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噛み合わせが深いディープバイト(過蓋咬合)とは?治療法について解説

噛み合わせが深いディープバイト(過蓋咬合)とは?治療法について解説

噛み合わせが深いと言われるディープバイト(過蓋咬合)とは、一体どのような状態なのでしょうか?ディープバイトは、放置すると顎や歯に深刻な負担をかけることもあります。

本記事では噛み合わせが深いディープバイトについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 噛み合わせが深いディープバイトについて
  • 噛み合わせが深いディープバイトの治療法
  • 噛み合わせが深いディープバイトの予防法

噛み合わせが深いディープバイトについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

噛み合わせが深いディープバイト(過蓋咬合)について

噛み合わせが深いディープバイト(過蓋咬合)について

ディープバイトはどのような状態ですか?
噛み合わせが深い状態であるディープバイト、または過蓋咬合とは、上下の前歯が噛み合った際に、上の前歯が下の前歯を過度に覆い隠す状態を指します。

正しい噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯を軽く覆う程度ですが、ディープバイトの場合、下の前歯がほぼ隠れるように深く覆われます。

ディープバイトは、歯や顎に過度な負担がかかりやすく、噛む力が不均等に分散されるため、顎関節症や歯のすり減りを引き起こすリスクが高まります。

治療には、歯列矯正治療が選択され、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正を用いて、噛み合わせを正常に整える方法が取られます。早期に治療を開始すれば、症状の悪化を防ぎ、長期的な健康維持が期待できます。

ディープバイトになる原因は何ですか?
ディープバイトの原因にはいくつかの要素があります。まず、遺伝的要因が大きく影響するケースがあります。家族にディープバイトの傾向がある場合、同様の噛み合わせの問題を抱えるケースがよく見られます。

また、顎の成長不良や不均衡も原因の一つです。下顎が十分に発達せず、上顎に対して後退している場合、ディープバイトが生じやすくなります。

さまざまな要因が組み合わさることで、ディープバイトが進行し、適切な噛み合わせが保たれなくなります。噛み合わせが深すぎると、歯のすり減りや顎関節に痛みが生じるリスクが高まるため、早期の歯列矯正治療が重要です。

ディープバイトを放置するリスクを詳しく教えてください
ディープバイトを放置すると、さまざまなリスクが生じます。まず、上下の歯が過度に噛み合うことで、下の前歯が上の前歯の裏側に強く接触し、歯がすり減ったり、歯茎に負担がかかります。その結果、歯肉炎や歯周病が進行するリスクが高まります。

さらに、咀嚼時に顎関節に過度な負担がかかるため、顎関節症を引き起こす可能性があります。顎関節症になると、顎の痛みや開閉時の異音、頭痛、肩こりなどの症状が現れることがあります。

また、ディープバイトは、見た目にも影響を与えます。前歯が過度に覆い隠されるため、口元が圧迫された印象を与え、顔全体のバランスが崩れることがあります。ディープバイトを放置すれば、日常生活に支障が出るだけでなく、口腔の健康全般にも悪影響がおよびます。

噛み合わせが深いディープバイト(過蓋咬合)の治療法

噛み合わせが深いディープバイト(過蓋咬合)の治療法

ディープバイトを治療するワイヤー矯正について教えてください
ディープバイトの治療には、ワイヤー矯正がよく用いられます。ワイヤー矯正では、歯に固定したブラケットにワイヤーを通し、少しずつ力をかけて歯を理想的な位置へと移動させます。ディープバイトの場合、上下の前歯の位置関係を調整し、噛み合わせを正すことが目標です。

治療期間は1年〜3年程度とされていますが、個々の症状によって異なります。治療中は月に1回程度の調整が必要で、歯や顎にかかる負担を均等にするため、医師の指示に基づき定期的な通院が求められます。

