ワイヤー矯正

歯科矯正中でもスポーツはできる?スポーツをしていても可能な矯正の種類について解説!

歯科矯正中にスポーツ

歯科矯正中でもスポーツができるのか不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では歯科矯正中のスポーツについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯科矯正中でもスポーツはできるのか
  • 歯科矯正がもたらすスポーツ面でのメリット
  • 歯科矯正中にスポーツをする際の注意点

歯科矯正中のスポーツについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそも歯科矯正とは?

そもそも歯科矯正とは?

歯科矯正治療は、不正確な歯並びや噛み合わせの問題を修正する歯科の専門分野です。 具体的には、歯がふぞろいであったり、上下のアゴの歯並びがきちんと噛み合わない状態を修正します。このような状態を専門的には「不正咬合」と呼びます。 不正咬合を放置すると、食べ物が十分に噛めない、歯槽膿漏のリスクが高まる、口臭が発生する、さらにはアゴの関節に負担がかかるなどの問題があります。代表的な不正咬合の症例としては、出っ歯(上顎前突)、受け口(反対咬合)、八重歯や乱ぐい歯(叢生)、開咬、そして手術が必要な顎変形症などがあります。 治療では、矯正装置を使用して歯やアゴの骨に力をかけ、ゆっくりと動かしていきます。一般的には歯を削って差し歯にするようなことはありません。治療は専門の歯科医による診断と指導が必要であり、適切な治療計画と継続的なケアが不可欠です。

歯科矯正中でもスポーツはできる?

歯科矯正中でもスポーツはできる?

歯科矯正治療中にスポーツができるかどうか、多くの人が疑問に思うかもしれません。結論から言えば、矯正治療中でも基本的にはスポーツを楽しむことは可能です。しかし、スポーツの種類や状況によっては注意が必要です。 特に接触が激しいスポーツ(例:ボクシング、ラグビー)は、矯正装置が口元や歯にダメージを与えるリスクが高いです。そういったスポーツに参加する場合は、矯正装置に合わせたマウスガードの使用が推奨されます。ただし、矯正治療中は歯が頻繁に動くので、マウスガードも定期的に新しく作る必要があります。 非接触スポーツでも、意外と口元を怪我するリスクはあります。バドミントンやテニスなどで、ダブルスの際に味方のラケットが口元に当たるなどの不意な事故も考慮する必要があります。 マウスピース矯正の場合は、競技中に外せるため、怪我のリスクは比較的低いですが、もしマウスピースをはめたままスポーツをする場合は、後で破損がないか確認することが重要です。

スポーツをしていても可能な矯正の種類

スポーツをしていても可能な矯正の種類

矯正装置を使用しながらもスポーツ活動は続けられます。ここではスポーツをしていても可能な矯正方法をご紹介します。

表側矯正

ワイヤー矯正、特に表側矯正は、歯列矯正の中でも最も一般的な方法です。この方法の一番の特徴はその汎用性です。あらゆる矯正症例に対応可能で、理想的な歯並びを得やすいというメリットがあります。装置が表側に取り付けられるため、舌への影響が少なく、話す際や大きな声を出す状況でも問題ありません。 しかしこの方法のデメリットは、装置が目立ちやすい点です。特に金属製の装置は一目でわかることが多いですが、近年では目立ちにくい透明なプラスチックやセラミック製の装置も選べるようになっています。

裏側矯正

裏側矯正は、歯の裏側に矯正装置を取り付ける方法で、外から見て目立たないというメリットがあります。この矯正法は「舌側矯正」または「リンガル矯正」とも呼ばれ、特に大人の矯正治療に選ばれることが多いです。一方で、スポーツをする際や日常生活においてはいくつかのデメリットも考慮する必要があります。 装置が舌に触れやすく、発音に影響が出ること、また口内トラブルが起きやすいという点が挙げられます。さらに、技術的に難易度が高いため、対応しているクリニックが少なく、治療費や期間が長くなる可能性もあります。口腔ケアも表側矯正より難しく、特にブラッシングがしにくいというデメリットもあります。 総じて、目立ちにくさを優先するなら裏側矯正は良い選択ですが、その他の側面では慎重な検討が必要です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は透明なプラスチック製の装置を用いて、歯の位置を調整する矯正方法です。目立ちにくく、痛みも少ないため、大人を中心に多く選ばれています。特に「インビザライン」や「アソアライナー」などのブランドが人気です。 メリットとしては、装置が透明であるため目立たず、口腔内の怪我が少ない点が挙げられます。食事やブラッシングの際には取り外し可能で、金属アレルギーの心配もありません。また、通院頻度が少ないのも魅力です。 しかし、デメリットも存在します。自己管理が必要で、装着時間が短いと矯正効果が得られない可能性があります。また、飲食制限があるため、ライフスタイルに合わせる必要があります。適用できる症例が限られる点も注意が必要です。

