マウスピース矯正

インビザラインができない症例とは?治療できない場合におすすめの矯正方法も紹介!

インビザラインができない症例とは?治療できない場合におすすめの矯正方法も紹介!

マウスピース矯正のインビザラインは、年々プランが増えてきています。開発された当初はいわゆる全体矯正にしか対応していなかったのですが、現在は部分矯正や小児矯正までインビザラインで行えるようになっています。とはいえインビザラインも万能な矯正法ではないため、インビザラインできない症例というものも存在しています。ここではそんなインビザラインできない症例やその他の治療法について詳しく解説をします。

インビザラインについて

インビザラインについて

インビザラインとはどのような矯正方法ですか?
インビザラインとは、透明なマウスピースを使った歯列矯正です。アメリカのアライン・テクノロジー社が提供しているマウスピース型矯正装置で、日本でも2006年から治療が始まりました。もうすでに20年近い歴史があるマウスピース型矯正は他にないため、日本でもインビザラインが最も有名になっているといっても間違いではありません。
インビザラインの治療にかかる期間はどのくらいですか?
インビザラインの治療にかかる期間は、種類によって変わってきます。・着脱式の装置を使う
インビザライン矯正では、取り外し可能な装置を使って、出っ歯や受け口などを治していきます。具体的にはアライナーと呼ばれるポリウレタン製のマウスピースを1~2週間に1回の頻度で交換していきます。標準的な症例では、アライナーを50枚くらい使うことで、歯並びの問題を解決できます。従来のワイヤー矯正のような装置が目立つ、食事や歯磨きがしにくい、装置で粘膜を傷つけやすい、治療に伴う痛みが強い、といったデメリットを解消することができ、歯並びの治療を快適に進められます。
・インビザラインファースト
インビザラインファーストは、乳歯と永久歯が混在する時期に適応される治療プランです。インビザラインファーストによる治療は、6~18ヵ月程度かかるのが一般的です。インビザラインファーストの場合は、適切な時期を逃すと適応が難しくなるため、その点は十分にご注意ください。

・インビザラインライト
インビザラインライトとは、いわゆる部分矯正です。使用できるアライナーの数に制限がかかっており、治療期間は3~5ヵ月程度となっています。インビザラインライトで全体の歯並び・噛み合わせを大きく改善することは難しいです。

・インビザラインコンプリヘンシブ
インビザラインコンプリヘンシブとは、いわゆる全体矯正です。過去にはインビザラインフルと呼ばれていたプランで、使用できるアライナーの数に制限はありません。一般的なケースでは、1~3年程度の期間を要します。重症度の高い歯並びほど、たくさんのアライナーが必要となるため、治療期間も長くなります。

インビザラインの治療にかかる費用はどのくらいですか?
インビザラインの治療は、プランによって費用が大きく変わります。部分矯正にあたるインビザラインライトは、30万~50万円程度で受けられます。全体矯正にあたるインビザラインコンプリヘンシブは、70万~90万円程度で受けられます。インビザラインはどのプランであれ保険が適用されないことから、費用相場に大きな幅が見られます。インビザラインの具体的な費用に関しては、治療を検討している歯科医院にお問い合わせください。

インビザラインができない症例について

インビザラインができない症例にはどのようなものがありますか?
インビザラインは万能な矯正法ではないため、以下に挙げるような症例では適応できないことが多いです。・重度の歯周病
重度の歯周病にかかっていると歯茎や顎の骨がボロボロになっています。ケースによっては歯がグラグラと動揺しているかもしれません。そのような状態でインビザラインを始めることは原則としてNGです。歯周病は自然に治る病気ではありませんし、インビザラインのアライナーを装着するようになればさらに症状が悪化することでしょう。何よりそのままの状態では歯を適切に動かすことができないのです。そうした点から重度の歯周病にかかっている人は、まず歯周病治療を受けることから始めなければなりません。歯周病治療によって歯茎や顎の骨の状態が良くなれば、インビザライン矯正も可能となります。
・歯並びがひどく悪い
出っ歯や受け口、乱ぐい歯の症状がひどい症例は、マウスピース型矯正のインビザラインで治すのが難しいです。インビザラインは軽度から中等度の歯並びに向いている装置なので、前歯の突出や歯列のデコボコが強い症例はワイヤー矯正の方が治しやすいといえます。ただし、一見すると歯並びがひどく悪いように見えても、精密検査を行ってみると意外にインビザラインで治せるケースというのもありますので、まずはカウンセリングを受けることをおすすめします。

