ワイヤー矯正

ガミースマイルとは?原因や治し方、矯正治療などについて解説

ガミースマイルは笑顔のときに歯ぐきが大きく見える状態のことを指します。原因には、口周りの筋肉や骨格、歯並びや歯ぐき・歯の大きさなどが関係しています。

実際に、ガミースマイルに悩んでいる人や自力で治す方法はないかと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。 自然に状態が良くなることはありませんが、外科的矯正などでの治療が可能です。

f今回はガミースマイルの原因や治し方などの疑問に答えていきます。

ガミースマイルとは?

ガミースマイルとは?

ガミースマイルとはどういう意味ですか?
ガミースマイルとは、笑顔のときに歯ぐきが目立ってしまう状態を指します。英語ではgummy face(ガミーフェイス)と言い、愛嬌があって可愛いイメージに見られることもあります。しかし、歯ぐきが目立つことを気にするあまり、思い切り笑えなくなるケースもあり、人によって捉え方はさまざまです。
ガミースマイルになる原因を教えてください。
ガミースマイルの原因は、下記の原因が挙げられます。 口周りの筋肉 歯の大きさ 骨格や歯並び 上唇を引き上げる筋肉が強いと唇がめくれ上がり、歯ぐきが目立ってしまいます。また上唇が薄い人や、歯が平均より小さい人も歯ぐきが目立ちやすく、歯の大きさも原因の一つです。
骨格や歯並びは歯ぐきが目立つ原因になりやすく、上顎が前に出ていたり、上顎の骨が縦に長かったりすると、歯ぐきが露出しやすくなります。歯並びが悪く、上顎の歯の位置が低いことも同様です。
ガミースマイルは女性に多いと聞きます。
女性に多いというエビデンスはありません。ガミースマイルをチャームポイントにしている女性の芸能人がいるため、なんとなく女性に多いと思われているのかもしれません。
男性よりも女性の方が審美的な観点で見られやすいことも、女性に多いと言われる要因と考えられます。男性も笑顔を美しくするために治療を希望することがあります。
ガミースマイルは子どもに遺伝しますか?
顎の形などの骨格は遺伝的要因が関与するため、子どもに遺伝することがあります。ただし、すべてが遺伝が原因であると断定はできません。
指しゃぶりなどの悪い癖は不正咬合を誘発しますが、早めにやめさせることで予防できます。また、口周りの筋肉を鍛えることによっても、軽度の状態であれば改善できる可能性があります。

ガミースマイルの治し方

ガミースマイルの治し方

ガミースマイルは自然に治りますか?
永久歯に生え替わる時期に治ることもありますが、自然に治ることはありません。歯ぐきが目立たないように笑う練習をしても口元の構造は何ら変わらず、不自然な笑顔になってしまうでしょう。
口元の構造自体が変わらないと、無意識に笑うときには歯ぐきが露出してしまいます。意識して笑うときも歯ぐきが露出していないかが絶えず気になり、笑顔をためらってしまうこともあるかもしれません。
自力で治すことはできませんが、遺伝的要因や癖などの原因に応じた適切な治療を受けることが改善につながります。まずは医療機関に相談してみてください。
ガミースマイルは何科で治療できますか?
まず歯科医院を受診しましょう。歯科医院は口腔周囲に精通しており、診察を受けると原因が判明します。治療するには原因を究明することが不可欠です。
どのような理由で歯ぐきが大きく露出するのかがわかれば、原因に応じた適切な治療をすることで改善が見込めます。なお、歯科医院で対応できない場合は、形成外科などの診療科と連携して治療を行うことがあります。
ガミースマイルの治療法を教えてください
治し方は原因によって異なります。
口周りの筋肉が原因の場合は、筋弛緩作用のある天然のタンパク質注射で改善が見込める場合があります。手軽に治療を受けやすいものの、効果が持続するのは半年程度なので継続的な治療が必要です。

