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歯科矯正用アンカースクリューは痛い?痛みの原因と対処法について解説!

歯科矯正 アンカースクリュー 痛い

歯科矯正治療の痛みについて気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では歯科矯正治療に用いるアンカースクリューについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯科矯正治療に用いるアンカースクリューとは
  • アンカースクリューの痛みの原因
  • 痛みが強い時の対処法

歯科矯正治療に用いるアンカースクリューについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

そもそも歯科矯正治療に用いるアンカースクリューとは?

そもそも歯科矯正治療に用いるアンカースクリューとは?

歯科矯正用アンカースクリューは、チタン製の小さなネジで、直径が約1.5mm前後で長さは約6mm程度のものです。これはミニスクリューやミニインプラントとも呼ばれています。
アンカースクリューは、歯を引っ張る際に歯の代わりにアゴの骨を支点として使用します。その小ささから、従来難しかった歯の動かし方や治療期間の短縮が可能になりました。
このアンカースクリューを用いた矯正治療はインプラント矯正とも呼ばれていますが、歯科用インプラントとは異なり、治療が終わると抜去され、抜いた穴は数日で自然にふさがります。
アンカースクリューの導入により、より効果が期待できる効率的な歯科矯正治療が可能となり、患者の治療の負担を軽減できます。

アンカースクリューの植立は痛い?

アンカースクリューの植立は痛い?

歯科矯正用アンカースクリューの植立は、一般的にほとんど痛みを感じないとされています。アンカースクリューは直径1.5mm程度の小さなチタン製スクリューで、歯の周囲の骨部分に埋め込まれますが、その設置は電動トルクドライバーを使用して数分で完了し、出血もほとんどありません。
治療時には局所麻酔を行いますが、アンカースクリューの植立自体は短時間で行われるため、多くの患者さんが抵抗を感じることなく受けられます。また、アンカースクリューは歯を大きく動かす際や難しい症状に対応する際に用いられるため、それによって矯正治療の効率が向上するとされています。
しかし、個人差があるため、痛みに敏感な方は痛みを感じることもあります。治療前に歯科医師とよく相談し、不安や疑問を解消することが大切です。

アンカースクリューの痛みの原因

アンカースクリューの痛みの原因

では、もしアンカースクリューで痛みが出た際の原因は何でしょうか。解説します。

使用中の痛み

アンカースクリューの使用中に痛みや違和感が生じる原因はいくつか考えられます。 通常は約1週間ほどで痛みや違和感が軽減し、矯正の力によるスクリューの痛みはほとんどないとされています。
しかし、しばらくしてから痛みが生じた場合には、スクリューが緩んでいる場合や、周囲の組織に炎症が起こっている可能性があります。このような場合は、早めに担当医に診てもらいましょう。スクリューが緩むことで治療の効果が減少する可能性もあるため、早期対応が重要です。
また、アンカースクリューが頬や唇の内側、舌などの粘膜に当たっていることで口内炎ができて痛むこともあります。この場合は、スクリューと粘膜の接触を調整することで症状を軽減できることがあります。 治療中に痛みや不快感が生じた場合は、担当医に適切に報告し、状況を把握してもらうことが大切です。

撤去する時の痛み

アンカースクリューを撤去する際には、通常麻酔は不要で、表面麻酔のみで行われます。そのため、痛みはほとんどないか、ごくわずかであるといわれています。 除去した穴の表面の歯ぐきは2〜3日でふさがり、骨も1ヶ月程度で治る場合が多いです。

痛みが強い時の対処法

痛みが強い時の対処法

治療中の痛みが強い時の対処法も以下で解説していきます。

鎮痛剤の使用

アンカースクリューの埋め込み後に痛みが強い場合、歯科医が鎮痛薬を処方する場合があります。その際は指示に従って適切に服用し、様子を見ることが重要です。 もし痛みが心配な場合や兆候があれば、すぐに担当の歯科医に相談し、鎮痛薬の処方を受けるようにしましょう。確実に治療を進めるためにも、適切な処置を受けることが大切です。

歯科医師に相談

アンカースクリュー治療において痛みが強い時は、創部が感染している可能性もあります。鎮痛薬が効かない、我慢できないほどの痛みがある、または痛みがどんどん強くなっている場合は、早めに治療した病院へ相談することが大切です。歯科医師に痛みの状況や変化を伝えることで、適切な対処法や治療が行われ、悪化を防げます。

アンカースクリュー植立の稀なトラブル

アンカースクリュー植立の稀なトラブル

アンカースクリューを植立する際のトラブルも気になりますよね。以下で解説します。

時間がかかる

アンカースクリューの植立は通常順調に行われますが、稀なトラブルとしては骨が硬い場合に設置に時間がかかることが挙げられます。特にアゴががっしりしたタイプの方では、硬い皮質骨のためにスクリューが貫通するのに通常よりも時間がかかることがあります。
しかし、痛みを伴うことはほとんどなく、患者さんによって植立時間は異なります。通常は1本あたり3分程度で終わる場合もありますが、時間がかかる場合は15分以上かかることもあります。
このような場合、予め骨の硬さを予測し、プレドリリングという手法が用いられることもあります。これは、先に細いドリルで設置予定部位の骨にガイドの穴を開けてからスクリューを入れる方法で、痛みを伴うわけではありませんが、大きな振動が生じるため苦手な方もいます。上あごの中央にスクリューを設置する場合は、他の部位よりも骨が非常に硬く、必ずプレドリリングが必要になります。

スクリューの先が歯根や神経血管に接近

稀にスクリューの先が歯根や神経血管に接近する場合があり、かなりの痛みが発生することがあります。この場合は、スクリューを外し植立位置の変更を検討する必要があります。また、上の歯ぐきにスクリューを設置する際には、上顎洞という鼻の空洞にスクリュー先端が近接することもあります。
スクリュー先端が上顎洞や広い鼻の空洞に近接する場合、炎症を起こしている上顎洞や広い鼻の空洞により頬全体が痺れるような感覚が生じる場合があります。このような状況では、スクリューの設置を中止することが検討されます。

スクリューが折れる

過去には手動で植立される純チタン製のアンカースクリューが、特に上あごの後方領域や内側の正中部のような骨の硬い部位で折れる事例が報告されていました。しかし、近年ではチタン合金の使用と電動トルクドライバーの導入により、ほとんど破折する事例はなくなりました。
それでも極めて稀な確率で植立途中に偶発的に折れることがあるものの、専用の器具で浅い位置の先端を撤去できるため、生体に害はありません。深い位置に残った場合は除去が困難なため、そのまま置かれることになりますが、これも問題はなく、レントゲンで確認することが可能です。

まとめ

まとめ

ここまで歯科矯正用アンカースクリューについてお伝えしてきました。歯科矯正用 アンカースクリューの要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯科矯正用アンカースクリューとは、チタン製の小さなネジで、歯を引っ張る際に歯の代わりにアゴの骨を支点として使用するもの
  • アンカースクリューの痛みの原因はスクリューが緩んでいたり、周囲の組織に炎症が起こっていたり、アンカースクリューが頬や唇の内側、舌などの粘膜に当たって口内炎ができて痛む場合がある
  • 痛みが強い時の対処法は、鎮痛剤を使用することや歯科医師に相談すること

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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