インビザライン

インビザラインで噛み合わせは治せる?治療のメリットや適応症例を紹介!

インビザラインで噛み合わせは治せる?治療のメリットや適応症例を紹介!

「噛み合わせに悩んでいて、矯正について詳しく知りたい」と思っている人もいるのではないでしょうか? 歯列矯正のひとつであるインビザラインは、透明なマウスピースを使って徐々に噛み合わせと歯並びを綺麗にしていく矯正法であり、ワイヤー矯正と比べて、さまざまなメリットがあります。この記事では、インビザライン治療の概要やメリット、適応症例についても詳しく紹介します。歯列矯正の方法で迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは

インビザラインとは 世界には数多くのマウスピース型矯正装置がありますが、その中でもインビザラインは1997年に誕生し、特許技術により高い治療精度を得ている革新的な治療法です。世界で最も患者数の多いマウスピース型矯正治療で、患者数は1200万人以上と言われています。ここでは、インビザラインの概要や治療期間、費用などについて詳しく解説します。

マウスピースによる治療法のひとつ

インビザラインは、マウスピースを用いた歯並び矯正治療の一種です。従来のブラケットやワイヤーを使用した矯正治療とは異なり、透明なプラスチック製のマウスピースを装着して歯を移動させます。この方法は、矯正装置が目立たないため、見た目を気にせずに治療を受けられることが魅力の一つです。そのため、矯正中はマスクをして過ごしたり、写真を撮るときに笑うのをためらったり、といった心配もありません。たとえば接客業の人でも問題なく矯正治療を受けることができます。 また、インビザラインは歯並びだけでなく噛み合わせも矯正できる治療方法です。治療前には、専用のシミュレーションソフトを使って、歯の動きを予測して治療計画を立てます。完成予想イメージは、見た目だけでなく噛み合わせも考慮しているため、治療終了時に噛み合わせが悪くなることは基本的にありません。 一方、マウスピースの装着時間や交換時期は、患者さん自身で管理する必要があります。

インビザラインで噛み合わせ・歯並びを矯正するには

インビザラインの治療期間は、患者それぞれの口腔内の状態によって異なりますが、通常2〜3年ほどかかります。 また、噛み合わせの異常があるなど、医療の必要性が認められた場合には保険適用となることもありますが、審美目的で行うインビザラインは自費診療です。費用は全体の矯正でおよそ70〜100万円ですが、これも口腔内の状態や治療期間によってさまざまです。 歯科医院によっても金額が異なりますが、デンタルローンなどの制度もあり、費用の面での負担を軽減することは可能です。

「インビザラインで噛み合わせが悪くなる」説の理由

「インビザラインで噛み合わせが悪くなる」説の理由 インターネットで「インビザライン 噛み合わせ」と調べると、噛み合わせが悪くなるなどの情報が出てきます。これは本当に正しい情報なのでしょうか? そのような検索結果が出る要因には「治療中に一時的に噛み合わせが悪くなったと感じるときがある」という点が考えられます。ここでは、一時的に噛み合わせが悪くなったと感じる理由を詳しく解説します。

歯ぎしりや噛みしめでずれている

歯ぎしりや噛みしめの習慣がある場合、マウスピースの位置が変わってしまい、一時的に噛み合わせが悪化することがあります。 インビザラインは、矯正する形に合わせて作ったマウスピースをはめ、少しずつ歯を動かしていきます。そのため、歯ぎしりや噛みしめの習慣があると、マウスピースが変形したり、破損したりする可能性があるのです。そして、マウスピースの変形に気付かずそのまま使い続けてしまうと、間違った形に矯正される原因になります。 特に夜間に歯ぎしりがある患者には、インビザラインは向いていません。もし歯ぎしりや噛み締めが激しい場合は、ワイヤー矯正がおすすめです。