また、上唇と歯ぐきのあいだの粘膜を切除して、笑ったときに見える歯ぐきの大きさを調整する上唇粘膜切除術も治療法の一つとなります。

歯や歯ぐきの大きさが原因の場合は、歯肉整形や骨整形などの歯周外科手術が主な治療方法です。場合によっては、矯正治療と組み合わせるケースもあります。 骨格や歯並びが原因の場合は主にワイヤーによる矯正治療が必要です。矯正治療の内容や期間などについては、記事後半で解説します。

いずれの治療法も歯科医院で対応できますが、対応していない歯科医院もあるため、事前に診療内容を確認しておきましょう。

ガミースマイルの治療は保険適用されますか?
外科的矯正治療あれば保険適用され、高額療養費制度の利用も可能です。外科的矯正治療とは骨格が大きな原因である場合に、通常の矯正治療に加えて行われる外科手術による治療法を指します。
上顎が前に出ていたり上顎の骨が縦に長かったりする場合、顎外科手術で顎の骨を移動させることで噛み合わせの改善が見込めます。歯並びが良くなると歯ぐきが大きく露出する状態も改善するでしょう。
なお、保険適用になるのは外科的矯正治療であり、筋弛緩作用のある天然のタンパク質の注射や歯肉整形などは保険適用されません。顎外科手術を併用しない矯正治療も健康保険は適用外となり、自費診療になります。

ガミースマイルの矯正治療の内容

ガミースマイルの矯正治療の内容

マウスピース矯正(インビザライン)でガミースマイルは改善できますか?
歯並びが原因で歯ぐきの露出がそれほど大きくない場合は、マウスピース矯正でも改善が見込めることがあります。前歯が突出していると歯ぐきが目立ちやすくなりますが、マウスピース矯正で前歯を奥に引っ込めると歯ぐきが露出しにくくなります。
過蓋咬合が原因で、歯ぐきの露出がそれほど大きくない場合もマウスピース矯正で改善できる可能性があるでしょう。ただし、重度の場合はマウスピース矯正で改善するのは困難なので、ワイヤー矯正と併用することもあります。
セラミック矯正※でガミースマイルは改善できますか?
セラミック矯正※をしても歯肉の形態は変わらないため、改善するのは困難です。ただし、歯肉整形や骨整形と併用すれば改善できる見込みはあります。
セラミック矯正をすると美しい歯を目指せるため、笑ったときの印象が良くなる可能性もあるでしょう。治療期間が他の矯正治療と比べると短いこともメリットです。
しかし、セラミック矯正では健康な歯を削らなければならず、デメリットがあることも知っておきましょう。※歯牙を切削し歯冠補綴を施し、見た目を変える治療のこと
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療はガミースマイルの改善に役立ちますか?
外科的矯正治療が必要な場合でも、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療のみでの単独治療ができる可能性があります。顎外科手術を避けたい場合は、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療という選択肢もあるため、治療方法が広がります。
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療は極めて小さなチタン製のネジを顎の骨に埋め込み、ネジを支点に歯を移動させる治療方法です。前歯の移動量を増やせるため、歯ぐきの露出も少なくなるでしょう。治療期間を短縮できることもメリットです。ただし、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療単独での歯牙の上方への移動量には限界があります。
歯列矯正の治療期間はどの程度ですか?
口腔の状態によって異なりますが、通院回数は1~2カ月に1回程度で、治療期間は約2年です。状態によっては3年程度かかる場合もあります。
上下の前歯が中心の場合は、マウスピース矯正だと5カ月~1年半、ワイヤー矯正だと1年前後かかります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ガミースマイルになる原因は、口周りの筋肉や骨格、歯並びや歯ぐき・歯の大きさなどさまざまな要因が関係しています。 原因に応じて外科的矯正治療や歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療、マウスピース矯正などで改善が見込める場合があります。 さまざまな治療方法がありますが、個人によって適切な治療方法は異なるので、まずは歯科医院で相談しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

記事をもっと見る
  • この記事の監修医師
  • 他の監修記事
坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

  1. 噛み合わせの治療で歯を削ることはある?歯を削るケースや削る際の痛みについて解説

  2. リテーナー装着中でも食べ歩きはできる?対処法や注意点を解説

  3. 歯列矯正で抜歯するのはいつ?抜歯が必要になるケースについても解説します

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340