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小児矯正は本当に意味ない? 親として知っておきたいデメリットや治療の効果について解説!

小児矯正は本当に意味ない? 親として知っておきたいデメリットや治療の効果について解説!

子どもの頃に受ける矯正は、とても重要であるという話を耳にすると同時に、大人の矯正も受けなければならないという話もよく聞きます。どうせ大人になってからも矯正を受けるのであれば、小児矯正には意味がないように感じる方もいらっしゃることでしょう。今回はそんな小児矯正には意味がないといわれる理由や意味のあるものにする方法などを詳しく解説します。

本当に意味がないか、小児矯正について知ろう

本当に意味がないか、小児矯正について知ろう 小児矯正に意味がないのかどうかを知る前に、まずは子どもの矯正の基本から学んでいきましょう。子どもの矯正は大人の矯正とは異なる面が多々あるため、その特徴や仕組みを正しく理解しておくことは重要です。

小児矯正とは

小児矯正とは、文字通り子どもが受ける矯正治療です。ひと言で子どもといっても年齢は幅広く、早ければ 3~4歳から小児矯正を始める場合もあります。小学校を上がって中学校や高校に入ってから小児矯正を始めるパターンも珍しくありません。これは小児矯正に2つの時期があるからです。具体的には、 第一期治療と第二期治療と呼ばれるもので、詳しくは後段で説明します。

治療の第一期と第二期

小児矯正の第一期治療と第二期治療には、それぞれ次のような特徴や条件があります。

・第一期治療
小児矯正の第一期治療は、 6~12歳くらいに行うのが一般的です。第一期治療は、子どもの 顎の発育を正常に促すことが主な目的となっているため、比較的早期に始めるのが望ましいのです。これを中学校に上がってから始めるとなると、もうすでに顎の骨の成長が終わりに近づいていることから、適切な効果が得られなくなります。ですから、小児矯正の第一期治療は、顎の骨の発育が活発な小学校のうちに行うケースが標準となります。

ただし、発育の状況には 個人差が見られるため、お子さんによっては小学校に上がる前に第一期を始めたり、中学校に上がってからも第一期治療が継続していたりする場合もあります。また、上段でも述べたように、歯並び・噛み合わせの状態によっては3~4歳という極めて早期の段階で第一期治療を行うこともあるのです。

・第一期治療だけでは不十分か
多くの人がイメージする小児矯正は第一期治療に該当しますが、それだけを行っても十分な結果が得られないことも珍しくありません。なぜなら、第一期治療はあくまで歯をきれいに並べるための 土台を作る、あるいは歯並びを悪くする習癖や要素を取り除く治療だからです。つまり、大人になってから受ける歯列矯正のように、U字型のきれいな 歯列弓(しれつきゅう)を作る処置や理想的な歯並びを形成する処置は、小児矯正で行うことが 難しいのです。そこで必要となるのが大人の歯列矯正とほぼ同じものである「第二期治療」です。

・第二期治療
第二期治療は、第一期治療が終わった後の 12歳以降に始めるのが一般的です。中学生や高校生で始めるケースがほとんどですが、大学生や社会人になってからでも受けられます。第二期治療は、小児矯正の 仕上げの段階で、マルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置を使って歯並びをきれいに整えていきます。いわゆる 歯列矯正に該当するもので、これを大人の矯正と捉えている人も少なくありません。もちろん、お子さんの歯並び・噛み合わせの状態によっては、第一期治療だけで完結できることもあるため、第二期治療は行わない可能性もあります。その点は主治医と相談しながら決めていくことが大切です。

小児矯正の種類

小児矯正の種類 小児矯正で用いる装置は、大人の矯正よりも バリエーションに富んでいます。具体的には、可撤式矯正装置、固定式矯正装置、顎外固定装置、MRC矯正といった4つの種類に大きく分けられます。名前だけ聞いても何を意味しているのかよくわからないことかと思いますので、個々の装置について詳しく説明します。

可撤式矯正装置

可撤式矯正装置(かてつしききょうせいそうち)とは、患者さんが取り外せる装置のことです。最もポピュラーなのは 「拡大床(かくだいしょう)」というプラスチック製のプレートと矯正用のワイヤーで構成された装置で、 歯列の拡大を主な目的として使用します。その他には、リップバンパーやムーシールド、バイオネーターなど、それぞれ出っ歯や受け口の原因となっている症状を取り除いたり、改善したりするための装置で、いずれも着脱式のマウスピースのような形態をとっています。子どものマウスピース矯正であるインビザライン・ファーストも広い意味では可撤式矯正装置のひとつといえるでしょう。