そもそもきちんと装着できていない

インビザラインは、取り外し可能なマウスピースを、治療を受ける患者さん自身が正しく取り付ける必要があります。 マウスピースを毎日正しい装着方法で適切に装着することで歯並びを矯正できるようになっているため、マウスピースをずれたまま装着してしまっている場合、十分な効果が得られなくなってしまうのです。必ずしも噛み合わせが悪くなるわけではありませんが、気付いた時点でかかりつけの歯科医院に相談し、適切なケアを行うようにしましょう。 また、インビザラインで使うマウスピースは、1〜2週間ごとに交換が必要です。歯を動かすためには、マウスピースの形を少しずつ変えていく必要があり、古いマウスピースを使い続けてしまうと、歯並びはそれ以上改善されなくなってしまいます。

装着時間を守れていない

インビザラインの治療では、マウスピースを1日20時間以上装着することが必要です。しかし、装着時間を守れない場合、治療効果が低下し、噛み合わせの悪化が生じる可能性があります。特にマウスピースを長時間外してしまうと、治療効果が一時的に失われることがあるため、歯科医の指示通りに装着することが重要です。

マウスピースの厚みで奥歯が押されている

マウスピースの厚みや形状によって、特に奥歯に強く当たることがあります。これにより、一時的に噛み合わせが悪化することがありますが、通常は矯正治療の進行に伴って調整するため、過度に心配する必要はありません。 ただし、治療中に噛み合わせが非常に悪くなったり、強い違和感を感じた場合は、すぐに担当医に相談しましょう。矯正治療が終わった後も奥歯が噛み合わない状態が続くと、前歯にも過度なダメージが加わり、首や肩に負担がかかるため注意が必要です。

インビザラインが適用される噛み合わせ

インビザラインが適用される噛み合わせ インビザラインを適用できるかどうかは、歯並びや噛み合わせの状態によりますが、一般的には出っ歯や八重歯、叢生(そうせい)、すきっ歯、過蓋咬合(かがいこうごう)、開咬(かいこう)、受け口など多くの症例で症状の改善が期待できます。ここでは、インビザラインが適用される代表的な噛み合わせの症例について詳しく解説します。

出っ歯(上顎前突)

出っ歯は、上顎の前に前歯が突き出ている状態のことです。出っ歯の原因は、骨格によるものと、癖によるものに分けられます。癖により歯に傾斜がついてしまった出っ歯は、インビザラインで改善しやすい症例です。マウスピースを装着することで、突出した前歯を後方に下げ、出っ歯の改善を図ることができます。

八重歯・叢生

八重歯や叢生(そうせい)は歯が重なって生えており、歯並びがガタガタした状態を指します。一部の歯に負担がかかったり、むし歯や歯周病リスクにつながったりするため、矯正治療を希望する人が増えています。インビザラインでは、マウスピースを使って歯の位置を微調整することで、八重歯や叢生の解消が可能です。

すきっ歯(空隙歯列)

すきっ歯は、歯と歯の間に隙間がある状態を指します。原因はさまざまで、生まれつき歯が小さい、欠損歯があるなどの先天的なものや、歯を舌で押し当てる、頬杖をつくといった長年の癖が原因となる場合があります。インビザラインですきっ歯を治療する場合は、歯と歯の隙間がある部分を埋めるように圧力をかけて歯を移動させることで、症状の改善が期待できます。

過蓋咬合

過蓋咬合(かがいこうごう)は、上顎の歯が下顎の歯を完全に覆ってしまっている状態です。インビザラインでは、マウスピースを使って前歯を歯茎に押し込み、奥歯を引き出すという方法で、上下の歯の位置関係を調整します。過蓋咬合は年々進行するため、適切な噛み合わせになるように早めに治療を開始しましょう。

開咬

開咬(かいこう)とは、奥歯でしっかり噛んだときに上下の歯が正しく噛み合わない状態を指します。インビザラインでは、上下の歯の位置を調整することで、開咬の改善を図ります。

受け口(下顎前突)

受け口は、下顎が前に突き出ている状態です。受け口が原因で、横顔にコンプレックスを感じている人もいるのではないでしょうか。外科手術を伴うような重度の症例でなければ、インビザラインで矯正ができます。マウスピースを使って下顎の位置を制御し、噛み合わせ、受け口を改善します。

