マウスピース矯正

インビザラインは世界中で使われているマウスピース型矯正歯科|費用やメリットデメリットを解説します

矯正歯科 インビザライン

矯正歯科でインビザラインとよく耳にするけれど、どのような矯正だろうと疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。 本記事では、インビザラインについて以下の点を中心にご紹介します!

  • インビザラインを使って治せる症状
  • インビザラインの相場や治療期間
  • インビザラインのメリット
  • インビザラインのデメリット

インビザラインについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インビザラインとは

\インビザラインとは

インビザラインは、インビザライン社が提供する透明なプラスチックのマウスピースを使用した歯列矯正治療です。従来の金属のブラケットやワイヤーを使う矯正治療とは異なり、プラスチックのマウスピースを歯に装着して歯列を徐々に移動させることで、歯並びを整えます。マウスピースは、カスタムメイドされ、取り外し可能であり、食事や歯磨きなどの際に簡単に外せます。
インビザラインは、見た目が自然で、装着感が軽減されていることが特徴です。また、金属アレルギーやブラケットによる口内炎の心配がなく、患者にとって快適な治療法として人気があります。
現在、インビザラインは世界中で使われているマウスピース型矯正歯科治療として認知されており、多くの歯科医院が採用しています。さらに、矯正治療を必要とする患者の間で、歯の見た目や快適さを重視する人々にとって、インビザラインは魅力的な選択肢として広く受け入れられています。

インビザラインを使って治せる症状

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インビザラインで治療が可能な症状には、どのようなものがあるでしょうか。 以下で解説していきます。

乱ぐい歯(叢生 そうせい)

乱ぐい歯は、歯並びが不規則で、歯が互いに密着せず、スペースや重なりが生じる状態を指します。乱ぐい歯は遺伝的要因や口腔の成長と発達の過程で起こることがあります。この状態は見た目の美しさだけでなく、口腔衛生や咬合にも影響を及ぼすことがあります。乱ぐい歯は噛み合わせや咬合力のバランスに悪影響を及ぼすだけでなく、歯垢や食物の詰まりがしやすくなり、歯周病やむし歯のリスクを高めることがあります。そのため、乱ぐい歯の治療は美容だけでなく、口腔の健康を維持するためにも重要です。

出っ歯(上顎前突)

出っ歯とは、上顎(上の歯)が前方に突き出ている状態を指します。これは遺伝的な要因や成長中の口腔の発達によって引き起こされることがあります。出っ歯は咬合の不均衡を引き起こし、見た目の美しさにも影響を及ぼすことがあります。さらに、噛み合わないために食事や発音にも影響を与えることがあります。

受け口(反対咬合 はんたいこうごう)

受け口とは、上顎が下顎よりも前に出ている状態を指します。この状態が続くと、見た目には「しゃくれ顔」や「受け口」といった印象を与えます。また、下顎が前に出ている場合は、発音障害が起こることがあります。かみ合わせが原因でアゴが前に出てしまっている場合は、歯がすり減り、顎関節症が発症することもあるため、注意が必要です。

すきっ歯(空隙歯列 くうげきしれつ)

すきっ歯(空隙歯列)は、歯自体が小さい場合や舌突出癖、異常嚥下癖、咬唇癖、咬爪癖、口呼吸などの悪習慣で、歯と歯の間にすき間が生じる状態を指します。見た目では歯と歯の間に隙間があり、「すきっ歯」と呼ばれます。すき間が多いと見た目に悪くなるだけでなく、年齢を重ねると歯が大きく移動する可能性もあります。
すきっ歯の状態では、食べかすや歯石などがたまりやすく、口腔内の衛生状態が悪化しやすいため、歯周病やむし歯のリスクが増加します。また、すき間があるために噛み合わせが不均衡になり、咬合力のバランスも乱れることがあります。

前歯が咬めない(開咬かいこう)

