老後に歯並びは悪くなるのでしょうか?本記事では老後の悪い歯並びについて以下の点を中心にご紹介します。
- 老後に歯並びが悪くなる原因
- 老後に歯並びが悪いと起こるリスク
- 老後に歯並びが悪くならないためにできること
老後の悪い歯並びについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
老後は歯並びが悪くなるのか
かつては整った歯並びだったのに、ここ最近、歳を重ねるにつれて歯がずれてきたような気がする……。歯の位置が変わるのは、矯正治療のような人工的な介入だけではありません。
子供のころに歯の位置が整っていなくても、矯正治療を行えば美しい歯並びを手に入れられます。矯正治療では、歯にブラケットやワイヤーを取り付け、微弱な力を持続的に加えることで、歯を順次移動させ、理想的な位置に整えていくのはよく知られています。
しかし、人工的な力を介さずとも、歯に持続的な自然な圧力がかかることで、気づかないうちに歯並びが変わることも少なくありません。歳を重ねることで、歯の配置は微細に変わっていくものなのです。
老後に歯並びが悪くなる原因
老後に歯並びが悪くなる原因はなんでしょうか?
食いしばりや歯ぎしり
就寝時の歯ぎしりは、老後の歯並びの変化の一因となることがあります。歯ぎしりをすることで、過度な咬合力が歯にかかり、これが原因で歯が徐々に擦り減ることが起こります。歯が擦り減ると、歯並びにも影響が出ることがあり、時間とともに歯並びが悪化する可能性が高まります。特に、このような習慣が長期間続くと、歯の健康や美しさだけでなく、噛み合わせにも影響が出ることが考えられるため、注意が必要です。
歯科治療を途中でやめてしまう
治療を中断して放置すると、その歯にかかる負担が増大し、周囲の歯への咬合力も変わることが考えられます。このような変化は、噛み合わせのバランスを崩す可能性があり、結果として歯の位置や並びに影響を及ぼすことがあります。特に、長期間治療を放置すると、歯並びの悪化や他の歯への負担が増えるリスクが高まります。
加齢による擦り減り
年齢を重ねるにつれて、歯の表面は自然に摩耗してきます。この摩耗により、咬み合わせのバランスが変わることがあります。特に、一部の歯が過度に摩耗すると、噛む際のプレッシャーが特定の部分に偏りがちになります。この偏った圧力が、歯の位置や並びに変動をもたらすことが考えられ、結果的に歯並びが乱れるリスクが増えることがあります。
歯並びが悪いことで起こるリスク
老後に歯並びが悪いことにより起きるリスクにはどんな事があるのでしょうか?
むし歯や歯周病のリスク
歯並びが整っていないと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びが悪いと、ブラッシング時に歯の隙間や表面を十分に磨ききれないため、歯の汚れが残りやすくなります。このような状態が続くと、虫歯や歯周病を引き起こす菌が増え、それらの疾患の発症を促進します。
さらに、歯周病が進行すると、歯茎の退縮などの問題も生じる可能性があります。歯並びの悪い人は、同じケアをしても疾患のリスクが高くなることが考えられます。
顎関節症
歯並びが悪いと、顎の関節に過度なストレスがかかることがあります。このようなストレスが継続的にかかると、顎の周囲の筋肉のバランスが乱れ、顎関節症を引き起こす可能性が高まります。顎の近くで音がする、口を開け閉めする際に違和感や痛みを感じるなどの兆候があれば、顎関節症のサインかもしれません。
顎関節症は、顎の関節部分に関連する症状で、日常の癖や行動、例えば頬杖をつくことなども原因となります。食事時の咀嚼の偏りや、日常の小さな習慣が顎に影響を及ぼすことがあり、その中で不適切な咬み合わせも問題となる要因の1つです。
口臭の発生
悪い歯並びは、日常の歯のケアを難しくします。正確に言うと、悪い歯並びは、ブラッシングやフロスの際に歯の隙間や表面を完全にきれいにするのが難しくなります。この結果、歯の間や表面に汚れや細菌が残りやすくなり、それが口臭の原因となることがあります。たとえ入念にブラッシングしていても、不整な歯並びのために完全にクリーンにするのは難しい場合があります。もし口臭が気になる場合、歯の配置を調整することでケアがしやすくなるかもしれません。
全身の不調
かみ合わせの問題は、頭痛や肩の痛み、さらには消化の問題といった体のさまざまな不調を引き起こすことがあります。顎の周囲の筋肉の緊張が全身に影響を及ぼし、血流の悪化が関与することが考えられます。顎関節症を持つ人々は、頭痛や肩の痛み、消化の問題など、多岐にわたる症状を経験することが多いといわれています。歯の位置やかみ合わせの問題が、顎関節症を引き起こし、それがさらに体全体の健康問題を生む可能性があるのです。
老後に歯並びが悪くならないようにするには
老後に歯並びが悪くなるのを阻止するためにはなにができるのでしょうか?
むし歯や歯周病の予防
歯の位置が乱れる要因として、虫歯や歯周病といった口の中の問題が影響を及ぼすことがあります。これらの問題を未然に防ぐ、または早期に治療することは非常に重要です。特に、歯周病は初期の段階では症状が目立たないため、気づいた時には病状が進行していることが多いのです。
歯科の予防検診を受ける
痛みを感じないからといって、歯科診療所への受診を避ける人は少なくありません。 けれど、口の中の健康を維持するためには、定期的な検診が欠かせません。日常の歯磨きだけで、完璧にケアするのは難しく、虫歯や歯周病のリスクが潜んでいます。 待って症状が出てからの治療は、治療期間やコストが増加する可能性があります。定期的な受診を習慣化することで、問題を早めに察知し、将来の大きな負担を避けられるのです。
歯並びが悪くなってしまった場合
もうすでに歯並びが悪くなってしまっている場合はどうしたら良いのでしょうか?
癖を治す
歯の位置がすでに悪くなってしまっている場合、まずは日常における歯並びに良くないとされる癖を見直すことが大切です。例えば、口呼吸や舌の癖、爪や唇を噛んだり歯ぎしりや食いしばりなどが挙げられます。歯の位置を整えるための矯正治療を受けることも考えられますが、日常の癖が続いていると、治療後も再び歯の位置が乱れるリスクが高まります。 そのような癖を改善することで、治療がスムーズに進行し、治療後の再発を防ぐ助けとなります。
歯列矯正を視野に入れる
矯正治療を受ける際には、目指す結果をしっかりと定めることが重要です。 元の歯並びに戻すのか、それとも更に理想的な歯並びを目指すのか、治療のアプローチはその目標によって異なることがあります。
多くの人は、年齢を理由に矯正治療を諦めることがありますが、実際には年齢に関係なく矯正治療を受けられます。ただし、口腔内の健康状態や服用中の薬によっては、治療の適応が限られる場合も考えられます。
まとめ
ここまで老後の悪い歯並びについてお伝えしてきました。老後の悪い歯並びの要点をまとめると以下の通りです。
- 老後に歯並びが悪くなる原因には歯ぎしりなどの癖や加齢による歯のすり減りなどが原因となっている
- 老後歯並びが悪いと虫歯や歯周病になりやすいことや、口臭が酷くなることや全身の不調にもつながるなどのリスクがある
- 老後に歯並びを悪くしないためには定期的な歯科検診や歯並びにとって良くない癖を治すことが大切
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。