噛み合わせ

噛み合わせの治療は保険適用になる?適用される条件や費用相場

噛み合わせの治療は保険適用になる?適用される条件や費用相場

歯列矯正治療と聞くと、保険が使えない・費用がかさむ、というイメージがある方も多いのではないでしょうか?

たしかに歯列矯正治療は基本的には保険適用外ですが、症例によっては保険が適用される場合もあります。

今回は、歯列矯正治療で保険が適用される条件や費用相場についてご紹介します。

歯列矯正を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

噛み合わせが悪くなる原因や治療

歯の痛みを気にする女性

噛み合わせが悪くなる原因を教えてください。
噛み合わせが悪くなる原因は、骨格などの遺伝と生活習慣の大きく2つに分けられます。遺伝によるものとしては、顎の大きさと歯の大きさのミスマッチが挙げられます。これは、顎の大きさや歯の大きさが遺伝的要因によって決まるところが大きいといわれているからです。生活習慣によって噛み合わせが悪くなる例としては、頬杖・爪を噛む・舌癖・歯ぎしりなどが挙げられます。歯は弱い力をかけ続けると動く性質があるので、顎・お口・顔に継続的な力が加わることで噛み合わせが悪くなる可能性があります。先程挙げたような癖がある方は、その癖を治せるよう日常的に意識するとよいでしょう。
噛み合わせが悪いとどのような弊害がありますか?
噛み合わせが悪くなると、以下のような弊害があります。
  • むし歯・歯周病のリスクが高まる
  • 顎関節症になるリスクが高まる
  • 詰め物・被せ物に負担がかかる
  • 頭痛・肩こり・腰痛などを引き起こす
  • 顔が歪んでくる
  • 胃腸への負担が大きくなる
  • ストレスが蓄積する

噛み合わせが悪いと歯の間に汚れが溜まりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また、歯・歯ぐき・顎への負担も大きくなるため顎関節症のリスクも高くなってしまいます。さらには噛み合わせが悪いことで咀嚼がうまくできず、食べたものが細かくならないまま胃腸へ運ばれるため、胃腸への負担が増加するでしょう。その他、噛み合わせが悪いことでお口周りの筋肉に負担がかかり、頭痛・肩こり・腰痛などの原因となる場合もあります。このように、噛み合わせが悪いだけでお口周りの病気だけでなく、全身にも悪影響を及ぼしてしまいます。そのため、噛み合わせの悪さに悩んでいる方は、一度歯科医師に相談するのがおすすめです。

噛み合わせの治療はどのように行いますか?
噛み合わせの治療は以下のような流れで行います。
  1. 口腔内チェック
  2. 全身の歪みをチェック
  3. 顎ずれをチェック
  4. 上下の噛み合わせの位置関係を記録
  5. 治療方針の決定、治療開始
  6. 治療後の経過観察

歯科医院によって治療の流れは若干異なりますが、大まかな流れとしては先程述べたとおりです。まず、お口周り・全身の骨格のずれを確認して噛み合わせがどれくらい悪いかを把握します。その後上下の噛み合わせの位置関係を記録し模型を作成することで、治療方針を決定し治療を開始します。治療によって注意点が変わるので、歯科医師から十分に説明を受けるようにしましょう。

歯列矯正の種類を教えてください。
歯列矯正治療の種類は、ワイヤー矯正・マウスピース型矯正・インプラント矯正・コンビネーション矯正の主に4種類です。ワイヤー矯正は歯にブラケットと呼ばれる矯正装置をつけ、そこにワイヤーを通して歯並びを整えていく治療法です。歯の表側に装着する表側矯正と裏側に装着する裏側矯正(舌側矯正)があります。表側矯正は幅広い症例に対応できますが、装置が目立ちやすいのがデメリットです。一方、裏側矯正(舌側矯正)は装置が目立ちにくいというメリットがありますが、常に舌と触れるためストレスや痛みを感じやすいというデメリットもあります。マウスピース型矯正は、透明なマウスピースを一定期間装着し、治療段階に合わせて新しいマウスピースと交換することで希望の歯並びへ少しずつ近づけていく歯列矯正方法です。装置が透明で目立たちにくいため、見た目が気になるという方に向いています。インプラント矯正は、チタン製の小さなネジを歯ぐきの骨に埋め込んで行う歯列矯正方法です。笑ったとき歯ぐきが大きく露出するガミースマイルを治せる数少ない歯列矯正治療でもあります。コンビネーション矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正を組み合わせた歯列矯正治療で、短期間で安価に治療を行えるのがメリットです。各歯列矯正治療ごとにメリット・デメリットがありますので、歯科医師の説明をしっかりと受けたうえで、自分に合った治療を選ぶのがよいでしょう。
治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
治療方法によって異なりますが、半年〜3年かかるといわれています。歯並びが大きく乱れている、むし歯や歯周病の治療に時間がかかるなどの場合は、治療期間が長引く可能性が高いです。逆に、あまり歯列矯正の必要がない方では数ヵ月で治療が完了する場合もあります。また、子どもの場合は顎の成長期間に合わせて治療を行う必要があるため、大人と比べて歯列矯正治療の期間が長くなるでしょう。歯列矯正治療といっても、噛み合わせの状態や症状、口腔内の状況によって治療方法・治療期間ともに異なります。まずは自分にどの治療方法が合っているか歯科医師に相談し、治療期間を具体的にイメージするのがおすすめです。
歯列矯正以外の治療方法はありますか?
歯列矯正以外の治療方法として、噛み合わせに悪影響を及ぼす生活習慣の改善や詰め物・被せ物の調整などが挙げられます。噛み合わせに悪影響を及ぼす生活習慣について、爪を噛む・頬杖をつく・片側だけで噛むといったものが典型的な例です。これらの生活習慣を見直すことで噛み合わせの悪さも改善できる可能性があります。場合によっては歯科医院でのサポートを受けることもできますので、歯列矯正治療を検討する際には一度歯科医師に相談し、まずは生活習慣を見直すことから始めるのもよいでしょう。また、過去に装着した詰め物・被せ物が合っていないことで噛み合わせが悪くなるケースもあります。このような場合は、詰め物・被せ物の高さを調整することで、噛み合わせの悪さを改善できるでしょう。詰め物・被せ物の調整は使う素材が限定されますが、保険適用で治療が可能です。

