ワイヤー矯正

歯列矯正で使用されている矯正装置の材質にはどのようなものがあるか知っていますか?材質の種類やアレルギーについても解説

歯科矯正 矯正器具

歯列矯正の矯正装置は、歯並びを正常な状態に整えるための重要な役割を果たします。この装置に使用される材質は、患者さんの歯の状態や治療の進行状況に合わせて選択されます。

  • 矯正装置の材質とアレルギー
  • 矯正装置にはどのような材質が使用されているのか
  • 矯正装置に使用されている材質の特徴や利点

歯列矯正の矯正装置に使用されている材質について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

矯正装置の材質

矯正装置の材質

矯正装置の材質は何に影響するのですか?
矯正装置の材質は、金属アレルギーの有無によって選ぶ必要があります。ニッケルやクロム、コバルトを含む材質は金属アレルギーを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。代わりに、ステンレスやチタンなどの金属材料が使用されます。 また、白いコーティングがされたワイヤーも金属アレルギーの方でも使用可能です。さらに、歯列矯正を行う際に注意すべきアレルギーにはⅠ型とⅣ型があり、接触性皮膚炎を引き起こす金属アレルギーも含まれます。医院で使用される材料や歯磨剤などについて、事前に確認することが大切です。
マウスピース型矯正装置に使われる材質はなんですか?
マウスピース型矯正装置には、ソフトシリコーン製の取り外し式装置が主に使用されます。マウスピース型矯正治療に使われるアライナーは、透明なプラスティック素材でできています。具体的には、ポリウレタンから作られたスマートトラックという素材が使用されています。 現在のアライナーは、従来のアライナーよりも適合性が高く、デコボコの歯並びでも十分な矯正力を発揮できます。スマートトラックは3層構造でできており、各ステップの模型に圧接してアライナーが作成されます。 マウスピース型矯正は金属を使用しないため、金属アレルギーの方に適応可能ですが、化学物質にアレルギーがある方は注意が必要です。個人差があるため、事前の確認が必要なこともあります。
ワイヤー矯正装置に使われる材質はなんですか?
ワイヤー矯正装置に使われる材質は金属が主流で、ニッケルやクロム、コバルトが含まれる場合があるため金属アレルギーの方は注意が必要です。ただし、ニッケル、クロムを含まない素材や白くコーティングされたワイヤーもあります。代表的な素材はニッケル、ステンレス、チタンで、中でもチタンは金属アレルギーになりにくいため、インプラントや代用骨にも使用されています。 金属アレルギーがある方は、歯列矯正だけでなく詰め物の見直しもおすすめされています。また、ブラケットには金属製とセラミック製の2種類があり、セラミック製は金属製に比べて目立ちにくいですが、価格が高く、歯の動きが遅くなる場合があるため、注意が必要です。金属アレルギーの方はセラミック製のブラケットやチタン製、白のコーティングをしたワイヤーが選択肢としてあります。

材質による違い

材質による違い

矯正装置の材質によって値段は変わりますか?
矯正装置の材質によって価格が変動することは事実です。特に、セラミック素材や裏側(舌側)矯正の場合は費用が高くなる傾向があります。ブラケットにおいても、金属製とセラミック製の2種類があり、金属製は安価で歯の動きも良好ですが、金属色が目立ち、口腔内での違和感が生じる可能性があります。
一方、セラミック製は目立ちにくく、プラスチック製と比べて強度も高いですが、金属製と比べて歯の動きが遅くなり、治療期間が長くなる可能性があります。これらの材質選択には、個人の好みや口腔内の状態などの要素も影響してきますが、セラミック製が一般的には目立ちにくく、強度もあるため、選択されることが多いです。
矯正装置の材質によって効果は変わりますか?
矯正装置の材質によって効果は大きく変わりませんが、ブラケットの材質によって治療の快適さや見た目に影響します。金属製は安価で効果的とされていますが、セラミック製は目立たず快適です。ただし、セラミック製は金属製に比べて歯の動きが遅くなるため、治療期間が長くなることがあります。
ニッケルチタンワイヤー

  • 超弾性と形状記憶がある。
  • 初期の治療に用いられる適している。
  • 弱い力しか発生しないため、痛みが出にくいとされています。
  • 空隙を調整するための使用は適していない。

ステンレススチールワイヤー

  • 硬くたわみにくいため、大きな歯の移動に適している。
  • 耐久性があるため、治療中盤から使用される。
  • ブラケット装置に通す前に、アーチワイヤーのカーブ量を調整する必要がある。
  • 中途でブラケットの破損や脱離によって故障や付け直しになる場合は、一旦ニッケルチタンワイヤーに変更することがある。

βチタンワイヤー

  • 適度な硬さと弾性を持ち、細かい歯の位置調整に適している。
  • 複雑な屈曲を入れても折れにくい。
  • チタンにニッケル以外の金属を混ぜた合金を使用する。
  • モリブテンやニオーブ、タンタル、ジルコニウムなどの金属を混ぜたワイヤーもある。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで歯列矯正で使用されている矯正装置の材質についてお伝えしてきました。矯正装置の材質の要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯列矯正で使用されている矯正装置の材質は、金属アレルギーの有無によって選ぶ必要があり、ニッケルやクロム、コバルトを含む材質は金属アレルギーを引き起こす場合があり注意が必要
  • 歯列矯正で使用されている矯正装置には、金属、セラミック、ポリマーなどの材質が使用されている
  • 金属製の装置は強度が高く、歯の移動を速やかに行えますが、見た目が目立つことが欠点で、セラミックやポリマー製の装置は、金属よりも見た目が自然であるため、審美性に優れているが、強度が低いため装置が壊れるリスクが高くなる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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