マウスピース矯正

歯列矯正におけるアタッチメントとは?役割や外れた場合の対処法など徹底解説!

歯列矯正 アタッチメント

インビザライン、クリアコレクトといったマウスピース型矯正では、アタッチメントというものが歯の表面に装着されることを知っていますか?本記事では歯列矯正とアタッチメントについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯列矯正でアタッチメントを装着するのはなぜか
  • 歯列矯正のアタッチメントにはどのような種類があるのか
  • 歯列矯正のアタッチメントに関する注意点について

歯列矯正とアタッチメントについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

歯列矯正のアタッチメントについて

歯科矯正のアタッチメントについて

アタッチメントとは何ですか?
マウスピース型矯正の治療に使用されるアタッチメントは、マウスピースを歯にしっかりと取り付け、適切な圧力を歯に加えるための小さな樹脂製の突起物を指します。これは直接歯の表面に装着されます。
アタッチメントの材質は歯の色に近く、治療が終了すると取り外されます。患者さんの歯の状態や矯正の目標に応じて、アタッチメントの形状、数、配置がカスタマイズされます。 アタッチメントは歯の表面に取り付けられるため、最初は舌で触れた時に少し違和感を感じるかもしれませんが、マウスピースを装着している間はそれが気にならなくなることが多いとされています。
アタッチメントの役割とは何ですか?
アタッチメントはマウスピース型矯正治療において極めて重要な役割を果たします。これによって歯に加わる力を緻密にコントロールすることが可能となり、歯を動かして目指す位置に導きます。
歯への力を調整するためには、アタッチメントを歯に貼り付ける位置と数が非常に重要です。これらは患者さんの症状と具体的な治療計画に基づいて個別に決定されます。特に前歯のエリアにアタッチメントを配置する場合、その存在が目立ちやすくなることがあります。そのため、治療の効果を最優先しつつ、できる限りアタッチメントが目立たないような治療計画が立てられます。
アタッチメントを装着する期間はどのくらいですか?
アタッチメントの装着期間は、矯正治療の「動的期間」、つまり歯を計画した位置に移動させる期間全体にわたります。これは通常、治療開始から2~3年後まで続くことが多いとされています。
矯正治療は大きく「動的期間」と「保定期間」の2つのフェーズに分けられます。「動的期間」では歯を計画された正常な位置に動かすためにアタッチメントが使用されます。一方、「保定期間」では、移動した歯をその位置に固定するため、歯をさらに動かす必要はありません。そのため、この段階では原則としてすべてのアタッチメントが取り外されます。
アタッチメントを装着すると痛みがありますか?
アタッチメントは歯の表面に取り付けられる際、直接痛みを引き起こすことはありません。しかしながら、マウスピース型矯正の進行と共に、痛みを感じる瞬間が生じる可能性があります。以下に、痛みを感じやすいタイミングをいくつか紹介します。

マウスピースの初装着時: アタッチメントはマウスピースを歯に固定するための役割を果たしています。その結果、特に矯正開始直後は、強い圧迫感や痛みを覚えることがあります。これは一般的に2〜3日で体が慣れ、痛みが軽減します。

歯が移動している時期: アタッチメントにより歯に力が均等に加わり、歯を移動させることが可能になります。この移動の過程で、一時的に圧迫感を感じることがあります。特に複雑な歯並びを持つ患者さんでは、痛みを感じることもあるかもしれません。

マウスピースの取り外し時: マウスピースや指がアタッチメントに引っかかると、痛みを感じることがあります。そのため、マウスピースはアタッチメントが付いていない舌側からゆっくりと丁寧に取り外すことが重要です。

アタッチメントを装着していても、痛みを強く感じる期間は限られており、大抵の場合は数日で慣れます。また、痛みが強い場合や長期間続く場合は、専門の矯正医に相談することが大切です。

