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歯列矯正前の精密検査では何を調べる?重要性や流れ、費用相場を解説

歯列矯正前の精密検査では何を調べる?重要性や流れ、費用相場を解説

歯列矯正を始めるには、まず精密検査を受ける必要があります。しかし、内容や所要時間がわからないまま受ける方も少なくありません。

検査といっても特別な準備が必要なことは少なく、説明を受けながら進めることがほとんどです。

費用や保険の適用についても、治療を始める前に知っておきたい情報の一つです。

特にこれから歯列矯正治療を始める方にとっては、検査でどのような情報がわかるのかを事前に理解しておくことで、落ち着いて治療を進めることができるでしょう。

この記事では精密検査の目的や内容、流れや費用、受ける前に確認しておきたい点をわかりやすく解説します。

不安が少ない状態で検査に臨めるよう、参考にしてもらえると幸いです。

歯列矯正前の精密検査の重要性

マウスピースを装着する女性

歯列矯正の治療計画はどのように立てられますか?
歯列矯正の治療計画は、事前に行う検査結果をもとに立てられます。歯並びや顎のバランスは見た目だけでは判断がつきにくく、レントゲンや歯型から歯根の角度や骨の厚み、顎の左右差などの確認が必要です。これらの検査結果をふまえて、歯科医師は装置の種類や通院の頻度、治療にかかる期間などを検討します。治療内容によっては抜歯が必要になる場合もあり、選ぶ装置の種類によって進め方が大きく変わることもあります。治療が無理なく続けられるかどうかも、計画を立てるうえでは重要です。医師と話し合いながら、自分の生活に合った方法を選んでいくことが大切になります。もしも準備が不十分なまま治療に進んでしまうと、後から計画を立て直すことになってしまうかもしれません。
歯列矯正前の精密検査の重要性を教えてください。
歯列矯正治療を始める前には、歯並びや噛み合わせの状態をしっかり調べておく必要があります。外から見ると大きな問題がなさそうでも、歯根の傾きや噛み合わせのズレが隠れている場合もあります。こうした部分は、目視だけでは正確に判断できません。レントゲンや歯型を使って、骨のバランスや噛むときの力のかかり方などを調べると、細かい情報を得ることができます。検査によって、治療が必要な理由が明確になります。結果によっては、ご自身が気付いていなかった問題が見つかることもあるでしょう。特に子どもの場合は、成長の予測や顎の位置の評価も重要です。初めに正確な状態を知っておくと、どのような治療が必要か納得しやすくなります。

歯列矯正前の精密検査の内容や流れ

患者を治療する医師と歯科衛生士

歯列矯正前の精密検査では何を調べますか?
精密検査では、歯や顎の状態を詳細に把握し、治療の必要性や方針を判断するための情報を集めます。外からはわかりにくい噛み合わせや骨格の問題を見つけるために、精密な検査が必要です。具体的には、以下のような項目が検査されます。
  • 顎関節運動の可動域と開閉の状態
  • 上下顎骨の厚みや左右のバランス
  • 噛み合わせの位置関係
  • 噛む力の偏り
  • 舌の位置と口唇やお口まわりの筋肉の動き
  • 噛む力の左右差や癖の有無(舌癖や頬づえなど)

検査内容を事前に理解しておくと、「何の検査がどれくらいあるのか」という不安も和らぐはずです。

歯列矯正前の精密検査の内容は歯科医院によって異なりますか?
基本的な検査項目はほとんどの歯科医院でも共通していますが、内容の細かさや使用する機器には違いがあります。レントゲン撮影や口腔内写真、歯型の採取などの診断資料は一般的によく行われる検査です。一方で、歯科医院によっては歯科用CTを使って顎の立体構造まで確認したり、発音や舌の動きなど筋機能のチェックまで行っていたりする場合もあります。検査の対象となる範囲や、診断資料の分析方法にも医院ごとに工夫がみられます。検査にかかる時間や項目の数が医院によって異なることから、「内容が少ないのでは」と感じても、それだけで問題になるとはいえません。事前に「どのような検査をするのか」「どこまで調べてもらえるのか」を確認しておくと、検査を納得して受けやすくなります。
歯列矯正前の精密検査はどのような流れで行われますか?
精密検査では、治療に必要な内容を順番にチェックしていきます。歯科医院によって順番や項目はやや異なりますが、一般的には以下のような流れです。
  • 問診・視診
  • 顔貌や口腔内の写真撮影
  • レントゲン撮影
  • 歯型の採取
  • 顎の動きや筋機能の検査

写真撮影では、外から見た歯並びや口元の状態を多方向から撮影し、レントゲンでは顎の骨格や歯根の状態などを確認します。歯型からは噛み合わせのずれや歯の位置を読み取り、必要に応じて筋機能の検査も行います。検査が終わった後は、資料をもとに歯科医師が治療方針を検討し、後日あらためて結果の説明を受ける場合もあるでしょう。歯科医院によっては、歯科用CTを追加で撮影し、骨や歯の状態を立体的に確認するケースもあります。一般的にはレントゲンや写真、歯型の採取が中心です。

