ワイヤー矯正

ワイヤー矯正の治療期間はどれくらい?早く終わらせるコツを解説

歯科用ミラーと女性

ワイヤー矯正による治療は、どのくらいの期間が必要なのかご存じでしょうか。1日で歯並びが改善されるというイメージをしている方は少ないと思います。

ワイヤー矯正では歯に少しずつ力をかけて歯を理想の歯並びになるまで移動させるため、数年単位での治療が必要となるのです。

こちらでは、ワイヤー矯正による治療期間や治療を早く終わらせるためのコツについて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ワイヤー矯正の治療期間はどれくらい?

歯列矯正をしている歯

ワイヤー矯正をした場合、どのくらいの治療期間が必要なのか気になる方も多いでしょう。

ワイヤー矯正では、歯にワイヤーを装着して理想とする歯並びになるまで歯を動かす治療期間と、歯からワイヤーを外した後に歯が元に戻ろうとするのを阻止するためにリテーナーを装着する保定期間があります。

こちらでは、治療期間と保定期間の2つの治療期間について詳しくみていきましょう。

治療期間

ワイヤー矯正に必要な治療期間として一般的にいわれるのは、成人している方で平均2年前後とされています。

歯の症状によって治療する内容が異なるため、個人差があるでしょう。歯並びを整える上で移動させる歯の量が多い方でも、長くて3年程度といわれています。

また、発達段階である小児の顎を整える矯正治療である小児矯正の場合は、1〜2年程度とされています。その後、生え変わった永久歯の歯並びをきれいにする場合はさらに2年前後の治療が必要となるでしょう。

保定期間

ワイヤー矯正での治療が終了した後には、歯並びが元の位置に戻ろうとする後戻りを防ぐ必要があります。

後戻りを防ぐために、リテーナーと呼ばれる保定装置を使います。約2年ほど保定装置を使うことで、ワイヤー矯正治療をした後も歯並びをきれいな状態で安定できるでしょう。

ワイヤー矯正を早く終わらせるコツ

男性患者と歯科衛生士

ワイヤー矯正は個人差はあるものの、2年程度は治療に時間が必要です。ワイヤー矯正の治療をスムーズに進め、少しでも早く治療を終わらせるためにはどうしたらよいのでしょうか。

こちらでは、ワイヤー矯正を早く終わらせる4つのコツについて詳しくみていきましょう。

丁寧な歯磨きでむし歯を予防する

歯ブラシを持った手

歯にブラケットやワイヤーを装着している部分には、食べかすが貯まりやすく歯ブラシも届きにくくなるのです。そのため、ワイヤーを装着する前よりもより丁寧な歯磨きが必要となるでしょう。

ブラケットやワイヤーは自分で取り外すことはできません。そのため、定期的な通院で歯のクリーニングをしてもらうことも大切ですが、毎日の歯磨きは自分で行うしかありません。

家でできるむし歯予防には、以下のようなものがあります。

  • デンタルフロス・歯間ブラシなどの補助用具
  • 電動の歯ブラシ
  • むし歯予防効果のある歯磨き粉
  • 歯磨き後に洗口液を使用

むし歯などの歯のトラブルは、毎日の丁寧な歯磨きで予防できるでしょう。

歯科医師に指示された装着時間を守る

歯にワイヤーを装着していると歯に痛みを感じて、取り外したくなることもあるでしょう。しかし、ワイヤーなどは歯科医師に指示された期間はしっかりと装着しておくことが必要です。

また、食事などをきっかけに装置が外れることもありますが、外れてしまっても慌てることはありません。次の受診日でもいいので放置せずに病院を受診しましょう。

ただし、装置が変形・破損してしまって何らかの痛みを感じる場合は、次の受診日を待つことなく早めに診察を受けることをおすすめします。

計画通りに通院する

診断書を書くドクター

ワイヤー矯正をするにあたって、治療計画が立てられます。年単位で治療を行うため、途中で治療を辞めたくなることもあるでしょう。

しかし、歯科矯正治療では計画通りに通院することが大切なのです。例えば、しっかりと歯並びが仕上がる前に矯正装置を外してしまうとスムーズに治療は進みません。

ワイヤーを外したあとにも、保定期間があります。その期間にも適切な処置を行わなければ、安定した歯並びを得ることはできないのです。

自己判断で治療を中断することはせず、歯科医師の指示に従いしっかりと計画的に通院することが大切でしょう。

リテーナーをしっかり装着する

ワイヤーによる歯を動かす治療が終了すると、ワイヤーが歯から外れます。しかし、そこで治療は終了ではありません。

ワイヤーを外したまま放置しておくと、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りと呼ばれるトラブルが発生してしまいます。

後戻りを防ぐために、リテーナーと呼ばれる装置をしっかりと装着しましょう。取り外しができるタイプのリテーナーの場合、食事や歯磨きのときに自分で取り外しができるので非常に便利です。

しかし、リテーナーの装着時間を自分で勝手に決めてはいけません。歯科医師に指示された時間を必ず守って装着するようにしましょう。

ワイヤー矯正で歯が動く仕組みは?

