マウスピース矯正

マウスピース型の洗い方は?保管方法・注意点を紹介

マウスピース 洗い方

歯科矯正では、目立ちにくく体への負担の少ないマウスピース型矯正が注目されています。

マウスピース型矯正では、1日の大半でマウスピースを装着しなければなりません。そこで注意したいのがマウスピース型の洗い方です。

マウスピース型を洗わずに不衛生のままにしておくと、さまざまなトラブルを引き起こしてしまいます。

ここでは、マウスピース型の日常的な洗い方・適切な保管方法・注意点などをご紹介します。

マウスピース型の洗い方は?

水

マウスピース型矯正を行っている場合、マウスピース型の洗い方に悩む方も多いでしょう。

適切な洗い方をするとマウスピース型を長持ちさせられます。また、矯正効果も最大限に引き出せます。

マウスピース型の基本的な洗い方をご紹介しましょう。

使用後すぐに洗う

マウスピース型を使用し、外したあとは、マウスピース型に食べカス・唾液・雑菌などが付着しています。

唾液や汚れが付着したままマウスピース型を放置しておくと、石灰化などによって汚れが落ちなくなってしまいます。

細菌・雑菌の繁殖を防ぐためにも、使用後はすぐに水で洗う習慣を身につけましょう。

マウスピース用洗浄剤も使用

マウスピース型は歯の形に合わせて作るので、複雑な形状をしています。そのため、洗浄剤による深部洗浄を定期的に行いましょう。

マウスピース用洗浄剤を使うと、目に見えない汚れや雑菌を効果的に取ることができます。気になるニオイも落とすことができます。

マウスピース用洗浄剤には、浸け置き洗い・泡スプレーなどがあるので、使いやすいタイプの洗浄剤を選びましょう。

毎日のお手入れは水やぬるま湯で洗い、週に1回、あるいはニオイや汚れが気になったら、洗浄剤を使うといいでしょう。

普段のメンテナンスと定期的な洗浄を行うことで、口腔内の衛生環境を整えられます。

よくすすいでしっかり乾かす

洗浄剤を使ったあとは、流水でよくすすぎましょう。洗浄剤の成分が残ってしまうと、そのまま口の中に入れてしまうことになります。

洗浄剤の成分によっては、口腔内の炎症の原因となることもあります。

すすいだあとはしっかり乾かすことが大切です。水分を少しでも残してしまうと細菌やカビの発生につながります。

洗ったあとのマウスピース型は、柔らかい布やティッシュペーパーを使って余分な水分を拭き取りましょう。

余分な水分を拭き取ったあとは風通しのよい場所に置いて、自然乾燥させます。

早く乾かしたいからと、ドライヤーなどで乾かすとマウスピース型が変形してしまうので注意してください。

十分乾燥させたら専用のケースに入れるのを忘れないようにしましょう。

マウスピース型の保管方法

マウスピース入れ

マウスピース型はこまめに洗うことが大切です。そして洗ったあとの保管にも十分な注意が必要になります。

清潔な状態での保管が必要

マウスピース型は、保管前には清潔な状態にしておかなくてはなりません。口の中に入っていたマウスピース型は、食べカス・唾液・雑菌が多く付着しています。

そのまま洗わずに保管してしまうと、雑菌・細菌・カビなどが発生してマウスピース型を作り直すことになります。

何よりも、口腔内の環境が悪化して、むし歯・歯肉炎・口臭の原因となり、健康上よくありません。

風通しが悪く直射日光の当たるところに置かない

マウスピース型は、非常に繊細な素材で作られています。保管する場所にも十分注意しましょう。