・インプラントが複数入っている
失った歯を歯根から回復できるインプラントは、装置の構造上、矯正で動かすことができません。埋め込まれているインプラントが1本で、なおかつその他の歯の移動を妨げないような位置にある場合は、インビザラインで矯正することも可能です。インプラントが複数入っていたり、埋入されている位置が悪かったりする場合はインビザラインできないことの方が多いです。

・骨格に問題がある
顎の骨が小さすぎたり、上下のバランスが悪すぎたりすることで出っ歯や受け口などになっている症例は、インビザラインできないことが多いです。骨格的な異常に由来する歯並び・噛み合わせの問題は、外科矯正やワイヤー矯正の方が向いています。

インビザラインができない症例の場合、どのような治療方法がありますか?
何らかの理由でインビザラインできない場合は、次のような治療方法を選択すると良いでしょう。・ワイヤー矯正(表側矯正)
ワイヤー矯正は、歯を大きく、三次元的に動かすのが得意な矯正法です。歯並びの乱れがひどい症例でもきれいに治せることが多いです。複数の歯を抜歯して治療する場合は、インビザラインよりもワイヤー矯正の方が向いています。ただし、インビザライン治療のクリンチェック治療計画の作成者が矯正治療の専門知識を有しているという前提でインビザライン治療とワイヤー治療の優れている点を比較すると、水平的に歯を動かしていく矯正治療に関してはインビザラインの方が優れているといえます。つまり、歯を抜かずに改善できる範囲の重度の叢生(乱ぐい歯、八重歯)の場合や、骨格性の上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、非対称を、骨格的な問題はそのままに歯だけを動かして改善できる場合は、インビザラインの方が広く優れているといえるでしょう。 歯の挺出移動や回転移動、大臼歯の近心移動、前歯の圧下移動、欠損歯の隣の歯の移動、小さい歯の移動、補綴歯の移動、などはマルチブラケット装置の方が優位といえます。

・裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正は、歯列の裏側にブラケットとワイヤーを固定する治療法です。表側矯正よりも高度な知識と技術を必要としますが、適応症はほぼ同じです。インビザラインで治せない症例は、裏側矯正で治せることが多いです。ただし、裏側矯正は表側矯正よりも費用が少し高くなるというデメリットを伴います。

・インビザラインとワイヤー矯正の併用
最近、増えているのがインビザラインとワイヤー矯正のコンビネーション治療です。インビザライン単独では治すのが難しい症例でも、ワイヤー矯正を併用することで効率よく治せます。始めにワイヤー矯正で歯並びを大きく改善して、仕上げの段階でインビザラインを使うことが多いです。

インビザラインが向いている人と向いていない人

インビザラインが向いている人と向いていない人

インビザラインはどんな人におすすめですか?
インビザラインは、歯並びの乱れが小さい人に向いています。また、矯正中であることを気づかれたくない、食事や歯磨きを普段通りに行いたいという人にもインビザラインがおすすめといえます。歯科医院に通院する時間があまりないという人にもインビザラインはおすすめです。なぜならワイヤー矯正は1ヵ月に1回の通院が必須であるのに対し、インビザラインの場合は2ヵ月に1回程度の通院で治療を進められるからです。
インビザラインが向いていないのはどんな人ですか?
インビザラインは、マウスピースのケアができない人、マウスピースを決められた時間装着できない人にはインビザラインが向いていないといえます。そうした人は装置を歯列に固定するワイヤー矯正の方が向いています。ワイヤー矯正なら歯磨きと一緒にケアできますし、装置の装着時間を自分で管理する必要がありません。装置を紛失するリスクも解消できます。

編集部まとめ

今回は、インビザラインできない症例や治療できない場合の矯正法について解説しました。インビザラインは、重度の歯周病にかかっている、歯並びがひどく悪い、インプラントが複数入っている、骨格に問題がある場合に適応できないことが多いです。

そうしたケースでは、ワイヤー矯正や裏側矯正を選択する場合もあれば、ワイヤー矯正とインビザラインのコンビネーションで治療する場合もあります。いずれにせよインビザラインをできる・できないの判断は歯科医師しか行えませんので、気になる場合はまず矯正相談を受けましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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