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セラミック矯正で歯並びを良くするメリットは?デメリットやおすすめな方も併せて解説します

歯並びを良くすることは珍しいことではなく、審美目的や健康のために歯列矯正を始める人は増加しています。しかし、歯列矯正は装置が目立つことから審美面で躊躇する方が多かったのではないでしょうか。

最近話題のセラミック矯正は歯並びを良くする治療の一つとして知られるようになりました。具体的な治療内容、かかる費用、体への安全性はどうなのかが気になるところです。

この記事ではセラミック矯正のメリットだけでなく、デメリットも含めて解説していきます。

セラミック矯正で歯並びを良くするメリット

頬に手を寄せる女性
セラミック矯正とは一体どのような治療なのでしょうか。歯並びを良くする治療である歯列矯正とどのような点で違いがあるのか気になるところです。

ここで従来の主流であった歯列矯正を簡単におさらいしましょう。

まず、一番の特徴は歯を動かす装置をつけるため審美面で劣るというデメリットがありました。また、歯を少しずつ動かして歯並びを矯正するため、治療期間が長期化します。

上記が主な理由として歯列矯正を避ける方もいらっしゃいました。セラミック矯正は従来の歯列矯正のデメリットとされている点が改善された治療方法です。

ここではセラミック矯正はどのようにして歯並びを良くするのか、メリットとあわせて詳しく解説していきます。

治療期間が短い

治療台
セラミック矯正のメリットとして挙げられるのが、治療期間の短さです。治療の種類や治療対象となる歯の本数にもよりますが、概ね数ヶ月から半年の治療期間になるでしょう。

部分矯正であれば6ヵ月程度です。また、歯列矯正は歯や装置の調整のため月1回は通院することになります。

一方セラミック矯正は最短の治療内容であれば2回程度の通院で治療が終わり、時間をかけて治療する場合でも3ヶ月で4〜5回程度のため、短期集中の通院が主流です。

矯正装置を使わない

矯正具をつけた女性

セラミック矯正は歯列矯正と違い矯正装置を使用しません。歯列矯正は装置を付け、歯(歯根膜)に力を加えることで、歯を動かし歯並びを良くします。

セラミック矯正は装置の力によって歯を動かすのではなく、セラミッククラウン法というセラミックのクラウン(被せ物)を被せたり、ラミネートベニア法という歯の表面をわずかに削り薄いセラミックを貼り付けるという治療方法になります。

歯並びを良くするといっても、様々なケースがあります。例えば、歯の大きさが不揃いなことにより歯並びが悪い場合は、セラミッククラウン法での治療がおすすめです。

歯の隙間はラミネートベニアでの治療であったりと、治療内容によって治療方法が変わっていきます。

患者さんの歯の状態によって当然治療方法は違ってくるので、まずは歯科医院に相談するとよいでしょう。

前歯1本だけでも治療が可能

セラミック矯正は気になる歯1本のみの治療が可能です。セラミックを用いると、全ての歯を治す必要がなく1本だけ治療をすれば全体の歯並びを良く見せられます。

前歯の1本だけにセラミッククラウンを被せるだけで、歯並びがきれいに見えるという症例もあります。

自然な歯並びに見せるには歯全体の治療ではなく、悩みが気になる歯をピンポイントで数本治療することで実現可能です。

歯の治療は、金銭面の問題や体への負荷や治療期間がどの程度かかるかなど様々な不安や疑問が生じやすいです。

歯全体を治療する方法よりもコスト面においても体への負荷がかかるという点においても、セラミック矯正は歯並び以外で懸念される点も解消できるでしょう。

セラミック矯正で歯並びを良くするデメリット

考える女性
数々のメリットがあるセラミック矯正にもデメリットは存在します。患者さんによっては、歯列矯正よりも気軽に始められると思われるかもしれません。

治療を始める前にセラミック矯正の治療内容について把握し、どのようなリスクが生じるのかイレギュラーケースは発生する可能性はあるのかについても認識されることをおすすめします。

ここからはセラミック矯正で歯並びを良くする際に起こり得るデメリットについて説明します。

歯を削る必要がある

施術中のイメージ
セラミック矯正においての最大のデメリットといえば、歯を削ること(神経を抜くこと)です。

セラミッククラウン法は歯の全面を削り、その部分にセラミックで作成した被せ物を装着する治療法です。ラミネートベニア法であっても歯は削ることになりますが、こちらは歯の表面を薄く削りセラミックを装着していきます。

特にクラウンを被せる治療の場合は、削る量が多いため削る際に痛みを感じることがあります。また歯の神経を抜くこともあるでしょう。

削った歯は当然元には戻せません。ご自身の歯を削ることに抵抗がある患者さんは要注意です。

虫歯・歯周病のリスクがある

歯科器具
歯を削りセラミックを装着した場合、削った箇所と被せ物をした箇所に多少の隙間が生まれます。歯磨き等で丁寧なメンテナンスを行わないと虫歯になりやすい環境になってしまいます。

歯を削ると神経に近い箇所で虫歯になることが多いです。神経に支障を来さないためにも、セラミック矯正を行う場合はしっかりと歯の手入れを行うことが重要です。

また、歯周病も同様です。歯周病は歯と歯茎の間に汚れが溜まると発症しやすくなります。

虫歯や歯周病のリスクを避けるためには、土台となる部分とセラミックの被せ物の隙間に汚れがたまらないよう、念入りな手入れが必須です。

作り直しが必要なケースがある

歯列矯正は後戻りのことを除いて考えると、ほぼ一生持つといってもよいでしょう。では、セラミック矯正はどのくらいの期間持続するのか気になるところです。

セラミッククラウンの場合、物によっては10〜20年の耐用性があるとされています。被せ物の素材として使用される金属やレジン(プラスチック)は劣化が早いのが特徴です。一方セラミックは、お手入れを適切に行えば長持ちします。

