「歯並びが悪くて人に見られたくない」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。悪い歯並びは改善したいですよね。本記事では見られたくない悪い歯並びについて以下の点を中心にご紹介します。
- 悪い歯並びが及ぼす影響
- 見られたくないと思う歯並び
- 悪い歯並びを整える方法
見られたくない悪い歯並びについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
そもそも悪い歯並びとは?
悪い歯並びには多様な形があります。 一般的に「不揃いな歯並び」と聞くと、多くの人が歯が乱れているイメージを持つことが多いです。しかし、実際には歯が突き出ている場合や、咬み合わせが不正確である場合、または適切に噛めない場合など、さまざまなケースがあります。 理想的な咬み合わせには、歯の上下左右が対称である、オーバージェットとオーバーバイトが適切な範囲にあるなどの条件があります。 悪い歯並びは、口腔内の健康だけでなく、全身の健康にも影響を与えます。例えば、不正咬合は虫歯や歯周病のリスクを高め、それがさらに心臓疾患や脳血管疾患、糖尿病などに影響を与える可能性があります。 悪い歯並びは、人とのコミュニケーションにも影響を与えます。滑舌が悪くなることで、人前で話すことが億劫になる場合もあります。また、見た目に対する自信の喪失は、社交的な活動を制限する可能性もあります。
見られたくない悪い歯並びが及ぼす影響とは
ここからは、見られたくない悪い歯並びの影響について詳しく解説していきます。
心の問題
悪い歯並びは、心理的な側面にも深刻な影響を及ぼすことがあります。歯並びや咬み合わせが悪いと、自分自身の外見に対する自信が失われ、社交的な場面でのコミュニケーションが阻害される可能性があります。 不揃いな歯並びがあると、人は口を押さえて笑ったり話したりする傾向があります。この傾向は、他人の評価を気にして自己抑制をしている状態であり、長期にわたって心的ストレスを感じる原因となります。 また、このような状態は、自分自身の「笑顔」に対する自信を失わせ、人前で笑うことに抵抗感を感じるようになる可能性が高いです。 矯正治療を受けることで、歯並びが改善されるだけでなく、結果として心の健康状態も向上することが多いです。治療後の患者さんの笑顔は、喜びと自信に満ちており、その明るい笑顔がコミュニケーションをスムーズにします。
身体の問題
悪い歯並びや咬み合わせは、身体にも多くの影響を与えます。 1つ目の影響は、噛む力が衰えることで、脳への刺激が低下し、認知症のリスクが高まる可能性です。 2つ目は、食べ物を十分に噛み砕かずに飲み込む傾向があり、これが消化器官に負担をかけることがあるとされています。 また、歯の磨き残しやプラーク(歯垢)の蓄積が口臭や歯周病、虫歯の原因となることもあります。さらに、言葉の発音にも影響が出る場合があり、会話に支障をきたすことも考えられます。 歯並びが悪いと、歯の間から空気が漏れやすく、はっきりとした発音が難しくなることがあります。 顎関節症のリスクも無視できません。悪い咬み合わせは、顎の関節に負担をかけ、顎関節症の症状を引き起こす可能性があります。これにより、口が開けづらくなることや、肩や首がこるなどの問題が生じることがあります。
見られたくないと思う歯並びに多いケース
見られたくないと思う歯並びはどんな歯並びなのでしょうか。以下で紹介します。
出っ歯
出っ歯は、上の前歯が下の前歯よりも前に出ている状態で、日本人の約12.9%がこの状態にあります。出っ歯は主に骨格的な要因と歯並びの要因に分けられます。 骨格的な要因では、上顎骨が下顎骨よりも前に出ていることが多く、歯並びの要因では、歯の生える角度が不適切であることが一般的です。 出っ歯は見た目に影響を与えるだけでなく、放置すると口腔内環境が悪化し、体にも様々な影響を及ぼす可能性があります。 特に、口が閉じにくくなり、口呼吸が増えることで、唾液の分泌が減少し、虫歯や歯周病のリスクが高まることが指摘されています。したがって、早期の治療が推奨されます。
叢生(そうせい)
叢生(そうせい)は、歯の大きさと顎の大きさが不均衡であるために、歯が重なってしまう状態を指します。この状態は一般に「乱ぐい歯」とも呼ばれ、犬歯が後から生えてくることで顕著になる場合があります。 また、歯そのものが大きい、または顎骨の発育が不十分な場合によく見られます。重度の叢生の場合、永久歯を抜いて矯正治療を行うこともあります。 叢生は見た目だけでなく、口腔衛生にも影響を与えるため、早期の対処が推奨されます
開咬
開咬は、前歯が正しく噛み合わない状態で、見た目にはそれほど影響を与えない場合が多いですが、実際は多くの問題を引き起こす可能性があります。特に、舌を使って食べ物を噛む癖があると、この状態がさらに悪化する可能性があります。舌癖の改善が開咬治療の成功のカギとされています。 また、開咬は年齢を重ねると、奥歯や顎関節に大きな負担をかける可能性が高くなります。そのため、早期の治療が推奨されています。治療は難しく、舌癖を改善するための特別な装置や訓練が必要な場合もあります。
悪い歯並びを整える方法
前述した悪い歯並びを整える矯正方法について解説していきます。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯列矯正の中でも一般的な方法の1つです。 ワイヤー矯正では、歯に小さな装置(ブラケット)を接着し、矯正用の特殊なワイヤーを使用して歯をゆっくり動かします。 ワイヤー矯正の利点は、実績が非常に確かであることです。近年の技術進歩により、装置や接着剤はより目立たなく、痛みも少なくなっています。また、治療期間や費用についても、患者の症状や要望に応じて柔軟に対応が可能です。
裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正、または舌側矯正は、歯の裏側に矯正装置を取り付ける方法です。この手法の利点は、矯正装置が外からはほとんど見えないため、見た目に影響を与えずに歯並びを整えられる点です。特に大人の矯正治療において、この方法は非常に人気があります。 裏側矯正は、矯正装置の操作が複雑であり、治療時間が長くなる可能性があるため、土曜日や平日の夕方以降の診療が制限される場合もあります。また、裏側矯正はいくつかの種類があり、症例に応じて選択されます。 この方法は、見た目を重視する方や、矯正治療を他人に知られたくない方に特におすすめです。しかし、裏側矯正は一般的な矯正方法よりも費用が高くなる可能性がありますので、予算も考慮に入れる必要があります。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は、透明なアライナー(マウスピース)を使用して歯を整える方法です。 マウスピース矯正法は目立たず、装置の取り外しも可能です。1日20時間以上装着することで、徐々に歯が移動します。 ただし、装着時間が短いと治療に影響が出るため、患者の協力が必要です。 マウスピース矯正は全てのケースに適用できるわけではなく、歯の移動量が限られるため、段階的に複数のマウスピースが必要です。 「インビザライン」と呼ばれるマウスピースは、治療の各段階で必要なマウスピースを一度に作成でき、来院回数を減らすことが可能となっています。
まとめ
ここまで見られたくない悪い歯並びについてお伝えしてきました。 見られたくない悪い歯並びの要点をまとめると以下の通りです。
- 悪い歯並びは、コミュニケーションが阻害されるなどの心への影響や、認知症のリスクや消化器官に負担をかけるなどの身体への影響がある
- 見られたくないと思う歯並びは、出っ歯や叢生、開咬などがある
- 悪い歯並びを整える方法は、ワイヤー矯正や裏側矯正、マウスピース矯正がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。