美しい白い歯

ワイヤー矯正とは、どのようにして歯を動かすのでしょうか。その仕組みについて、詳しくみていきましょう。

一般的な矯正治療の方法とは、どのようなものでしょうか。それは、歯に少しずつ力を加えて動かしていくことです。

歯に装着するために曲げたワイヤーが元の形に戻ろうとする力・ワイヤーのしなりを利用して歯を動かしていきます。

ワイヤーを使って弱い力を加え続けることで、必要に応じて以下のように歯を動かしていきます。

  • 水平や傾斜に移動させる
  • 回転させる
  • 引っ込める
  • 引っ張り出す

このように歯を動かすために少しずつ歯に力を加えていくために、細かい調整が必要となるでしょう。

そのため、歯の動きに応じた調整をするために月に1度程度の通院が必要となるわけです。

ワイヤー矯正の流れ

歯科矯正中 歯 女性

ワイヤー矯正を始める前に、ワイヤー矯正とはどのような流れで治療が行われるのかをしっかりと確認しておくことが大切でしょう。

ワイヤー矯正は保険適用の治療ではなく自由診療となり、全額自己負担となるため高額な治療といえるでしょう。

後悔しないためにもワイヤー矯正治療の流れをしっかりと掴んでおきたいものです。

カウンセリング

お客に説明 女性社員

ワイヤー矯正治療を希望する病院を受診し、しっかりとカウンセリングを受けましょう。カウンセリングでは、以下のようなことが行われます。

  • 患者さん自身の口の中や顎の状態
  • 歯などの症状の解説や歯科矯正治療の参考となる症例の解説
  • 歯に合った適切な矯正治療法のご提案
  • 治療期間・費用・治療の流れの説明

これらを詳しく説明してもらえるでしょう。

話を聞いてもよくわからなかったことや疑問・不安に思ったことは、しっかりと相談することが大切です。治療を始めてからでは変更できないこともあるでしょう。

他にも、治療にかかる期間や使用したいワイヤー装置の種類など治療において自分の希望がある場合はしっかりと話しておくことが大切です。

カウンセリングの段階で病院の対応に不信感がある場合は、病院をもう一度選び直すことも必要でしょう。

検査・診断

顎の痛み 診察 女医

カウンセリングでしっかりと話をした後は、問診や必要な検査が進められます。

  • デジタルレントゲンによる口周りの撮影
  • 口と顔の写真を撮影
  • 精密な歯型の採取

口の中の状態を詳しく把握することが大切です。

撮影結果や歯の症状によっては、顎の動きの機能を解析する検査や筋電図と呼ばれる顔の筋肉がどのように動いているかを調べる検査・CT撮影などが必要に応じて追加で行われることもあるでしょう。

これらの検査結果に基づき、歯科医師から説明があるでしょう。行った検査結果の分析と詳しい説明だけでなく、矯正治療後の横顔のシミュレーション画像を作成してもらえます。シミュレーション画像を見ることで、矯正へのモチベーションの向上にも繋がるでしょう。

また、検査によってどのような矯正方法で治療を進めていくかなどの治療方針がわかります。どのくらい費用がかかるのか、治療における注意点などを含めた今後の具体的な治療の流れの説明をしてもらいます。

矯正器具の準備

必要な検査などが終われば、ワイヤー矯正の器具を選んでいきます。ワイヤー矯正は歯にワイヤーを装着するため、周囲の人に歯科矯正をしていることがバレることに抵抗がある人もいるでしょう。

ワイヤーの多くは金属でできているものが主流です。今では、歯に装着しても目立ちにくいワイヤーを使用できます。

人によって口の中の色合いは異なります。口の中に馴染む色味である透明・ホワイト・ゴールドなどのワイヤーが登場しており、ワイヤーの存在感を減らせるでしょう。

装置の装着開始

ワイヤーの種類や色味などを決めると、いよいよ歯に装着して歯を動かしていきます。では、どのように装置を装着していくのでしょうか。

まずは、歯の表面にブラケットと呼ばれるものを装着します。これは、歯の1つ1つの表面に固定するものです。このブラケットには、透明やカラーがついているものなど種類があります。

次に、上下の歯に装着したブラケットに細い1本のワイヤーを通します。そして、ワイヤーをブラケットに固定すれば装着は終了です。

定期的な通院

歯にワイヤーを装着した後は、1ヵ月に1回ほどの通院が必要となるでしょう。治療内容によって異なりますが、1回あたりの所要時間は30〜60分くらいです。

この定期的な通院では、口の中のクリーニングをはじめ、むし歯・歯周病などのトラブルに対して適切な処置をしてもらいます。他には、口腔ケアや歯磨き指導などが行われるでしょう。

