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歯列矯正治療をやらなきゃよかったと思う理由は?知っておきたい知識や対策を紹介

歯列矯正 やらなきゃよかった

歯列矯正治療は審美目的だったり、かみ合わせの問題などを解消することで健康面の改善をはかったりと、様々な悩みを解消するために行われます。

悩みが解消され理想の歯並びになったことで、長期間の治療を頑張ってきた甲斐があるという人は多いのではないでしょうか。

しかし歯列矯正治療を行ってみたものの、やらなきゃよかったと後悔する人がいるのも事実です。 これから歯列矯正治療を始めようと検討されている人にとっては、その理由が気になるかもしれません。

本記事では、歯列矯正治療をやらなきゃよかったと思う理由について、詳しく解説していきます。 あわせて歯列矯正治療に関して事前に知っておくとよい知識や対策についても紹介していきましょう。

歯列矯正治療をやらなきゃよかったと思う理由は?

悩む人

歯列矯正治療の検討を進めるとメリットについての情報は多く入ってきますが、マイナス面の情報はあまり見つからないことがあるでしょう。

歯列矯正治療自体を後悔するような理由があるとすれば、事前に知っておきたいと思われるでしょう。

歯列矯正治療をやらなきゃよかったと思うに至る理由はいくつかあります。 ここではその理由を1つずつ説明していきます。

治療期間が長くなってしまった

治療期間が長くなってしまったことで、歯列矯正治療を行わなければよかったという人は多いです。

歯列矯正治療を開始する前に治療計画が立てられるので、おおよその治療期間は開始前に分かります。

しかし、実際は歯の動きに合わせて治療が進められていきます。歯は1ヶ月あたり僅かしか動きません。

そのため特に歯全体を矯正する場合はどうしても時間がかかってしまうことに加えて、歯の動きには個人差があるので、予定より治療期間がかかることもあるのです。

イメージ通りの歯並びにならなかった

歯並び

歯並びをきれいにするために歯列矯正治療を始めたにもかかわらず、イメージ通りの歯並びにならなかったというケースも挙げられます。

たとえば歯並びが左右対象でなかったり、歯の高さや傾斜が揃っていなかったりするというようなケースも起こりえるようです。

また歯並びはイメージ通りになったけれど、口元が飛び出して見えてしまったり横から見ると治療前よりも口元のバランスが悪くなってしまったりしたという症例もあります。

歯並びが戻ってしまった

長期間に及んだ治療と保定期間が終わり、理想の歯並びがキープされるはずが、歯並びが、矯正治療前の状態に戻ってしまったということもあります。

これは元々の歯並びの状態に適した方法で治療を行わなかったことが、大きな原因とされています。

後戻りしないようきちんと保定期間を過ごしたにもかかわらず歯並びが戻ってしまうのは、治療計画が誤っていたケースが多いです。

歯並びが戻ってしまうと治療を受けた意味がなく、やらなきゃよかったという理由に繋がるのです。

歯を削られた

治療

歯は削ってしまうとむし歯にかかりやすくなったり、歯が小さくなることによる歯周病的観点からリスクが生じやすくなったりします。

そのため、むし歯などの治療で歯を削る場合とは異なり、歯列矯正治療で健康な歯を削られることに抵抗があるは一定数いるでしょう。

また、事前のカウンセリングや治療計画に歯を削ることについての説明がないまま、治療開始後に削られたというケースもあります。

歯列矯正治療で歯を削ることは治療において必要なため行うのですが、事前説明の不足や同意なしで削られてしまうと、歯列矯正治療自体や歯科医院への不満に繋がることが多いようです。

抜歯された

できれば抜歯せずに歯列矯正治療を行いたいと思われる人がほとんどかもしれません。

抜歯は歯並びを改善する際、歯を動かすためのスペースが必要な場合に行われます。特に不正咬合を治療する場合は矯正治療前に抜歯されることが多いです。

しかし抜歯に関しても、事前に十分な説明がなく患者さんが納得していない段階で抜歯が行われると、抜歯だけでなく歯列矯正治療への後悔や疑念が生じてしまう原因となります。

歯列矯正治療をやらなきゃよかったと思う歯の変化は?

