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ワイヤー矯正

部分矯正で出っ歯は治せる?治療できないケースや出っ歯の治療ができる部分矯正も詳しく解説

マウスピースをはめる女性

「部分矯正で出っ歯は治るって本当?」
「自分の出っ歯が部分矯正で治るのか知りたい」

歯並びは、人と話すときや笑うときなど、自然と目に入りやすいため見た目に大きな影響を与えます。できることなら、部分矯正をして治したいと思っている方も多いのではないでしょうか。

出っ歯は別名「上顎前突」ともいわれており、部分矯正で治すことのできる不正咬合の一種です。しかし、中には部分矯正でも治せないケースもあります。

そこで本記事では、以下の3点を詳しく解説していきます。

  • 部分矯正ができない状態の歯並び
  • 出っ歯の治療ができる部分矯正4つ
  • 出っ歯の部分矯正にかかる治療費の目安

これから部分矯正で出っ歯を治したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

部分矯正で出っ歯は治せる?

悩む女性
結論からいいますと、部分矯正で出っ歯は治せます。しかし、出っ歯には程度の差があり、軽度の出っ歯は部分矯正で治療が可能です。以下の3つに該当する場合は、軽度の出っ歯になります。

  • 噛み合わせに大きなズレがない
  • 隣の歯と重なっていない
  • 骨格のズレが少ない

通常の歯並びは、上の前歯が下の前歯より2~3mmほど前に出ている状態ですが、上の前歯が3mm以上前に出ている場合、出っ歯と診断されます。
出っ歯になる原因は、遺伝による先天的なもの日々の癖や生活習慣からなる後天性なものの2種類です。
先天性なものとは、顎の骨格や歯の形・大きさなどが遺伝するといわれています。上顎骨が大きすぎる場合、下顎骨より前に出てしまい、出っ歯になります。
対して、下顎骨が小さすぎる場合、上顎骨より奥にいってしまい、相対的に上の前歯が前に出ることで出っ歯になるわけです。後天的なものとは、幼少期のころの癖や生活習慣が関係しています。
例として、指しゃぶりや爪を噛む行為は癖になりやすく、長期間に渡って前歯に負担をかけてしまい、出っ歯の原因につながる可能性があるため注意が必要です。
また、柔らかい物ばかり食べていると顎の発達が不十分になり、下顎骨が下がってしまうことで出っ歯の原因になります。幼少期の食事は、栄養のバランスだけでなく、食感のバランスも大切です。

部分矯正で治療できないケース

医者が禁止ポーズ
歯並びの症状によっては、部分矯正で治療できないケースがあります。
今回は、部分矯正で治療できない症状を5つご紹介します。これから部分矯正で治療を考えている方は、自身の症状と照らし合わせてみてください。

すきっ歯

すきっ歯は、別名「空隙歯列」ともいわれており、顎の骨格に対して歯が小さいことで歯と歯の間にすき間ができてしまう状態です。
上の前歯にすき間ができることを「正中離開」といい、すきっぱの中でもこのケースの方が比較的多いといわれています。
一見、歯の間のすき間を埋めるだけなので、部分矯正を行えるように見えます。しかし、原因は多岐にわたる可能性があるため注意が必要です。
すきっ歯の原因が顎の骨格ではなく、奥歯の噛み合わせが原因の場合があります。奥歯を強く噛む癖があると、前歯がしだいに押し出され、すきっ歯につながります。
また、奥歯が原因の場合に前歯の部分矯正を行ったとしても、嚙み合わせの度に少しずつすき間が空いていってしまうため、奥歯を含む広範囲の全体矯正が必要になるというわけです。

八重歯

八重歯は別名「叢生」ともいわれ、日本人の中で最も割合が高い不正咬合といわれています。顎と歯の大きさのバランスが悪く、歯が並びきらずに歯並びがデコボコした状態です。
八重歯の矯正には、抜歯をして、顎と歯の大きさのバランスを整える治療法が一般ですが、症状によっては部分矯正でも治療できる場合があるため、専門医に診断してもらうとよいでしょう。

