マウスピース矯正

マウスピース型矯正は親知らずがあってもできる?マウスピース型矯正での抜歯が必要な場合と不要な場合について解説

マウスピース型矯正は親知らずがあってもできる?マウスピース型矯正での抜歯が必要な場合と不要な場合について解説

「マウスピース型矯正をしてみたいけれど、親知らずがあるからできないのでは?」「抜歯してからの方がいい?」と悩む方は多いのではないでしょうか。

本記事ではマウスピース型矯正と親知らずの関係性について以下の点を中心にご紹介します。

  • マウスピース型矯正とは
  • 親知らずがあってもマウスピース型矯正はできるのか
  • マウスピース型矯正をする場合親知らずの抜歯が必要なのか

マウスピース型矯正と親知らずの関係性について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

マウスピース型矯正と親知らずについて

マウスピース型矯正と親知らずについて

マウスピース型矯正とは何ですか?
マウスピース型矯正とは、従来のワイヤーやブラケットを使用する矯正方法に代わり、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える矯正方法です。
日常的に人と接する仕事や会話が多い方でも、周囲に気付かれにくいまま矯正治療を進められるのが特徴です。
仕事や社交の場が多い大人の方や矯正装置に抵抗のある方にも、ストレスなく治療に取り組めると注目を集めています。
親知らずについて教えてください
親知らずは、前歯から数えて8番目に位置する奥歯で、上顎と下顎に計4本生える可能性のある歯を指します。生え方やタイミング、抜歯の必要性などは個人で異なります。 親知らずはすべての方に4本生えるわけではなく、個人差があります。 例えば、4本のうち一部のみが歯茎から出てくる場合や、歯茎の下に埋もれているままのこともあります。
また、生まれつき親知らずがない方もいます。永久歯は15歳頃までに生え揃いますが、親知らずは10代後半から20代にかけて生えてくる歯で、第三大臼歯と呼ばれます。また、智歯や知恵歯といった別名でも知られています。

親知らずという名前の由来には、いくつかの説があります。一説には、この歯が生える時期が10代後半から20代にかけてで、親が気付かないうちに生えてくるため、親知らずと名付けられたと言われています。
また、昔は人間の寿命が短かったため、親知らずが生える頃には親が亡くなっていることが多かったことからその名がついたという説もあります。

マウスピース型矯正は親知らずがあってもできますか?
親知らずがあっても、マウスピース型矯正は可能とされています。親知らずは前歯から数えて8番目に位置する奥の歯のため、マウスピース型矯正の対象とはなりません。矯正治療中に親知らずが生えてきた場合でも、矯正治療に影響がなければ、治療を止めて抜歯する必要があるとは限りません。親知らずがまっすぐ生えていてほかの歯に影響がない場合は、そのまま残すことも可能とされています。
しかし、親知らずの位置や口腔内の状況によっては、抜歯が望ましい場合があります。歯科医師の診断を受けるのがよいでしょう。

マウスピース型矯正での親知らずの抜歯の必要性について

マウスピース型矯正での親知らずの抜歯の必要性について

マウスピース型矯正で親知らずの抜歯が必要なケースを教えてください
親知らずが原因で矯正治療に影響を及ぼす場合、抜歯が考慮されることがあります。 例えば、歯を動かすためのスペースが不足している場合や、親知らずがほかの歯に悪影響を与えている場合が該当します。また、親知らずがむし歯や歯周病になっている場合や、歯列矯正終了後の歯並びが元に戻るリスクがある場合にも抜歯が推奨されることがあります。

判断には専門的な知識が必要なため、自身で判断せずに、まずは歯科医院で診察を受けてお口の状態を確認するのが大切です。

マウスピース型矯正で親知らずの抜歯が不要なケースはありますか?
親知らずがほかの歯に圧力をかけて歯並びを崩すような影響がなければ、抜歯の必要はありません。
また、上下の親知らずがまっすぐ生えていて噛み合わせが良好な場合も、残せる可能性があります。さらに、矯正治療において奥歯を後方に移動させる必要がないケースでは、親知らずの抜歯を回避できる可能性があります。
また、IPR(歯の側面を少し削って隙間を作る処置)で十分なスペースが確保できる場合も、抜歯せずに矯正治療を進められるでしょう。

親知らずの根が未発達で問題を引き起こしにくいと判断された場合も、抜歯を避けられる可能性があります。ただし、成長の状況によっては、後に抜歯を検討するケースもあります。

マウスピース型矯正で親知らずの抜歯をするメリットは何ですか?
マウスピース型矯正を行う際に親知らずを抜歯すると、歯が動くスペースが確保され、歯並びが整いやすくなります。また、歯列矯正終了後も、きれいな歯並びを長く保ちやすくなる利点があります。親知らずが残っていると、歯列矯正で整えた歯並びに圧力がかかり、歯列が再び乱れる原因となりかねません。