歯科矯正のスポーツ面でのメリット

歯科矯正のスポーツ面でのメリット

歯科矯正がスポーツ面でプラスの影響を与える可能性があります。歯科矯正がスポーツでどのような利点を持つのかを解説します。

栄養素の吸収が良くなる

歯並びや噛み合わせが不整の場合、食べ物を十分に咀嚼できずに消化不良や栄養不足を招く可能性があります。しかし、歯科矯正治療によってこの問題が解消されると、その効果はただ美しい笑顔に留まらず、健康面にも大きな影響を与えます。 矯正治療後、正確な噛み合わせと整った歯並びは、食べ物を効率よく咀嚼する能力を高めます。これにより、食物がより細かく分解され、消化酵素と効率よく反応して栄養素の吸収が向上します。特に運動後の疲労回復に必要な栄養素の吸収効率も高まるため、全体的な健康促進に寄与します。

口腔のケガを防げる

凸凹した歯並びは、スポーツなどでボールや他の物が口に当たる際、口腔内に外傷を与える可能性が高くなります。特に八重歯などの不正咬合は、このような外傷リスクが高いとされています。 歯科矯正治療によって歯並びが整えられると、このような口腔内の外傷リスクも大幅に減少します。正確な噛み合わせと整った歯並びは、不意の衝撃による口腔内の傷つきにくさを向上させ、安全性を高めます。

パフォーマンスが向上する可能性がある

歯並びや噛み合わせの問題は、単なる口腔内の問題にとどまらないことが多いです。実は、これらの問題は身体全体のバランスにも影響を与える可能性があります。不正確な噛み合わせは顎の位置に影響を与え、それが首や背中、さらには全身に影響を及ぼすことがあるのです。 歯科矯正治療で歯並びや噛み合わせが整えられると、これによって身体のバランスも改善されることが期待できます。特にスポーツにおいては、身体のバランスが整うことで動作の安定性が向上する可能性があります。安定した動作は、より高いパフォーマンスを引き出す基盤となり、ゲームでの成功にも寄与します。

歯科矯正中にスポーツをする際の注意点

歯科矯正中にスポーツをする際の注意点

歯科矯正中にスポーツをする際にはどんなことに気を付ければよいのでしょうか?ここでは、歯科矯正中にスポーツを行う上での注意点を見ていきましょう。

激しくぶつかり合う競技は注意

ボクシングやラグビー、アメリカンフットボールなど、身体的に激しくぶつかり合う競技を行う方が矯正治療を考える場合、特別な注意が必要です。これらのスポーツに参加していると、口腔内に装着された矯正装置が外傷を引き起こすリスクが高まります。 そのため、矯正治療を開始する前には、スポーツの頻度や種類を担当医にしっかりと伝えて、治療プランを相談しましょう。裏側矯正(リンガル矯正)や専用のマウスガードの作成など、状況に応じた選択肢が考慮されます。 また、矯正装置を装着することで生じるリスクは、治療費や期間とともに、スポーツパフォーマンスにも影響を与える可能性があります。そのため、事前のしっかりとした計画と調整が必要となるでしょう。注意深く選択を行い、安全と効果のバランスを考慮した治療を目指しましょう。

矯正装置をつけたままスポーツドリンクを飲むのは避ける

マウスピース矯正中の方がスポーツを楽しむ際、水分補給は必要ですが、スポーツドリンクをマウスピースをつけたまま飲むのはおすすめできません。その理由は、スポーツドリンクに含まれる砂糖がマウスピース内に残り、虫歯の原因となる可能性が高いからです。 特に長時間マウスピースをつけている場合、砂糖と唾液が反応して細菌の繁殖を促進し、虫歯リスクが高まります。 矯正治療中に虫歯を発生させると、治療の効果を損ない、見た目にも影響が出てしまいます。そのため、運動中の水分補給は無糖の水を選ぶことが安全でおすすめです。

歯を食いしばる動作を避ける

マウスピース矯正中の方がスポーツやウェイトトレーニングをする場合、歯を強く食いしばる動作は避けた方が良いです。特に、ジムでのウェイトトレーニングなど、力を必要とするエクササイズでは、マウスピースが割れるリスクが高まります。割れたマウスピースは矯正効果を損ねるだけでなく、口内にケガをする可能性もあります。 もし歯を食いしばる習慣や、そのようなトレーニングを頻繁に行っている場合は、矯正治療の担当医に事前に相談が必要です。可能ならば、食いしばるような動作が少ない運動やトレーニングメニューに変更することも考慮に入れましょう。安全と効果的な矯正治療のために、動作と矯正装置の相互作用に注意を払うことが重要です。

まとめ

まとめ

ここまで歯科矯正中でもスポーツはできるのかお伝えしてきました。歯科矯正中のスポーツについて要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯科矯正中でもスポーツは可能だが、特に接触の多いスポーツでは注意が必要。
  • 歯科矯正治療で噛み合わせが改善されることによって、栄養素の吸収効率の上昇やパフォーマンス向上など、スポーツ面でのメリットがもたらされる可能性がある。
  • 歯科矯正中は、虫歯の原因になる可能性があるためマウスピースをつけたままスポーツドリンクを飲まない、マウスピースの損傷を防ぐために歯を強く食いしばる動作を避ける、また激しい競技を行う際は矯正器具の損傷に注意が必要。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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