歯並びや噛み合わせが気になり歯列矯正治療を検討しているが、治療を始めてから終わるまでどのくらいの期間がかかるのか気になる方は多いのではないでしょうか。
歯並びや噛み合わせの状態は、一人ひとり違うため、歯列矯正の治療方法や治療期間は人それぞれ異なります。歯列矯正治療の期間は、1年以上かかる方がほとんどです。しかし、歯列矯正をなるべく短期間で終わらせたいと思っている方は少なくありません。
本記事では、歯列矯正治療が終わるまでの期間の目安と早く終わらせるためのポイントを詳しく解説します。歯列矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてみましょう。
歯列矯正の治療方法の種類と特徴
- 歯列矯正の治療方法にはどのような種類がありますか？
- 歯列矯正の治療方法は、いくつか種類がありますが大きく分けてマウスピース型矯正とワイヤー矯正の2種類です。ワイヤー矯正は、歯の表面にワイヤーを装着して歯列矯正をすることがほとんどですが、歯の裏側にワイヤーを装着する治療方法もあります。歯の状態で治療方法は異なりますが、患者さんの要望に合わせて選択が可能です。また、歯の全体を歯列矯正する治療方法と部分的に歯列矯正する治療方法があり、患者さんの歯の状態に合わせて決められます。
- ワイヤー矯正の特徴を教えてください。
- ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる装置を歯に装着しブラケットにワイヤーを通して歯並びを改善する治療方法です。金属製のブラケットが一般的ですが透明のプラスチック製やセラミック製のものなどさまざまな種類があります。また、ジルコニア製のものもあり、色が白く表面が滑らかになっているためワイヤーの動きもスムーズで歯を効率的に移動させられます。ワイヤー矯正のメリットは、さまざまな症例に対応可能で歯の動きを細かく調整できることです。一方で、デメリットは痛みや違和感があったり食べられるものが限られたりすることが挙げられます。また、金属製のブラケットの場合は、目立ちやすいため見た目を気にする方は少なくありません。
- 裏側矯正（舌側矯正）の特徴を教えてください。
- 裏側矯正（舌側矯正）は、歯の裏側にブラケットを装着してワイヤーを通す治療方法です。歯の裏側にブラケットを装着するため、見た目では歯列矯正をしていることがほとんどわかりません。矯正装置が目立ちにくいことは、メリットの一つです。ほかにも、歯の裏側にあることで唾液が流れ込みむし歯になりにくい、装置の汚れを人から見られないといったメリットがあります。しかし、舌に近い位置にあるため違和感を覚えるでしょう。人によっては、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。また、歯みがきがしにくい、治療費が高額になるといったデメリットがあります。
- マウスピース型矯正の特徴を教えてください。
- マウスピース型矯正は、透明のプラスチック製の装置を使って少しずつ歯を動かして歯並びや噛み合わせを改善する治療方法です。透明な装置のため目立ちにくいことと取り外しができることが特徴です。また、痛みや違和感もほとんどないとされているため、注目を集めています。取り外しができるため、硬い食べ物やお餅のような粘着性のある食べ物も制限なく食べられることもメリットです。一方で、デメリットは自己管理が重要であること、歯並びの状態によっては対応できないことが挙げられます。マウスピース型矯正は、1日20時間以上装着する必要があるため、自己管理がとても重要です。
歯列矯正治療の期間の目安
- ワイヤー矯正の治療はどのくらいで終わりますか？
- ワイヤー矯正の治療期間は、3〜5年が一般的です。ワイヤー矯正は、歯を動かす矯正期間と正常な位置に動いた歯を安定させる期間があります。矯正期間は、1〜3年が一般的です。歯並びの状態や年齢などによって矯正期間は異なります。歯を正常な位置に移動させた後、歯を安定させるためにリテーナーと呼ばれる装置を約2年装着します。矯正期間が終わりそのまま放置してしまうと歯が元の位置に戻ってしまうことがあるため、歯を安定させる保定期間が必要です。そのため、歯並びが改善した後も引き続き通院し歯の状態を確認しながら治療します。
- 裏側矯正（舌側矯正）の治療はどのくらいで終わりますか？