ワイヤー矯正は、歯をしっかりと固定するため、治療効果が高く、幅広い噛み合わせの問題に対応可能な治療法です。

ディープバイトを治療するマウスピース型矯正について教えてください
ディープバイトを治療するために、マウスピース型矯正も効果が期待できます。マウスピース型矯正は、透明で取り外しが可能なマウスピースを使用し、徐々に歯を理想的な位置に導く治療法です。

マウスピース型矯正の利点は、見た目が目立ちにくいこと、装着中も食事ができる点、痛みが少ないことです。さらに、取り外しが可能なため、歯の清潔さを保ちやすいこともメリットです。

ただし、治療には時間がかかる場合があり、1日20時間以上の装着が必要とされます。しっかりと装着し続けることで、理想の歯並びを実現し、噛み合わせの改善につながります。

マウスピース型矯正は、従来のワイヤー矯正と比べても柔軟性が高く、快適にディープバイトを治療できる方法として選ばれています。

ディープバイトの外科手術はどのような場合に適用されますか?
ディープバイトの外科手術は、歯列矯正治療だけでは噛み合わせの改善が難しい重度のケースに適用され、歯並びだけでなく、顎の骨の位置や形状にも問題がある場合に行われます。

なかでも、上顎や下顎の骨が著しく不均衡で、噛み合わせが深すぎるために顎関節や歯に大きな負担がかかっている場合、外科手術が必要となることがあります。

手術は、顎の骨を再調整して正しい位置に移動させることで、噛み合わせを根本から改善します。その結果、顎関節や歯への過剰な負担が軽減され、将来的な問題を防ぎます。

外科手術は歯列矯正治療と併用して行われ、手術前後に歯列矯正装置を使用して歯並びを整えます。外科手術は、見た目や機能を改善する効果が期待できますが、回復には時間がかかるため、慎重な判断が求められます。

み合わせが深いディープバイト(過蓋咬合)の予防法

み合わせが深いディープバイト(過蓋咬合)の予防法

子どものディープバイトを予防する方法を教えてください
子どものディープバイトを予防するためには、いくつかの方法があります。

成長期の子どもには、バランスの取れた食事を与え、十分な顎の発達を促すことが大切です。よく噛むことが必要な食べ物を意識的に摂取させることで、顎の筋肉や骨がしっかりと発達し、適切な噛み合わせが形成されます。

最後に、定期的な歯科検診を受けることも予防で重要です。早期に噛み合わせの問題が発見されることで、適切な歯列矯正治療を行うことが可能になります。

成人でもディープバイトを予防できますか?
成人でもディープバイトを予防できます。日常的な予防策には、噛み合わせの状態を定期的にチェックし、歯や顎に負担をかけないよう、姿勢の改善が大切です。うつ伏せ寝や頬杖などの習慣は、顎の歪みや噛み合わせの悪化につながるため、避けることが重要です。

また、咀嚼をバランスよく行うことも、ディープバイトの予防に役立ちます。片側だけで噛むことを避け、両側で均等に噛むことで、顎への負担が軽減されます。

歯列矯正治療を行うことで、すでに進行しているディープバイトの改善も期待できますが、予防のためには早めの対策が重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで噛み合わせが深いディープバイトについてお伝えしてきました。噛み合わせが深いディープバイトの要点をまとめると以下のとおりです。

  • 噛み合わせが深いディープバイトとは、上下の前歯が過度に重なり、下の前歯が上の前歯に隠れる状態のこと
  • 噛み合わせが深いディープバイトの治療法は、歯列矯正治療によって噛み合わせを調整し、顎や歯への負担を軽減する方法がある
  • 噛み合わせが深いディープバイトは、正しい姿勢やバランスの取れた咀嚼を意識し、定期的に歯科検診を受けることで予防ができる

定期的な歯科検診を受け、早期に異常を見つけることが、悪化を防ぐための重要なステップとなります。噛み合わせの問題を感じたら、早めの対策が必要です。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正

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