固定式矯正装置

固定式矯正装置(こていしききょうせいそうち)とは、文字通りお口の中に固定するタイプの装置です。小児矯正で広く用いられているのは 「急速拡大装置(きゅうそくかくだいそうち)」と呼ばれるもので、顎の骨の幅を短期間で広げることが可能です。 強力な拡大床と考えるとイメージしやすいかと思います。強い矯正力を働かせることで顎の骨を物理的に広げることができるため、 顎と歯列の幅が極端に狭くなっている症例にも有効です。固定式矯正装置にはその他にもバイヘリックスやクワドヘリックス、リンガルアーチなどがあります。それぞれの効果や適応症が気になる方は歯科医院に相談すると良いでしょう。

顎外固定装置

顎外固定装置(がくがいこていそうち)とは、 口腔外に装置を装着するものです。厳密には、口腔内にいくつかのパーツを設置して、口腔外のパーツを連結します。 上下の顎の骨がアンバランスなケースでよく用いられます。例えば、上の顎が成長しすぎているケースでは、ヘッドギアという顎外固定装置が有効です。逆に下の顎が成長しすぎているケースでは、チンキャップという装置が用いられます。上の顎を前方に成長させたい時は、上顎前方牽引装置(じょうがくぜんぽうけんいんそうち)というものが適応されます。どれも比較的目立ちやすい装置である点に注意が必要です。

MRC矯正

MRC(Myofunctional Research Corporation)矯正とは、マウスピースのような形をした装置とアクティビティを組み合わせて 歯並び・噛み合わせの異常を改善する矯正法です。マウスピースタイプの装置は、自宅にいる時に装着することで、口腔周囲の筋肉の活動を正常化させることができます。口呼吸を鼻呼吸に移行させることにも寄与することでしょう。さらに、舌や唇をはじめとした口腔周囲筋をさまざまな方法で トレーニングすることで、歯並びや骨格の異常を改善できるようになります。

小児矯正が意味ないと言われる理由

小児矯正が意味ないと言われる理由 ここからは、小児矯正は意味がないと言われる理由についての解説です。世間ではなぜ小児矯正が意味ないと考えられているのか。その疑問にお答えします。

むし歯になりやすい

小児矯正では必ず何らかの装置を装着しなければなりません。それは着脱式の装置である場合もあれば、固定式の装置である場合もあります。自由に取り外せる装置であっても 1日12時間以上の装着がルールとなっているのが基本であることから、お口の中が不衛生になりがちです。

小児期というのはただでさえむし歯になりやすい時期であるのに、その上で装置まで装着してしまうと 虫歯になるリスクは間違いなく上昇します。ですから、小児矯正中にむし歯を発症してしまう子どもは珍しくなく、歯並びの治療のために歯に深刻なダメージが及ぶようなら小児矯正に意味ないと考える方がいらっしゃっても不思議ではないのです。もちろん、小児矯正の期間中に適切なケアを維持すれば、むし歯のリスクも大きく下げられます。実際、小児矯正中にむし歯にならない子どももたくさんいます。

メンテナンスが大変

小児矯正中は、基本的にメンテナンスが大変になります。着脱式の装置を用いた場合は 食事や歯磨きの際に取り外す必要がありますし、その都度、口の中と装置の両方をケアしなければなりません。 歯科医院でのメンテナンスも定期的に受けなければならず、それほどの苦労をするのなら小児矯正は意味ないと感じてしまう気持ちも理解できます。

後戻りが起きることがある

小児矯正は、大人の矯正よりも後戻りが起こりにくい治療です。なぜなら小児矯正では顎の骨を拡大したり、発育する方向をコントロールしたりできるからです。小児矯正によって改善された骨格的な異常は、よほどのことがない限り後戻りはしません。けれども、矯正治療後の習慣・習癖によっては、それすら後戻りする可能性が出てきます。 長い年月をかけて矯正した顎や歯並びが 後戻りするのなら、小児矯正は意味ないと感じてしまいますよね。ただし、それは全体からみると 一部の症例であり、ほとんどのケースでは後戻りの起こらない良好な結果が得られるものと考えましょう。

