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歯を抜かない歯科矯正「ストリッピング」とは?気になるメリットやデメリットについて徹底解説!

歯科矯正 ストリッピング

非抜歯でできる歯科矯正「ストリッピング」とはどのような治療法なのでしょうか? 本記事では、ストリッピングについて以下の点を中心にご紹介します!

  • 歯科矯正について
  • 抜歯せずに矯正治療ができる「ストリッピング」
  • ストリッピングのメリットとデメリット

ストリッピングについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

歯科矯正について

歯科矯正について

歯科矯正で歯が動く仕組みを教えてください。
歯は矯正装置によって力がかけられると、骨の吸収と再生が繰り返されて徐々に移動していきます。具体的には、まず歯を動かし始めると、そのエネルギーは歯根膜に伝達されます。歯が移動する側の歯根膜は収縮し、反対側は引っ張られて歯根膜が引き延ばされます。収縮した歯根膜は、もとの厚みに戻ろうと努力し、骨を溶かす細胞が動き出します。一方、歯根膜が伸びた方は元の厚さに縮もうと骨を作り出します。この骨を溶かす・作るサイクルを繰り返すことで、歯並びを整えます。
歯科矯正はどんな人におすすめですか?
歯科矯正は、全ての人に必要な治療ではなく、個々の状況によります。 しかし、以下の3つの状況のいずれかに該当する場合、歯科矯正が推奨されることがあります。

  • 噛み合わせに問題がある場合:正しく噛み合わせられないと、食事や発音に影響を及ぼし、消化不良や歯の摩耗、顎関節症などを引き起こす可能性があります。
  • セルフケアが困難な場合:歯並びに問題があると、歯磨きが困難になり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 見た目に悩んでいる場合:もし歯並びや噛み合わせに対してコンプレックスを感じているならば、審美性を改善するための矯正治療が推奨されます。

これらの状況に当てはまる人々は、歯科矯正を通じて口腔機能の改善や美しい口元を得られるでしょう。また、自信を取り戻し、日常生活の質の向上も期待できます。

歯科矯正にはどのような種類がありますか?
歯科矯正にはさまざまな種類があります。その中でも主なものは以下の3つです。

  • 表側矯正:これは一般的な矯正方法で、金属製のブラケットをワイヤーで歯の表側に装着します。費用が安く丈夫であり、対応症例が多いことが特徴です。
  • 舌側矯正(裏側矯正):この方法では、歯の裏側にブラケットを装着します。矯正器具が目立ちにくいため、人に知られずに矯正治療を受けたい方や見た目を気にする方におすすめです。
  • マウスピース型矯正(インビザライン):透明で取り外し可能なマウスピース型の装置を使用します。必要に応じて外せるため、治療中のストレスを軽減できます。

これらの方法はそれぞれ特徴とメリットがあるため、自身のライフスタイルに合った方法を選びましょう。

抜歯せずに矯正治療ができる「ストリッピング」

抜歯せずに矯正治療ができる「ストリッピング」

そもそもストリッピングとはどのような治療法ですか?
ストリッピングとは、歯の側面を薄く削り、歯を整列させるためのスペースを作る矯正方法です。この方法を用いることで、歯を抜くことなく、歯並びを整えられます。 具体的には、歯の表面を覆っているエナメル質を0.2mm〜0.5mm程度削ります。これにより、複数の場所でスペースを確保し、歯を動かすことが可能になります。 また、ストリッピングはIPR、ディスキング、スライシングなどとも呼ばれています。これらの用語はすべて同じ治療法を指しています。
ストリッピングが適用される矯正方法は何ですか?
ストリッピングは、歯の間を微細に削ります。これにより歯科矯正の際に必要なスペースを作れます。また、この治療は歯の配置を良くするとともに、歯がスムーズに動くようにする目的で実施されます。特にマウスピース型矯正に適用されています。マウスピース型矯正とは、透明なマウスピースで歯を動かす矯正治療のことです。
ヤスリ以外に歯を削る方法はありますか?
歯を削る方法はヤスリ以外にもいくつかあります。その一つは「バーで削る」方法で、むし歯の治療と同じようにタービンに非常に細いバーをつけて削ります。バーの太さは色々あり、削る量を正確に調節できます。もう一つの方法は「ディスクで削る」です。この方法では、タービンに丸い円盤状のディスクを取り付けて歯と歯の間を削ります。また、ディスクの厚みが色々あり、削る量を調節できます。ただし、この方法はタービンの音が出るため、音に敏感な方にはおすすめできません。

ストリッピングのメリットとデメリット

ストリッピングのメリットとデメリット

ストリッピングのメリットを教えてください。
ストリッピングは、歯科矯正治療の一つで、歯の間を削ることで歯並びを整える方法です。 ストリッピングのメリットは以下の通りです。まずストリッピングは、歯を抜くことなく歯並びを整えられます。これは、特に成人の矯正治療に役立ちます。さらに目立つブラックトライアングル(歯と歯茎の間に見える黒い三角形のすき間)の改善も可能です。また、歯列の安定性を向上させ、矯正治療後の歯列が崩れにくくなります。
ストリッピングにはどのようなデメリットがありますか?
まず、歯を削る過程でエナメル質が失われると、その部分は二度と再生することはありません。エナメル質は歯の硬い部分で、外部からの刺激やむし歯を防ぐ重要な役割を果たしています。そのため、エナメル質が失われると、歯が弱くなり、むし歯や感染のリスクが高まる可能性があります。 また、歯を削ることで歯の神経が近くなり、痛みを感じやすくなる場合があります。特に治療中や治療直後は、神経が刺激されやすくなっているため、不快な痛みを感じることがあります。また、治療後も神経が敏感になっていることがあり、冷たいものや熱いものがしみるなどの症状が現れることがあります。 ストリッピングは歯を抜かない方法として選択されることが多いですが、失われたエナメル質は再生しないため、慎重な治療計画と歯科医師との十分なコミュニケーションが求められます。また、治療後は定期的な診察を受け、むし歯や歯のトラブルを早期に発見し、適切なケアをすることが重要です。
削ることで歯に悪影響はありませんか?
ストリッピングは、歯の間を削ることで歯並びを整える方法ですが、これによって歯に悪影響を及ぼすことはありません。歯の表面の層であるエナメル質をわずかに削りますが、エナメル質の厚さは1.5㎜ほどあるので、少し削ったくらいでは損傷は生じません。また、1本の歯を大量に削るわけではなく、複数の歯の側面を少量ずつ削り取ることにより、必要なスペースを作り出します。そのため、抜歯が必要な症例でも、ストリッピングを行うことで、歯を整列させるためのスペースを作り出せます。ただし、個人の状況によりますので、適切な治療法を選ぶことが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

まここまでストリッピングについてお伝えしてきました。 ストリッピングの要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯科矯正は、噛みあわせに問題がある方や歯並びによりセルフケアが困難な方や見た目に悩んでいる方におすすめ
  • ストリッピングとは、歯の側面を薄く削り、歯を整列させるためのスペースを作る矯正方法
  • ストリッピングは、歯を抜くことなく歯並びを整えられる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄歯科医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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