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歯列矯正で顔の歪みは治る?歪みの原因や改善される理由についても解説

歯列矯正で顔の歪みは治る?歪みの原因や改善される理由についても解説

鏡で自分の顔を正面から見たときに左右で歪みがある場合は、必ず何らかの原因が存在しています。もっともわかりやすいのは骨格ですが、歯並びや噛み合わせの異常によっても顔に歪みが生じる場合もあります。そのため歯列矯正を行うことで、顔の歪みが改善されるケースもあるのです。ここではそんな顔の歪みの原因や歪みを放置するリスク、歯列矯正で治す方法などを詳しく解説します。顔の歪みを歯列矯正で治したいと考えている人は参考にしてみてください。

顔の歪みの原因

顔の歪みの原因 はじめに、顔の歪みの原因と歪みを放置することによって起こる問題について解説します。

顔の歪みにはどのような原因が考えられますか?
顔が歪む原因としては、次の4つが挙げられます。
【原因1】骨格に異常がある
私たちの顔は、頭蓋骨や下顎骨などさまざまな種類の骨で構成されています。そのうちのいずれか、もしくは複数に形態的な異常が見られると、顔の歪みにつながります。骨格的な異常は、先天的なものと後天的なものとに分けられ、後者に関しては、生まれてからの習慣などで原因となることから、本人の意思で予防可能です。すでに生じている骨格的な異常は、小児期であれば自然な方法で改善できますが、成長期を過ぎている場合は外科的な方法でなければ治すのが難しくなります。
【原因2】歯並びに問題がある
出っ歯や受け口、開咬(かいこう)といった歯列不正も顔の歪みの原因になります。歯列不正は、歯並びが顔の印象に直接影響するだけでなく、口腔周囲筋の弛緩や骨の退化を引き起こすことで、顔の歪みにつながることがあります。
【原因3】噛み合わせがズレている
骨格が正常で、歯並びがきれいに整っていたとしても、上下の歯列の噛み合わせがズレていたら、顔が歪んでしまうことがあります。主に下顎骨の位置の異常によって噛み合わせがズレて、左右非対称な顔貌を呈します。
【原因4】歯ぎしりや食いしばりの習慣がある
歯ぎしりや食いしばりといったブラキシズムは、咬筋の過剰な発達を促すため、下顔面を歪ませることになります。ブラキシズムは、顔の歪み以外にも歯の咬耗や破折、顎関節症を誘発するため、十分な注意が必要です。
顔の歪みによって起きる問題について教えてください。
顔の歪みを放置していると、次に挙げる問題が起こり得ます。
【問題1】顔貌が悪くなる
顔の歪みは、顔貌が左右で非対称になったり、横顔のバランスが崩れたりします。ケースによっては、ほうれい線が部分的に深くなったり、目の大きさや耳の位置が左右で変わったりすることもあるでしょう。そうした顔貌のアンバランスは、顔の見た目にネガティブな影響を与えます。
【問題2】口呼吸になる
顔の歪みによって口腔周囲筋の働きが弱くなると、口呼吸が誘発されます。いわゆるお口ポカンの状態は、口腔内を乾燥させることで細菌の活動が活発になり、むし歯や歯周病といった口腔疾患のリスクを上昇させます。さらには、空気中に含まれる細菌やウイルスが喉の奥まで直接入り込むため、風邪やインフルエンザにもかかりやすくなることでしょう。
【問題3】口内炎ができやすくなる
顔が歪んで噛み合わせにも悪影響が及ぶと、食事のときに舌や頬の内側の粘膜を誤って噛むことが多くなります。さらに口呼吸が加わっていると、ドライマウスで唾液による自浄作用が弱まり、細菌や真菌が元気になって口内炎ができやすくなるのです。
【問題4】顎関節症を発症する
下顎骨や噛み合わせに歪みがあると、顎の関節に過剰な負担がかかり、顎関節症を発症します。顎関節症は、食事の際に強い痛みや噛みにくさを伴うことから、噛み方も不自然になり、顔の歪みを悪化させます。

