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歯の後戻りはリテーナーで治るの?リテーナーの種類を併せて解説

歯の後戻りはリテーナーで治るの?リテーナーの種類を併せて解説

矯正治療後の歯並びを維持するために欠かせない”リテーナー”。しかし、後戻りしてしまった歯はリテーナーで治せるのでしょうか? 本記事では歯の後戻りはリテーナーで治るのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯の後戻りとは
  • リテーナーの種類
  • 歯の後戻りはリテーナーで治る可能性があるのか

歯の後戻りはリテーナーで治るのかについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

歯の後戻りについて

歯の後戻りについて

歯の後戻りとは何ですか?
歯の後戻りとは、歯列矯正によって整えた歯が、元の位置に戻ろうとする生体反応のことです。矯正治療が完了した後も、脳や身体には元々の歯並びの記憶が残っているため、歯が自然に元の位置へ動こうとすることがあります。この現象は、歯を支える歯根膜という組織が元の状態を覚えていることも一因です。

特に矯正直後の半年間は、歯が新しい位置に安定していないため、後戻りが起きやすい時期とされています。そのため、矯正後の”保定期間”にはリテーナーという固定装置を使用し、歯並びを維持することが重要です。リテーナーを着用しないと、短期間で歯が動いてしまうこともあります。

歯列矯正は、歯を動かして終わりではなく、固定して安定させるまでが治療の一環です。後戻りを防ぐには、保定装置の使用を怠らないことが大切です。

歯の後戻りの原因を教えてください
歯の後戻りは、矯正中の管理不足や保定装置の不適切な使用が主な原因です。特にマウスピース型矯正では、装着時間が不足すると歯をしっかり固定できず、後戻りが起こりやすくなります。また、保定期間中にリテーナーを長時間外すと、動いた歯が元の位置に戻りやすくなります。

保定期間が終了してもリテーナーをまったく使用しない場合、徐々に後戻りが進むことがあります。さらに、頬杖や舌で前歯を押す癖、口呼吸などの生活習慣も歯並びに悪影響を与え、後戻りを加速させます。

また、矯正治療が不十分だと噛み合わせに偏りが生じ、特定の歯に過度な圧力がかかることで後戻りのリスクが高まります。後戻りを防ぐには、矯正後もリテーナーを継続的に使用し、生活習慣の改善を心がけることが重要です。

歯列矯正後に後戻りしやすい方の特徴を教えてください
歯列矯正後に後戻りが起こりやすい方の特徴として、リテーナーを十分に使用していない方や、部分矯正を受けた方が挙げられます。リテーナーの装着は、矯正後の歯を安定させる重要な役割を果たしますが、装着を怠ると歯が元の位置に戻りやすくなります。また、部分矯正は動かせる範囲が限られるため、全体のバランスが崩れやすく、後戻りのリスクが高まります。

さらに、舌癖や口呼吸、頬杖、横向き寝などの悪い習慣も、後戻りの原因になります。これらの習慣があると、歯に余計な力がかかり、歯並びが崩れてしまうのです。また、親知らずが残っている場合は、隣の歯を圧迫して歯並びを乱すことがあります。

加齢や歯周病も歯並びに影響を与えるため、矯正後も生活習慣の改善や定期的な歯科検診が必要です。特に矯正後は、日常の癖を見直し、保定装置の使用を続けることが後戻りを防ぐポイントです。

リテーナーについて

リテーナーについて

リテーナーにはどのような役割がありますか?
リテーナーは、歯列矯正後に動いた歯を正しい位置に固定し、新しい歯並びを安定させるための重要な装置です。矯正治療では、歯を支える骨が一時的に溶け、再び作り直されることで歯が動きますが、治療直後の骨はまだやわらかく不安定な状態にあります。そのため、リテーナーを装着しないと、歯が元の位置に戻ってしまう”後戻り”のリスクが高まります。

さらに、歯と骨をつなぐ歯根膜という組織も、以前の歯の位置を記憶しており、自然と元の位置に戻そうとする力が働きます。リテーナーは、この力を抑え、歯並びが安定するまで歯を固定する役割を担います。歯科医師の指示に従い、定められた期間と時間を守ってリテーナーを使用することで、矯正治療の成果を長く維持し、きれいな歯並びを保つことができます。

リテーナーは何種類ありますか?
リテーナーには、以下の3種類があります。それぞれのリテーナーは特徴が異なり、患者さんの歯並びや生活スタイルに合わせて選ばれます。
  • プレート型リテーナー
    “ホーレーリテーナー”と”ベッグリテーナー”があります。これらは取り外しが可能とされ、歯ぎしりの癖がある方にもおすすめで、歯磨きもしやすいのが特徴です。
  • マウスピース型リテーナー
    透明なプラスチック素材で作られており、目立ちにくく、審美性が魅力です。取り外しが簡単で清潔に保ちやすい一方、破損しやすい点がデメリットです。
  • 固定型リテーナー

    “リンガルリテーナー”と呼ばれ、歯の裏側にワイヤーを接着して固定します。取り外しができないため、つけ忘れる心配がない一方、歯垢が溜まりやすいため、丁寧な清掃が必要です。

