ワイヤー矯正

歯並びを矯正するマウスピース型矯正とは?メリット・デメリットや治療方法を解説!

歯並びを矯正するマウスピース型矯正とは?メリット・デメリットや治療方法を解説!

歯並びを良くする方法の一つにマウスピース型矯正があります。歯に密着させて装着するマウスピースを長期間使うことで、少しずつ歯を移動させます。 「歯の矯正」と聞くと「金属のワイヤーを歯に張り巡らせるのか」とイメージする方がいると思いますが、マウスピース型矯正はワイヤーもブラケットも使いません。

矯正治療に使用するマウスピースは透明なので、じろじろ見られない限り周囲の人に気づかれることは少ないでしょう。マウスピース型矯正の治療方法をそのメリットとデメリットを、Q&A形式で紹介します。

歯並びを矯正するマウスピース型矯正

歯並びを矯正するマウスピース型矯正とは?メリット・デメリットや治療方法を解説!
まずはマウスピース型矯正がどのようなものなのかみていきましょう。

マウスピース型矯正とはどんな治療方法ですか?
マウスピース型矯正では、上の歯の全体と下の歯の全体を覆うような形状をしたマウスピースを患者さんに装着してもらいます。マウスピース型矯正ではマウスピースのことをアライナーと呼んでいます。アライナーの素材は医療用プラスチックで、透明です。アライナーを装着しただけでは歯が動きません。そこでマウスピース型矯正では複数個のアライナーを使います。複数のアライナーはそれぞれ0.25ミリほど形が違っていて、新しいアライナーに付け替えることで歯が0.25ミリずつ動いていきます。つまり最後に使うアライナーが理想の歯の位置になっていて、その装着期間が終了するとキレイな歯並びになっているわけです。
マウスピース型矯正はどんな人におすすめですか?
歯ぎしりのある方、口内炎ができやすい方、スポーツをされている方(ブラケットより、ボールなどが顔に当たっても口腔内が傷つきにくいため)、営業職や接客業の方でブラケットによる治療ができない方、忙しくて毎月の通院が難しい方などにおすすめです。

歯並びを矯正するマウスピース型矯正のメリット・デメリット

マウスピース型矯正のメリットを教えてください。
マウスピース型矯正の大きなメリットは目立ちにくいことです。ワイヤー方式の矯正は金属ワイヤーを歯に張りつけている形状になっているのでとても目立ちます。実際は周囲の人に見られていなくても「見られているのではないか」と感じてしまう人もいます。しかしアライナーはその心配はありません。そのためマウスピース型矯正なら矯正したい、という方もいます。自分で着け外しができるというメリットもあります。目立たないとはいえアライナーはマウスピースの形状をしていて歯にしっかりくっついているので、じっくり見られると気がつかれてしまいます。しかし取り外すことができるので、どうしても気づかれたくないときは外すことができます。取り外すことができるので、歯磨きのときは通常の歯ブラシを使うことができます。ワイヤー方式の矯正の場合はワイヤーを外すことができないので専用の歯ブラシを使います。 金属を使っていないので、口の中が傷つく心配もありません。マウスピースは元々歯を守る道具なので、アライナーも歯を保護します。 治療中の痛みや違和感が少ないこともメリットと言えるでしょう。新しいアライナーをつけた瞬間は歯が窮屈に感じますが、歯がアライナーに従って動き出せばその窮屈さも消えます。 通院回数が少なくて済むのもマウスピース型矯正の長所です。患者さんは歯科医からアライナーを複数個渡され、最初の1個目を装着したら、一定期間後に次のアライナーを装着し、また一定期間が過ぎたら次のアライナーを着ける、ということを繰り返すだけです。そのため自宅で治療を継続することができます。ただし状態を確認する必要があるので、アライナーを装着している間は少なくとも数カ月に1回は通院する必要があります。
マウスピース型矯正のデメリットを教えてください。
マウスピース型矯正は自分で着用時間を守る必要があり、自己管理が苦手な方の場合は、計画通りに治療を進めることが難しいため、不向きといえます。また、飲食時はマウスピースを取り外さないといけない点を面倒に感じる方もいるでしょう。歯列矯正を専門にされていない歯科医師がマウスピース型矯正による治療を行われていることもあるので、歯科医院や歯科医師によって治療結果に差が生じる場合があります。

マウスピースで歯並びを矯正する流れ

マウスピースで歯並びを矯正する流れを教えてください。
マウスピース型矯正ではまず、歯科医が患者さんの歯列を評価します。歯列を3Dスキャンしたり、レントゲン撮影をしたりして形状を詳細に確認します。これでマウスピース型矯正の対象になるかどうか歯科医が判断します。マウスピース型矯正の対象になると判断できたら、次に歯型を採り、それを基にアライナーを作製します。複数のアライナーを0.25mmずつずらして作ります。 歯型を取ってから約3週間後にアライナーが完成しますので、患者さんに来院してもらってアライナーを渡します。このとき装着時の注意事項や脱着時の注意点、アライナーの保管方法などを説明します。 患者さんがアライナーを受け取った時点から治療が始まります。最初のアライナーを歯に装着すると2、3日は歯が締めつけられる感じがしたり、人によっては痛みを感じることがあります。しかし徐々に慣れてきて痛みも違和感も消えるはずです。アライナーは最低1日20時間は装着することになるので、歯磨きや食事のとき以外は睡眠時も装着することになります。なお、装着時間は20~22時間以上の範囲で、歯科医師の方針や患者さんの口の状態により、最低装着時間が異なります。 1個のアライナーは1、2週間で使い終わります。つまり1、2週間で歯が0.25ミリほど動くので、次のアライナーに取り換えて、また1、2週間かけて0.25ミリほど動かしていきます。これを続けることで理想の場所に歯を動かしていきます。ただし、最後のアライナーの使用期間が終了しても、これで矯正を終えてしまうと歯が元に戻ってしまいます。そのため理想の場所に歯が収まったあとに、リテーナー(保定装置)というマウスピースを装着することが必要です。リテーナーは最後のアライナーと同じ形状をしているので、移動した歯を固定する役割を果たします。 歯が固定したらリテーナーの使用を終了して、矯正が完了します。
マウスピースで歯並びを矯正する期間はどれくらいですか?
マウスピースを使った矯正の期間は短くて6カ月ほどです。矯正する歯の本数が6本以下の場合、6カ月で済むことがあります。ただし矯正対象の歯が多くなると1年かかることも珍しくありません。またすべての歯を矯正する場合は2年半ほどかかることもあります。そして、アライナーを使った矯正治療が終わった後、リテーナー(保定装置)を使って歯の場所を固定するために、歯を動かした期間と同じくらいの保定期間が必要になります。

編集部まとめ

マウスピース型矯正は、ワイヤー方式の矯正を苦手にする方や、金属アレルギーがある方に安心して受けていただくことができる矯正法です。さらに、目立ちにくいことにメリットを感じる患者さんもいるでしょう。ただし、治療期間が数年間に渡ることからじっくり治療に取り組むことが求められます。

参考文献

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗歯科医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗歯科医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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