ワイヤー矯正

歯列矯正中に喉が乾くのは口呼吸のせい?歯列矯正中に気をつけるべきドライマウスについても解説

歯列矯正中に喉が乾く

歯列矯正中に、喉の渇きを感じることが多いと思ったことはないでしょうか? 本記事では、歯列矯正中に喉が渇くことについて以下の点を中心にご紹介します!

  • 歯列矯正中の口内や喉の渇きの原因について
  • 歯列矯正による口内乾燥によるリスクについて
  • 歯列矯正中に喉や口内の渇きの予防法について

歯列矯正中に喉が渇くことについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

歯列矯正中の口内や喉の乾きの原因

歯列矯正中の口内や喉の乾きの原因

歯列矯正中は口が閉じにくいのですか?
歯列矯正中に口が閉じにくく感じることがあります。歯列矯正は歯列や咬合を改善するために装置を使用する治療方法であり、この装置が口の中にあることから、一時的に口の閉じる動作に制約が生じることがあります。理由としては、まず、矯正ブラケットやワイヤー、インビザラインなどの矯正装置は歯に取り付けられているため、口を閉じる際に咬み合わせが変わり、通常よりも口が少し開いているように感じられるからです。また、矯正治療中、歯が移動し、歯列が修正されていく過程で、口の中での歯の位置が変わります。この変化に伴い、一時的に口が閉じにくく感じることがあります。矯正装置が口の中にあることで、違和感や圧力を感じることがあり、これが口を開けやすくする原因となることがあります。
歯列矯正中は口呼吸になりやすいですか?
歯列矯正中は口呼吸になりやすいことがあります。歯列矯正装置(ブラケット、ワイヤー、リテーナーなど)は口の中に取り付けられるため、口を閉じにくくし、鼻呼吸を妨げることがあります。歯列矯正装置が口の中にあると、正しい咬み合わせや口の閉じ方が制約され、結果として口呼吸が増える可能性があります。また、歯列矯正治療中、矯正装置が歯や口腔組織に圧力をかけることがあり、それに伴う不快感や違和感が生じることがあります。これが鼻呼吸を促進する要因となります。他には、歯列矯正によって歯の位置が変わり、通常の咬み合わせが変わることがあります。これにより、正確な口の閉じ方を確保しにくくなることがあります。
水分をしっかり摂ることは大切ですか?
歯列矯正を受けている場合でも水分をしっかり摂ることは非常に重要です。歯列矯正中にも水分不足は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。歯列矯正装置(ブラケット、ワイヤー、リテーナーなど)は口の中に存在するため、これにより口の乾燥感が生じることがあります。水分を適切に摂ることで、口の乾燥を軽減し、不快感を緩和できます。実際、口が乾くと、細菌が増えやすくなり、それが口臭を引き起こすことが考えられます。十分な水分を摂ることで口内環境を改善し、口臭の予防に役立ちます。そのため、歯列矯正装置は清潔に保つことが重要です。水分を摂ることで、食事の後や装置のケアの際に口をすすぐのに役立ちます。歯列矯正中は歯と歯肉の健康を維持することが特に重要です。水分を摂ることで、食事の残り物や細菌を洗い流し、口腔衛生をサポートします。

歯列矯正による口内乾燥によるリスク

歯列矯正による口内乾燥によるリスク

ドライマウスになるとむし歯や歯周病のリスクは上がりますか?
ドライマウス(口内乾燥症候群)はむし歯や歯周病のリスクを上昇させる可能性があります。口内乾燥は唾液の不足や減少を特徴とする状態であり、唾液は口腔健康に重要な役割を果たしています。例えば、唾液には酸を中和し、歯のエナメル質を保護する役割があります。唾液の不足は口腔内の酸性度を増加させ、むし歯の発生リスクを高めます。また、唾液にはミネラルを供給し、歯を再石灰化させる働きがあり、むし歯が進行するのを防ぎます。唾液不足の場合、歯の修復能力が低下します。他には、唾液には細菌の成長を抑制し、口腔内の微生物バランスを調整する機能があります。唾液の不足は口腔内細菌の増殖を促進し、歯周病のリスクを高めます。唾液は歯茎の健康を維持し、炎症を抑える助けになります。唾液不足の場合、歯茎の炎症や感染が発生しやすくなります。
磨き残しがある上にドライマウスだと口臭は強くなりますか?
磨き残しがある上にドライマウスの症状がある場合、口臭のリスクが高まります。口臭(悪臭、口の中から発する不快な匂い)は、口腔内の細菌が食べかすや食べ物の残り、口腔組織などを分解する過程で発生します。唾液は口腔内の細菌の増殖を抑制し、食べかすや食べ物の分解を助け、口の中を清潔に保つのに重要な役割を果たします。唾液不足の場合、これらの細菌が増殖し、口臭の原因となります。歯磨き不足や不適切な歯磨き技術によって、歯の表面や間隙に食べかすや細菌が残ることがあります。これらの残り物が細菌のエサとなり、口臭を引き起こす可能性が高まります。ドライマウスの状態で歯茎の炎症や感染が発生しやすくなるため、歯周病のリスクも高まります。歯周病も口臭の原因となります。
ドライマウスになると口内の粘膜は傷つきやすくなりますか?
ドライマウス(口内乾燥症候群)になると口内の粘膜が傷つきやすくなることがあります。唾液は口腔内の潤滑剤であり、粘膜を保護し、感染から守る重要な役割を果たしています。 まず、唾液が不足すると、口内が乾燥して粘膜にも乾燥を感じるようになります。この乾燥感が粘膜の不快感や刺激となり、傷つきやすくなります。また、唾液は細菌やウイルスから口内を守るバリアとして機能し、口内の粘膜を強化します。唾液不足の場合、粘膜はこれらの物に対する防御力を失い、傷つきやすくなります。他には、口内粘膜が乾燥し、傷つくと、痛みや炎症が発生する可能性が高まります。口内の傷は食事や会話などの日常生活に不便をもたらすことがあります。唾液は微生物の成長を抑制し、口内のバランスを維持する役割を果たします。唾液不足の場合、細菌や真菌の増殖が促進され、口内感染症の危険性が高まります。