これらのリテーナーはそれぞれメリット・デメリットがあるため、歯科医師と相談しながら、自身に合ったものを選ぶことが大切です。

リテーナーにかかる費用を教えてください
リテーナーにかかる費用は、種類によって異なります。
プレート型リテーナーは、歯の表側にワイヤーがついた取り外し可能な装置で、耐久性が高く清潔に保ちやすいのが特徴です。費用の相場は2万〜6万円程度です。見た目が気になる方もいるため、審美性を重視する方には注意が必要です。

マウスピース型リテーナーは、透明な素材で目立ちにくく、取り外しが簡単な点が魅力です。費用の目安は1万〜2万円程度です。しかし、耐久性が低く、歯ぎしりをする方は破損しやすいため、定期的な交換が必要です。

固定型リテーナーは、歯の裏側に細いワイヤーを接着するリテーナーで、2万〜6万円程度の費用がかかります。固定式のため、装着忘れの心配がありませんが、汚れが溜まりやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。

リテーナーは種類ごとに特徴や価格が異なるため、歯科医師と相談し、歯並びやライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

歯の後戻りはリテーナーで治るのか

歯の後戻りはリテーナーで治るのか

歯の後戻りはリテーナーで治る可能性がありますか?
リテーナーは矯正治療後の歯並びを固定する装置であり、基本的に後戻りした歯を治すことはできません。リテーナーの役割は、矯正で動かした歯を新しい位置に安定させ、これ以上の後戻りを防ぐことです。そのため、歯が大きく後戻りしてしまった場合は、リテーナーだけでの改善は難しいです。

ただし、わずかな後戻りでリテーナーがまだはめられる状態であれば、歯並びをもとに戻せる可能性もあります。しかし、リテーナーの装着が困難だったり、装着時に強い痛みを感じる場合は、無理に使用せず早めに歯科医師に相談しましょう。

リテーナーは歯を動かす装置ではなく、固定するためのものです。もしリテーナーを長期間使用せず、歯が後戻りしてしまった場合、再度の矯正治療が必要になることもあります。後戻りが起きた際は早急に歯科医師に診てもらうことが重要です。

歯の後戻りを治すためにはどのくらいリテーナーを装着しますか?
歯の後戻りを防ぐためには、矯正治療後の保定期間に最低2年程度のリテーナー装着が必要です。特に治療後半年間は1日20時間以上の装着が推奨され、食事や歯磨き以外の時間はリテーナーをつけることが大切です。この期間は歯が不安定で、装着時間が短いと後戻りのリスクが高まります。

半年を過ぎると、歯科医師の指示に従い、徐々に装着時間が短縮され、最終的には夜間装着のみで済む場合もあります。しかし、歯は一生動くため、長期的なリテーナー装着が後戻り防止には効果が期待できます。保定期間終了後も、夜間の装着を続けることで美しい歯並びが維持しやすくなります。

リテーナーは、歯科医師の指導に基づき、定期的な診察を受けながら適切に使用することで、矯正治療の成果を長期間保つことができます。

リテーナーをしているのに後戻りすることもありますか?
リテーナーを装着しているのに後戻りが起こる原因は、装着時間の不足が多いといわれています。矯正直後の歯はまだ安定していないため、1日20時間以上の装着が推奨されますが、自己判断で装着を短くしたり、着け忘れると後戻りが進みます。

また、リテーナーの変形や破損も原因です。特にマウスピース型は、取り外し時に強い力を加えると変形し、十分に固定できなくなります。リテーナーは丁寧に扱い、専用ケースで保管することが大切です。

さらに、舌癖や歯ぎしり、頬杖、横向き寝などの癖も後戻りを招く要因です。また、親知らずが生えてくることで歯並びが押されることもあります。

後戻りを防ぐには、歯科医師の指示を守り、リテーナーを適切に装着し、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで歯の後戻りはリテーナーで治るのかについてお伝えしてきました。 歯の後戻りはリテーナーで治るのかについて、要点をまとめると以下のとおりです。

  • 歯の後戻りとは、矯正治療で整えた歯が元の位置に戻ろうとする現象である。特に矯正直後は歯が不安定なため、リテーナーを使用して固定することが重要で、保定装置の着用を怠ると後戻りが進む可能性がある
  • リテーナーにはプレート型、マウスピース型、固定型の3種類がある。プレート型は取り外しができ、清潔に保ちやすく、マウスピース型は目立ちにくいのが特徴で、固定型は歯の裏側に装着し、つけ忘れ防止に効果が期待できる
  • リテーナーは歯並びを固定する装置で、後戻りした歯を治すことは基本的にできないとされている。わずかな後戻りなら改善の可能性もあるが、無理に使用せず歯科医師への相談するとよい。大きな後戻りには再矯正が必要である

歯の後戻りを防ぐには、リテーナーの適切な使用と習慣化が大切です。装着時間を守り、定期的に歯科医師の診察を受けることで、理想の歯並びを長く維持できます。リテーナーを正しく活用し、後戻りを防ぎましょう。

本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正

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