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歯列矯正後のリテーナーをサボったらどうなる?サボった場合の対処法を解説

歯列矯正後のリテーナーをサボったらどうなる?サボった場合の対処法を解説

歯列矯正後にリテーナーをサボった場合、どのような影響が出るのでしょうか?歯列矯正治療で整えた歯並びがもとに戻ってしまう可能性があり、せっかくの治療が無駄になってしまうこともあります。
本記事ではリテーナーをサボったらどうなるかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • リテーナー(保定装置)とは
  • リテーナーをサボったらどうなるのか
  • リテーナーをサボった場合の対処法

リテーナーをサボったらどうなるかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

リテーナー(保定装置)とは

リテーナー(保定装置)とは

リテーナー(保定装置)とは、一体どのような役割を果たすのでしょうか?歯列矯正治療後、歯並びがもとに戻らないようにするために重要なリテーナーを詳しく解説します。

リテーナーを装着する意味

リテーナーとは、矯正治療後に歯並びを維持するために使用される装置です。歯列矯正治療で歯を動かしても、歯は自然に元の位置に戻ろうとする力が働きます。後戻りを防ぐため、歯列矯正治療後はリテーナーの装着が必要です。歯を新しい位置に安定させるための重要な役割を果たします。

リテーナーを装着する意味は、歯列矯正で整えた歯並びを保つためだけでなく、歯周組織の再形成を助けるためでもあります。歯は歯槽骨や歯肉に囲まれていますが、矯正後すぐにこれらの組織が新しい位置に適応するわけではありません。そのため、リテーナーを使用して一定期間歯を固定し、安定した歯並びを実現させます。

リテーナーには、取り外しが可能なタイプや固定式のものがあり、それぞれのタイプに応じた使用方法や管理が求められます。リテーナーを適切に使うことで、歯列矯正治療の成果を長く保ち、美しい歯並びを維持できるようになります。正しい装着とケアを怠らないことが、後戻りを防ぐための鍵となります。

リテーナーを装着する期間

リテーナーを装着する期間には個人差がありますが、1年〜3年程度が目安とされています。ただし、長期的な保定が推奨されることもあり、場合によっては一生使用し続けることが望ましいこともあります。

リテーナーを装着する期間中、最初の数ヶ月は歯が新しい位置に定着するために重要で、ほぼ24時間の装着が必要です。その後は、少しずつ装着時間を短縮し、最終的には就寝時だけの装着に移行するケースがよく見られます。

リテーナーを使用する期間中は、装着時間やお手入れの方法を守ることが重要です。適切に使用しないと、歯並びがもとに戻るリスクが高まるため、歯列矯正治療の効果を持続させるためにも、リテーナーの装着は欠かせません。

リテーナーをサボったらどうなるのか

リテーナーをサボったらどうなるのか

リテーナーをサボると、どのような影響が出るのでしょうか?歯列矯正後の歯並びがもとに戻るリスクや、再度治療が必要になるケースもあるので注意が必要です。

再装着時に痛みが伴う

リテーナーをサボってしまうと、再装着時に痛みや違和感を感じることがあります。リテーナーは、1日でもサボると歯が少しずつ元の位置に戻ろうとするため、装着時に強い圧迫感や痛みを伴うことがあります。

リテーナーを数日間使用しなかった場合、歯の動きが顕著になり、再装着時には痛みが強くなりがちです。これは、歯列矯正治療によって移動した歯が、新しい位置で安定していないために起こる現象です。そのため、リテーナーを再び装着しようとすると、歯が戻ろうとする動きを止めるため、圧力がかかり痛みが生じます。

痛みを感じた場合でも、リテーナーを正しく装着し続けることが大切です。ただし、痛みがあまりにも強い場合や、リテーナーが装着できなくなるくらい歯が動いてしまった場合には、歯科医に相談が必要です。

リテーナーをサボることは、再矯正が必要になるリスクを高めます。日常生活のなかでリテーナーの装着を習慣づけ、装着をサボらないよう心がけることが重要です。

リテーナーの作り直しが必要になってしまう

リテーナーをサボると、歯並びがもとに戻るリスクが高まるだけでなく、装置の作り直しが必要になることもあるようです。リテーナーの装着を怠ると、少しずつ歯が動いてしまい、装置が合わなくなることがあります。