開咬

開咬は、奥歯の嚙み合わせが正常にもかかわらず、上下の前歯にすき間が空いてしまう状態です。日常生活であごに痛みを感じる、滑舌があまり良くない、口呼吸が多い人などに多いといわれています。
顎の骨格が原因の場合、ズレを整えるために抜歯の可能性が高いです。骨格に問題がない場合は、歯を削り小さくすることで、治療できる例もあるようです。かかりつけの医師に相談して、適切な治療法を行ってもらいましょう。

隣の歯と重なっている

隣の歯と重なっている場合は、重なった歯を移動させるスペースが必要です。
前歯の重なりが大きすぎる場合、部分矯正では歯を移動させる十分なスペースが確保しづらいため、全体矯正または抜歯でスペースを作る必要があります。

骨格のズレが大きい

骨格のズレが大きく、上の奥歯が下の奥歯の内側に入り、歯並びが交叉している状態を「交叉咬合」といいます。
骨格の改善には、部分矯正では範囲が限られているため、専用の矯正装置が必要です。上顎を矯正装置で拡げ、歯並びの傾きを修正する治療方法が行われます。

出っ歯の治療ができる部分矯正

許可する男性医療従事者
ここからは、出っ歯の治療ができる部分矯正を4つご紹介します。各矯正方法のメリット・デメリットも合わせて解説していきますので、ぜひ治療方法を選ぶ際の参考にしてください。

マウスピース矯正

歯型模型とマウスピース
マウスピース矯正とは、患者の歯型を基に作られたマウスピース型の装置を使い、歯並びを徐々に動かしていく矯正方法です。透明なマウスピースを使うため、矯正していることが周りに目立ちにくい点がメリットといえます。
また、着脱が簡単にできる上にお手入れがしやすいので、口内やマウスピースを清潔に保ちやすいです。気軽に矯正治療をやってみたいという方におすすめです。
ただし、決められた装着時間を守らないと効果を実感しにくいため、治療期間が長期になりやすい点がデメリットになります。マウスピース矯正を行う際は、専門医の指示に従い、できるだけ治療計画を守るように心がけましょう。

ワイヤー矯正

矯正器具のイメージ
ワイヤー矯正とは、歯にワイヤーを通すためのブラケットとよばれる装置を着けて、ワイヤーを引っ張ることで歯並びを整える歯列矯正治療です。表側と裏側の2種類の治療方法があります。
幅広い歯並びに対応できるのが特徴で、ブラケットの素材もセラミックや金属などがあり、アレルギーが心配な方にもおすすめです。マウスピース矯正に比べ、治療期間が短くなる傾向があります。
しかし、歯磨きや器具のお手入れがやりづらいため、清潔感を保つのが難しいというデメリットがあります。また、表側につける場合は、装置が目立ちやすいため見た目が気になる方は、注意してください。
対して、裏側の矯正方法は、歯の裏側に装置をつけるため目立ちにくいメリットがあります。加えて、前に出ている歯を後ろから引っ張るように矯正するため、出っ歯の治療に適している点も特徴です。
ただし、装置が舌に当たり発音がしにくいことや、歯磨きの際に装置が見えないため汚れを落としづらいといったデメリットも存在します。特に、治療費は表側より高額になるケースが多いため、注意が必要です。

セラミック矯正

前歯部ジルコニアクラウン
セラミック矯正とは、マウスピース矯正やワイヤー矯正のように装置を使った矯正方法ではありません。歯並びの悪い歯を削り、上からセラミック製のクラウンを被せて歯並びを綺麗に整えていく矯正方法です。
歯並びだけでなく、色や形も改善できます。また、マウスピースやワイヤー矯正治療には年単位の治療期間がかかるのに対し、セラミック矯正は数週間で治療を終えられるためクイック矯正とも呼ばれています。
この治療期間の短さは大きなメリットといえるでしょう。しかし、必ず歯を削る必要があるという点には注意が必要です。治療の際に、綺麗な歯まで削ってしまったり、神経を傷つけてしまう可能性があります。
セラミック矯正をしようと考えている方は、上記のようなリスクもあることを念頭に置いた上で、医師との相談のもと治療を行うようにしてください。

