ワイヤー矯正

子どもの歯列矯正にかかる期間は?費用の相場もあわせて解説!

歯列矯正 期間子供

子どもの歯列矯正は、将来的に健康的な歯並びを維持するために重要ですが、その期間について不安を感じる方もいらっしゃる方も多いのではないでしょうか? 本記事では、子どもの歯列矯正にかかる期間について以下の点を中心にご紹介します。

  • 子どもの歯列矯正にかかる期間
  • 子どもの歯列矯正のメリット・デメリット
  • 子どもの歯列矯正の費用

歯列矯正に関心のある方、また子どもの歯列矯正を考えている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

子どもの歯列矯正にかかる期間

子どもの歯列矯正にかかる期間

子どもの歯列矯正の治療にはどのようなものがありますか?
子どもの歯列矯正には、1期治療、2期治療の2種類あります。1期矯正は永久歯が生えそろう前に行い、骨格の成長を正しい状態に誘導し、顎のベースを整えることや口腔周囲筋のトレーニングを行い、口の悪い癖を取り除き、自然な位置に永久歯の萌出を促す目的です。2期矯正は永久歯が生えそろう頃から開始し、永久歯の歯並びを整えることを目的としています。
子どもの歯列矯正はどのくらいの期間かかりますか?
1期治療は1~3年程度かかり、顎のバランスを整えるよう治療します。1期治療が終了した時点で永久歯が綺麗に並べば治療は完了ですが、歯や顎の成長を観察し歯が綺麗に並ばなければ、2期治療へ進みます。2期治療は1~2年程度かかり、永久歯の並びを整え、綺麗な歯並びや正しい噛み合わせをつくるために治療します。

子どもの歯列矯正において用いられる器具

子どもの歯列矯正において用いられる器具

1期治療ではどのような器具が使用されますか?
1期治療で用いられる、それぞれの器具の特徴について解説します。

床矯正(しょうきょうせい):
床矯正は、主に永久歯の萌出スペース不足を解消するために行われます。この治療法は、簡単に取り外せるというメリットがある一方で、でこぼこが激しい場合は対応できないこともあります。

ヘッドギア:
上顎の成長を抑制するためにも用いられます。外出時には通常用いません。自宅にいる時間は可能な限り装着しましょう。最低でも12時間以上装着することが推奨されます。

上顎前方牽引装置:
上顎前方牽引装置は、上顎の前方への成長を促すためのものであり、額と顎先を支点にしたマスクが用いられます。上顎前方牽引装置は取り外しが可能ですが、ヘッドギアと同様、12時間以上装着することが必要です。

リンガルアーチ:
リンガルアーチに付与された弾線の力によって歯に力を加えます。リンガルアーチでは、横方向に力を加えることはほとんどないとされています。

MFT(筋機能療法):
MFTは器具を装着せず、筋肉を鍛えることで歯並びを正す治療法であり、舌の悪癖「舌癖(ぜつへき)」を治すことを目的としています。舌だけではなく、口輪筋など口周りの筋肉トレーニングも行います。MFTは毎日トレーニングを行う必要があるため、子ども自身のやる気や家族の協力が大切です。

2期治療ではどのような器具が使用されますか?
2期治療で用いられる、それぞれの器具の特徴について解説します。

ワイヤー・ブラケット:
歯にブラケットという、ワイヤーを通すための器具を装着し、ワイヤーの長さを少しずつ調節していくことで歯を移動させます。ブラケットには、メタルブラケットとクリアブラケットの2種類があります。メタルブラケットは金属製なため丈夫であり、かつ他の矯正装置より安価である一方、金属を用いる全ての器具に言えますが金属アレルギーを引き起こす可能性があります。クリアブラケットはセラミックや樹脂からなり、透明や白であるため目立ちにくいとされています。

マウスピース:
透明なマウスピースを装着し、約1週間ごとに新しいマウスピースに交換し、歯を徐々に移動させます。マウスピース矯正は目立ちにくい反面、不得意な症例もあります。また、マウスピースは取り外し可能である一方、1日20時間以上装着することが望ましいとされているため、食事のとき以外は装着するよう習慣化することが必要です。

