ワイヤー矯正

歯並びを整えると美人になれる?美人の歯並びの条件とは

歯並びを整えると美人になれる?美人の歯並びの条件とは

人の顔の印象を判断する際、一番最初に目がいくのは、やはり目元でしょう。確かに、マスクをしている人でも目元がぱっちりしていると美人に見えますよね。しかし、マスクを外すと…「思っていた感じと違ったな?」ということもよくあります。

なぜなら、美人かどうかを決める要素は目元だけではなく、顔の下半分も大きく影響しているからです。この「顔の下半分」を構成するエラ(顎角部)、口、顎は、例えもともと美しくなかったとしても、歯列矯正をすることで形を整えることができます。

本記事では、歯並びを整えるとなぜ美人になれるのか?美人の歯並びの特徴、そして歯列矯正の種類について解説していきます。

「歯並びを整えると美人になれる」その理由

「歯並びを整えると美人になれる」その理由 顔の下半分は、その人が美人かどうかを判断する際にとても重要なパーツです。

特に口元は清潔感を演出するのに必要不可欠な部位。また顎が形成する輪郭は顔の形を決めるものなので、顔全体のバランスに大きく関わっています。

では、歯並びを整えることで具体的に顔がどのように変化するのでしょうか?歯並びを整えると美人になる理由をお伝えします。

エラのハリがなくなり顔が小さくなる

歯並びの悪さによって輪郭に歪みが出ていた場合、それが軽減されます。
まずはエラ。エラが張っていることで顔が大きく見えたり、輪郭に歪みが出てしまうことがありますが、歯並びを整えることで小さくなる可能性があります。

エラが張っている原因は大きく分けて2つ考えられ、1つが下あごの骨格、もう1つが咬筋(頬骨からあごにかけての筋肉)です。前者が原因の場合は骨の角度や大きさなどによるものなので、歯列矯正で修正することはできません。しかし後者の場合、歯並びが正しくなることで食いしばりがなくなったり、正しい噛み合わせになるなどで、アンバランスに発達していた咬筋が適切に機能するようになります。これにより、エラの張りが小さくなり、フェイスラインがすっきりし、結果的に小顔に見えます

また、歯並びを整えることで「上下顎前突」も軽減されると言われています。上下顎前突とは、前歯が前方に飛び出している、もしくは上下のあごが前方に出っ張っているため、横から見たときに口元がぽこっと盛り上がっているように見える状態のことです。
矯正をすれば前に出ている歯を後ろに下げることができるので、上下顎前突も解決できる可能性があります。口の位置が後ろに下がることで余計な立体感がなくなり、小顔効果につながるでしょう。

清潔感や上品な印象が生まれる

テレビに出ている女優さんなどを思い出すと、みんな一様に白い歯で、歯並びもきれいですよね。対して歯並びにガタつきがあると、どうしても不潔な印象や品のなさを与えてしまいます。

歯並びが悪いと歯と歯のガタつきの間の汚れを取るのが難しいので、歯垢が溜まったり、黄色く変色してきたりするのも、そういった悪い印象の要因かもしれません。

また、日本では八重歯は笑顔を可愛く見せることのできる歯と捉えられていますが、日本以外では八重歯をプラスイメージとして捉える文化はなく、「歯並びが悪い」とみなされるようです。

きれいに並んだ歯は、美人の印象でもある「清潔感と上品さ」を与えます。これも、歯列矯正で美人になれると言われる理由のひとつです。

顔が左右対称に近くなる

「自分の顔は左右対称じゃない…」と思い悩んでいる人はいませんか? そもそも人間には、顔に関わらず左右対称であるものを美しく感じる感性が備わっています。

口元という部分だけで見ても、例えば歯並びによって笑ったときの口角の上がり方がアンバランスだったりすれば、「美しい笑顔」という印象にはならないでしょう。

歯列矯正をすれば歯並びがきれいになり、噛み合わせも正しくなるので、歯だけでなく口元、顎、エラのラインなども左右対称に近くなります。

美人の歯並びとは?

