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裏側矯正(舌側矯正)で後悔するケースとは?裏側矯正(舌側矯正)のメリット・デメリットについて解説!

裏側矯正(舌側矯正)で後悔するケースとは?裏側矯正(舌側矯正)のメリット・デメリットについて解説!

歯の矯正治療を考えた時、「どんな矯正方法がいいのかわからない」「矯正中の見た目が気になる」と悩みますよね。マスク生活が終わりつつある今、裏側矯正(舌側矯正)は矯正器具が見えない審美性の高い治療法といった点から人気を集めています。しかし、裏側矯正(舌側矯正)を始めたものの表側矯正にすればよかったと後悔する方や、少数ですが矯正方法を変更する方もいます。

この記事では、どうして裏側矯正(舌側矯正)を後悔するケースが存在するのか、そのメリットやデメリット、さらに気になる費用についてをQ&A形式で解説します。ぜひ、矯正治療を考える時の参考にしてください。

裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正)で後悔するケースとは

裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正)で後悔するケースとは 裏側矯正(舌側矯正)は周囲に知られずにキレイな歯並びになれる魅力的な治療法ですが、知っておきたいメリットやデメリットがあります。

まずは裏側矯正(舌側矯正)がどのような治療法なのか、特徴をみていきましょう。

歯並び裏側矯正(舌側矯正)とはどんな治療方法ですか?
裏側矯正(舌側矯正)とは、歯の裏側に器具とワイヤーを装着し、歯をコントロールする矯正治療法です。ブラケットといわれる装置を歯の裏側に装着し、ワイヤーを通して締めることで歯を動かします。矯正方法としては、表側矯正と同じ仕組みです。
歯並び裏側矯正(舌側矯正)のデメリットについて教えてください。
裏側矯正(舌側矯正)のデメリットは、主に下記項目です。
  • 口腔内に違和感を感じやすい
  • 滑舌が悪くなる
  • 治療期間が長くなる
  • 他の矯正治療と比べ費用が高額になる
  • 歯磨きに時間がかかってしまう
  • 裏側矯正(舌側矯正)だけで済まない場合もある

歯の裏側に矯正器具を装着するので、常に舌が矯正器具にあたっている状態になります。装着後は特に違和感を感じることが多く、慣れないうちは舌を傷つけてしまったり、口内炎ができてしまう方もいるようです。

さらに、発音する時に上顎の歯茎部分に舌をあて出す音は、矯正器具によって舌をスムーズに動かすことができず滑舌が悪くなってしまいます。

また、他の矯正に比べ、オーダーメイドの矯正器具が必要で調整も段階が細かく難易度が高いです。そのため歯科医師の技術も必要になるため、治療期間は長く費用も高くなります。

ワイヤーを使用したどの矯正治療も歯磨きに時間を要しますが、裏側矯正(舌側矯正)の場合は目視での確認が難しくなるため、セルフケアの難易度は増すでしょう。

裏側矯正(舌側矯正)も、噛み合わせの状態があまりよくない場合に、アタッチメントやゴムといった一部の矯正器具を一時的に表側に装着することもあります。奥歯の表側に装着されることがほとんどですが、笑った際に大きく口を開けると見えてしまうこともあります。

歯並び裏側矯正(舌側矯正)のメリットは何ですか?
裏側矯正(舌側矯正)のメリットは、主に下記項目です。
  • 矯正器具が見えない
  • 食べかすが挟まっても見えない
  • むし歯になりにくい

裏側矯正(舌側矯正)の場合、矯正治療による審美性悪化の原因である矯正器具は見えません。人と接する機会の多い職業の方でも、口元から矯正器具が見えてしまうのを気にする必要はないでしょう。また、外出先で食事をした際にワイヤーに食べかすが挟まった場合も、裏側矯正(舌側矯正)は見えないため、周りの目が気になってしまうなどのストレスが軽減されるといえます。

また、表側よりもエナメル質が約3倍厚い裏側は、むし歯の原因となる酸の影響を受けにくい点も魅力的です。歯の裏側は常に唾液が循環された環境になるので、唾液による殺菌効果や自浄作用が期待でき、裏側矯正(舌側矯正)は表側矯正と比較してむし歯ができにくいと言われています。

裏側矯正(舌側矯正)で後悔しないために、他の治療方法と比較検討

裏側矯正(舌側矯正)で後悔しないために、他の治療方法と比較検討 矯正治療は、高額な治療なため、裏側矯正(舌側矯正)以外の治療法も知ったうえで、自分の歯並びに合った矯正方法を選びましょう。裏側矯正(舌側矯正)以外にどのような治療方法があるのか、比較検討しながら解説します。

