ガタガタな歯並びは、美しさだけでなく健康面においても重要な問題です。歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなり、食べ物を十分に噛めないため消化不良に陥ることがあります。
また、ガタガタした歯はむし歯や歯周病などの原因となり、口臭や全身の健康にも影響を与える恐れもあります。
今回は、ガタガタな歯並びについての基礎知識や、改善方法、健康に与える影響などについてMedical DOC編集部に伺いました。 歯並びの治療法についてもみていきましょう。
ガタガタな歯並びについて
- 歯並びがガタガタになる要因は何ですか?
- まず1つ目は、歯科的原因です。歯列異常、咬合異常などが挙げられます。
歯列異常とは、歯が正しい位置に生えず、前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間隔が空いたりすることを指します。
咬合異常とは、上下の歯の噛み合わせが合っていないことで、歯がずれたり、歯並びが乱れたりすることを指します。
これらの原因によって、歯並びが悪化し、ガタガタになってしまうことがあります。2つ目は、慢性的なストレスによる咬合違和感症候群です。
ストレスや不安などの心理的な要因によって、口腔周囲の筋肉が過剰に緊張してしまい、歯の噛み合わせが乱れてしまう状態です。
咬合違和感症候群が長期間続くと、歯に過剰な負担がかかり、歯並びが悪化する可能性があります。3つ目は遺伝です。
歯並びの形状や咬合の形は、親から子に受け継がれることが多く、家族内で歯並びが似ていることがよくあります。
しかし、遺伝的要因だけが歯並びの原因とは限らず、口腔内の状態や生活習慣などによっても影響を受けます。4つ目は、悪習癖です。
悪習癖とは歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす習慣的な行為のことで、不正咬合の原因となる環境要因の一つです。代表的な悪習癖には指しゃぶり、唇や爪を嚙む、頬杖、口呼吸などがあります。
- 歯並びのガタガタを放置するとどうなりますか?
- 歯並びのガタガタを放置すると歯周病やむし歯の原因になります。
歯並びがガタガタだと、歯と歯の間に食べかすが溜まりやすく、歯磨きがしづらくなります。 その結果、口内環境が悪化し、歯周病やむし歯の原因となります。また、咀嚼不良や消化不良を引き起こすことも考えられます。 歯並びがガタガタの状態が長く続くと、咀嚼がうまくできずに食べかすが残り、消化不良を引き起こすことがあります。
特に前歯や犬歯がガタガタしていると、食べ物を嚙む力が弱まり、食べ物を十分に噛めないために胃腸に負担をかけ、健康被害を引き起こすことがあります。
歯並びの悩みを解決!矯正治療について詳しく知ろう
- 矯正治療の種類にはどのようなものがありますか?
- 1つ目は、ブラケット矯正治療です。 最も一般的な矯正治療方法で、金属製のブラケットを歯に取り付け、ワイヤーで歯を動かす方法です。アレルギーの心配がある方は、ラテックスを含まない材料を使用したラテックスフリー矯正がおすすめです。強度があり、効果的に歯を移動できるため、治療期間が短いことが特徴です。 セラミック製ブラケット矯正では金属製の代わりにセラミック製のブラケットを使用し、自然な歯色に近づけられます。金属製よりも見た目が自然であるため、大人の方にも受け入れられやすくなっています。
2つ目はリンガル矯正治療(裏側矯正)です。 舌側矯正とも呼ばれ、裏側からブラケットを取り付け、歯を動かす方法です。 直接ワイヤーが見えないため、見た目を気にせず矯正できることが特徴です。
3つ目はインビザライン矯正治療です。 専用のコンピューターソフトウェアを使って、独自の治療計画を立て、透明のマウスピースを使用して歯を動かす方法です。 マウスピースを交換しながら徐々に歯を動かすため、痛みが少ないことが特徴です。
それぞれの治療方法には、長所や短所があります。
症例や希望する治療期間、予算などに応じて、患者さんと歯科医師が相談して適切な治療方法を選択することが重要です。
- 矯正治療のメリットは何ですか?
- 矯正治療のメリットとして、まず美しい歯並びが手に入ることが挙げられます。
矯正治療によって、歯並びが整い、美しい笑顔を手に入れられます。 歯並びが整うことで、自信がつき、コミュニケーションもスムーズになります。また、咀嚼機能が向上するというメリットもあります。 歯並びが改善されることで咀嚼機能が向上し、食べ物をしっかり噛んで消化吸収できるようになります。また、咬合力が均等に分散されることで、歯や顎の負担が減り、口内のトラブルや痛みを防ぐことが期待されます。
さらに歯周病やむし歯の予防につながる利点も挙げられます。 歯並びが改善されることで、歯ブラシやフロスなどのお口のケアがしやすくなり、歯周病やむし歯の原因となる歯垢や汚れを取りやすくなるため、口内トラブルの予防に有効です。
- 矯正治療のデメリットは何ですか?