噛み合わせの治療が保険適用になる条件

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噛み合わせの治療は保険適用になりますか?
歯列矯正治療は、基本的に保険適用されません。保険適用となる治療は、健康や身体の機能性に影響がある場合のみ、と決められているためです。噛み合わせが悪いと将来的にむし歯や歯周病にかかりやすくなる、体調不良を起こしやすくなるといった問題点がありますが、日本においては病的なものとは認められていません。また、歯列矯正治療は見た目をよくするという審美目的とみなされるため、保険が適用されません。ただし、保険が適用されるケースもあるので、噛み合わせの治療を検討する際に一度歯科医師に相談してみるのがよいでしょう。
保険が適用される条件を教えてください。
基本的に保険適用外となる歯列矯正歯科治療ですが、以下のようなケースで機能的に問題がある病的なものと認められれば、保険が適用されます。
  • 別に厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常に対する歯列矯正歯科
  • 前歯および小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋状歯開窓術を必要にするものに限る)に対する歯列矯正歯科治療
  • 顎変形症(顎離断などの手術を必要とするものに限る)の手術前後の歯列矯正歯科治療

1つ目は、先天性心疾患により歯並びや噛み合わせに異常がある場合です。代表例として唇顎口蓋裂・ダウン症候群・筋ジストロフィーなどが挙げられます。2つ目は、永久歯が3本以上歯ぐきに埋まったまま生えてこず、手術によって歯を萌出させる必要がある場合です。3つ目は、受け口や出っ歯などにおける骨格の問題が重度で、通常の歯列矯正治療では治せない場合です。このような状態は、骨の形状異常による機能障害を起こしているとみなされるため、保険適用で歯列矯正治療が受けられます。以上の3パターンに当てはまる場合には保険が適用されますので、歯列矯正治療を検討する際には一度確認してみてもよいでしょう。

噛み合わせの治療の費用相場

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保険が適用される場合の治療の費用相場を教えてください。
疾患によって通院回数が異なるため、治療費の目安はありません。費用に関していえることとして、保険が適用される疾患の場合、治療当日の処置に対する費用として3割自己負担となります。しかし自己負担額は年齢や所得によって変わるため、歯列矯正治療で保険の利用を検討する際には加入している保険組合にあらかじめ問い合わせておくのがよいでしょう。
自由診療の場合の治療の費用相場を教えてください。
自由診療の場合、初診から歯列矯正歯科治療後の経過観察までを含めた一般的な総額で800,000〜1,200,000円(税込)程度かかるといわれています。治療が難しい症例や長期間の治療を必要とする症例の場合には、さらに費用がかさむ可能性があります。逆に、気になる部分だけを歯列矯正治療するのであれば500,000円(税込)程度の費用に抑えることが可能です。費用に関しては地域や歯科医院によって差があるので、治療を開始する前に歯科医師に相談し納得したうえで治療するようにしましょう。

編集部まとめ

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今回は歯列矯正治療が保険適用になるかどうか、その条件から治療費の相場まで詳しく解説しました。

歯列矯正は、一部のケースを除いて基本的には全額自己負担となります。

しかし、費用がかさむからといって噛み合わせが悪いまま放置していると、さらに噛み合わせが悪くなるだけでなく、全身に悪影響を及ぼす可能性もあります。

歯列矯正を検討している方は、この記事に記載した治療の種類・費用相場・保険適用の条件などをぜひ参考にしてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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