前歯が咬めない状態を「開咬」と呼びます。口を閉じた時に奥歯のみが接触し、前歯がかみ合わない状態が特徴です。遺伝的な要因による場合もありますが、指しゃぶりなどの習慣が主な原因とされます。指しゃぶりによる長期間の圧力により、上下の歯列や咬合が影響を受けます。
開咬の状態では、食事の際に奥歯に大きな力がかかるため、痛みを伴ったり、重度の顎関節症を引き起こしたりする可能性があります。また、開咬の方には発音障害が見られることが多いです。

あごのズレ(交叉咬合こうさこうごう)

あごのズレ(交叉咬合)とは、上アゴと下アゴにズレがある状態を指しますが、骨格性の非対称が認められなくても、歯性の交叉咬合の場合もあります。 この状態では、歯に大きな摩耗が生じたり、歯を支える骨が過剰負担で失われたりする可能性があり、難治性の歯周病を引き起こすこともあります。

インビザラインを始める際に知っておきたいこと

インビザライン歯科矯正を始める際に知っておきたいこと

それではインビザラインの具体的な流れ、費用目安、期間などについて解説していきます。

インビザラインの流れ

まず、無料相談において、歯科医師との面談を通じて自身の矯正希望や歯の状態について相談します。次に、検査・スキャンが行われ、口腔内の写真やレントゲン、3Dスキャンなどを使用して歯の現状を詳しく評価します。
診断・同意書の段階では、医師から診断結果と矯正治療の予測結果が説明されます。また、治療の内容や費用、期間についての同意書に署名します。その後、治療計画の動画を確認し、予測される矯正の進行や結果を視覚的に確認します。
最後に、インビザライン矯正治療がスタートします。透明なマウスピース(アライナー)を装着し、定期的に交換していきます。アライナーは徐々に歯を移動させ、理想的なかみ合わせや歯列を目指します。治療の進行に合わせて定期的に歯科医師のもとを訪れ、アライナーの調整や進捗の確認をします。
ただし、マウスピース型矯正は装置が作られますが、治療の成果は診断に基づいています。オーダーの際に行った診断や矯正臨床の経験が治療の成功に影響を与えるため、その点が重要です。

インビザラインの費用目安

インビザラインの矯正治療費用は、部分矯正か全体矯正かによって異なります。一般的に、部分矯正の相場は約30万〜40万円で、全体矯正の相場は約70万〜100万円程度となります。ただし、医院によっては、料金設定が異なる場合があります。
また、矯正治療の費用には毎月の調整料が含まれる場合があります。この場合、調整料は約4000円〜1万円程度の範囲内であることが多いですが、医院によって異なります。

インビザラインの期間

インビザライン矯正は通常2年〜3年かかりますが、場合によっては1年半で終了することもあります。この治療法では、マウスピースを使用して歯を移動させますが、1回の変更での移動距離は最大でも0.25mmとごくわずかです。マウスピースの交換は7日〜2週間ごとに行われるため、1mmの歯の移動には約2ヶ月かかると言われています。また、インビザライン矯正には「矯正期間」と「保定期間」があります。リテーナーを終日装着する必要があるのが1年ほどで、その後の経過を見ながら就寝時、2日に1回就寝時、週に1回就寝時など後戻りしない程度に使用するのが望ましいとされています。

ただし、治療内容や元々の歯並び状態によって期間は異なりますし、個人の歯の反応にも差があるため、一概には言えません。

インビザラインのメリット

インビザラインのメリット

インビザラインを選択したときのメリットには、どのようなものがあるのかを解説していきます。

世界でも技術的に優れている

インビザライン矯正は製造技術において非常に優れています。製造は自動化され、生体力学、素材、3Dデザイン&モデリング、データ分析の機械学習、口腔内スキャンなどの技術に特に優れています。また、インビザラインで使用されるマウスピースはFDAの医療機器として認証を受け、ISOを取得している最新工場で生産されています。これにより、800万人以上が治療を受け、世界100カ国以上で導入されています。