毎日歯磨きをしていても、歯に装置がついている磨き残しがあることがあります。むし歯ができてしまうと矯正期間が長引いてしまう場合があるでしょう。歯のトラブルを起こさないためにも、定期的な通院で歯を清潔に保つことが大切です。

仕事が忙しいなど予定が合わないために通院が難しいこともあるでしょう。そのような場合は、自己判断で通院を中止することはせずに病院に相談すれば、あなたに合った方法を提案してくれます。

保定期間の開始

ワイヤーによって歯を動かす治療が終了しても、まだ歯科矯正は完了ではありません。歯からワイヤーなどを外してしまうと、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りと呼ばれる現象が起こります。

歯並びの後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる保定装置を使います。こちらを使用することで、ワイヤーによる治療の後から歯の根本周辺の組織が安定するまで歯並びを固定していくのです。

リテーナーを外すのは、最初は食事中や歯磨きのときだけです。一日のほとんどをリテーナーを装着して過ごすことになります。

その後、様子をみながら3時間・6時間・12時間とリテーナーを外す時間を増やして様子をみます。リテーナーを装着していなくてもリテーナーによる圧迫を感じなくなれば、歯並びが安定したといえるでしょう。

ワイヤー矯正の費用相場

お金(投資・貯金)

歯科矯正の治療は、公的な医療保険は使えません。そのため、治療費を全額自己負担することになります。

ただし、例外として顎変形症・唇顎口蓋裂・顎顔面に変形をきたす先天性疾患がある場合は保険適用で治療を行える場合があります。詳しくは、歯科医師に相談するようにしましょう。

保険適用外となるワイヤー矯正をする場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

治療にかかる費用

歯の表側にワイヤーを装着して矯正する場合、約990,000円~1,100,000円(税込)かかるとされています。こちらは従来の方法で、幅広い種類の歯列を矯正できる方法です。

歯の表面にワイヤーを装着することに抵抗がある場合は、歯の裏側にワイヤーを装着する舌側矯正(裏側矯正)を選択できます。費用は約1,430,000円~1,595,000円(税込)となり、表側に装着するよりも値段がかかるのです。

他には、ハーフリンガルと呼ばれる上の歯は裏側、下の歯は表側にワイヤーを装着する矯正方法もあります。こちらの費用は、約1,210,000円~1,375,000円(税込)とされています。よく見える上の歯だけ裏側からにすることで費用を抑えながらワイヤーが見えない矯正ができるでしょう。

その他にかかる費用

ワイヤー矯正による歯を動かす治療にかかる費用は前述したとおりですが、それ以外にも費用がかかるのです。

歯の後戻りを防ぐために装着するリテーナーは、片顎で約38,500円(税込)となります。リテーナーを装着しないと歯が元の位置に戻ってしまうので、必要となるのです。

リテーナーを装着している間は、月に1回程度の受診が必要です。歯のクリーニングや歯磨き指導にも費用がかかります。

他にも、むし歯になってしまった場合はそれらを治療するために費用がかかるでしょう。できるだけ費用を抑えるためにも歯科医師の指示に従うとともに、定期的な受診を欠かさないようにします。

ワイヤー矯正の注意点

指でバツポーズをする女性

ワイヤー矯正を行うにあたって、いくつかの注意点があります。

まず、歯を移動させることや不要な歯を抜くことによる痛みが生じるでしょう。痛みの程度は個人差がありますが、全く痛みがないという人は少ないです。

次に、ワイヤーをきっかけに金属アレルギーを引き起こす場合があります。その場合は、金属アレルギーに対応した装置に切り替えることになるでしょう。

また、矯正が終了した後に親知らずが生えたり、年齢とともに歯を支えている骨が痩せてしまうと歯並びがまた悪くなることがあります。

すべての人に当てはまるわけではありませんが、トラブルが起こる可能性は誰にでもあるあることを知った上で治療を進めるようにしましょう。

まとめ

口元を指さす女性

ワイヤー矯正にかかる治療期間や治療期間を短くするポイントを紹介しました。

ワイヤー矯正では、個人差はありますが約2年の期間が必要になるでしょう。そして、ワイヤーによる治療が終了しても油断してはいけません。

歯が元の位置に戻らないためにもリテーナーをしっかりと装着しましょう。自己判断で治療を辞めることはせず、歯科医師の指示に従いましょう。

そして、歯磨きを怠らないようにしてむし歯など歯のトラブルを起こさないことを心がけます。そうすれば、できるだけ短い期間でワイヤー矯正を終えられるのです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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坂本 輝雄医師(東京歯科大学 千葉歯科医療センター 矯正歯科 臨床准教授)

東京歯科大学卒業 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 慶応義塾大学医学部形成外科学教室非常勤講師 米国オクラホマ大学歯科矯正学講座 Visiting Assistant Professor 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 東京歯科大学退職 東京歯科大学千葉歯科医療センター矯正歯科 臨床准教授

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