マウスピース型は、雑菌・カビを防ぐことが必要です。湿気のある場所は避けるようにしましょう。

そのため保管するケースも、通気口のある専用ケースに入れることが適切です。

また、直射日光の当たる場所もNGとなります。マウスピース型は非常に熱に弱く変形・劣化の原因となります。

また、紫外線の影響も避けなければなりません。

マウスピース型を長持ちさせ効果を維持するためにも、保管場所には注意しましょう。

専用のケースを使用する

インプラント

マウスピース型を保管するときには、専用のケースを使用することをおすすめします。

専用のケースに入れておくことでうっかり落としたり、ペットなどのおもちゃになるなど、破損を防ぐことができます。

また、バックに入れて持ち運ぶときにも他の小物との接触を避けられるので、専用ケースは必須アイテムです。

マウスピース型は、目立たないように透明でできています。一旦取り外すと、見つけにくいので、専用ケースに入れる習慣を身につけましょう。

専用のケースに入れておくことで、紛失を予防できます。

他のものと分けて保管

マウスピース型は、他のものと分けて保管することが大切です。

口の中に入れるものですから、他のものと接触することで、細菌や異物が付着する可能性があります。また有機材などとの接触で変形する可能性もあります。

専用のケースに入れて、外部の異物との接触を遮断するように心がけましょう。

マウスピース型を洗う際の注意点

マウスピースを手でもつ

マウスピース型の洗い方では、マウスピース型が劣化・破損・変形しないように、いくつかの注意点があります。

できるだけ長く使えるように洗い方のポイントを押さえておきましょう。

ぬるま湯で洗浄

マウスピース型は、非常にデリケートな素材で作られています。そのため洗い方としては水、あるいは40℃以下のぬるま湯で洗浄するようにしましょう。

汚れがよく落ちそうだからといって40℃以上のお湯で洗浄すると、熱の影響によりマウスピース型が変形してしまいます。

変形すると再装着ができず、矯正効果がなくなってしまうので作り直さなければなりません。

洗浄時力を入れすぎない

マウスピース型の汚れ・ヌメリなどを落とそうとして、指やブラシで力を入れてしまうと、傷が付いたり、変形したりする危険性があります。

洗浄時の洗い方は力を入れすぎず、できるだけ優しく洗うことを心がけましょう。

水気を十分にふき取り乾燥させる

灰色の入れ物

マウスピース型を洗ったあと、ついそのまま放置していませんか。空気中には、雑菌・細菌・カビの胞子が漂っています。

それらが水気のあるマウスピース型に付着すると、一気に増殖を始めるのです。

マウスピース型は口に装着するものですから、口の中で菌の増殖を加速化してしまいます。

マウスピース型を洗ったら、すぐに水気をふき取るようにしましょう。

マウスピース型は複雑な形をしているので、水気をふき取っただけでは不十分です。風通しのよい場所で完全に乾燥させてから専用ケースに入れましょう。

歯磨き粉を使わない

歯磨き

マウスピース型を洗うときには、歯磨き粉を使うのはNGです。とくに研磨剤の入った歯磨き粉は、マウスピース型に傷をつけてしまいます。

目に見えない細かな傷ですが雑菌が入り込み、汚れの温床となります。洗っても、なかなか汚れが落としにくくなるでしょう。

マウスピース型の劣化を防ぎ、口内の衛生を保つためにも洗うときの歯磨き粉は使わないことです。

もし使う場合は、研磨剤の入っていない歯磨き粉を使いましょう。

マウスピース型を洗うときに必要な用具は?