さらに、親知らずが原因でむし歯になるリスクも減らせるため、矯正治療が中断する可能性が低くなり、スムーズな治療が期待できます。

マウスピース型矯正で親知らずの抜歯をするデメリットを教えてください
親知らずの抜歯は大きなデメリットが少ない一方で、外科処置としていくつかのリスクを伴います。例えば、抜歯後に腫れや痛みが発生したり、術後に顔に内出血が現れたりする可能性があります。
親知らず抜歯の痛みは約1~3日で治まるとされていますが、3~5日以降も強い痛みが続く場合は、注意が必要です。抜歯後の傷が何らかの理由で塞がらず、骨が露出したままになることで感染を引き起こし、ドライソケットという状態になっている可能性があります。 ドライソケットは、耐えがたい痛みが何日も続くのが特徴です。不安な場合は、すぐ歯科医院に相談しましょう。

親知らずの抜歯にはリスクが伴うため、しっかり説明を受けて、自身も理解したうえでの決断が重要です。
歯科医師がリスクが高いと判断した際、総合病院の口腔外科での施術が推奨される可能性もあるでしょう。

マウスピース型矯正で親知らずの抜歯をする場合

マウスピース型矯正で親知らずの抜歯をする場合

親知らずの抜歯をするタイミングはいつですか?
マウスピース型矯正を始める前に親知らずが残っている場合は、あらかじめ抜歯することが推奨されています。親知らずがあると、ほかの歯が予定どおりに動かず、歯列矯正がスムーズに進まない可能性があるためです。
そのため、矯正治療を本格的にスタートする前に、親知らずの抜歯を完了させるのが理想的です。親知らず以外の歯については、矯正治療を進めながら抜歯するケースもありますので、すべての歯が治療前に抜歯が必要なわけではありません。
親知らずの抜歯後、マウスピース型矯正はいつから始められますか?
親知らず抜歯後のマウスピース型矯正は、傷が治癒したタイミングで開始可能とされています。抜歯直後の歯槽骨はまだ安定していないため、歯が動きやすく、歯列矯正の進行がスムーズになることもあります。
しかし、抜歯後の治癒スピードには個人差があるため、いつマウスピース型矯正を開始するかについては、歯科医と相談しながら決めるとよいでしょう。また、親知らずの抜歯を伴う歯列矯正は、軽度の症例に比べて治療期間が長くなるとされ、2〜3年程かかることが多いようです。
親知らずの抜歯の注意点を教えてください
親知らずの抜歯後は、しっかりとしたケアが必要です。 まず、止血のためにガーゼを30分程しっかりと噛み続け、傷口を圧迫してください。血が固まり、出血が治まります。30分後も出血が止まらない場合は、清潔なティッシュを使ってさらに30分程様子を見てください。止血しない場合は、歯科医院に連絡することをおすすめします。

麻酔が切れると痛みが出てくるため、痛み止めを早めに服用するとよいでしょう。痛みが増す前に飲むと効果が期待できるでしょう。痛みは24時間~3日程度で落ち着くといわれていますが、長引く場合や強まる場合は、医師に相談してください。

また、術後はタバコやお酒を控えるのが望ましいです。アルコールやタバコが治癒を遅らせ、出血が続く原因にもなります。
さらに、うがいは軽く行い、指や舌で傷口に触れないよう注意しましょう。強くうがいをすると、形成された血の塊が流れてしまい、ドライソケットの原因となります。

抜歯後の穴(抜歯窩)は1ヶ月程で自然に塞がりますが、食べカスが詰まる場合は歯科医師に相談するとよいでしょう。
また、術後の激しい運動や入浴は、血行を促して出血や痛みを引き起こす可能性があるため、控えてください。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでマウスピース型矯正と親知らずの関係性についてお伝えしてきました。
マウスピース型矯正と親知らずの関係性の要点をまとめると以下の通りです。

  • マウスピース型矯正とは、従来のワイヤーやブラケットを使用する矯正方法に代わり、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える歯列矯正。金属のワイヤーやブラケットとは違い、装置が透明で目立ちにくいのがポイント
  • 親知らずがあっても、マウスピース型矯正は可能。矯正治療中に親知らずが生えてきた場合でも、矯正治療に影響がなければ、治療を止めて抜歯する必要があるとは限らない
  • マウスピース型矯正を行う際に親知らずを抜歯するメリットは、歯が動くスペースが確保され、歯並びが整いやすくなること。デメリットは、外科処置としていくつかのリスクを伴うこと。例えば、抜歯後の腫れや痛みが発生したり、術後に顔に内出血が現れたりする可能性がある

親知らずが生えているからといって必ずしも抜歯する必要はないようですが、親知らずの生え方や今後矯正治療に影響を与えるかどうかが、抜歯・非抜歯の判断につながるようです。

これらの情報が少しでも、マウスピース型矯正をお考えの皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正

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