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出っ歯(上顎前突)の歯列矯正とは?非抜歯の治療方法や抜歯が必要なケースについて解説

出っ歯(上顎前突)の歯列矯正とは?非抜歯の治療方法や抜歯が必要なケースについて解説

出っ歯の治療は、歯並びを歯列矯正し、噛み合わせや発音、呼吸などの機能を改善し、見た目も美しくする治療です。 本記事では、以下の内容に焦点を当て、解説します。

  • 出っ歯の治療:非抜歯の治療方法
  • 出っ歯の治療:抜歯が必要なケース
  • 出っ歯の治療で知っておきたいポイント

ぜひ最後までお読みください。

出っ歯の治療:非抜歯の治療方法

出っ歯の治療:非抜歯の治療方法

歯を削る(IPR)非抜歯の出っ歯治療について教えてください。
非抜歯の出っ歯治療では、歯を削る(IPR: Interproximal Reduction)手法が用いられるケースがあります。IPRは、隣接する歯の間の僅かなスペースを創出するために歯の側面を軽く削ることで、全体としての歯並びを整えます。IPRにより、出っ歯の歯列矯正において、抜歯を避けながら歯列を整え、見た目の改善とともに、噛み合わせの機能的な問題も解決できます。 治療期間は1年半〜2年程度とされています。 ただし、期間は患者さんの症状の重さや、歯の移動に必要な距離、治療への協力度などによって変動することがあります。
歯を後方へ移動させる非抜歯の出っ歯治療について教えてください。
非抜歯の出っ歯治療で歯を後方へ移動させる方法では、歯列全体にスペースを作り、出っ歯を歯列矯正します。このアプローチは、スペースが限られている場合に有効といわれていて、歯列矯正治療を通じて歯をゆっくりと後方に移動させ、バランスの取れた美しい歯並びを実現します。抜歯を避け、患者さんの不安を軽減し、自然な歯並びを維持することが目指されます。
治療期間は個人差がありますが、通常、1年半から2年程度を見込みます。患者さんの症状や治療への協力度、歯の移動が必要な範囲によって、期間は変動する可能性があります。
歯列を横に拡げる非抜歯の出っ歯治療について教えてください。
非抜歯の出っ歯治療で歯列を横に拡げる方法は、狭い歯列を広げてスペースを確保し、出っ歯を歯列矯正する治療法で、抜歯せずに歯並びを改善できる可能性があります。歯列の拡大は、成長期の患者さんに有効で、装置を使用して徐々に歯列を広げていきます。治療期間や方法は、患者さんの年齢や歯列の状態によって異なります。

出っ歯の治療:抜歯が必要なケース

出っ歯の治療:抜歯が必要なケース

顎が小さいと出っ歯の治療で抜歯が必要ですか?
顎が小さい場合、出っ歯の治療において抜歯が必要となることがあります。 顎のサイズが限られているため、十分なスペースを確保するためには、抜歯によってスペースを作り出す必要があるケースが存在するからです。ただし、治療計画は個人の状態に応じて異なり、非抜歯で対応可能な場合もあります。
治療法は、歯科医師による詳細な診断後に決定されます。
噛み合わせが悪いと出っ歯の治療で抜歯が必要ですか?
噛み合わせが悪い場合、出っ歯の治療において抜歯が必要になることがありますが、必ずしもすべてのケースで抜歯が必要というわけではありません。治療法は個人の口腔内の状態や噛み合わせの具体的な問題によって異なります。非抜歯で対処できる場合もあれば、スペース確保や噛み合わせの改善のために抜歯が推奨される場合もあります。
出っ歯の治療の際に親知らずを抜歯することがありますか?
はい、出っ歯の治療の際には、スペース確保や歯並びの改善を目的として、親知らずを抜歯することがあります。歯列に十分なスペースがない場合や、親知らずがほかの歯に悪影響を与えている場合に、処置が推奨されることがあります。 しかし、すべての出っ歯治療で親知らずの抜歯が必要というわけではなく、治療計画は個々の患者さんの状態に応じて決定されます。
重度の出っ歯を治療する場合、抜歯が必要ですか?
はい、重度の出っ歯を治療する場合、抜歯が必要になることがあります。 スペースが不足している場合や、歯列を整えるために必要なスペースを確保する必要があるとき、抜歯を選択する可能性があります。しかし、治療方法は個々の患者さんの状態や具体的なニーズに応じて異なります。