美人の歯並びとは? ひとことに「歯並びが良い」と言っても、ただ歯が行儀良く並んでいるだけでは美人とは言えません。では、モデルや女優といった美人の歯並びとはどんなものでしょうか? 美人の印象を作る歯並びの条件を、ひとつずつ見ていきましょう。

歯と歯の間に隙間がない

美人の歯と歯の間には隙間がありません

歯と歯のあいだに隙間が空いている歯並びをを「すきっ歯」といいますが、なんとなく「田舎くさい」「あか抜けていない」という印象を与えてしまいます。また、隙間の部分が影になるので暗い印象になってしまうのもネックです。特に上あごの中心の前歯の隙間はどうしても目立つため、口元や顔の印象にも関わります。

歯並びがアーチ状に揃っている

歯は、アーチ状に並んでいるのが理想的です。一部の歯が奥に引っ込んでいたり、逆に飛び出していると理想的とは言えず、「ガタガタしている」といった風に見えます。どうしても「歯並びが悪いんだな」という印象につながってしまうため、歯列矯正で直す人も多いです。

歯並びが左右対称になっている

前述しましたが、人間は左右対称を美しいと感じます。これは心理学では「シンメトリー効果」と言われており、人は左右対称(上下や斜め、前後対称も)のものに対して「誠実」や「美しさ」「安心感」を感じ、好感を持つというものです。

そのため、歯並びが左右対称であると「美しいな、綺麗だな」という印象を与えることができます。

上下の前歯の中心が一致している

上の歯の前歯の中心と、下の歯の前歯の中心の位置が一致していると、美しい歯並びに見えます。上顎と下顎の前歯の中心がずれていると、不自然に見えてしまいます

先述したように上下の歯がアーチ状に並び、かつ中心が一致していると、自然と顔の中心線、体の中心線とも合うようになります。そのため、より「左右対称で美しい」といった印象につながるのです。

歯並びが前後に傾いていない

歯が前に飛び出ていたり、逆にのけぞるように奥に向かって生えていたりすると、美しい歯並びとは言えません。

ここで、自分の歯並びの傾きを調べる方法をご紹介します。 アイスの棒を前歯で噛んでみましょう。棒がまっすぐであれば、歯並びは前後に傾いていない、逆に下に向いたり上に向いたりしているなら、歯に傾きがあるといえます。 歯並びが前後に傾いてると、上の歯と下の歯がうまく噛み合わず、発音が不明瞭になったり、食べ物をうまく噛みきれないなどの弊害があります。

歯並びは「美人の顔のライン」をつくる

歯並びは「美人の顔のライン」をつくる 歯並びの悪さは、出っ歯や上下顎前突といった直接的に顔のラインを作る部分において悪い印象になるだけでなく、噛み合わせを悪化させる大きな原因であることも忘れてはいけません。噛み合わせが悪いと顎にかかる力に歪みが出たり、余計な力がかかってしまうため、筋肉の付き方が非対称になったり、あごが大きくなってきたり、エラが張ってきたりと、フェイスラインのゆがみにもつながります。

特に、噛み合わせが深い状態はディープバイトとも呼ばれ、奥歯を噛みしめた時に下の前歯が見えなくなる状態を言います。下あごに過度な力がかかり、下の前歯で上の歯ぐきの裏側を噛んでしまうため、ディープバイトはあごやエラに影響を及ぼしやすいのです。

一見歯並びが悪い!とは判断されにくいですが、「小さい頃は可愛かったのに、大きくなってなんだか顎が立派になってしまった…」という事態が起きやすいです。

このように、歯並びとフェイスラインは密接に関わっています。

では、今の自分の歯と顔のラインは理想的と言えるでしょうか? 理想的なフェイスラインを持つ人の口元の特徴を2つご紹介します。

リップラインが適度に歯肉に重なっている

リップラインはスマイルラインともいわれ、笑った時の上唇の縁のことをいいます。 このラインが適度に歯肉に重なっているのが美しい印象を作るポイントです。

具体的には、歯と歯の間の歯肉が少し見えるけど、歯の真ん中の部分の歯肉は見えない…というラインがちょうどいいとされています。

逆に笑った時に歯肉がぐわっと見えてしまう人の笑顔を「ガミースマイル」といいます。ガミースマイルは無邪気な印象を与えますが、審美性は損なわれてしまうため、コンプレックスに感じる人も多いです。

唇がやや後ろになったEライン

美しい横顔の基準として「Eライン」というのがあります。Eラインとは、下顎の1番尖った部分と鼻先を結ぶ線のことを指し、この線より内側に唇があるフェイスラインが美しい顔とされています。