歯列矯正中に喉や口内の乾きを防ぐために

歯列矯正中に喉や口内の乾きを防ぐために

水分補給はどんな飲み物でもいいですか?
歯列矯正中でも、水分補給は非常に重要ですが、飲み物の選択には注意が必要です。歯列矯正装置(ブラケット、ワイヤー、リテーナーなど)が口の中にあるため、飲み物が歯に付着しやすく、むし歯や装置の損傷のリスクが増加する可能性があります。水は良い選択肢です。水は歯に対するリスクがほとんどなく、口を潤すのにぴったりです。歯列矯正中でも気にせず飲むことが可能です。無糖のハーブティーはカフェインが少なく、歯には優しい選択肢です。ただし、フルーツティーや甘くて酸っぱいハーブティーは酸が含まれているため、飲む際に注意が必要です。無糖の炭酸水はカロリーが少なく、糖分を含まないため、歯に優しい飲み物です。ただし、炭酸水は歯のエナメル質をやや脆くすることがあるため、適度に摂ることが大切です。

一方で、砂糖を多く含むソフトドリンク、果汁飲料、スポーツドリンクはむし歯の原因となる場合があります。また、これらの飲み物は歯の表面に糖分が付着し、装置の周りに細菌が増殖しやすくします。他には、酸性飲料は歯のエナメル質を脱灰させ、歯を傷つける可能性があります。オレンジジュースやレモネードなど、酸を多く含む飲み物は控えるべきです。

寝るときにできる乾燥対策はありますか?
歯列矯正をしている場合でも、寝るときに乾燥対策を行うことが重要です。歯列矯正装置(ブラケット、ワイヤー、リテーナーなど)が口の中にある場合、乾燥は不快感を引き起こし、口内環境の悪化や口臭のリスクを増加させる可能性があります。例えば、寝室に加湿器を設置して、寝る間に空気中の湿度を保つことが役立ちます。乾燥した空気は口の中を乾燥させ、不快感を引き起こすことがあります。また、就寝前に水を飲むことで、口内の乾燥を軽減できます。ただし、大量の水を飲むと夜中にトイレに行く可能性があるため、適度に摂るようにしましょう。歯科医師や矯正専門家から指示を受け、口腔保湿剤(口内ジェルなど)を使用できます。これにより、口内の乾燥を軽減し、不快感を和らげます。日頃から歯磨きやフロスを行って、口内を清潔に保つことが大切です。歯列矯正装置のケアにも注意を払いましょう。

最後に、寝る前に酸性飲料や甘い飲み物を摂ることは避け、口の中に残りやすい食べかすや糖分を控えましょう。

唾液腺マッサージについて教えてください
唾液腺マッサージは、唾液の分泌を促進し、口内乾燥を軽減するための手法の一つです。歯列矯正中に口内乾燥が問題となる場合、唾液腺マッサージは試みる価値があります。唾液腺マッサージの主な目的は、唾液の分泌を刺激して、口内の乾燥を軽減し、口腔健康を促進することです。唾液は口内環境を保護し、食事の消化や細菌の制御に不可欠です。唾液腺マッサージは、特定の唾液腺を刺激するために軽く圧をかける手法です。主要な唾液腺には、耳の前にある耳下腺、下顎の下にある顎下腺、舌の下にある舌下腺、頬の内側の頬腺などがあります。唾液腺マッサージは通常、食事の前や就寝前に行われます。必要に応じて、何度か繰り返せます。ただ、唾液腺マッサージは力を入れすぎないようにし、痛みや不快感を感じた場合はマッサージを中止してください。また、歯科医師や矯正専門家にアドバイスを求めることもおすすめです。
口腔乾燥専用ジェルとはなんですか?
口腔乾燥専用ジェル(口内保湿ジェル)は、口内乾燥症候群(ドライマウス)や歯列矯正患者さんなど、口の中の乾燥を軽減するために設計された特別なジェル製品です。これらのジェルは通常、歯科医師や歯科専門家から提供され、または市販されています。口腔乾燥専用ジェルは、唾液の不足による口内乾燥を軽減するのに役立ちます。唾液は口腔内の潤滑剤であり、口の中の乾燥を防ぎ、快適な口内環境を維持するのに重要です。また、口内乾燥は口や喉の乾燥感、刺激、痛みを引き起こすことがあります。口腔乾燥専用ジェルはこれらの不快感を和らげる助けになります。歯列矯正患者さんなど、特定の状況下で口内乾燥が頻繁に発生する場合、口腔乾燥専用ジェルは補足的なケアとして使用されます。歯科医師や矯正専門家が患者さんに適切なジェルを勧めることがあります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで歯列矯正中に喉が渇くことについてお伝えしてきました。 歯列矯正中に喉が渇くことの要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯列矯正中は、噛み合わせの変化等に応じて、口が閉じにくい状態となるため、口内に渇きを感じやすくなる
  • 歯列矯正による口内乾燥は、むし歯や歯周病のリスクを高める
  • 歯列矯正中の喉や口内の渇きは、加湿器の設置や、唾液腺マッサージのほか、口腔乾燥専用ジェルを用いることで予防することが可能である

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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