紙コップ

マウスピース型の毎日のお手入れは、基本的に指と流水で十分です。汚れやニオイが気になったときに使うと便利な用具を紹介しましょう。

柔らかい歯ブラシ

マウスピース型は、形状が複雑です。特にくぼんでいるところは汚れが落としにくく、指だけでは届きにくいかもしれません。

そのような場合には、歯ブラシを使います。できるだけ毛先が柔らかい歯ブラシを使いましょう。

毛先が硬いと、デリケートなマウスピース型の表面を傷つけてしまう危険性があります。

歯ブラシによる細かな傷から雑菌が入り込むこともあるので、注意が必要です。

おすすめはワンタフトブラシです。マウスピース型の細かな凹凸部分や隙間をなぞるだけで、汚れを落とせます。

マウスピース型だけでなく、矯正中の歯磨きにも効果があるのでひとつ用意しておいてもいいでしょう。

洗浄剤

マウスピース用洗浄剤は、汚れや細菌を効率的に除去できる便利なアイテムです。

いろいろな洗浄剤が市販されていますが、マウスピース型専用の洗浄剤をおすすめします。

なぜならマウスピース型の素材に適した成分で作られているので、劣化を防げます。

ドラッグストアなどでも購入できますが、マウスピース型を作ってもらった歯科医師が推奨する洗浄剤であれば、間違いはないでしょう。

洗浄剤を使用するときには、必ず使用方法などの指示に従うことが大切です。

洗浄剤の濃度・浸け置き時間・使用頻度など、指示に従うことで洗浄効果を最大限に引き出します。また、マウスピース型の劣化や変質を防げます。

超音波洗浄機

超音波洗浄機は、メガネや貴金属などの洗浄に使われるアイテムです。

もしご家庭に超音波洗浄機があるなら、マウスピース型の洗浄に使うことも可能です。

超音波洗浄機は、超音波を活用して通常では落としきれない微細な汚れまで落とす働きがあります。

目に見えない無数の気泡がはじける衝撃波によって、細かい汚れを落とせるため、マウスピース型にダメージを与えることなく洗浄できます。

歯科医院でも使用されており、形状が複雑なマウスピース型の洗浄にはピッタリのアイテムといえるでしょう。

マウスピース型を洗わないとトラブルにつながる

匂い

マウスピース型を洗浄しないで放置しておくと、どのようなトラブルにつながるのでしょう。

マウスピース型を洗浄せずに使い続けていると、汚れが付着したままとなり、むし歯・歯周病が発生することがあります。

むし歯・歯周病が発生してしまうと歯の矯正よりも優先して治療しなければなりません。そのため、むし歯の治療期間中は矯正を一時中断することになります。

むし歯の進行状況によっては、歯を削るなどの治療が必要になるでしょう。場合によっては、マウスピース型を作り直さなければならないこともあります。

矯正が一時中断すると、せっかく途中まで進んだ矯正を最初からやり直さなければなりません。

口臭がきつくなるというトラブルも発生します。口の中は、思った以上に細菌・雑菌が存在し、不衛生にしていると口臭の原因となります。

歯磨きをしていても、マウスピース型を洗浄しないで使い続けると細菌・雑菌が繁殖して口臭の原因となるので注意しましょう。

口臭は、自分ではなかなか気が付きにくいものです。また、周囲も指摘しにくいでしょう。

とくにマウスピース型で矯正しているときには、歯とマウスピース型の間などに汚れが溜まりやすくなります。

口臭を防ぐためにも、こまめにマウスピース型の洗浄を行うように心がけましょう。

マウスピース型を洗浄しないとマウスピースが着色するというトラブルもあります。

マウスピース型で矯正するメリットは、ワイヤーなどの金属を使用していないため目立たないということです。

周囲の人に歯の矯正をしていることを気付かれず、見た目にも自然だという理由で選択する人も多いでしょう。

マウスピース型を洗浄しないと、汚れが付着したままとなります。汚れが溜まってくると、マウスピース型が濁ったり、変色したりする原因となるので注意しましょう。

変色したマウスピース型は非常に目立ちます。さらに見た目にも不潔な印象を持たれてしまうかもしれません。

マウスピース洗浄液は代用ができる?

洗浄

出張や旅先などで、マウスピース用洗浄液を忘れてしまったという場合もあるでしょう。また、洗浄液を切らしてしまうということもあります。

そのような場合、代用できるものはあります。ただし、あくまでも「代用」ですから、普段のお手入れは専用の洗浄液を使うようにしましょう。

代用できるものとして、身近なアイテムでは食器用洗剤があります。

洗浄力が強くマウスピース型に付着した雑菌などを取り除いてくれます。

水で薄めた食器用洗剤の柔らかい歯ブラシに付けて、やさしくこすり洗いしましょう。

マウスピース型は口の中に入れるものです。洗ったあとは、しっかり洗剤成分を落とすこと
が大切です。

次に代用として使えるのがマウスウォッシュです。マウスウォッシュには、アルコールなど殺菌作用成分が含まれています。

外食ですぐに歯を磨くことができない場合には、マウスウォッシュで口をすすぐだけでも爽快感や口臭を防ぐことができます。

さまざまなフレーバーがあるのでお好みのマウスウォッシュを選びましょう。

また敏感な方は、低刺激性のノンアルコールタイプのマウスウォッシュを選ぶと口腔内の乾燥や違和感からお口を守ることができます。

まとめ

手

マウスピース型の矯正では、ほぼ1日中マウスピース型を装着しなくてはなりません。マウスピース型には食べ物のカスや唾液が付着し、雑菌・細菌も繁殖しやすい状態です。

マウスピース型を洗わずに使い続けると、むし歯・歯周病・口臭・変色などの原因となります。場合によっては矯正の一時中断にもなりかねません。

食事などでマウスピース型を外したタイミングで、必ず水で洗浄することが大切です。

水洗いだけでは落としきれない汚れなどは、洗浄剤や柔らかい歯ブラシなどを使うといいでしょう。

また、取り外したマウスピース型を保管する場合は、破損や紛失を防ぐため必ず専用のケースに入れるよう習慣付けるといいでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗歯科医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗歯科医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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