歯列矯正前の精密検査の所要時間はどのくらいですか?
初めて受ける際は、所要時間が気になる方もいるかもしれません。歯列矯正の精密検査にかかる時間は、検査内容や進め方によって異なりますが、一般的には30分から1時間程度とされています。いくつかの検査を組み合わせて行う場合でも、それぞれは数分から十数分程度で終わることがほとんどです。医院によっては、すべてを同じ日にまとめて行う場合もあれば、2回に分けて実施することもあるでしょう。
事前にスケジュールを確認しておくことで、落ち着いて検査に臨みやすくなります。不安があるときは、あらかじめ医院に相談しておくと気持ちが軽くなるかもしれません。

歯列矯正前の精密検査の費用相場や注意点

レントゲンを撮る男性患者

歯列矯正前の精密検査には保険が適用されますか?
歯列矯正前の精密検査では、原則として健康保険が使えません。歯列矯正治療は見た目を整える目的と判断されることが多く、自由診療として扱われています。ただし、厚生労働省が定める特定の条件に該当する場合は、保険が適用される場合があります。例えば顎の骨に大きなズレがあるケースや、生まれつきの疾患がある場合です。唇顎口蓋裂や顎変形症などで外科手術を伴うときは、その対象にあたることがあります。また、自由診療として行われる場合でも、噛み合わせの改善などを目的とした歯列矯正治療は医療費控除の対象になることがあります。すべての方に当てはまるわけではないため、医師に確認してみるのが適切です。費用が気になるときは、検査の前に相談しておくとよいでしょう。
歯列矯正前の精密検査の費用相場を教えてください。
精密検査の費用は、医院や検査の内容によって幅がありますが、20,000~70,000円台が目安です。レントゲンや口腔内写真の撮影、歯型の採取など複数の検査が組み合わされるため、検査内容が詳しくなるほど金額も上がる傾向があります。歯科医院によっては、費用のなかに診断料や治療計画の立案にかかる費用が含まれていることもあります。金額を聞いたときに「検査だけで高い」と感じるかもしれませんが、治療を計画的に進めるうえで欠かせない前段階となるため、費用にも十分な意味があるでしょう。医院によっては、歯列矯正治療を受ける場合に、検査費用を治療費に含めてもらえるケースもあります。検査のみで終えるのか、治療へ移行するのかによって実質的な負担額が変わることもあるため、費用の内訳を事前に相談するのも不安が少なくなる方法です。
検査費用はクリニックによって差がありますか?
歯列矯正前の精密検査費用は、医療機関の診療体制や検査項目の違いによって差があります。大学病院や歯列矯正専門医院では、高精度な画像診断や3Dシミュレーションを取り入れるケースもあり、料金が高めに設定される傾向です。一方で、地域の歯科医院では、基本的な検査に絞り費用を抑えている場合もあります。検査内容や使われる機器の種類、レントゲン撮影の範囲などが料金差に関係します。また、カウンセリング料や再診料を含むかどうかも費用に影響するため、あらかじめ見積もりを確認しておきましょう。
歯列矯正の精密検査を受ける際の注意点を教えてください。
精密検査を受ける前に、検査内容や料金に関する説明が十分にあるかを確認しておくことが大切です。初診でカウンセリングのみを行い、後日あらためて検査を実施する歯科医院もあるため、スケジュールも含めて事前に確認しておくと安心感がもてるでしょう。検査によっては、歯科用CTやMRIなどの高額な機器を使用する場合もあるため、追加費用が発生することがあります。検査後に治療方針の変更があることもあるため、治療計画の説明時に納得できるかどうかも見極めのポイントです。内容に不安があるときは、セカンドオピニオンを検討するのも一つの方法です。

編集部まとめ

白い歯が美しい笑顔のアジア人女性

歯列矯正を始める前には、歯や顎の状態を詳しく調べる検査があります。どう治療を進めるかを考えるうえで、欠かせない準備の一つです。

検査に使う機器や料金の設定は、通う医院によって異なります。同じように見えても、検査内容や進め方に差が出ることは少なくありません。

不安を残さず治療に入るためにも、わからない点をそのままにせず、納得できる状態で検査を受けることが大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
小田 義仁歯科医師(小田歯科・矯正歯科 院長)

小田 義仁歯科医師(小田歯科・矯正歯科 院長)

岡山大学歯学部 卒業 / 広島大学歯学部歯科矯正学教室 / 歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院 / 所属協会・資格:日本矯正歯科学会 認定医 / 日本顎関節学会 / 日本口蓋裂学会 / 安佐歯科医師会 学校保健部所属 / 広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員 / 岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長 / 岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事 / アカシア歯科医会学術理事

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