歯列矯正による顔の歪みの改善

ここからは、顔の歪みを歯列矯正で改善できる理由や具体的な方法について解説します。

なぜ、歯列矯正をすると顔の歪みが改善されるのですか?
歯列矯正では、悪い歯並びや噛み合わせのズレを改善することができます。これらは顔の歪みの主な原因であることから、歯列矯正を行うことで顔貌の非対称やアンバランスを解消できるのです。ただし骨格的な異常に由来する顔の歪みは歯列矯正のみで改善できないことが多く、顎矯正手術を併用しなければなりません。
顔の歪みは部分矯正でも改善しますか?
顔の歪みを部分矯正で改善するのは難しいといえます。顔の歪みの主な原因は奥歯の位置や生え方の異常に由来しており、前歯部だけを矯正する部分矯正では奥歯を動かすことができないからです。前歯の傾きや位置の異常が原因で顔に歪みが生じているケースであれば部分矯正でも顔の歪みはある程度改善されますが、劇的な変化は望めないでしょう。
歯列矯正で顔の歪みを治すにはどれくらいの時間がかかりますか?
上下の歯列全体を改善する矯正治療は、歯を動かすのに1〜3年程度かかります。
歯列矯正以外の顔の歪みを治す方法について教えてください。
骨格的な異常に由来する顔の歪みは、歯列矯正だけで改善することが難しく、顎矯正手術を併用するケースが多く見られます。顎の幅や長さ、左右のバランスなどに異常がある場合は、顎骨を外科的に顎骨を移動して顔の歪みを改善します。ただし、顎矯正手術に期待できるのは、骨格をダイナミックに修正することで、歯並びや噛み合わせを細かく整えることはできません。そのため、歯列矯正を併用する必要が出てくるのです。顔の歪みを治す方法としては、その他にも口腔周囲筋を鍛える運動や歯ぎしり・食いしばりの治療などが挙げられます。

歯列矯正で顔の歪みを改善するメリット

歯列矯正で顔の歪みを改善するメリット ここでは、歯列矯正で顔の歪みを改善するメリットについて説明します。

歯列矯正で顔の歪みが改善されるとどのようなメリットがありますか?
歯列矯正を行うと、歯並びがきれいになる、噛み合わせが良くなる、横顔を含めた顔貌が美しくなる、表情が明るくなるなどのメリットが得られます。歯並びが整うことで清掃性が高まり、むし歯や歯周病も予防しやすくなることでしょう。
歯列矯正で顔立ちが変わりやすい歯並びはありますか?
出っ歯や口ゴボ、受け口などは、歯列矯正によって顔立ちが変わりやすいです。これは前方に出ている前歯を後方に引っ込めることで、口元の突出感が目に見える形で改善されるためです。特に抜歯を伴う歯列矯正の場合は変化を感じやすいことでしょう。
歯列矯正で顔に良くない変化を感じることはありますか?
一部のケースでは歯列矯正の結果、ほうれい線が目立つようになったり、頬がこけたような見た目になったりすることがあります。これも抜歯を伴う歯列矯正で起こりやすい症状で、前歯部を大きく後方へと下げたことで、口腔周囲の肌のハリ具合などが変化します。 そうした顔に良くない変化が生じるケースは、精密検査を行って治療計画を立てた時点である程度予測できます。ですから、歯列矯正による顔貌への良くない変化が気になる人は、カウンセリングや治療計画の説明の際にきちんと確認しておく必要があります。患者さんのもともとの歯並びや噛み合わせの状態によっては、偶発的に顔貌への良くない変化が現れることもあるため、十分な注意が必要です。

編集部まとめ

今回は、顔の歪みが生じる原因や歯列矯正で改善する方法、顔の歪みを放置するリスクなどを解説しました。顔の歪みは、骨格的な異常、歯並びの乱れ、噛み合わせのズレに加え、歯ぎしりや食いしばりなどが原因となります。歯並びや噛み合わせの問題は、基本的に歯列矯正で改善することができ、骨格的な異常を伴うケースでは顎矯正手術を併用しなければならないことが少なくないです。矯正治療で顔の歪みを改善できれば、歯並びや噛み合わせが良くなると同時に、顔貌が美しくなる、表情が明るくなるなどのメリットが得られます。それだけに顔の歪みは適切な方法で早期に改善したいものです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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