噛み合わせ

乳歯の時期に歯列矯正は必要?メリット・デメリットや永久歯との関係も解説

乳歯の時期に歯列矯正は必要?メリット・デメリットや永久歯との関係も解説

子どもの歯並びが気になるけれど、乳歯の段階での矯正が必要かどうか、迷っている方も少なくないでしょう。乳歯期の矯正は、永久歯の正しい生え方や歯並びに大きく影響を与えます。

子どもの歯列矯正はいつ始めるのが理想なのか、治療を始めるタイミングやメリット・デメリットをしっかり理解してから決断しましょう。

この記事では、乳歯矯正の重要性や適切な治療時期、メリット・デメリットについて詳しく解説します。お子さんの歯の健康を守るために、ぜひお読みください。

乳歯期の歯列矯正の必要性

歯科矯正中の歯

乳歯の時期に歯列矯正は必要ですか?
乳歯の時期に歯列矯正は、個々の状況によって必要な場合もあります。乳歯を矯正すると将来の歯並びや噛み合わせによい影響を与えると期待できる場合、矯正がすすめられることがあります。特に、乳歯が抜ける前の歯列や顎の成長に問題がある場合は、早めの治療が有効です。
永久歯が生える前に歯並びを整えると、歯列の悪化を予防し、矯正の負担を減らせます。また、成長に合わせて適切に乳歯を矯正しておくと、後の治療の負担が軽減される可能性があります。将来矯正が必要になりそうだと感じる場合は、乳歯期であっても早めに歯科医師に相談しましょう。
乳歯期に歯列矯正が必要となるケースについて教えてください。
乳歯期に矯正が必要となるのは、歯列が著しく乱れている場合や噛み合わせに問題がある場合、また顎の発育に偏りが見られる場合などです。乳歯が長く残りすぎると、永久歯が正しく生えてこないリスクがあるため、歯列矯正治療が必要になることがあります。
早期に治療を開始すると、顎の成長を助け、お顔全体のバランスを整えられるのが利点です。特に、噛み合わせの不良が顎の発育に影響を及ぼす場合、早めに治療を開始した方がよいでしょう。早期の治療で、後の大規模な治療を回避できる可能性があります。
乳歯期の歯列矯正はいつから始めますか?
乳歯期の歯列矯正は、顎の成長が進む時期に合わせて行われる治療です。通常、6〜10歳の間が治療開始の目安とされていますが、個々の発育状況に応じて適切なタイミングは異なります。
治療を早めに開始すると、矯正がスムーズに進むことが多く、治療期間も短くなる傾向があります。乳歯だけの時期(乳歯列期)の治療は、お子さん本人が協力的でないと治療を続けることが難しいです。それ以降に開始する場合も、歯列の乱れが遺伝による場合、一時的に改善しても成長とともにもとに戻ってしまう可能性もあります。
乳歯の抜け方や顎の成長具合を見ながら、歯科医師と相談して適切な時期に始めましょう。子どもの成長段階に合った治療を行うことで、より効果的な結果が期待できます。
乳歯期の歯列矯正はどのような方法で行いますか?
乳歯期の歯列矯正治療では、マウスピース型の装置や部分的な固定装置が使用されます。乳歯期や乳歯と永久歯が混在する混合歯列期の歯列矯正は、顎の成長に合わせて調整して歯並びを少しずつ修正するため、負担が少ないです。
成長期に合わせた治療を行うことで、自然に歯を動かし、顎全体のバランスの改善が可能です。また、最近では透明な矯正器具を使用する方法もあり、見た目を気にせず治療を進められる利点もあります。負担を軽減しながら長期的な結果を得られるのが大きな特徴です。
乳歯期の歯列矯正は保険が適用されますか?
乳歯期の歯列矯正治療は、原則保険適用外です。歯列矯正は美容目的となるためですが、医療的に必要と認められた場合には保険が適用されるケースもあります。顎の発育に影響がある場合や、日常生活に支障が出ると判断されると適用される可能性が高いです。
保険適用に該当するかどうかは、治療前に歯科医師に確認し、費用面での計画を立てましょう。歯列矯正治療に対する助成金制度がある地域もあるため、調べておくことをおすすめします。