歯列矯正のアタッチメントの種類

歯科矯正のアタッチメントの種類

通常アタッチメントとはどのようなものですか?
インビザライン矯正における「通常アタッチメント」は、歯科医師が患者さんの歯の状態を診察し、必要と判断された部位に手作業で取り付ける小さな装置です。アタッチメントは、コンポジットレジン製で、歯に近い色をしており、目立ちにくいのが特徴です。形状は長方形、傾斜付き長方形、楕円形などがあります。アタッチメントの上からマウスピースを装着することで、マウスピースのずれを防ぎ、歯との密着を高めます。これにより、マウスピース型矯正をより効率的に進めることが可能になり、特定の部位に適切な圧力をかけることで、治療の幅が広がります。
オープンバイト用最適アタッチメントとはどのようなものですか?
オープンバイト用の適切なアタッチメントは、前歯の間に空間ができてしまう「開咬(オープンバイト)」という状態を改善するために用いられる特殊なアタッチメントです。通常のアタッチメントよりサイズが小さく、目立ちにくい作りとなっているため、視覚的なデメリットが少ないのが特徴です。
このアタッチメントは主に上の前歯4本に装着され、それぞれの歯にしっかりとフィットします。噛み合わせのバランスを整える役割を持ち、前歯同士がしっかりと接触することを助けることで、開咬の状態を改善していきます。
オープンバイトの改善は、発音や咀嚼の機能向上にも寄与するため、単に見た目だけでなく機能的な面でも大きなメリットをもたらします。
ディープバイト用最適アタッチメントとはどのようなものですか?
ディープバイト用の最適アタッチメントは、上の前歯が下の前歯を過度に覆ってしまう「過蓋咬合(ディープバイト)」と呼ばれる状態を改善するために使用されます。ディープバイトは、見た目だけでなく咬み合わせの機能にも影響を及ぼす可能性があるため、治療にはディープバイト用の最適アタッチメントが役立つでしょう。 これはサイズが小さく、目立ちにくい特性を持っており、視覚的にも機能的にも優れたアタッチメントです。
具体的には、反作用でマウスピースが浮き上がろうとする歯に対して、マウスピースが浮き上がるのを防止するためのアタッチメントが必要になります。歯並びを整える際に適切な力を加えられるように設計されています。これにより、上の前歯と下の前歯のバランスを調整し、噛み合わせの状態を改善していきます。。圧下力を加える前歯部自体には、インビザラインであればプレッシャーポイントという形態がマウスピースに付与されてきます。歯の移動によっては上顎にも必要になります。
ルートコントロール用最適アタッチメントとはどのようなものですか?
ルートコントロール用最適アタッチメントは、歯の根元部分、つまり歯根から歯を動かすために使用される特殊なアタッチメントです。これは主に、前歯の間隙を埋める場合や、傾いている歯を矯正する際に用いられます。
この最適アタッチメントは、1本の歯に2つ装着されます。その主な目的は、歯根部分から歯を動かし、歯列を正常な位置に戻すことです。
最適アタッチメントは通常のアタッチメントよりも小さく、目立ちにくいため、見た目の影響を最小限に抑えた矯正治療を提供します。
回転用最適アタッチメントとはどのようなものですか?
回転用最適アタッチメントは、歯のねじれを矯正するために使用される特殊なアタッチメントです。これにより、理想的な歯並びに近づけることが可能となります。
この最適アタッチメントは、通常、1本の歯に1つ装着されます。その主な目的は、歯のねじれを矯正し、歯列を正常な位置に戻すことです。

