マウスピース矯正

歯列矯正のマウスピースでえずく原因は?違和感の対処法や正しい使い方も解説

歯列矯正のマウスピースでえずく原因は?違和感の対処法や正しい使い方も解説

歯列矯正のマウスピースを使い始めたけれど、装着するとえずいてしまう……と悩んでいる方は少なくありません。

違和感が強いと毎回つけるのがつらいとも感じてしまいます。

えずく原因は人それぞれですが、ちょっとした工夫で軽減することもあります。

この記事では、マウスピースでえずく理由や違和感を減らすコツ・正しい使い方をまとめました。

無理なくマウスピースの使用を続けるためのヒントを知って、快適に歯列矯正を進めていきましょう。

歯列矯正のマウスピースでえずく原因

歯科用マウスピースを装着する若い女性

マウスピース装着でどのような違和感が生じますか?
違和感にはさまざまな種類や個人差がありますが、主に以下のようなものが挙げられます。
  • 締め付け感
  • 歯茎のむずむず感
  • 喋りにくさ

マウスピースを装着した直後は歯全体に圧力を感じ、締め付けられるような感覚が生じます。特に新しいマウスピースに交換した直後はズレが大きく、違和感が強くなることがあるでしょう。また、マウスピースを装着すると歯が動くことで歯槽骨や歯周組織にも変化が起こります。その結果、歯茎がむずむずしたり軽いかゆみのような感覚を覚えたりする可能性が高いです。
また、マウスピース装着初期は唾液がたまりやすく、発音しづらくなることもあります。しかし、多くの方は数日以内に慣れてスムーズに話せるようになります。

マウスピースでえずく原因を教えてください。
マウスピース型矯正中にえずいてしまうと悩む方は少なくありません。これは嘔吐反射と関係しており、お口のなかに異物が入ったときに起こる生理的な反応です。
例えば、歯ブラシを奥まで入れたときや歯科治療で型取りをするときに吐き気を感じた経験がある方は、マウスピースでも同じような反応が出ることがあります。嘔吐反射がどのようなものか、以下で詳しく解説します。
嘔吐反射とはどのようなものですか?
嘔吐反射とは、お口のなかに異物を感じたときに無意識にえずいてしまう生理的な反応です。人間の身体は異物がお口や喉の奥に入ると本能的に吐き出そうとします。マウスピースのように歯全体を覆うものは異物と認識されやすく、えずきの原因になることがあるのです。
また、過去に歯科治療で苦しい経験があると、緊張や不安から嘔吐反射が強くなることがあります。「また吐き気がするのでは?」と意識することでさらに敏感になってしまうのです。普段から口呼吸をしている方はマウスピース装着時に鼻呼吸を強制され、それが違和感となって嘔吐反射を引き起こすことがあります。
えずきに個人差はありますか?
嘔吐反射によるえずきには個人差があります。過去の歯科治療での緊張・不安・恐怖心などから起こる場合は個人の経験に関わってきます。