治療期間が長い

小児矯正にかかる期間は、ケースによって大きく異なります。 6~12ヵ月程度で終わるケースもありますし、 2~3年かかるケースもあります。後者に関しては、どうしても治療期間が長いと感じてしまうことでしょう。また、小児矯正は永久歯列が完成してからの第二期治療が必要となるケースも少なくありません。第二期治療でも数年の期間を要するのなら、小児矯正の第一期治療は意味ないと感じる方がいてもおかしくはありません。けれども、小児矯正の第一期治療を受けた人は、 第二期治療の期間が短くなることも確かであり、6~12歳の時に受ける治療が意味ないものではないという点だけは強調しておきます。

小児矯正の意味はある!メリットを紹介

小児矯正の意味はある!メリットを紹介 上段では、小児矯正は意味ないと感じる理由を解説しましたが、実際は 意味があるケースがほとんどです。少なくとも以下に挙げる5つのポイントを知るだけでも、小児矯正に意味はあると感じられるかと思います。

歯を清潔に保ちやすくなる

小児矯正中は、装置による影響で歯磨きしにくい環境となりますが、歯並びが良くなった後は衛生環境が向上します。 ブラッシングしやすくなることで磨き残しが少なくなり、むし歯や歯周病リスクを低減できます。

発音が明瞭になる

悪い歯並びは、発音にも悪影響を与えます。小児矯正で歯並びや噛み合わせが正常化されれば、 舌の動きがスムーズになり、発音が悪くなることもなくなります。小児期にそうした発音障害を取り除けることは、お子さんのこれからの人生に大きなメリットをもたらしてくれることでしょう。

口元のコンプレックスが解消される

出っ歯や受け口、乱ぐい歯などの悪い歯並びは、 周りの友達に指摘されることで口元の コンプレックスとなります。小児矯正で歯並び・噛み合わせを改善すれば、そうしたコンプレックスに悩まされることもなくなります。もしかしたらこれはお子さん 本人が最も実感しやすい小児矯正のメリットかもしれません。

永久歯を抜かずに矯正できる場合がある

第二期治療で永久歯を抜く必要があるのは、スペースが不足しているからです。歯列や顎の幅が狭かったり、顎の長さが不足していたりすると、親知らずを除く 28本の永久歯をきれいに並べることが難しくなります。その問題を第二期治療で解決するとなると、抜歯が最も有効な方法となるのです。第一期治療で顎の骨の発育を正常化しておけば、永久歯列になった時にスペースが不足せず、 抜歯も回避できることが多くなります。

顎の歪みを軽減できる場合がある

骨格の異常に由来する顎の歪みは、小児矯正の 第一期治療でなければ改善が難しいです。第一期治療は意味ないので第二期治療から受ければ問題ないと考えていると、結果として顎の歪みを改善できない場合があります。

小児矯正の意味がなくなることを防ぐ

小児矯正の意味がなくなることを防ぐ このように、小児矯正を受ける意味は少なくとも5つ存在しています。ケースによっては小児矯正によってさらに多くのメリットを得られることでしょう。そこで皆さんには是非とも以下の2点に留意して、小児矯正を意味あるものにしていただきたいです。

小児矯正治療を受ける前に知っておくべきこと

小児矯正治療は、すべての人が必要となるわけではありません。そもそも小児矯正が必要のない人が治療を始めても適切な効果が得られず、意味ないものとなってしまいます。また、小児矯正は意味ないと感じられる デメリットについても正しく理解しておかないと、治療が終了してから後悔する可能性も高まります。

小児矯正治療の歯科医院の選び方

小児矯正治療は、歯科医院選びを慎重に行わないと失敗や後悔する可能性が高まります。小児矯正は、歯科の中でも 専門性が高い分野なので、経験が豊富な歯科医院に任せた方が良い結果が得られやすくなります。また、 カウンセリングを受けてみて、小児矯正治療を担当する先生との 相性を実際に確認しておくことも重要です。

まとめ

まとめ 今回は、小児矯正は意味ないといわれる理由や事前に知っておきたいメリット・デメリットについて解説しました。小児矯正中は、むし歯リスクが高くなったり、後戻りするリスクがあったりするため、子どもの頃に受けても意味ないと感じる方がいらっしゃいますが、適切に治療を受けることで驚くほど多くのメリットが得られます。そんな小児矯正の効果やメリット・デメリットについてもっと詳しく知りたいという方は、気軽に歯科医院に相談してみるのがおすすめです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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