もし、リテーナーが合わなくなった場合、再度新しいリテーナーを製作しなければならないことがあります。作り直しには、時間や費用がかかるため、サボり続けることは経済的にも負担となります。また、歯が大きく動いてしまった場合は、再矯正が必要になることもあり、さらに大きな治療費と時間がかかる可能性があります。

リテーナーの使用をサボらないように、定期的な装着を心がけ、もし装置が合わなくなった場合は、早めに歯科医に相談しましょう。

再矯正を行うケースもある

リテーナーの装着期間が短い段階でサボってしまった場合、歯の動きが顕著になることがあり、結果的に再び矯正治療が必要になることもあります。再矯正が必要になると、初回と同じく時間と費用がかかるだけでなく、心理的な負担も増してしまうかもしれません。

さらに、歯が動いてしまうとリテーナー自体が合わなくなるケースもあります。この場合、リテーナーの再製作が必要になるため、さらに費用が発生します。歯列矯正治療を行ったクリニックでの診察を早めに受け、必要な対策を講じることが大切です。

リテーナーは、歯列矯正後の歯並びを保つために欠かせません。サボってしまうと再治療のリスクが高まるため、決められた期間と時間を守ってリテーナーを使い続けることが重要です。

リテーナーをサボった場合の対処法

リテーナーをサボった場合の対処法

リテーナーをサボってしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか?装着できる場合とできない場合で適切な対処法が異なるため、詳しく解説します。

リテーナーを装着できる場合

リテーナーをサボってしまった場合でも、まだ装着できる場合には、早急にリテーナーを装着するのが重要です。

まず、以前と同じように違和感なく装着できる場合は、歯の動きがあまり進んでいない可能性があります。この場合、すぐにリテーナーを装着して、歯並びがもとに戻るのを防ぎましょう。リテーナーのサボりが軽度であれば、再びリテーナーを使い始めることで問題が解決する場合がよくあります。

装着時に少しの違和感や圧迫感がある場合も、時間をかけて再度リテーナーを着用し続けることで改善が期待できます。数時間から数日間、リテーナーをつけることで、歯が少しずつ元の位置に戻る可能性があります。

しかし、無理に装着して痛みを伴う場合や、リテーナーがしっかりと入らない場合は、無理に装着を続けるのは避けましょう。この場合は、かかりつけの歯科医師に相談し、必要であれば調整を行ってもらうことが大切です。

リテーナーをサボってしまっても、早めに対処すれば再矯正が必要になるリスクを軽減できます。定期的な装着と歯科医師のアドバイスを参考にして、歯並びを保つための適切な管理を行うよう心がけましょう。

リテーナーを装着できない場合

リテーナーを一定期間サボると、歯が少しずつ元の位置に戻ってしまい、リテーナーがはまらなくなることがあります。無理に装着すると痛みが生じるだけでなく、歯にダメージを与える恐れがあるため、自己判断でリテーナーを無理に装着しないように注意しましょう。

まず、早めに歯科医に相談するのが大切です。歯がわずかに動いた場合であれば、リテーナーの調整によって再び装着できる場合もあります。しかし、リテーナーがまったくはまらない場合や、長期間サボってしまった場合は、リテーナーを新しく作り直す必要が出てくることもあります。

さらに、リテーナーをサボった期間が長いと、再度歯の動きをもとに戻すために再矯正が必要になるケースもあります。この場合、歯列矯正治療が再び必要となり、時間や費用がかかるため、リテーナーを継続的に使用する重要性がわかります。

結論として、リテーナーが装着できなくなった場合は、すぐに歯科医に相談し、適切な対処を行うことが大切です。

リテーナー使用時の注意点

リテーナー使用時の注意点

リテーナー使用時に、どのような点に注意すればよいのでしょうか?保定期間や装着時間を守ることはもちろん、食事やお手入れ、破損に対する注意点も重要です。

保定期間と装着時間を守る

リテーナーは、保定期間や装着時間をしっかり守ることがとても大切です。保定期間は1~2年程度とされており、この間はリテーナーの装着が欠かせません。歯は、歯列矯正治療後しばらくは新しい位置に安定しておらず、リテーナーを使って少しずつ定着させる必要があります。

保定期間にリテーナーを正しく装着しないと、せっかくの歯列矯正治療の効果が失われ、歯が元の位置に戻ってしまう可能性が高くなります。

また、1日あたりの装着時間も大変重要です。リテーナーは1日20時間以上の装着が推奨されており、食事や歯磨きの際を除き、できるだけ長く装着しておくことが歯の後戻りを防ぐために必要です。