出っ歯の治療で知っておきたいポイント

出っ歯の治療で知っておきたいポイント

非抜歯で出っ歯治療を受けるときのメリットとデメリットを教えてください。
非抜歯での出っ歯治療のメリットは、抜歯による不安や痛みを避けられること、自然な歯を保持できること、治療期間が短くなる可能性があることです。しかし、デメリットとしては、重度の出っ歯や顎の問題に対しては限界があり、治療効果が限定的とされていること、また、非抜歯では解決できない複雑な症例が存在することが挙げられます。複雑な症例とは、重度の歯列不正や咬合異常など、標準的な治療法だけでは対応が難しいケースを指し、極端な出っ歯、非対称の顎の成長、重度の歯の詰まりや歯の欠如などが含まれる場合があります。
抜歯をして出っ歯治療を受けるときのメリットとデメリットを教えてください。
抜歯を伴う出っ歯治療のメリットは、重度の出っ歯や歯列不正を治療できることや、顎と歯のバランスを整えられる点です。デメリットとしては、抜歯による恐怖や不安、治療期間が長引く可能性、また抜歯後の隙間が閉じるまでの見た目の問題があります。
歯列矯正を受ける際の歯科医院選びのポイントを教えてください。
歯列矯正を受ける際の歯科医院選びでは、以下のポイントが重要です。まず、歯列矯正治療の経験豊富な医師がいるかどうかを確認し、クリニックが新しい治療方法や技術を提供しているかをチェックします。
また、治療計画を丁寧に説明し、患者さんの疑問に明確に答えてくれるかも大切です。さらに、治療費用の透明性や、通院のしやすさも考慮する必要があります。総合的に判断し、自分に合った歯科医院を選びましょう。
出っ歯の治療を受ける際は複数の歯科医院へ相談した方がいいですか?
はい、出っ歯の治療を受ける際は、複数の歯科医院へ相談することが推奨されます。なぜなら、治療法やアプローチに関する異なる意見や提案を聞くことで、自分に合った治療計画を検討できるからです。また、治療費やクリニックの雰囲気など、患者さんにとって重要な情報を得る機会となります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで、出っ歯の歯列矯正、非抜歯の治療方法や抜歯が必要なケースについて解説しました。 要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 出っ歯の治療には、IPR、歯を後方へ移動させる非抜歯や歯列を横に拡げる非抜歯のやり方がある
  • 治療するにあたって、顎が小さい場合や噛み合わせが悪い場合は抜歯が必要となる
  • 非抜歯の出っ歯治療は、抜歯に伴う不安や痛みの回避、自然な歯の保持、そして場合によっては治療期間の短縮がメリット
  • 重度の出っ歯や顎の問題には効果が限定的といわれており、極端な出っ歯や顎の非対称成長、重度の歯の詰まりなどがある場合は適さない

出っ歯は、口元が前に突き出し、顔全体の印象を損なうことがあります。笑ったときに目立ってしまうため、人前で話す機会が多い方や、接客業の方などは、コンプレックスを感じやすいでしょう。

また、出っ歯による歯並び悪化から、噛み合わせが悪くなることがあります。噛み合わせが悪いと、食べ物がうまく噛めず、消化不良を起こしたり、顎関節に負担がかかったりすることがあります。また、歯磨きが難しくなり、むし歯や歯周病になりやすくなります。

ほかにも発音、呼吸などにも影響を与えるため、早めに治療することで、問題を改善できます。また、子どもの成長にも悪影響を与えるため、子どもの場合は早めに治療することをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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