歯列矯正のアタッチメントの注意点

歯科矯正のアタッチメントの注意点

アタッチメントが外れる原因は何ですか?
アタッチメントが外れる主な原因として、いくつかの要因が挙げられます。まず、被せものがある歯にアタッチメントを取り付ける際、被せものの素材が元の歯と異なるために外れやすくなることがあります。このような場合には、表面の処理を工夫し、特別な接着材を用いることで外れにくくする工夫が求められます。
また、マウスピースの取り外し方にも注意が必要です。正しくない方法で取り外しを行うと、アタッチメントが破損するかもしれません。左右いずれかに過度な力がかかって、無理な角度で引っ張ると、アタッチメントが外れるリスクが高まります。これを防ぐためには、歯科医院で正しい取り外し方を学ぶことが推奨されます。噛み合わせが深い場合も、アタッチメントの外れやすさに影響を与えます。アタッチメントを付けている歯と対峙する歯が、アタッチメントを覆いかぶさるような形になると、外れやすくなることがあります。アタッチメントが対合歯と早期接触する位置には最初から付与せず、臼歯部のアップライトを行って咬合挙上してから付与します。口内の清潔さもアタッチメントの外れやすさに関係しています。汚れが溜まるとアタッチメントが劣化し、最終的には外れることになります。従って、口内を常に清潔に保つことが重要です。最後に、食べ物の硬さも考慮する必要があります。例えば、おせんべいや氷のように非常に硬い食べ物を食べると、アタッチメントに強い衝撃が加わり、外れるリスクが高まります。
アタッチメントが外れた場合どうすれば良いですか?
アタッチメントが外れた場合、直ちに治療に影響が出るわけではありませんが、放置すると治療の進行に影響を及ぼす可能性があります。アタッチメントが外れた部分が尖っていたり、鋭利であったりする場合、頬や舌を傷つける恐れがあるため、注意が必要です。外れたアタッチメントがどの歯についていたのかを確認し、それを元に早めに歯科医院に連絡してください。
担当の歯科医師や衛生士に状況を正確に報告し、適切なアドバイスを受けましょう。状況によっては、すぐに治療を受ける場合もあれば、次回の定期検診まで待っても問題ない場合もあります。専門家の意見を参考にしながら、治療プランを調整し、アタッチメントの再設置やその他必要な措置を受けることで、矯正治療をスムーズに進めることが可能となります。
アタッチメントが外れないようにするにはどうすれば良いですか?
アタッチメントが外れないようにするためには、日々のケアとマウスピースの正確な取り扱いが重要です。まず、マウスピースの着脱には注意が必要です。装着時は両手を使い、歯に対して直角にマウスピースをセットするよう心がけましょう。これにより、アタッチメントに不必要な力がかかるのを防ぎます。最終的には、手を使ってマウスピースをセットすることが大切です。さらに、シリコン製の「チューイー」を利用し、マウスピースを歯にしっかりとフィットさせることもおすすめです。マウスピースを外す際には、奥歯の裏側からゆっくりと取り外すようにしましょう。この方法は、アタッチメントにダメージを与えずにマウスピースを外せるため、おすすめです。日々のオーラルケアも非常に重要です。アタッチメントのある部分は汚れが溜まりやすいため、歯ブラシの毛先を細かく動かし、凹凸部分の汚れを丁寧に取り除くよう努めましょう。歯磨き粉を使用して歯ブラシの毛先を柔らかくし、凹凸部分にもしっかりと届くようにしましょう。これらの工夫と正しいケアを実践することで、アタッチメントが外れるリスクを最小限に抑え、矯正治療をスムーズに進められます。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで歯科矯正とアタッチメントについてお伝えしてきました。歯科矯正とアタッチメントの要点をまとめると以下の通りです。

  • マウスピース型矯正治療において、マウスピースを歯にしっかりと取り付け、適切な圧力を歯に加え、歯を動かして目指す位置に導くために重要な役割を果たす
  • 歯科矯正のアタッチメントには、オープンバイト用最適アタッチメント、ディープバイト用最適アタッチメント、ルートコントロール用最適アタッチメント、回転用最適アタッチメントなどの種類があり、目的に応じて選択される
  • さまざまな要因でアタッチメントが外れてしまう可能性があるため、装着期間中は注意する必要がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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