装着時間が短いと、リテーナーの効果が十分に発揮されず、歯並びが崩れるリスクが高まります。

食事のときはリテーナーを外す

リテーナーを使用している間は、食事の際にリテーナーを外すことが推奨されています。リテーナーを装着したまま食事をすると、食べ物のかけらがリテーナーと歯の間に入り込み、細菌が繁殖しやすくなり、口臭やむし歯、歯周病のリスクが高まる可能性があります。

また、リテーナーは硬い食べ物や飲み物の影響を受けやすく、破損する場合があります。

リテーナーはとてもデリケートな装置であり、噛む力や熱に弱いため、装着したまま食べ物を噛んだり、熱い飲み物を飲んだりすると変形や破損のリスクが高まります。なかでも、熱い飲み物はプラスチック部分を変形させる可能性があるため、注意が必要です。

さらに、リテーナーをつけたまま食事をすると、リテーナー自体が汚れやすくなり、清掃が困難になることもあります。汚れが残ると、衛生状態が悪化し、装置の劣化を早めることにもつながります。

食事の際はリテーナーを外し、食後に歯をきれいに磨いた後、再び装着するよう推奨されています。

正しいお手入れを行う

リテーナーを正しく使用するためには、適切なお手入れが欠かせません。汚れや細菌の蓄積を防ぐために、毎日リテーナーを清潔に保つことが重要です。

まず、リテーナーを外した後は流水で洗い流し、歯ブラシを使って優しく磨きます。歯磨き粉は研磨剤が含まれている場合があるため、リテーナーが傷つく恐れがあり、使用は避けた方がよいでしょう。

また、リテーナー専用の洗浄剤を使用すると効果が期待できます。専用洗浄剤を定期的に使うことで、リテーナーに付着する細菌や臭いを取り除けます。ただし、熱湯での洗浄はリテーナーが変形する可能性があるため、常温の水を使うようにしましょう。

さらに、リテーナーを保管する際には、専用のケースを使用して、紛失や破損のリスクを減らせます。使用していない時は、直射日光や高温を避けた場所に保管し、適切な環境を整えることが大切です。

正しいお手入れを行えば、リテーナーの清潔さを保ち、長期間快適に使用できます。毎日のメンテナンスを習慣化し、トラブルのない保定期間を過ごしましょう。

破損や紛失に気を付ける

リテーナーを使用する際には、破損や紛失に注意する必要があります。リテーナーは大変繊細な装置であり、正しい管理が欠かせません。

リテーナーを外す際は、リテーナーケースに入れるようにしましょう。なかでも、食事中や歯磨きの際にリテーナーを外すことが頻繁にあるため、紛失防止のためにケースに入れる習慣をつけることが重要です。ティッシュやポケットに直接入れてしまうと、気付かずに捨てたり、破損してしまうリスクが高まります。

リテーナーが破損したり、紛失してしまった場合は、すぐに歯科医院に連絡しましょう。放置すると、歯並びがもとに戻る可能性があるため、迅速な対応が求められます。歯科医院では、破損した場合に修理や新しいリテーナーの製作を行ってくれますが、修理には時間がかかることもあるため、できる限り破損や紛失を避けることが重要です。

また、リテーナーはデリケートな素材で作られているため、力を入れて外すと壊れてしまうこともあります。丁寧に取り扱い、長く使用できるよう心がけることが大切です。

まとめ

まとめ

ここまでリテーナーをサボったらどうなるかについてお伝えしてきました。リテーナーをサボったらどうなるかの要点をまとめると以下のとおりです。

  • リテーナー(保定装置)とは、歯列矯正後に歯を正しい位置に保つために使用する装置のこと
  • リテーナーをサボると、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りが起こり、歯並びが崩れる可能性がある
  • リテーナーをサボった場合、早めに装着を再開するか、歯科医に相談して新しいリテーナーや再矯正を検討する必要がある

サボらずにリテーナーを使用すれば、歯列矯正治療の効果が長期間にわたり維持され、美しい歯並びが保たれます。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
竹本 竜太朗医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

竹本 竜太朗医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

北海道大学歯学部 卒業 / 現在は北海道大学病院歯科診療センター勤務 / 専門は歯科矯正科

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