下顎と鼻先を一本の指で繋ぐのは簡単ですので、ぜひ試してみてください。自分の指に唇が触れていなければ、美しいEラインを持っているといえます。とはいえ、日本人は鼻が高くない人種なので、唇に触れない人はごく一部。しかし歯列矯正をすれば歯が正しい位置に戻るので、理想のEラインに近づくことが可能です。

歯並び美人になるには歯列矯正

歯並び美人になるには歯列矯正 歯並びは残念ながら、自力で矯正することはできません。 もちろん、これ以上悪くならないように生活習慣などで気を付けることはできますが、改善することは不可能なうえ、食べ方や呼吸の仕方などを意識的に変えるのは非常に難しいことです。そのため、歯並び美人になるには、歯の矯正治療をすることが最善の道といえます。

では、歯列矯正にはどんな方法があるのでしょうか?ここでは、メジャーな3つの歯列矯正法をご紹介します。

ワイヤー矯正

皆さんが「矯正」と聞いてまず想像するのがワイヤー矯正でしょう。 ワイヤー矯正とは、その名の通り歯にワイヤーで作られた矯正装置(ブラケット)を装着して、徐々に歯を動かしていく矯正方法のことです。

ワイヤーは24時間ずっと歯に負荷をかけられるため、効果が出やすい方法と言えます。また、ほかの矯正方法に比べて比較的安価で受けることができるうえ、さまざまな歯並びに対応していることもメリットです。

対してワイヤー矯正のデメリットは、なんといっても金属製のワイヤーが目立ってしまうことでしょう。

最近では白いプラスチック製のワイヤーなどが開発されていますが、プラスチックのワイヤーは金属製のワイヤーより引っ張る力が弱いとされています。

また、矯正装置が外れるのを防ぐために、硬い食べ物やくっつく食べ物は食べないように指示されることもあります。

矯正の期間は長くて2年ほどですが、その後の人生は何十年も続きます。ワイヤーが目立つのは懸念点ですが、仕上がりの完成度が高いとされている矯正法です。

裏側矯正(舌側矯正)

裏側矯正(舌側矯正)とは、前述したワイヤーを歯の裏側につける矯正法です。歯の裏側につけることにより、人から矯正器具が見えることはありません。また、出っ歯や受け口の治療にはより効果が期待できるとされています。

しかし、裏側矯正(舌側矯正)は表につける矯正よりも弱いワイヤーや弱い力で治療を行うこと、さらに機具の作成や調整にも時間や回数がかかることから、期間も長くなりがちです。 医師にも高い技術が必要とされるほか、通常のワイヤー矯正よりも高額になる場合がほとんどでしょう。

舌に密接するので、刺激で口内炎ができやすいというデメリットもあります。

ですが、やはり人にバレないというのは大きな魅力。現在人前に出るお仕事をしている、結婚式などや大切なイベントが控えている人には、裏側矯正をおすすめします。

マウスピース矯正

マウスピース矯正はワイヤー矯正と違って、自分で取り外しが可能な治療法です。一人一人の歯型を採り、専用のマウスピースがデザインされます。マウスピースは透明なので、装着していても目立ちにくいです。

治療段階に合わせマウスピースを何度か作り替える必要がありますが、裏側矯正よりはやや安価です。

しかし、歯にかかる負荷はワイヤーより弱いので、難しい症例には不向きな点や、自分で装着時間を管理しながら治療を進めないといけないのがデメリットとなります。

以上が一般的な3つの矯正治療の方法です。他にも、上の歯は裏側矯正(舌側矯正)、下にはワイヤー矯正と、上の歯と下の歯で違った矯正法を組み合わせる方法や、最初はワイヤー、ある程度矯正が進んだらマウスピースに変更する方法など、矯正治療の方法は十人十色です。

まずは自分の歯を歯科医師に診てもらい、どんな矯正方法が適しているか相談をするのがよいでしょう。

まとめ

まとめ 歯並びがよいと清潔感があり、好印象を与えることができます。美人の歯並びといった視点で見るとその条件は多岐にわたるほか、噛み合わせが正しくなればフェイスラインの美しさにもつながるため、「特別歯並びが悪いわけではない」という人でも、歯列矯正で大きく印象が変わる可能性はあるでしょう。

「矯正は高額」というイメージがある人は多いと思いますが、美容面、健康面から考えて、お値段以上の見返りがあるといえます。歯並びに悩んでいる方は、歯列矯正を検討してみてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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