子どもの歯列矯正のおすすめの開始時期

子どもの歯列矯正のおすすめの開始時期

子どもの歯列矯正は、いつ頃から開始すればよいですか?
混合歯列期が子どもの歯列矯正の開始のタイミングの目安となります。この時期に治療を開始することで、あごの成長を利用して永久歯が生えるスペースを確保するための準備ができます。早くから治療を始めることで、きれいな歯並びを作りやすくなり、歯を抜かずに治療できる可能性が高くなります。また、噛み合わせを改善することで、口腔機能の改善が期待できます。一方、受け口の場合には、3才〜4才頃からムーシールドに限らず機能的な矯正装置を用いて早期治療を行う事ができます。 子どもの成長に合わせて治療を進めることが大切であり、早めに相談することでより良い治療を行えます。
永久歯が生えそろった後に矯正はしないほうがいいですか?
永久歯が生え揃った後に矯正治療を行うことは全く問題ありません。多くの子どもが永久歯が全て生え揃ってから矯正治療を始めます。この時期に行う矯正治療は、骨や顎の成長が止まってから治療を行うため、歯を細かく動かして、整った歯並びや噛み合わせを作ります。 どのタイミングで矯正治療を開始するかは、患者さんの状況やニーズによります。そのため、矯正治療を考えている場合は、歯科医師に相談することをお勧めします。

子どもの歯列矯正のメリット・デメリット

子どもの歯列矯正のメリット・デメリット

子どもの歯列矯正のメリットはありますか?
子どもの歯列矯正は、骨格の成長に合わせて正しい歯並びや噛み合わせを促せます。さらに、将来的な矯正期間を短くできたり、歯列矯正が不要になったりする可能性が高くなります。そして、早期に指しゃぶりや爪をかむくせ、お口をポカンと開ける癖を改善できます。このように子どもの歯列矯正には多くのメリットがあります。
子どもの歯列矯正のリスクはありますか?
子どもの歯列矯正にもリスクがあります。矯正装置を付けることにより、むし歯になるリスクが高くなるため、しっかりとしたケアが必要です。また、歯列矯正が難しいケースでは大人になっても再度治療が必要になる場合があります。さらに、子どもが治療に協力的でない場合は、良い結果が出にくくなる場合があります。また、一時的に歯並びが悪く見えることもあります。そして歯の根っこが吸収されてしまう可能性もあります。 これらのデメリットはありますが、正しいケアや協力的な態度を保つことで、リスクを最小限に抑えられます。また、2期治療が必要になる場合もやらないよりは良い結果となることが期待できます。

子どもの歯列矯正の相場

子どもの歯列矯正の相場

子どもの歯列矯正の費用相場はどのくらいですか?
子どもの矯正治療の費用相場は、矯正専門医院と一般歯科医でそれぞれ異なります。以下にそれぞれの費用相場を示します。

矯正専門医院:
第1期治療: 20万円〜40万円
第2期治療: 30万円〜50万円

一般歯科医:
第1期治療: 20万円〜50万円
第2期治療: 30万円〜80万円

これらの費用はあくまで目安であり、具体的な費用は治療内容や症状により変動することがあります。また、これらの費用には初診費用、診査費用、診断費用などの治療前費用や、ワイヤー交換費用、歯ブラシなどのケアアイテム代などの治療中にかかる費用、矯正した歯が戻らないようにする器具の費用、メンテナンス費用などの治療後にかかる費用が含まれていません。具体的な費用については、各歯科医院にご相談ください。

費用を抑えることはできますか?
子どもの歯列矯正治療の費用を抑えることは基本的に難しいとされています。矯正専門歯科医院と一般歯科医院に矯正治療が付属している歯科医院とでは、治療費の相場が大きく異なることがあります。しかし、子どもの矯正治療は一部の条件を満たす場合、高額医療費控除の対象となります。具体的には、発育段階にある子どもの成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正が該当します。 この点を考慮すると、費用を抑えられる可能性があります。治療費は決して安くはありませんが、子どもの健康な歯並びと美しい笑顔のための投資と考えることが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで子どもの歯列矯正の期間についてお伝えしてきました。 子どもの歯列矯正の要点をまとめると以下の通りです。

  • 子どもの歯列矯正を始めるタイミングは、混合歯列期がおすすめ
  • 子どもの歯列矯正の期間は1期治療1〜3年、2期治療は1〜2年
  • 子どもの歯列矯正は歯が動かしやすく痛みが少ないことや永久歯を抜かない治療が期待できるなどさまざまなメリットがある

本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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