歯

歯列矯正治療中や治療が終わった後歯や口の状態歯や口の状態に変化が生じたことで、歯列矯正治療をやらなきゃよかったと思うケースがあるようです。

これは審美面の不満だけでなく、口を動かす際に不具合が生じてしまい、歯列矯正の治療を後悔したという意見も出ています。

ここからは歯の変化によって、どのような不具合が生じたのかを具体的に解説していきます。

歯に隙間ができる

治療計画どおりに歯並びが整えられたとしても、歯にわずかな隙間ができることがあります。

歯列矯正治療後も、舌の力や食べ物を噛む時の力で、歯は動いていきます。また、治療前が隙間のある歯並びだったり舌を前に出す癖がある人は、隙間ができることが多いです。

ただ、治療後に隙間ができやすいと見なされた場合、通常は治療開始前にその可能性があることの説明を受けるでしょう。 説明が不十分であったことに加え、治療後に隙間ができた場合は、やらなきゃよかったと思うケースが多くなっています。

噛みにくくなる

歯列矯正治療では歯並びをきれいにするだけでなく、噛み合わせの問題を解消するためにも行われます。

しかし治療後に見た目上で歯並びはよくなったものの、噛み合わせに関しては食事の際などに噛みにくくなるという不具合が生じるケースがあります。

これには様々な原因がありますが、治療前の診断等が的確でなく、骨格に合うよう歯を動かせなかったことなどが挙げられるでしょう。

噛み合わせが悪くなると、肩こりが悪化したり噛みにくいことへのストレスが大きくなったりするので、歯列矯正治療を行う前の方がよかったと思ってしまうことに繋がるのです。

痛みが出てきてしまう

痛みが出てくることで、歯列矯正治療を後悔するケースもあるでしょう。

これは特に治療中に出てくるケースですが、歯列矯正治療は装置を装着したり調整したりすると、1週間程度は歯に痛みを感じることが多いです。

調整直後は食事をする際に痛みを感じやすく、人によってはストレスを感じるほどにもなります。

この痛みは矯正治療では避けられないため、事前に知っておくことが必要になるでしょう。痛みに弱い人は歯科医師に対処方法を相談しておきましょう。

歯列矯正治療で得られる効果

歯科医師

歯列矯正治療は、人によって治療を行わなければよかったと後悔することがあるかもしれません。

治療中は制約があるうえに治療期間が長いので、治療を続けるのは時に大変と感じることもあるでしょう。

しかしデメリットと感じられることがあったとしても、歯列矯正治療は得られる効果の方が多いとされています。 ここからは歯列矯正治療で得られる効果について説明していきましょう。