ただし、治療計画に関してはある程度自動化されていますが、まだまだ不十分であり、ドクターの診断能力が極めて重要です。インビザラインや他のマウスピース型矯正では、矯正歯科医の診断が治療の成功に影響を与えます。

目立たない

インビザライン矯正の大きなメリットの一つは、目立たないという点です。 ワイヤー矯正では目立ち、裏側でも見えてしまうことがありますが、透明なマウスピースを使用するインビザライン矯正は周囲からほぼ気づかれません。矯正を目立たせたくない場合は、必要に応じて一時的に外すこともできます。
そのため、周囲の人々から矯正を指摘されるリスクは非常に低いです。この点は女性や子供にとって大きな利点です。特に子供の場合、同年代の子供たちからからかわれる可能性もあるため、インビザラインは子供の矯正におすすめな方法です。目立たないというメリットは、矯正治療を受ける人々にとって心理的な負担を軽減し、自信を持って治療を受けられます。

行動に制限がほとんどない

インビザライン矯正には、行動にほとんど制限がありません。
一方、ワイヤー矯正では接触スポーツや粘着性の強い食べ物、色のつく食べ物などを避ける必要があります。しかし、インビザライン矯正では食事の際にマウスピースを外せるため、これらの制限はありません。
さらに、インビザラインのマウスピースはプラスチック製であり、金属製のワイヤー矯正と比較してより柔軟性があります。そのため、サッカーや野球などのスポーツを、装着したままでプレーすることも可能です。行動に制限がほとんどないという点は、日常生活やスポーツ活動において自由度が高く、矯正治療の負担を軽減する大きなメリットです。

インビザラインのデメリット

インビザラインのデメリット

メリットがある一方、インビザラインを選択したときにはデメリットもあります。どのようなものがあるのかを解説していきます。

マウスピースをつけるだけではない

インビザラインはマウスピースをつけるだけで矯正治療ができると思われがちですが、実際にはそうではありません。歯の表面にプラスチックのアタッチメントを取り付けたり、歯を削る必要があります。また、症例によってはインビザライン単独では適切な治療ができない場合があり、ワイヤー矯正と併用する必要がある場合もあります。
これらの処置は、治療期間を長くしたり、治療費用を高くしたりする可能性があります。さらに、マウスピースをつけることが苦手な人もいるため、治療中の適応や治療効果にも個人差があると考えられます。これらの点は、インビザラインを選ぶ前に、事前に歯科医と十分な相談を行い、治療計画をしっかりと確認することが重要です。

1日22時間以上装着し続ける必要がある

インビザラインは、マウスピースを装着している時間が短いと矯正効果が低下するという点があります。マウスピースを外せるため、食事や歯磨きの際には一時的に外せますが、それ以外の時間はマウスピースを装着し続ける必要があります。この点は、矯正治療期間中に毎日のルーティンに組み込むことが必要であるため、その人の生活環境やライフスタイルに合わせた取り組みが必要です。
例えば、外出先での食事やイベントなど、長時間マウスピースを外す必要がある場合は、矯正治療の進行に影響する可能性があるため、事前に対策を考えておく必要があります。また、長時間マウスピースを装着することによって、口内環境が変化しやすく、口臭や歯周病などのリスクもあるため、マウスピースの清掃や口腔ケアにも注意が必要です。

インビザラインについてのまとめ

インビザライン歯科矯正についてのまとめ

ここまで、矯正歯科のインビザラインについてお伝えしました。 要点をまとめると以下の通りです。

  • インビザラインを使って治せる症状には乱ぐい歯、出っ歯、受け口、すきっ歯、開咬、交叉咬合がある
  • インビザラインの相場は部分矯正で約30万〜40万円、全体矯正で約70万〜100万円程度。治療期間は一般的に2年〜3年である
  • インビザラインのメリットには世界でも技術的に優れている、目立たない、行動に制限がほとんどない点などが上げられる
  • インビザラインのデメリットにはマウスピースをつけるだけではない点や、1日22時間以上装着し続ける必要がある点などが上げられる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗歯科医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗歯科医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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