- 矯正治療のデメリットとして、治療期間が長いことが挙げられます。
矯正治療は個人差がありますが、一般的に治療期間が数か月から数年に及ぶため、患者さんにとっての負担が大きいというデメリットがあります。 定期的な歯科医院への通院も必要であり、生活面での調整も必要となる場合があります。加えて、痛みや不快感を感じることがあることも挙げられます。 矯正治療では、歯の移動に伴って痛みや違和感を感じることがあります。
また、装置の使用によって口内が荒れたり、清潔に保つための手間が増えることがあります。最後に矯正器具の手入れが必要なこともデメリットの1つです。 矯正治療では、矯正器具の手入れが欠かせません。継続的に器具をクリーニングすることで、むし歯や歯周病が予防されますが、手入れに時間と手間がかかることがあります。
矯正だけじゃない!歯並びがガタガタになるのを予防する方法
- 日常生活から何か意識できることはありますか?
- 日常生活の中で意識できるポイントの1つ目は、正しい歯磨きをすることです。
正しい歯磨きを行うことで、歯垢や汚れが取り除かれ、口の中の環境が改善が期待されます。 歯周病やむし歯の予防および、歯ぐきや歯の表面にかかる負担の軽減は、歯並びが崩れる原因の低減に繋がることが多いです。 正しい歯磨きを習慣化することで、歯並びを改善するための第一歩となります。2つ目は、歯並びに負担のかかる癖を治すことです。 歯並びに負担のかかる癖を改善することで、歯や顎の骨への負担が減り、歯並びの乱れや噛み合わせの不調和が改善されるでしょう。
例えば、舌の位置を正しくしたり、指しゃぶりや噛みしめなどの癖を改善したりすることで、歯並びにかかる負担が軽減する可能性があります。3つ目は、咀嚼を意識することです。 よく噛んで食べることは、歯や咀嚼筋に適度な刺激を与えます。
また、食事中に意識的に口を閉じ、正しい噛み合わせをすることも重要です。 毎日の食事を通じて、噛み合わせや歯並びの改善を目指しましょう。4つ目は、口を閉じて鼻呼吸をすることです。 口を閉じて鼻から呼吸することは、顎の正しい位置を保つのに役立ちます。鼻呼吸は、空気を適切に加湿・温め・清浄する役割があり、これにより歯並びにも良い影響を与えます。
また、口呼吸は顎の成長に悪影響を及ぼし、歯並びを悪化させる可能性があるため、意識して鼻呼吸を行うことが推奨されます。5つ目は、仰向けに寝ることです。 仰向けに寝る姿勢は、顎と歯にかかる圧力を均等に分散させるのに役立ちます。この寝姿勢は、顎の成長を促し、歯並びにポジティブな影響を与えることが期待できます。
また、首や背中への負担も軽減されるため、全体的な姿勢の改善にもつながります。6つ目は、正面を向いて正しい姿勢で食事をすることです。 食事中に正しい姿勢を保つことは、顎の適切な動きを促し、均等に力がかかるようにします。これにより、顎の筋肉が均等に発達し、歯並びの改善に役立ちます。
また、正しい姿勢で食事をすることは、消化にも良い影響を与え、全体的な健康維持にも寄与します。
- 矯正治療以外で空隙歯列を改善する方法は何がありますか?
- コンポジットレジンを用いた修正
歯の小さな不均一や隙間を直す際に、コンポジットレジンという材料で歯の形を整える手法です。この処置は手軽に行える上、歯をあまり削らずに済むため、歯を守りながら見た目を改善できます。
ただし、レジンは時間が経つと色が変わる可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要になります。ベニアによる改善
歯の表面にセラミック製の薄い板を貼り付けて、歯の色や形、並びを整える方法です。ベニアは自然な見た目を再現でき、耐久性にも優れていますが、施術には歯の表面を少し削る必要があり、一度施術を受けると元に戻すことは難しいです。クラウンの使用
歯の形状を大きく変える必要がある場合や、歯がかなり傷んでいる場合には、歯を全体的に覆うクラウンを選ぶことがあります。クラウンは歯の機能性と見た目を向上させますが、施術には健康な歯を削ることが伴うため、慎重に選択する必要があります。また、セラミック治療で歯並びを見た目上治す行為は医療倫理的に禁忌です。
編集部まとめ
歯並びがガタガタの状態を放置すると、健康被害が生じる恐れがあります。 歯並びを整える方法として一般的に知られている矯正には様々な種類があることを紹介しました。 それぞれの特徴を踏まえて歯科医師と相談して適切な治療方法を選択することが重要です。
また、日常から歯磨きや咀嚼などを意識して、矯正以外の方法も視野に入れ、自分に合った歯並びの整え方を選択することが大切です。