噛み合わせを改善できる

歯列矯正治療は歯並びをきれいにする治療という点に着目されがちですが、噛み合わせの問題を改善する治療でもあります。

噛み合わせが悪いと食べ物をしっかりと噛み砕けなかったり飲み込む力が正常に機能しなかったりします。また発音が不明瞭になるなどの問題点も挙げられるでしょう。

また子どもの場合は噛み合わせが乱れていると、顎の骨が正常に発達しにくくなります。

噛み合わせを改善すると顎関節症の発症を防げるため、顎関節症に悩まされている人にとっては煩わしい症状が発生せず生活の質も上がるでしょう。

肩こりや頭痛が改善する

肩こり

顎の不自然な動きが体のバランスへ影響を及ぼし、肩こりや頭痛に繋がっている可能性があるため、歯列矯正治療を行うことで改善されることが多いとされています。

肩こりや頭痛は様々な原因がありますが、歯並びや噛み合わせが悪いことが、肩こりや頭痛の一因になっているケースもあります。

噛み合わせが悪く、口を開ける際に顎へ痛みを感じたり口が開けにくかったりして肩こりや頭痛の症状が出ている場合は、噛み合わせの問題から生じている可能性が高いです。

歯並びへのコンプレックス解消につながる

歯並びがきれいになると、コンプレックスの解消に繋がります。歯並びが悪いことによるコンプレックスが大きくなり、人前で自然に笑えないという人は少なくありません。

審美的な面で他人と比べてしまったり、歯並びが悪いことで口元を隠すなどして自然な行動ができなくなったりすると、精神面へ影響を及ぼしかねません。

口元の見た目が改善すると、他者とのコミュニケーションがスムーズに行え、社会活動の質が向上していきます。

また見た目が改善されコンプレックスが解消されるだけでなく、口元に歯がきちんと収まるようになると口を閉じられるので鼻呼吸になり、健康面においての質も上がっていくとされています。

歯列矯正治療が必要なのはどんな人?

考える

歯列矯正治療はどのような人に適した治療なのでしょうか。

  • 歯並びや噛み合わせが悪い大人や子ども
  • 発音に問題がある人
  • 顎関節症になりやすい人
  • 食べ物が噛みにくい・飲み込みにくい人
  • むし歯になりやすい人

上記のような症状に当てはまるようでしたら、歯列矯正治療を行うと症状の改善が期待できるでしょう。

また、顎が小さめの子どもの場合、歯列矯正治療を行うことで顎の発育にもよい影響を及ぼすことが多いです。

ただし、子どもの歯列矯正治療に関しては治療の開始時期を歯科医師に相談することをおすすめします。

子どもの場合、歯の生え方・顎の発達具合・歯の生え変わりなどが年齢で一括りにできず、個人差によるところが大人に比べると顕著になります。

大人の治療開始時期はいつでも問題はないとされていますが、歯や歯周組織が健康な状態でないと矯正治療が受けられない可能性があるため、注意が必要でしょう。

発音しにくい・顎関節症が発生しやすい・咀嚼機能に問題を抱えている人も歯列矯正治療を行うと症状の改善が期待されるので、生活の質が向上し健康的な日々を過ごせることに繋がります。

歯並びが悪くむし歯になりやすい人は歯列矯正治療をおすすめします。

むし歯だけであれば都度むし歯治療すればよいのではと思われるかもしれませんが、歯並びがきれいになり歯磨きがしやすくなるだけで、むし歯の発生を防げるのです。

むし歯が頻繁に発生したり、重度のむし歯になるとご自身の歯を失うことにも繋がります。健康的な歯を保つには歯磨きとむし歯予防が欠かせません。

歯並びが悪いと歯磨きを適切に行うことが難しくなりがちです。

歯列矯正治療で歯並びをよくすることは審美面にメリットがあるだけでなく、むし歯予防に繋がり歯の健康を持続させられるのです。

歯列矯正治療で失敗しないための対策

カルテ

歯列矯正治療にはメリットが多くあるにもかかわらず、治療を受けなければよかったと後悔する人もいます。

また治療を受けたことに後悔はしないものの、歯列矯正治療が失敗したのではと不安に感じる人もいるようです。

歯列矯正治療で失敗しないようにするには、どのような対策を取ればよいのか気になるのではないでしょうか。

ここでは歯列矯正治療で失敗しないための対策方法をお伝えしています。

治療計画をよく相談する

歯列矯正治療を開始するにあたって最も大切なのは治療計画をよく相談することです。

歯列矯正治療の目的を明確にし、どのような治療方法であれば受け入れられるか、治療期間・治療費はどの程度かかるのかなど細かい点まで具体的に相談することをおすすめします。

ご自身と歯科医師との間で認識の相違が出てしまうと、歯列矯正治療の失敗や後悔に繋がっていくことが多いです。

また単に歯並びをきれいにするという漠然とした内容で治療を進めると、後に不満や後悔に繋がりやすいです。

たとえば歯並びはきれいになったけれど、横から見た時の口元のバランスがイメージ通りでないときなどが挙げられます。 あらゆる点において治療計画を明確にしておくことが、失敗に繋がらない対策方法です。