ただし逆に考えますと、耐久性のあるセラミックでも10年ごとに作り直す必要があるということです。また、耐久性があるセラミックとはいえ欠けてしまうなど破損の場合は、当然作り直さなければなりません。その場合は最初に作成した時と同額程度の費用が発生します。

セラミック矯正の費用の目安

電卓
実際セラミック矯正の費用はどのくらいかかるのでしょうか。セラミック矯正の場合、1本あたり10万円程度かかります。6前歯を治した場合、60万円以上かかります、しかし部分矯正で6本を治した場合、矯正治療では、30万円です。しかも歯を削らず、歯根も正しい向きに治ります。

歯科医院や治療内容によって金額に差は出てきますが、大体の目安は次のとおりです。

オールセラミッククラウン(ジルコニア) 約165,000円
オールセラミッククラウン(メタル) 約110,000円
ラミネートベニア 約88,000円

上記の値段は1本あたりの料金になります。保険適用外のため保険適用の治療と比べると高額に感じますが、歯列矯正に比べると確かに安価です。また、セラミック矯正は治療する歯の本数によって費用が変動します。

6本の前歯を部分矯正で治した場合、30万円程度になります。毎月調整料として5,000円程度が発生します。

セラミック矯正がおすすめな方

丸
セラミック矯正は治療期間が歯列矯正に比べて短縮でき費用を抑えられるため、目的によっては歯並びを効率的に良くする治療法といえます。

審美面においても装置を付けずに済むので、装置が気になってしまうことで引き起こされる心理的負担も軽減されます。

メリットもデメリットも含まれる治療法ではありますが、ご自身にとって優先させる点がセラミック矯正のメリットと合致していれば、治療を始めやすいでしょう。

ここからは、どのような方にセラミック矯正をよりおすすめできるかについて具体的に紹介していきます。

短期間で歯並びを良くしたい方

セラミック矯正は治療に時間をかけられない方に最適な治療法です。

歯1本にセラミッククラウンを被せる場合、最短で1ヶ月で治療が終わります。治療対象の歯が多かったり治療の内容が多少複雑であったりするともう少し期間は伸びますが、それでも3ヶ月からどんなに長くても半年程度です。

仕事の都合で長期間の通院が難しい方・ご事情があり短期間で歯並びを良くする必要がある方などリミットが決められていたり時間に余裕がない方におすすめです。

審美面での治療を目的とされているような結婚式を控えている方・人前に出る仕事をされている方は、短期的なスパンで当日までに治療を終わらせることが可能になります。

歯を白くしたい方

虫眼鏡
セラミック矯正の強みの一つでもあるのが、歯を白く見せるという点です。歯の変色が気になる方もセラミック矯正の治療法を取り入れていらっしゃいます。

セラミッククラウンの特質として挙げられるのが、素材に耐久性があるため歯の白さを長期間保てるという利点です。

ラミネートベニアも歯並びを良くするための治療でありながらも、体にも安全で耐久性があるためホワイトニング治療としても用いられています。

歯のホワイトニングでは取りきれない汚れや変色・歯の治療跡を目立たなくさせるといった、審美目的で利用される方にもおすすめです。

差し歯を入れたくない方

自然な歯並びや口元へと導くのが、セラミック矯正の特徴です。

保険が適用される差し歯の場合は金属等が使用されることが多く、これは歯茎の黒ずみを招いてしまうだけでなく、歯茎自体へのダメージも大きいとされています。

また、元々入れていた差し歯が不自然に浮き上がってしまっていても、セラミック矯正の治療法で自然な口元に見せられます。

金属アレルギーをお持ちの方であれば、金属が使用されることが多い差し歯は避けたいと思われるでしょう。セラミック矯正は安全な材質を使用しているため、歯・歯茎だけでなく体への負担もありません。

治療目的によって差し歯をせずにすむ場合がありますので、差し歯に抵抗がある方はセラミック矯正を取り扱っている歯科医院にご相談するとよいでしょう。

まとめ

納得する女性
ここまでセラミック矯正で歯並びを良くするメリットやデメリットを解説してきました。

歯並びを良くする治療法は歯列矯正をするしかないと思われている方もいらっしゃるでしょう。しかし、セラミック矯正を取り入れると、短期間でかつ費用を抑えて歯並びを良くすることが実現可能になります。

また、歯並びを良くするだけでなくセラミックという素材を用いた治療であることから、歯を白く見せられます。

もちろんデメリットも存在しているため、ご自身にとって譲れない点を明確にされたうえで、治療法を決定されるとよいでしょう。

この記事の監修歯科医師
吉田 健医師(目黒パークサイド矯正歯科院長)

吉田 健医師(目黒パークサイド矯正歯科院長) 院長 (目黒パークサイド矯正歯科)

1990.3 電気通信大学博士課程前期終了 工学修士 / 1990.4 鶴見大学編入学 / 1995.9 鶴見大学歯学部卒業 歯科医師免許取得 / 2001.9 日本矯正歯科学会認定医取得 / 2004.4 歯学博士号取得 / 2008.4 目黒パークサイド矯正歯科開業

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吉田 健医師(目黒パークサイド矯正歯科院長)

1990.3 電気通信大学博士課程前期終了 工学修士 / 1990.4 鶴見大学編入学 / 1995.9 鶴見大学歯学部卒業 歯科医師免許取得 / 2001.9 日本矯正歯科学会認定医取得 / 2004.4 歯学博士号取得 / 2008.4 目黒パークサイド矯正歯科開業

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