マウスピースでえずき・違和感がある場合の対処法

マウスピース矯正

えずきや違和感を和らげる方法を教えてください。
装着時に違和感が強い場合は軽いマッサージや顎のストレッチを行い、お口周りの筋肉をリラックスさせるとよいでしょう。深呼吸を意識すると緊張をほぐすのにも役立ちます。また、マウスピースに慣れるまでの期間は無理をせず少しずつ装着時間を延ばしていきましょう。特に嘔吐反射が強い方は、装着前に鼻呼吸の練習をすると違和感が軽減しやすくなります。
さらに、治療中に顎を軽く引くことで唾液や水が喉の奥に流れ込みにくくなり、えずきを防ぎやすくなります。もし違和感が強く続く場合は歯科医師に相談し、マウスピースの調整を行うことも効果的です。
マウスピースに早く慣れる方法はありますか?
マウスピース型矯正に伴う違和感は、通常数日から1週間ほどで軽減されることがほとんどですが、早く慣れるためにはいくつかの工夫が必要です。まず決められた装着時間を守り、できるだけ長時間つけるようにしましょう。装着時間が短いといつまでも違和感が抜けず、慣れるまでに時間がかかってしまいます。もし痛みを感じる場合は、いったん外して少し休んでから再装着すると徐々に慣れやすくなります。違和感が強く続く場合はマウスピースのフィット感に問題がある可能性があるため、歯科医師に相談し調整してもらいましょう。
歯列矯正のモチベーションを高めることも重要です。マウスピース型矯正はワイヤー矯正とは異なり、歯並びの変化が眼で見てわかりやすいのが特徴です。定期的に写真を撮って変化を確認すると効果を実感しやすくなり、装着を続ける意欲につながります。
ストレスを緩和するとえずくのも解消できますか?
マウスピース型矯正中のえずきや違和感はストレスとも関係しています。緊張や不安を抱えているとお口のなかの異物感が強まり、嘔吐反射が起こりやすくなるためリラックスすることが重要です。深呼吸やストレッチを取り入れ、気持ちを落ち着ける時間を作ったり気分転換を心がけたりすることで違和感が軽減しやすくなります。また、マウスピースを調整した直後は痛みが出やすいため、痛みによってストレスを感じることもあります。そのようなときは無理をせずにやわらかい食事を選んだり、市販の痛み止めを適切に使ったりすることも、痛みを和らげストレスを緩和する方法の一つです。
歯列矯正中は見た目の変化や長期間の治療に対する不安を感じることがありますが、リラックスできる時間を確保し、気分転換を心がけることでストレスを軽減できます。焦らず、自分のペースで治療を進めていきましょう。
えずきがひどい場合は医療機関に行くべきですか?
マウスピース型矯正中にえずきがひどく、日常生活に支障をきたす場合は歯科医師に相談しましょう。装着時の不快感や吐き気はマウスピースの形状やフィット感が影響している可能性があるため、適切な調整を行うことで症状の軽減につながる可能性があります。無理をして装着を続けると、かえってストレスが増し違和感が強くなることもあります。

マウスピースの正しい装着方法

鏡で歯をチェックするアジア人女性

マウスピースを正しく装着するための注意点を教えてください。
装着前にマウスピースの上下を確認しましょう。一般的に前歯部分が大きいものが上側、小さいものが下側です。装着する際は前歯からゆっくりとはめていき、奥歯に向かって指で押さえるようにします。力任せに噛んで装着するとマウスピースが割れることがあるため避けましょう。初めて装着する際は鏡を見ながら行うと正しく装着できているか確認しやすくなります。
また、マウスピースの密着を助けるためにチューイーと呼ばれるシリコン製のロールを使用すると効果的です。特に前歯部分は浮きやすいため意識して押さえましょう。装着直後は多少の圧迫感を覚えることがありますが、これは歯に適切な力が加わっている証拠です。時間が経つにつれて違和感は減少していくため、慣れるまでは無理のない範囲で続けることが大切です。
口腔内が汚れているとマウスピースの装着に影響がありますか?
マウスピース型矯正を行う際、口腔内の清潔さはとても大切です。マウスピース型矯正ではマウスピースを長時間装着するため、お口のなかが乾燥しやすくなります。これによりむし歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなり、口腔トラブルのリスクが高まります。食後に歯磨きをせずにマウスピースを装着すると、食べかすや歯垢がそのまま閉じ込められ細菌が増殖しやすい環境を作ってしまうのです。
また、口腔内が不衛生な状態が続くと、歯列矯正治療の進行にも悪影響を及ぼします。歯茎の炎症やむし歯の進行によって予定どおりに歯並びが整わない場合があり、歯列矯正計画が変更されることもあります。治療期間が長引いたり追加の処置が必要になったりすることもあるため、しっかりとケアを行うことが大切です。食後は歯を磨き、マウスピースも清潔に保ちましょう。

編集部まとめ

歯を見せる女性

マウスピース型矯正中にえずいてしまう原因にはストレスや違和感、不適切な装着方法などが考えられます。

マウスピースを異物だと感じ、本能的に吐き出そうとすることを嘔吐反射といいます。

リラックス法や深呼吸を取り入れストレスを軽減することが大切です。

また、口腔内が汚れていると歯列矯正の効果が下がるだけでなく、むし歯や口臭の原因にもなるため歯磨きやマウスピースの洗浄を徹底しましょう。

えずきが続く場合は歯科医師に相談し適切な調整を受けることが重要です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正

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