乳歯期の歯列矯正のメリット・デメリット

歯科矯正の器具

乳歯期の歯列矯正のメリットについて教えてください。
乳歯期に歯列矯正を行うメリットの一つは、将来の永久歯の歯列矯正の負担が軽減される可能性がある点です。
早期に歯並びや噛み合わせの問題に対応することで、永久歯がきれいに並ぶ土台を作れるため、正しい位置に生える可能性が高まります。さらに、成長期に合わせて歯列矯正を行うため、顎の自然な発育を助けることができ、お顔全体のバランスが整いやすいです。
乳歯期の歯列矯正のデメリットについて教えてください。
乳歯期の歯列矯正のデメリットは、第一に費用がかかる点です。乳歯期に始める歯列矯正治療は保険が適用されないことが多く、その費用が負担になる場合があります。また、早期に治療を始めると永久歯が生えるタイミングで追加の治療が必要になることがあるため、治療期間が長期化する可能性もあります。
幼い子どもの場合、装置の装着や取り外しが不便に感じられ、生活のなかでストレスを感じることもあるでしょう。治療を継続するには、保護者の方の協力に加え、お子さん自身の理解と協力が必要で、日常生活のケアも重要です。

乳歯期の歯列矯正と永久歯の関係

斜めに生えてきた永久歯

乳歯期の歯列矯正が永久歯に与える影響はありますか?
乳歯期に歯列矯正を行うことで、永久歯が正しく生えるようになります。乳歯期に歯列矯正を行うと、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保し、歯列の乱れを予防できるのです。
乳歯期に永久歯が正しく並ぶ土台を作ることで、永久歯がスムーズに並び、将来の歯列矯正治療の軽減が期待できます。また、乳歯の段階で顎の成長を整えると、永久歯が自然に理想的な位置に配置されて顎のバランスもよくなる可能性があります。
乳歯から永久歯への生え変わり期に歯列矯正は可能ですか?
乳歯から永久歯への生え変わり期にも、歯列矯正治療は可能です。乳歯と永久歯が入れ替わる混合期は、顎の成長とともに歯が入れ替わるため、歯列矯正治療によいタイミングとされています。
生え変わり期に歯列矯正を行うことで顎の成長に合わせて歯が正しい位置に移動し、正しい鼻呼吸や舌の動きを身につけ、より効率的な治療が可能です。また、このタイミングで治療を行うことで、永久歯が正しい位置で生えるよううながされ、将来的な歯列の乱れを防止する効果も期待できます。
歯列矯正治療を行う適切なタイミングを教えてください。
歯列矯正を始めるタイミングは、個々の歯並びや顎の成長具合によって異なりますが、一般的には乳歯が残っている時期から永久歯への生え変わりが始まる6〜12歳頃が適切です。
6、7歳頃は、永久歯がきれいに並ぶための土台を作れる時期で、さまざまな予防措置や誘導ができます。だいたい12歳くらいまでに乳犬歯や乳臼歯などの大きな歯が入れ替わって、永久歯の歯並びが完成します。
そのため、永久歯に生え変わってからの治療を軽減するなら、12歳くらいまでに治療を始めるのが理想でしょう。定期的に歯科医師のもとで検診を受け、しっかり相談したうえで適切なタイミングを見極めましょう。

編集部まとめ

すがすがしい子供の笑顔

乳歯期の歯列矯正は、将来の永久歯の位置や歯並びに大きく影響を与える治療です。乳歯期に適切なタイミングで歯列矯正を始めることで、永久歯が正しい位置に生えやすくなり、後の歯列矯正治療を軽減できるメリットがあります。

顎の成長期に行う歯列矯正は、自然な歯の移動をうながし、お顔全体のバランスを整える効果も期待できるでしょう。成長期に合わせた矯正は、より短期間で効率的に結果を出すことが期待でき、後々の大がかりな治療の必要性を減らす可能性もあります。

ただし、治療には保険が適用できないケースがほとんどで、費用がかかります。場合によっては長期間の治療が必要になり、保護者だけでなく治療を受ける子ども本人の理解と協力も必要不可欠です。

結論として、乳歯期の歯列矯正は、長期的な歯の健康を考えるうえで有効な手段ですが、費用や治療期間を十分に考慮し、歯科医師としっかり相談が大切です。将来の矯正負担を減らすためにも、適切なタイミングで治療を行えるよう早めに歯科医院での検診をおすすめします。

参考文献

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正

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