歯列矯正治療のデメリットを抑える

歯列矯正治療にはメリットだけでなく、デメリットも当然存在します。ただ、デメリットと判断するのは個人差によるところが多いです。

歯列矯正治療で失敗しないようにするためには、ご自身にとってデメリットとされる部分を抑えていくとよいでしょう。

たとえば抜歯をするのがデメリットと思うのであれば、抜歯をせずに治療を進めてもらえないか歯科医師に相談してみましょう。

治療期間の長さがデメリットの場合、治療期間が短くなる方法がないかどうか治療計画の段階で歯科医師と相談すると、なるべく希望に沿うような治療計画で進めてもらえる可能性もあります。

また歯列矯正治療でデメリットと感じる点でも、治療において必要性があることを事前に納得できていれば、デメリットとは捉えずに必要な治療と認識が変化していくでしょう。

成人の矯正治療(自費診療による目安)

  • 初回相談料など:約7,000円(税込)~
  • 基本検査料:約80,000円(税込)~
  • 追加検査料:約10,000円(税込)~
  • 診断料:約30,000円(税込)~
  • 本格矯正治療:約440,000円(税込)~

自分に合った矯正治療の方法を選ぶ

矯正治療の方法がご自身の歯の状態に合っていない場合、治療後に満足な結果が得られないことが多くなるでしょう。

本来は全体矯正が必要にもかかわらず、部分的な矯正治療を行ったことで、治療後に歯並びが後戻りするケースが起こりえます。

また歯列矯正治療には様々な治療方法があります。

主な治療方法は、ブラケットとワイヤーを使っての治療・ブラケットとワイヤーは使用するが歯の裏側に装着しての治療・マウスピースでの治療などです。

歯の状態に適した治療方法が取られるのはもちろんですが、審美面や治療費の面で大きな違いが生じてくるので、その辺りも含めて治療方法を検討していくことになります。

ご自身が治療を続けやすい方法を選択すると、歯列矯正治療が失敗しにくくなるでしょう。治療開始前に歯科医師と相談のうえ、決定されることをおすすめします。

 

もし歯列矯正治療に失敗してしまった場合には

違った

歯列矯正治療は大がかりな治療になるので、失敗は避けたいと思われる人がほとんどではないでしょうか。

しかし、もし歯列矯正治療に失敗してしまった際の対処方法を事前に知っておくことで、万が一に備えて安心して治療を進めやすくなるでしょう。

ここでは歯列矯正治療に失敗してしまった場合の対処方法を紹介していきます。

担当医に相談する

歯列矯正治療が失敗したと思われたら、まずは担当医に相談することをおすすめします。

また治療中に違和感を覚えたのであれば都度担当医に相談することによって、その段階で軌道修正を行える場合もあるでしょう。

治療後に失敗したと思われた場合は、どのような対応になるかも含めてまずは担当医に確認してみてください。

セカンドオピニオンを受ける

歯列矯正治療が失敗したのではないかと思うけれど確証が持てないという人は多いかもしれません。

そのような場合はセカンドオピニオンを受けてみてはいかがでしょうか。

歯科医院でもセカンドオピニオンを求められて断るケースはほとんどないようです。不安があるようでしたら、他の歯科医師の意見を参考にすることもおすすめします。

返金可能か聞いてみる

歯列矯正治療の失敗かどうかの判断基準は、ご自身と歯科医院で異なってきます。 さらに返金対応があるかどうかも、歯科医院によって異なります。

治療計画の段階で治療費の返金などについては説明があるところがほとんどでしょう。書類で残っているようであればそちらを確認してみてください。

また説明がなかったり記憶が曖昧であったりする場合は、返金対応があるかどうか聞いてみるとよいでしょう。

まとめ

診察

ここまで歯列矯正治療を行ったことで後悔した事例について解説してきました。

歯列矯正治療にはメリットが多くありますが、事前に細かい点まで納得したうえで治療を開始しないと、治療が失敗したというケースに繋がりかねません。

歯列矯正の治療には時間もお金もかかるため、あらかじめ担当医と納得がいくまで相談することをおすすめします。

歯列矯正治療をやらなきゃよかったと思わずにすむよう、治療開始前に歯列矯正治療に関する疑問を解消していきましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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