- 裏側矯正（舌側矯正）の治療は、3〜5年程度かかるといわれています。裏側矯正（舌側矯正）の治療も、歯を動かす矯正期間と動いた歯を安定させる保定期間があります。矯正期間は、歯並びや年齢など人によって異なりますが、1〜3年が一般的です。矯正期間が終わると、歯を安定させるためにリテーナーと呼ばれる装置を約2年装着します。裏側矯正（舌側矯正）の治療は、歯の表面に装着する装置よりも複雑なため、高度な技術が必要です。そのため、装着に時間がかかることがあります。また、歯の裏側から圧力をかけるため、歯の動き方に差が出てしまい治療期間が延びてしまうこともあります。
- マウスピース型矯正の治療はどのくらいで終わりますか？
- マウスピース型矯正の治療期間は、歯全体を歯列矯正するのか部分的に歯列矯正するのかによって異なりますが、2〜4年が一般的です。部分的に歯列矯正をする場合、歯を動かす矯正期間は半年〜1年といわれています。その後、歯を安定させるための保定期間を矯正期間と同じくらいの期間を要するため、治療が終わるまで2年程度かかるのが一般的です。一方で、歯全体を歯列矯正する場合、歯を動かす矯正期間は2〜3年程度といわれています。マウスピース型矯正は、自分で取り外しができるため、自己管理がとても重要です。装着するのを忘れて装着時間が短くなってしまったり、正しく装着されていなかったりすると治療期間が延びてしまうことがあります。
歯列矯正を早く終わらせるポイント
- 歯列矯正を早く終わらせることはできますか？
- 歯列矯正は、歯を徐々に動かしていくため数年かかることがほとんどです。しかし、患者さん次第で早く終わらせることもできます。歯列矯正をなるべく早く終わらせるためには、定期的に通院し丁寧に歯みがきをすることが重要です。また、マウスピース型矯正の場合は、装着時間をしっかり守ることが大切です。歯列矯正は、定期的に通院しなければいけません。そのため、歯科医師にしたがって定期的に通院することで歯列矯正を早く終わらせることができます。また、むし歯や歯周病などのトラブルが発生すると治療をするために歯列矯正を中断することもあるため、丁寧な歯みがきはとても大切です。
- 歯列矯正が早く終わる方と時間がかかる方の違いは何ですか？
- 歯列矯正が早く終わる方と時間がかかる方の違いはいくつか考えられます。歯列矯正が早く終わる方の特徴は新陳代謝がよく、歯科医師の指示を守れる方、もしくは八重歯や出っ歯などの部分的な歯列矯正で対応可能な方です。新陳代謝がよいと歯が速やかに移動する傾向があります。また、八重歯や出っ歯などであれば部分的な歯列矯正ですむので短期間で終わるでしょう。一方で、歯列矯正に時間がかかる方の特徴は、歯周病やむし歯などの口腔内トラブルがある方や矯正装置の装着時間が短い方です。マウスピース型矯正の場合、自分で取り外しができるため装着し忘れてしまったらその分治療期間も伸びてしまいます。また、定期的な通院も必要なため通院間隔があいてしまうとその分治療期間も伸びてしまうでしょう。歯科医師の指示をしっかり守ることで歯列矯正を早く終わらせることができます。
- 歯の動きを早くする装置があれば教えてください。
- 歯の動きを早める目的で、一部の歯科医院では、光加速装置や振動加速装置という装置が紹介されることがあります。光加速装置は近赤外線を歯周組織に照射することで細胞を活性化させるといわれています。一方で、振動加速装置は、微弱な振動を歯や歯周組織に与える装置です。振動を与えることで、細胞が活性化し歯の移動が促進されます。光加速装置や振動加速装置は、治療期間を短縮できるだけでなく痛みを軽減することも可能です。しかし、すべての歯科医院で使用しているわけではないので使用している歯科医院を探す必要があります。また、歯列矯正の費用とは別でさらに費用がかかったり通院回数が増えたりする可能性もあります。メリットとデメリットを考慮し使用するか検討しましょう。
編集部まとめ
ここまで、歯列矯正の種類や治療期間、早く終わらせるポイントなどを解説しました。歯列矯正は、歯並びや噛み合わせの状態によって治療方法が変わります。歯の状態にもよりますが、患者さんの要望に合わせて治療方法の選択が可能です。
治療期間は、1〜5年が一般的ですが歯の状態や治療方法によって異なります。しかし、患者さん次第で治療期間を短くすることも可能です。定期的な通院や丁寧な歯みがきなど、自己管理がとても重要です。
歯列矯正を検討している方は、歯科医師に相談し自分に合った治療方法を選択しましょう。
参考文献
電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。