ハイブリッド矯正

歯科矯正
ハイブリッド矯正とは、はじめにワイヤー矯正を施した後にマウスピース矯正を行い、歯並びを綺麗に整える矯正方法です。
マウスピース矯正だけでは対応できない歯並びがあるため、はじめにワイヤー矯正を行いある程度矯正をした後、歯の後戻りを防ぐリテーナー(保守装置)の役割も兼ねて、マウスピース矯正による微調整を行います。
マウスピース矯正の欠点である医療期間の長さを、はじめにワイヤー矯正を入れることで改善しています。
「歯並びは綺麗にしたいけど、マウスピースは治療期間長く、仕事の都合上で長時間マウスピースを着けることができない」上記のような方に、ハイブリッド矯正はおすすめです。
ハイブリッド矯正は、医師から適応範囲内と診断された場合のみ治療を受けられます。また、複数の矯正方法を行うため、治療費も比較的高額になる傾向が高いようです。

部分矯正で出っ歯を治療する費用の目安

医療費のイメージ
ここまで症状や治療方法について解説してきましたが、気になるのは部分矯正の治療にかかる費用です。上記で紹介した4つの治療方法の費用と、実際に治療を受けた方の一例をご紹介します。

  • マウスピース矯正
    矯正する歯の本数や歯科医院の料金設定によって金額は異なりますが、10~100万円ほどになります。
    治療期間は、3~12ヵ月、長い場合は数年単位でかかることもあるようです。
  • ワイヤー矯正
    ブラケットを使用したワイヤー矯正は、表側が60~100万円ほど、裏側が100~150万ほどになります。
    治療期間は、3~6ヵ月が目安のようです。
  • セラミック矯正
    セラミック矯正は、1本につき10万円前後になります。
    治療期間は、短期間が特徴のため、1~3ヵ月で早いものだと数週間で終わることもあるようです。
  • ハイブリッド矯正
    マウスピース矯正とワイヤー矯正を行うハイブリッド矯正は、15~80万円ほどになります。
    治療期間は、6~12ヵ月が目安のようです。

治療費には上位の他にも以下の追加費用がかかってきます。

  • 矯正前の診断料
  • カウンセリング料
  • 月に数回の通院料
  • 矯正後の後戻りを防ぐリテーナーを装着する費用

また、矯正治療は自由医療に定められるため、指定された疾患などの場合を除き、健康保険は適応されません。そのため、治療費用に諸費用を加えた合計金額は高額になると予想できます。
以下が、実際に出っ歯の症状の方が矯正治療を受けた症例をまとめたものになります。

  • 年齢(性別):31歳(女性)
  • 矯正治療箇所:上顎の左右4番の歯
  • 矯正治療方法:上下のワイヤー矯正、上下のハイブリッド矯正、上顎の左右4番抜歯
  • 治療期間:2年3ヵ月
  • 治療費用:86万5,000円(税別)

上記の症例に似た症状の方は、矯正治療費の目安にしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

女性の医師
本記事では、出っ歯を治療できる矯正方法、また部分矯正できない症状や治療費の目安について解説してきました。
出っ歯は部分矯正で治療ができます。しかし、原因が骨格にある場合や、自身が部分矯正を行える症状なのかどうかを正しく判断する必要があります。
症状の確認は、信頼できる歯科医院にて診断してもらいましょう。その上で、適切な医療方法を選択してください。
また、治療を行う際は、指定された疾患などに該当しない場合、医療費は全額負担になることを覚えておきましょう。
本記事が、現在出っ歯に悩んでおり、矯正治療をするか迷っている方の後押しになれたら幸いです。

参考文献

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