移動させることが可能になるとされています。

歯槽骨の表面が回復するタイミングに合わせて矯正力を加えることで、治療期間を短縮できる可能性があります。

この手術は特に、裏側矯正(舌側矯正)を含むワイヤー矯正と併用されることが多いとされ、短期間で理想の歯並びを目指したい患者さんにとって魅力的な選択肢です。

ただし、外科的なアプローチを伴うため、治療を希望する際には医師に相談し、リスクや適応条件を十分に確認することが重要です。

裏側矯正(舌側矯正)を短縮するための注意点

裏側矯正(舌側矯正)を短縮するための注意点

裏側矯正(舌側矯正)を短縮するためにはどのようなことに注意するとよいのでしょうか。以下に解説します。

定期的に通院する

裏側矯正(舌側矯正)の期間を短縮するためには、ドクターの指示通りに定期的に通院することが重要です。
矯正中は1~2ヶ月に1回程度のペースで通院が必要となり、通院の際には装置の調整や歯の動きの確認、さらにはむし歯や歯周病を予防するためのクリーニングが行われます。これらのメンテナンスを怠ると、治療計画に遅れが生じるだけでなく、口腔内の健康リスクも高まります。
また、予約を先延ばしにすると、その分治療期間が延びてしまう可能性があるため、忙しい日々でも通院を優先することが大切です。

定期的な通院が難しい場合は、自身が通いやすい場所や時間帯に対応しているクリニックを選ぶこともポイントです。
さらに、気になることがあれば次回の通院を待たず、早めに医師に相談することで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな治療につながります。

口腔ケアを徹底する

裏側矯正(舌側矯正)中は、装置が歯の裏側に固定されているため、食べかすが残りやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。矯正治療中にむし歯ができてしまうと、治療を一時中断し、むし歯治療が優先されることがあり、矯正期間が長引く原因となります。

そのため、日々の口腔ケアを徹底することが重要です。歯間ブラシやタフトブラシなどを使い、装置の隙間まで丁寧に磨く習慣を身につけましょう。
食後は必ず歯磨きを行い、専用の歯ブラシやデンタルフロスも活用しましょう。

また、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物を避けることで、装置の破損を防ぐことも大切です。
さらに、歯科医師の指導に従い、定期的なクリーニングを受けることで、口腔内の健康を保ちながら治療を進められます。

適切なケアを怠らないことが、治療期間を短縮するための鍵となります。

まとめ

まとめ

ここまで裏側矯正(舌側矯正)の治療期間についてお伝えしてきました。裏側矯正(舌側矯正)の治療期間の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 裏側矯正の治療期間は1.5〜3年が目安である。部分矯正は3ヶ月〜1年程度、全体矯正は1〜3年程度と矯正範囲により異なる。裏側矯正と表側矯正と治療期間の差はさほどないとされる
  • 治療期間が短いケースには、矯正範囲が狭い部分矯正、抜歯を伴わない矯正、新陳代謝が活発な若年層の治療の場合が挙げられる
  • アンカースクリューやコルチコトミーなどの技術や、オルソパルスなどの医療機器を活用することで、治療期間の短縮が図れる

裏側矯正の治療期間には個人差がありますが、新しい技術や機器を活用することで治療期間の短縮が図れます。自身に合った方法を選ぶため、医師と相談しながら治療計画を立てましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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