歯並び裏側矯正(舌側矯正)以外の矯正治療の方法を教えてください。
裏側矯正(舌側矯正)以外の矯正治療の選択肢としては、ワイヤー矯正の中でもスタンダードな表側矯正や、近年注目されているマウスピース矯正があります。
表側矯正は矯正器具が歯の表側になりますが、矯正方法の仕組みは裏側矯正(舌側矯正)と同じです。歯科矯正の中でも、昔からあるオーソドックスな矯正方法といえます。
マウスピース矯正は、段階ごとに作られた透明のマウスピースを装着して歯を動かす、比較的新しい矯正方法です。ワイヤーなどの矯正器具は使用しません。
歯並び表側矯正のメリット・デメリットを教えてください。
メリットは、他の矯正方法と比べ比較的費用が抑えられます。また、ほとんどの歯並びに対応できるため、自身の歯並びでも対応できるか悩むことはありません。矯正器具が表側にあるため、滑舌への影響も少なく、食べかすの詰まりも目視で確認できるためセルフケアもしやすいです。デメリットは、表側にあるため、どうしても矯正器具が目立ってしまうことや、口が閉じにくくなるために口元が突き出たような印象になることです。最近は、使用する矯正器具にセラミックやプラスチックを使用したものを選択できるようになり、比較的目立たなくすることも可能になりましたが、その分費用も高額になります。また、矯正器具が口の中の粘膜に常にあたった状態になるため、会話や咀嚼といった日常生活で傷がついてしまう可能性があり、口内炎のリスクも高くなるでしょう。
歯並びマウスピース矯正のメリット・デメリットを教えてください。
メリットは、マウスピースは透明なため、装着していても目立たないこと、さらにワイヤー矯正では不可能な取り外しができることです。これによって、食事中や普段のセルフケアが変わらず行えます。また、他のワイヤー矯正と違い、マウスピースは歯全体を覆う装置なため歯に加わる力が部分的でなく全体的に適正に加わり、痛みが少ないのも特徴です。矯正後のシミュレーションができることや通院回数が少なく済み、金属アレルギーの心配がないなどもメリットといえるでしょう。しかし、1日20時間以上の装着が必須で、本人の装着努力が必要なため、本人次第で効果が左右されてしまうのはデメリットです。また、細かい調整や歯を回転させるような動きが必要な難しい症例は対応できない場合もあるため、矯正可能な歯並びも限られています。
歯並び表側矯正・マウスピース矯正と比べて、裏側矯正(舌側矯正)のおすすめポイントは何ですか?
矯正方法ごとに向いている歯並びがあり、裏側矯正(舌側矯正)は後ろに引っ張る力が強いため、出っ歯の矯正治療にとても有効と言われています。さらに、出っ歯の方に多いといわれる無意識に前歯を舌で押すことで歯並びの悪化につながる舌癖の改善にも効果的です。矯正器具の影響で、押すことができなくなるため、舌癖改善に効果を期待できるでしょう。さらに矯正終了後に起こりやすい後戻りのリスクも軽減できます。

裏側矯正(舌側矯正)で後悔しないために、治療期間と費用について

裏側矯正(舌側矯正)で後悔しないために、治療期間と費用について 裏側矯正(舌側矯正)は、他の矯正治療と違い治療期間が長く、歯科医師も高度な技術が必要になるため費用も高いです。後悔しないためにも、期間や費用について知っておきましょう。

歯並び裏側矯正(舌側矯正)の治療期間はどのくらいかかりますか?
裏側矯正(舌側矯正)にかかる治療期間はおよそ1年半〜3年です。オーダーメイドの矯正器具準備期間に1カ月半ほどかかり、治療が始まってからもワイヤーの調整に時間がかかるため、他の矯正方法に比べ治療期間が長くなります。治療中は、ブラケット間のワイヤーを調整しながら進めていくため、調整回数を増やすことが必要です。
歯並び裏側矯正(舌側矯正)の費用はどのくらいかかりますか?
スタンダードな表側矯正は70万~100万円ですが、裏側矯正(舌側矯正)は1.5倍の費用がかかります。矯正期間が長いことや高度な技術が必要とされる裏側矯正(舌側矯正)は、治療が進むにつれてより細かな調整も必要なため、手間がかかり費用も高くなるのです。

まとめ

まとめ 裏側矯正(舌側矯正)は、審美性に優れることから魅力的な矯正方法ですが、高度な技術が必要とされる治療であること、他の矯正方法に比べ治療期間も長く高額になることから、ハードルが高い治療といえます。後悔しないためにもメリット・デメリットをしっかり理解し、他の治療法と比較したうえで、治療を進めていくことが大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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