噛み合わせ

噛み合わせは変わる?噛み合わせが変わる原因や治し方について解説

噛み合わせは変わる?噛み合わせが変わる原因や治し方について解説

年齢を重ねるごとに、私たちの体はさまざまな変化を経験しますが、その変化は口内環境にも影響を及ぼします。噛み合わせは、時間の経過とともに変化する可能性があります。噛み合わせの変化は、日常の快適さや健康に重要な役割を果たしています。
本記事では噛み合わせの変化について以下の点を中心にご紹介します。

  • 噛み合わせが変わる原因
  • 噛み合わせの悪化が及ぼす影響
  • 噛み合わせの治し方

噛み合わせの変化について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

噛み合わせが変わる原因

噛み合わせが変わる原因

顎の発達は噛み合わせに影響しますか?
顎の発達と噛み合わせは密接な関連があります。
人間の顎は生涯にわたって発達し続ける部位で、この発達が噛み合わせに重要な影響を与えることがあります。特に、顎の成長が不均等な場合、それによって歯並びが悪くなり、噛み合わせの問題が生じることがあります。 また、顎の骨格に問題があると、それが顎関節に負担をかけ、痛みや機能の障害を引き起こすこともあります。このような噛み合わせの問題は、適切な歯列矯正によって改善が可能とされています。顎の発達が噛み合わせに与える影響の理解は、健康な口内環境を維持するうえで大変重要です。
親知らずは噛み合わせに影響しますか?
親知らずが生えてくる際には、多くの場合にその位置や成長の方向によって噛み合わせに影響を及ぼす可能性があります。
親知らずが正常に垂直に生える場合は問題が少ないですが、斜めに生えたり、横向きに生えることもあり、親知らずがほかの歯に圧力を加え、歯並びを乱す原因となることがあります。
親知らずがほかの歯を押し出す形で生えてくると、それまでの整った噛み合わせが崩れ、不快な症状や顎の痛みを引き起こすことがあります。
このような場合、親知らずの抜歯が噛み合わせの改善や痛みの軽減につながることが多いといわれています。したがって、親知らずの位置や成長の様子を定期的にチェックし、必要に応じて歯科専門医のアドバイスを受けることが重要です。
生活習慣は噛み合わせに影響しますか?
生活習慣は噛み合わせに大きな影響を与える場合があります。
特に、日常的に硬い食べ物を噛む習慣や、爪を噛む、ペンをくわえるなどのパラファンクショナルハビット(歯ぎしりや食いしばりなどの習癖)は、歯や顎に不必要なストレスを与え、時間が経つにつれて噛み合わせの問題を引き起こす可能性があります。
これらの習慣は、歯の摩耗や位置の変化を引き起こし、最終的には顎関節症の原因にもなりえます。また、不規則な食生活や不足した栄養摂取は、歯や顎の骨の健康を損ない、噛み合わせの問題を悪化させることがあります。
健康な噛み合わせを維持するためには、生活習慣の見直しと改善が重要です。
定期的な歯科検診とともに、悪習慣を改めることで、噛み合わせの健康を長期にわたって保てます。
むし歯や歯周病は噛み合わせに影響しますか?
むし歯や歯周病は、噛み合わせに影響を与える可能性があります。
むし歯や歯周病などの歯の疾患によって歯が失われたり、歯の支持が弱まると、残っている歯に過度の負担がかかります。これにより、歯の位置が変動し、噛み合わせのバランスが崩れることがあります。
さらに、噛み合わせの不調和は、咀嚼効率(能率)の低下を引き起こし、新たなむし歯のリスクを増加させることもあります。
歯周病が進行すると、歯がゆるくなり、噛み合わせが不安定になる可能性が高いです。
これらの問題を防ぐためには、定期的な歯科検診と適切な口内ケアが不可欠です。適切な治療と管理によって、歯と噛み合わせの健康を保つことが可能とされています。

噛み合わせが悪くなるとどうなる?

噛み合わせが悪くなるとどうなる?

噛み合わせが変わると噛んだときに違和感を覚えることがありますか?
噛み合わせが変わると、噛む際に違和感を覚えることがあります。
噛み合わせの変化は、顎の位置や歯の配列の微妙なズレから生じることが多いとされ、これが食事中や会話中に不快な感覚を引き起こす原因となることがあります。
例えば、歯が正しく噛み合わないことで、一部の歯に過剰な力がかかり、痛みや圧迫感を感じることがあります。
また、顎の筋肉が適切に機能しないことで、顎の疲労や痛みが生じることもあります。
これらの違和感は、日常生活に影響を及ぼし、食事や会話を楽しむことが困難になることもあります。
噛み合わせの問題を早期に察知し、適切な治療を受けることが、不快な症状を解消し、口内の健康を維持する鍵となります。
噛み合わせが悪くなると体調不良を起こすことがありますか?
噛み合わせが悪いことが体調不良につながることは少なくありません。
不適切な噛み合わせは、首や肩の筋肉に無理な力がかかることを引き起こし、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こす原因となることがあります。
また、噛み合わせの問題は顎関節にも影響を及ぼし、顎の痛みやこわばりにつながることがあります。さらに、消化不良を招く原因にもなる可能性があります。これは、食べ物を効率良く噛み砕けないため、消化過程に負担をかけるためです。
噛み合わせの改善は、体調不良を解消し、全身の健康維持に寄与する重要なステップとなります。
適切な診断と治療により、噛み合わせの問題から生じる体調不良の解決が可能とされています。
噛み合わせが悪くなるとむし歯や歯周病になりやすいですか?
噛み合わせが悪いと、むし歯や歯周病のリスクが高まることがあります。
噛み合わせの不調和が原因で、一部の歯に過剰な力が集中し、それが歯や歯肉に慢性的なダメージを与えることがあります。 歯が均等に接触しない場合、食べ物のかすが残りやすくなり、プラークの蓄積を促進します。
プラークが歯石に変わると、歯周病の原因となり、最終的には歯肉の退縮や歯の支持組織の破壊につながります。また、不適切な噛み合わせは、歯の表面に不必要な摩耗を引き起こし、むし歯の形成を助けることもあります。
これらの問題を防ぐためには、定期的な歯科検診と、必要に応じて噛み合わせの調整が重要です。