インビザラインが向かない症例

インビザラインが向かない症例 インビザラインは多くのケースで効果的な治療法ですが、一部の症例には向かない場合があります。ここでは、インビザラインが向かない症例について詳しく解説します。

スペースが足りず、複数の抜歯が必要な場合

矯正治療では、歯を移動させるために必要なスペースが確保できない場合、抜歯が必要になることがあります。重度の叢生や八重歯、出っ歯などで、複数の歯を抜き、歯を大きく移動させなければならない症例では、インビザラインでの治療では対応できない場合があります。なぜなら、マウスピースで大きく歯を移動させると、歯の根は動かずに歯茎から上の部分のみが倒れながら動く「傾斜移動」が発生してしまうことがあるためです。 歯を並べるスペースが大きく不足していて複数の抜歯が必要な場合は、ほかの矯正治療法を検討することがあります。

複数のインプラントが入っている場合

インビザラインは、歯の移動をマウスピースで行う治療法ですが、インプラントなどの人工歯が複数ある場合は、治療が難しくなります。人工歯は歯根にしっかりと固定されているため、移動させることができません。インプラントが複数あると動かせない歯が多くなり、マウスピースによる矯正治療が難しくなるのです。 インプラントをしていない歯を動かす矯正であれば可能なため、歯科インプラント専門医の意見を聞くか、ほかの矯正治療法を検討する必要があります。

骨格に問題がある場合

インビザラインは、歯を移動させる治療法のため、骨格の問題には直接対処できません。例えば、下顎が前に突き出している場合や、上顎と下顎の骨格が合っていない場合など、歯の位置だけでなく骨格の問題がある場合は、インビザラインだけでは適切な治療ができないことがあります。このような場合は、歯科矯正専門医や顎顔面(がくがんめん)外科医との相談が必要です。

インビザラインで噛み合わせを矯正するメリット

インビザラインで噛み合わせを矯正するメリット インビザラインは、従来の矯正方法に比べてさまざまなメリットがあります。これを知ることで、矯正に踏み出せなかった人もチャレンジしやすくなるのではないでしょうか? ここでは、インビザラインの主なメリットを4つ紹介します。

矯正装置が目立たない

従来の矯正方法は、金属のブラケットやワイヤーが目立ち、審美性に欠けることがデメリットでした。特に、成人女性や外見を気にする人には、ハードルの高い治療だったのです。しかし、インビザラインは透明なマウスピースを使用するため、ほとんど目立ちません。このため、治療中も自然な笑顔を保つことができ、QOL(生活の質)を下げずに治療ができるようになりました。

自分で取り外せる

インビザラインはマウスピース型の装置であり、食事や歯磨きなど状況に応じて自分で取り外すことができます。また、マウスピースを外して口腔ケアができる点や、マウスピースの洗浄や消毒をして清潔を保つことができるのも特徴です。なお、マウスピースを付けたまま食事をすると破損の原因になるため、食事の際は外すのを忘れないようにしましょう。

精密度の高い治療が受けられる

インビザラインのマウスピースはコンピューターによる精密な計測とシミュレーションに基づいて製作されるため、治療の精度が非常に高いことがメリットです。歯の移動のプロセスを細かく設定できるため、より正確な噛み合わせの調整が可能です。

むし歯や金属アレルギーがあってもできる

従来の矯正装置には金属が使用されているため、金属アレルギーを持っている人にとっては不向きでした。しかし、インビザラインはマウスピースがポリウレタンなどの素材でできており、金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がある人でも安心して治療が受けられます。 また、マウスピースは取り外しができるため、むし歯治療と並行して矯正治療が可能です。

編集部まとめ

編集部まとめ インビザラインは、噛み合わせや歯並びを矯正するための画期的な治療法です。従来の金属製の矯正装置と比べて、目立たない、取り外しができる、精密な治療が可能などのメリットがあります。インビザラインの治療期間は2〜3年ほどであり、自費診療の場合は費用の負担も大きくなります。矯正治療を検討する際には、専門医の診断とカウンセリングを受け、自身の症状やニーズに合った治療法を選択することが重要です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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