噛み合わせの治し方

噛み合わせの治し方

噛み合わせ治療で歯列矯正が行われることがありますか?
噛み合わせ治療では、通常は歯列矯正が取り入れられます。
噛み合わせの問題は、単に見た目の問題にとどまらず、食べ物の噛み砕き効率の低下や顎関節症、さらには頭痛や肩こりなどの全身的な不調を引き起こすことがあります。
このような問題を解決するため、歯科医は患者さんの噛み合わせを正確に分析し、歯の位置を理想的な状態に調整する歯列矯正を推奨する可能性があります。歯列矯正は、歯並びを整えることで噛み合わせのバランスを改善し、結果として顎の位置も正しい位置に導かれます。
治療期間中、矯正装置を用いて徐々に歯を移動させることで、患者さんの噛み合わせの質を根本から改善できるといわれてます。 噛み合わせの改善は、お口の中だけでなく全身の健康増進にも寄与するため、適切な診断と治療計画が重要です。
噛み合わせ治療で行われるスプリント療法とは何ですか?
スプリント療法は、噛み合わせの問題や顎関節症に対する治療方法の一つです。
この治療では、カスタムメイドの透明なプラスチック製の装置を使用し、上下の歯に適合させます。
スプリントは主に夜間に装着され、顎関節の負担を軽減し、不適切な噛み合わせによる歯の摩耗や筋肉の緊張を防ぐ役割を果たします。スプリントによって、歯が適切な位置に保持され、顎関節の位置が安定化し、長期的な痛みや不快感の緩和を図れます。
また、スプリント療法は非侵襲的であり、日常生活の不便を抑えながら、顎の健康を支える効果的な手段とされています。
顎関節の問題や噛み合わせの不具合が原因で生じるさまざまな症状に対して、スプリント療法は有効な対策だとされています。
噛み合わせ治療で行われる認知行動療法とは何ですか?
認知行動療法は、噛み合わせ治療で患者さんの痛みや不快感に対する認知や行動パターンを変えることを目指す心理療法です。
この治療法では、患者さんが症状に対して持つ否定的な考えや感情、行動を把握し、それらをより建設的かつ実際的なものにするための再構築を支援します。
特に顎関節症や慢性の顎の痛みを抱える患者さんに対して効果的であり、痛みに対する感受性を減らし、ストレス管理能力技術を向上させることによって、症状の管理を助けます。認知行動療法を通じて、患者さんは痛みの発生や持続に影響を与える可能性のある自身の思考や行動パターンに気付き、それらの改善をしていくとされています。
認知行動療法アプローチにより、噛み合わせの問題が引き起こす心理的、身体的な負担の軽減ができるといわれています。
噛み合わせ治療で行われる補綴(ほてつ)治療について教えてください
補綴治療は、噛み合わせの問題を解決するために広く用いられる歯科治療法の一つです。
この治療では、歯の損失や傷害が噛み合わせに与える影響を軽減させるために、義歯、クラウン、ブリッジ、インプラントなどの人工的な装置を使用します。補綴装置は、失われた歯の機能を回復させるだけでなく、残っている歯に過度の負担がかからないように配慮されています。 適切に設計された補綴装置は、患者さんの噛み合わせのバランスを整え、顎関節の健康を支える重要な役割を担います。
治療計画は個々の患者さんの状況に応じてカスタマイズ(個別化)され、最終的には快適で機能的な噛み合わせを目指します。
補綴治療により、患者さんは改善された咀嚼能力と美しく健康な笑顔を取り戻すことが期待されます。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで噛み合わせの変化についてお伝えしてきました。噛み合わせの変化の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 顎の発達や親知らずなどの身体の成長や、生活習慣病やむし歯、歯周病などの病気は噛み合わせに影響を与える
  • 噛み合わせが悪化すると、噛むときの違和感だけでなく、体調不良やむし歯、歯周病になりやすくなる
  • 噛み合わせの治療には、歯列矯正だけでなく、スプリント療法、認知行動療法、補綴(ほてつ)療法などがある

噛み合わせは審美性だけでなく、体調への影響に関しても適切な理解が大切です。 これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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